ラベル グローバル経済界 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル グローバル経済界 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年4月13日木曜日

Googleアカウントの乗っ取りは最大のリスク!!

Traveler's Supportasiaは17年目で、最大の危機を迎えました。

サイトの立ち上げ以来、更新に使用していたGoogleアカウントが、ロシアのクラッカー(ハッカー)に乗っ取られ、使用不能となってしまいました。これにより、前のアカウントに連携していた2000本余りの記事を載せたブログが全面的に更新不可能となりました。

これを機に全面リニューアルも検討しましたが、この度アカウントが復旧いたしましたので、更新を再開することに致します。

Androidの登場で、Googleアカウントはインターネットユーザーにとって切っても切れない関係になりました。Androidスマホのすべての機能を使うにはGoogleアカウントが絶対必須です。そのため、万が一に備え、Googleアカウントは最低でも3つ持つ必要があります。メインで使うGMail、スマホアプリの課金に使うGoogle Pay、そしてBloggerにブログをホストしている方はBloggerも、すべて別のアカウントにするのが理想です。

中でも、Google Payを連携するアカウントに、メインのクレジットカードを紐づけてはなりません。iPhoneとAndroidの両方をお持ちの方であれば、普段使いのスマホはiPhoneとし、Androidはサブに。iPhoneには2ファクタ認証を必ず設定してください。こうすれば万が一Apple IDのパスワードを乗っ取られても「許可しない」一発でハッカーの侵入は不可能です。当然その後にパスワードを変更すれば完璧に防衛できます。

メインカードはApple Payのみに紐づけ、QR決済アプリやモバイルSuica・PASMOもiPhoneのみで使用するようにしないといけません。さらにどうしてもの時に備えて、Apple PayにもGoogle Payにも紐づけないデビットカードないしはブランドプリペイドカードをメインのiPhoneで作っておき、そこに十分な残高を入れておくなどすれば、万が一生命線のApple IDが乗っ取られた場合でもカードが再発行できるまでの期間食べつなぐことができ、この上ない安心が得られます。

そして、Bloggerを設置したアカウントは、スマホから更新するとか、余程の事情がない限り、スマホには連携してはいけません。Google Payを別にはできないという方も、GmailとBloggerだけは別にしておかないと、Gmailを乗っ取られたときにBloggerも管理できなくなってしまいます。

ちなみに、ハッカーはGoogleアカウント以外に、Facebook、Instagram、TwitterといったSNS、またAmazonやAliexpressなどの国際通信販売サイト、そしてWISE・Paypalなど国際送金のアカウントを真っ先に狙ってきます。WISEはデフォルトでスマホを利用した2段階認証が行われますので、万が一パスワードを盗まれてもお手元のスマホでログインを拒否した後に、パスワードを変更すれば防衛できます。WISE以外の国際送金をお使いの方も、必ず2段階認証にしてください。

特にPaypalとGoogle Payの連携は不正があったときのリスクが極めて高くなります。PaypalアカウントをGoogle Payに連携すると「事前承認」システムが効いてしまい、その後に不正使用を主張したとしても一切返金されません。さらにPaypalアカウントを解約する際に残高が残っていると、全額Paypalが指定する慈善団体に寄付され、ユーザーには1円も返ってきません。

なお、主要なSNSのアカウントは防衛することができましたので、董事長ふくちゃんの連絡先をご存じの方は今後も他のSNSのメッセージ機能でご連絡くださいませ。

それでは、引き続き皆様にはご指導ご鞭撻賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2021年6月30日水曜日

「外貨両替用」ブランドプリペイドカード、終了相次ぐ

資金決済法(2009=平成21年法律59号)の施行に伴い、2010年から参入が相次いだブランドプリペイドカードが、大きな曲がり角を迎えています。中でもトラベラーズチェックの代替として海外旅行客を狙った商品では、コロナ禍によって海外旅行需要が壊滅したことによって、サービス終了に追い込まれるものが出始めています。

クレディセゾン(東京都豊島区、東証1部上場)は、外貨両替用プリペイドカードのはしりとも言える商品だった『NEO MONEY』を、9月30日限りで完全終了とします。既に4月27日をもって新規の発行受付を締め切り、7月30日(金)にはチャージの受付も終了します。また、同じくクレディセゾンが開発、運用してきたJP BANK ゆうちょ銀行(東京都千代田区、東証1部上場)の『mijika』も、2022年春に新商品へリニューアルした上で終了することが既に発表されています。

ポイントサイト大手『ハピタス』を運営するオズビジョン(東京都千代田区)の子会社が手掛けているポイント集約サイト『Pollet(ポレット)』は、サービス自体は存続するもののブランドプリペイドカード事業を全面的に取りやめます。今日6月30日限りでプリペイドカードの新規発行を取りやめ、チャージは9月30日まで、ブランドプリペイドカード事業の完全終了は2022年1月31日を予定しています。

もっともPolletの場合、ハピタスで獲得したポイントを1度に30万円相当まで移行できる利点があります(ハピタス本体から他の集約サイトや銀行振込へ移行する場合は1度に3万円まで)。このためハピタスを含む日本の主要ポイントサイトすべてに対応したポイント集約機能は継続し、集約したポイントを銀行振込で出金できるようにします。一方で、中古品・金券などの買取『モノチャージ』を強化し、今後の事業の柱に育てる狙いです。

一方で、外貨両替最大手のトラベレックスジャパン(東京都港区)が発行する『キャッシュパスポート』と、新生銀行(東京都中央区、東証1部上場)が自行キャッシュカードの代替として普及を目指している『GAICA』は存続します。

2021年6月2日水曜日

楽天カードが『2枚』持てるルール改正

楽天カード(東京都港区)は、これまで1人の会員が持てるブランドを原則として1つに制限しており、2つのブランドを持つには厳しい条件をクリアする必要がありました。これが、6月1日(火)から緩和され、原則として1人2ブランドまでの発行が許されることになりました。提携カードの『アルペングループ楽天カード』を所持している場合は、最大3ブランドの同時所有も出来ます。

楽天カードには、5大国際ブランドのうちダイナースクラブを除く4つ(VISA、Mastercard、AMEX、JCB)があり、その中でもMastercardで発行している方が最も多いと思われます。これは、VISAには最近までなかったデザインカードがあるためです(『お買いものパンダ』『楽天イーグルス』『バルセロナFC』など)。しかし、これまでは楽天カードをMastercardで発行すると、同時に他のブランドの楽天カードを所持することは出来ませんでした(プレミアムカードにオプションで発行できる『楽天ビジネスカード』を除く)。

楽天カード(一般)のVISAだけを所持している方に限り、2枚目として他の3つのうちいずれか1つだけの発行が許されていましたが、今回、他のブランドの楽天カード(一般)はもちろん、上級グレード(楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカード、楽天ブラックカード)を発行している方にも同時に2ブランドまでの発行を認めることにしました。

例えば、VISAまたはMasterの2枚目として、JCBを発行すると、ANA JCB プリペイドカードへのチャージで楽天ポイントが貯まるようになります。VISAまたはJCBをお持ちの方が2枚目にMasterを指名すると、Master以外のブランドが使えない小売り大手のコストコホールセールジャパン(川崎市川崎区)で決済が可能になります。ということで、JCBまたはAMEXをメインに使われている方は、海外旅行時に使うサブカードとしてVISAかMasterのどちらかを作成しておきましょう。

アルペングループ楽天カードは、国際ブランドがMastercardしかありません。このため楽天カード(一般)との同時保有が元来許されており、アルペングループ楽天カードを所持している人は、追加でいずれか2つのブランドの楽天カード(一般)を発行することが出来ます。この時、Masterの二重持ちは言うまでもなく損ですから、当然Master以外の3ブランドのうちの2つを選択することになります。VISAとAMEXを選択しておけばコロナ禍が落ち着いた後の海外旅行で困ることはないと思われます。

2枚目として発行されるカードは、1枚目とグレードが異なっても構いません。これまで一般またはゴールドをお持ちで、どうしても楽天ビジネスカードを使いたいためにプレミアムを申し込みたいという個人事業主の方は、従来は一般カードを解約して切り替える必要がありましたが、今後は一般カードとプレミアムカードの同時保有が可能になります。

楽天カードで公共料金などの継続引き落としをされている方は、2枚目をJCBで発行しておき、それに決済カードを変更。メインで使っている楽天カードに海外でトラブルが発生した場合でも、公共料金用のサブカードの番号は変わらないという使い方もできます。この時、JCBを選択するのは海外へ持ち出す頻度が少なくなると見込まれるためです。AMEXは欧米や西側先進国へ持っていく可能性が高いことから、日々の公共料金決済ではなるべく避ける必要があります。

2021年2月19日金曜日

Android史上有数の優秀製品は出張者必携!!

弊誌Traveler's Supportasiaが創刊して15年。創刊当初はスマートフォンも無く、携帯電話は2G全盛でブログは街のネットカフェからパソコンで見るのが当たり前でしたが、今やスマホで情報収集から航空券の購入、ホテル予約、さらには決済まで何でもできてしまう時代になりました。

日本はiPhoneシリーズ(Apple)の国内シェアが70%に達する「Apple天国」ですが、海外では逆にAndroid(Google)および互換OSのシェアが80%に達しています。そんな中、海外で利用する専用の端末を持つ人も増えています。弊誌では2017年にヤマダデンキ(群馬県高崎市)が発売したスマホをご紹介しましたが、それから3年半が経過し、格安エントリースマホの決定版とも言える機種が登場。中古価格もこなれ、今こそ買いのチャンスと言える状況になりました。

ファーウェイ(華為技術:中国広東省深圳市)が2018年から19年にかけて発売した『P20Lite』『P30Lite』と、現行の『P40LiteE』がそれです。中古販売大手のイオシス秋葉原中央通り店(東京都千代田区)では、P20Liteが8,980円、P30Liteが15,800円(どちらもBランク)で売られています。

P20LiteはAndroid8.0(Oreo)を搭載し、1つ上の9.0(Pie)にアップデートが可能です。P30Liteは、9.0をベースに開発された『EMUI9』を搭載し、10(Q)までアップデートできます。2021年2月現在、現行のAndroidは11(R)ですので、ほとんどの最新アプリが使えます。古いバージョンのAndroidを搭載するマシンをジャンクで購入して、LINEやWhatsappが使えなくなるという「安物買いの銭失い」には少なくとも2020年代後半まではなりません。ただし、P40LiteEはGoogle Playストアからのアプリ取得に対応しておらず、自社の『Appgallery』を利用するのが基本線です。

カメラはP20Liteが2眼(最大1600万画素級)、P30Lite・40LiteEは3眼レンズ(40LiteEは最大4800万画素級、30Liteは2400万画素級)を搭載します。これだけでも数年前のコンパクトデジタルカメラの性能を上回っており、ミラーレス一眼のサブとしても使いたいという評価が上がるほどの高性能に仕上がっています。外部ストレージもMicroSDカードで、万が一いっぱいになってもほぼ世界中で簡単に調達できます。なお、PLiteシリーズでも40LiteEと併売されている『P40Lite 5G』は、ファーウェイが独自に開発した『NM(Nano Memory)カード』を採用しており、MicroSDカードは使えません。P40Liteが希望機種で、MicroSDが絶対必要という方は、40LiteE一択となってしまいます。

対応周波数帯も幅広く、P20Lite、30Lite、40LiteEともに日本とアジアの多くの国で主流となっているバンドをほぼ網羅。GalaxyS10(サムスン電子)のように日本向けとグローバル向けで対応周波数が異なるということはなく、1台でアジアのどこにいても連絡を取れます。

サムスンGalaxyシリーズの日本向けモデルと違い、おサイフケータイ(楽天Edy、モバイルSuicaなど)は搭載されていませんが、QRペイ(楽天ペイ、alipay、OVOなど)には対応しており、キャッシュレス決済が可能です。もし、モバイルSuica・PASMOが必要なら、Galaxy SシリーズであればS7edge以降、AシリーズはA20以降、またはOPPO(欧珀移動:中国広東省東莞市)の『Renoシリーズ』がお勧めとなります。

3機種の中でも特にP20Liteのコストパフォーマンスの高さは絶賛されています。IT分野の市場調査を手掛けるBCN(東京都千代田区)の調べで19年の日本国内SIMフリー端末販売台数1位を獲得したといい、中古市場に出てくる球数の多さも魅力ある価格を形成する一因となっています。

コロナ後のアジアへ飛び出そうというビジネスマンからバックパッカーまで、絶対手元に置いておきたい1台です。

2020年10月30日金曜日

古いスマホでLINEが使えなくなる!!

LINE(東京都渋谷区、東証1部・NYSE上場)は、主力のコミュニケーションアプリ『LINE』のサポート対象を見直し、主に2014年以前に製造された古いスマートフォンを切り捨てました。

iOS(Apple:アメリカ・クパチーノ、NASDAQ上場)では9以前、Android(Google:アメリカ・マウンテンビュー、NASDAQ上場)は4.3以前の古いOSを使っているスマートフォンでは、9月30日をもって公式サポートが終了しました。これに伴い、LINEアプリの古いバージョンを提供しているWebサイト『UPTODOWN』でも、バージョン9以前のLINEアプリは10月以降、掲載終了となり削除されました。

iPhoneシリーズの場合、3GSはiOS6まで、4では7まで、4Sは9.2までしかアップデートできませんので、iPhone4S以前の機種を予備機として持っている方は、インストールしているLINEアプリを消さないようにしてください。既にインストールされているアプリは使用できるものの、アンインストールしてしまうと、再度インストールすることはもちろん、別のアカウントでのログインや、別の電話番号で新規登録することも出来ません。

Androidでは、Galaxy(サムスン電子:韓国京畿道水原市、韓国証取上場)は2014年モデルのS4ですと、4.4へのアップデートが用意されています。この二つ前にあたる2012年モデルのS3は、初期OSが4.0.4、アップデートしても4.1までで、4.4には遠く及びません。ひとつ前、2013年モデルのS3αも、初期OSが4.1、アップデートしても4.3までで、4.4へのアップデートはできません。
 

東京・秋葉原のジャンクスマホ専門店『ワールドモバイル』では、日本国内向けのGalaxyS3が2,000円で売られていますが、最早S3以前のGalaxyはカメラや音声通話用として使う以外に道がありません。特に2011年冬モデルとしてKDDI(UQ:東京都千代田区、東証1部上場)から販売された『SII WiMAX』はモバイルネットワークが3G専用のため、2022年3月に予定されているauの3Gサービス終了後は、WiFi・WiMAXでしか使えなくなります。
   
一方、2013年11月にY!Mobile(ソフトバンク:東京都港区、東証1部上場)から発売されたNEXUS5(Google/LGエレクトロニクス)は初期状態が4.4で、6.0までのアップデートが提供されていますので、当分LINEを使い続けることができます。

しかし中古スマホ販売最大手のイオシス(大阪市中央区)では、6.0の後のバージョンであるAndroid7.0を搭載した国産スマホが3,980円で売られているので、できることなら7.0の入ったスマホを購入しておけば、少なくとも4~5年先まではLINEを使い続けることが出来るはずです。

なお、Facebook公式アプリとMessenger、および『Messenger Lite』はまだ当分の間、iOS9・Android4.3以前のOSを積んだスマホでも使用できます。

2020年10月23日金曜日

ANA、紙版公式時刻表を終刊…『翼の王国』は存続

ANA(NH、東京都港区)は、創業以来66年間に渡り発行を続けてきた冊子版公式時刻表の発行を次号(2020年12~2021年1月号、ダイヤとしては2021年1月31日まで有効)を最後に取りやめるとFacebookページで発表しました。2月以降はWebサイト上での検索のみとなります。なお年2回発行している『サービスガイド』の発行も取りやめられますが、機内誌『翼の王国』は広告スポンサーが多いことや個人の有料定期購読者もいるなどの支えによって、今後も継続されます。

ANA公式時刻表は、旧日本ヘリコプター輸送が旅客航空運送事業を始めた1954年(昭和29年)2月1日に第1号が出されたといい、以来66年8カ月間に渡って編集・発行が行われてきました。1990年代に公式Webサイト『ANA SKY WEB』が起こされるまではほぼ月刊ペースで発行、2000年代には隔月刊ペースに落とされたものの、就航地の空港カウンターや海外支店、日本国内の旅行代理店などで無料配布されていました。

(画像:1957(昭和32)年の日本ヘリコプター輸送社公式時刻表。ANAのFacebookページより拝借しました)

その後、運賃の多様化により発行後に運賃の変更があっても対応が追い付かなくなったため、2012年9月号をもって運賃表の掲載を取りやめ、運賃はANA SKY WEBやSkyscannerなど外部の比較サイトなどで確認するようになりました。

2010年代も末になり、環境保護と持続的な成長の両立(SDGs)が求められる風潮になってきたことから、会社側では紙の公式時刻表の発行を中長期視点で取りやめる方向で検討を始めていたところへ新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)のパンデミックが襲います。世界の航空需要は壊滅的なレベルに追い込まれ、ANAも創業以来最悪の通期損失を出す見込みとなったため、Web版公式時刻表の開発を急ぎ、予定を数年繰り上げて紙版終刊に踏み切ることになりました。オンライン時刻表は、スターアライアンス加盟社やANAの国際線就航地、それにANAがパートナーシップを結んでいるベトナム航空(VN=HVN)、ガルーダインドネシア(GA=GIA)などの地元言語を含む14言語に対応するといい、紙版最終号の有効期限が切れる2021年2月1日から本格的に運用されます。

2020年6月16日火曜日

ジェットスター、ベトナムから撤退へ

ベトナム航空(VN=HVN:ハノイ市ロンビエン区、ハノイ証取上場)とカンタス航空(QF=QFA、オーストラリア・シドニー)は、ジェットスターパシフィックエアウェイズ(BL=PIC、ホーチミンシティ特別市タンビン区)に係る合弁事業を解消することで合意しました。今後、カンタスが保有するジェットスターパシフィックの持株をベトナム航空に引き渡すといい、ジェットスターパシフィックはベトナム航空の第二会社『パシフィックエアラインズ』として独自にLCC事業を展開、ベトジェットエア(VJ=VJC)とバンブーエアウェイズ(QH=BAV)の民間2社に戦いを挑むことになります。

ジェットスターパシフィックになる前の初代パシフィックエアラインズは、1990年12月にベトナム航空が台湾への就航を目指して設立した第二会社でした。当時は中国が掲げる『一つの中国(一中)』政策が航空業界に対しては厳格に適用されていて、航空会社は中国か台湾のどちらに就航するかを選択しなければならず、日本航空(JL=JAL)は台湾線のみに就航する子会社日本アジア航空(EG=JAA、東京都品川区)を設立していました。つまり、日本アジア航空のような位置付けの第二会社を作ろうとベトナム航空は判断した訳です。

この初代パシフィックエアラインズが2008年、ベトナム初のLCCとしてジェットスターグループ入りし、ジェットスターパシフィックエアウェイズに生まれ変わります(前記事「ジェットスター第3のハブはホーチミン」参照)。それまでB737ファミリーを使っていた機材をジェットスターの標準であるエアバス320ceoに総入れ替えし、主力のハノイ(ノイバイ)~ホーチミン(タンソニャット)線などを増便しました。2012年にはベトジェットエアの増便に対抗し、ベトナム航空との共同で事実上のシャトル便化を行い(前記事「ハノイ~ホーチミンシティ間、シャトル便時代始まる」参照)、2017年には日本への乗り入れも果たしました。

しかし、ジェットスターグループ他社と一部サービスレベルに違いがあったことから同等の品質を求める乗客に敬遠されたこと、また国際線でベトジェットエアとの競争に事実上敗れたことの2点が致命的となりました。特に東北アジアへのフライトでは、エアバス320ceoでホーチミンシティからの日本・韓国路線を就航させることが出来ず、エアバス321neoで成田国際空港(千葉県成田市)などへの路線を展開したベトジェットの独走状態となってしまいます。この結果2019年7月に日本路線を廃止(前記事「ジェットスターパシフィックが日本撤退!関空路線2年持たず」参照)。そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴う壊滅的減便・運休の中でカンタス側が事業見直しを行った中に、ベトナム事業からの資本引き上げが含まれていました。

今後、ジェットスター改め2代目パシフィックエアラインズはベトナム航空の第二会社という2007年以前の立ち位置に復帰し、引き続きLCC事業を展開します。

2019年10月31日木曜日

日系2社が揃ってウラジオストクへ就航!北朝鮮へのアクセスも改善!?

ANA(NH、東京都港区)と日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)は2020年3月から、成田~ウラジオストク(ロシア・極東管区沿海地方州)線に参入すると相次いで発表しました。ロシア側からはアエロフロート(SU=AFL、モスクワ証取上場)とS7航空(旧シベリア航空:S7=SBI、モスクワ)が既に定期運航を行っており、日系大手2社がほぼ同時期に運航を始めることで、日本・ロシア両国のFSCが揃い踏みします。

両社とも、ウラジオストクを含めたロシア極東諸都市へのアクセス改善を掲げている他、ウラジオ乗り継ぎで中国東北部(旧満州)への乗り継ぎもできないことはありませんが、一方で、日本と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を結ぶルートもまた便利になる可能性が懸念されています。

平壌発日本行きはJAL・ANA共に同日乗り継ぎが可能。日本発平壌行きはANAが高麗航空(JS=KOR)の平壌~ウラジオ線運航日と重なるものの、高麗航空便の出発時間とANA便の到着時間がちょうど入れ違いの形になっているため乗り継ぎ出来ません。これに対しJALは3月末からの夏ダイヤで毎日運航を計画しており、ウラジオ1泊が必要ではあるものの、高麗航空の平壌(順安)行きに乗り継ぎが出来てしまいます。

《2020年2月26日から有効》

JL423 NRT1130~VVO1455 水・金・日曜運航
JL424 VVO1615~NRT1730 水・金・日曜運航

(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)

《2020年3月16日から有効》
NH883 NRT1100~VVO1415 月曜運航
NH883 NRT1110~VVO1425 金曜運航
NH884 VVO1515~NRT1625 月曜運航
NH884 VVO1540~NRT1650 金曜運航

(機材はエアバス320neo ビジネスクラス8席、エコノミークラス138席)

《2020年3月29日から有効》
JL423 NRT1040~VVO1405 火・金曜運航
JL423 NRT1120~VVO1445 火・金を除く週5便
JL424 VVO1535~NRT1650 火・金曜運航
JL424 VVO1625~NRT1740 火・金を除く週5便

(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)

《2020年3月30日から有効》
NH883 NRT1335~VVO1650 月曜運航
NH883 NRT1215~VVO1530 金曜運航
NH884 VVO1910~NRT2020 月曜運航
NH884 VVO1800~NRT1910 金曜運航

(機材はエアバス320neo ビジネスクラス8席、エコノミークラス138席)

《平壌~ウラジオストク間》
JS271 FNJ0830~VVO1100 月・金曜運航
JS272 VVO1220~FNJ1300 月・金曜運航

(機材はアントノフ148 ビジネスクラス8席、エコノミークラス65席)

2019年9月28日土曜日

LATAMグループ、スカイチームに移籍へ

デルタ航空(DL=DAL:アメリカ・アトランタ、NYSE上場)は、南米最大の航空企業体LATAMグループの中核となるLATAMエアラインズ(LA=LAN/JJ=TAM)と出資を含む戦略的パートナーシップを結ぶと発表しました。LATAMはこれを受け、旧LAN航空時代に結成メンバーとして参加したワンワールドへ脱退を通告。デルタが幹事社を務めるスカイチームに移籍する方向で準備を始めることになりました。

LATAMは、旧LANの時代から南米大陸の他の国へ積極的に進出。中でも隣国ペルーのリマを本拠とするLATAMペルー(旧ランペルー:LP=LPE)は、国営だったアエロペルー(PL=PLI)の倒産によって同国最大の民間航空会社に成長しました。他にもコロンビアやエクアドル、アルゼンチンなど南米大陸各国で次々と現地航空会社を買収するなどし、2010年までに南米最大の民間航空企業体になりました。

2010年8月、LANグループはヴァリグ航空(RG=VRG)無き後ブラジルの最大手FSCとなったTAM航空を買収することで合意。2012年に法人合併手続きを終えると、2014年にはTAM航空をスターアライアンスからワンワールドへ移籍させました。これにより、LATAMグループ全社がワンワールドネットワークで統一され、ワンワールドはブラジルの全ての州に拠点を得て、南米での絶対的な優位を固めました。

一方でデルタは、同じスカイチームメンバーズのアエロメヒコ(AM=AMX)に続いて、南米大陸で戦略的パートナーシップを結べるキャリアを探していました。南米大陸のスカイチームメンバーズとしてはアルゼンチン航空(AR=ARG)があるものの、アルゼンチン政府は過去に3回の対外債務不履行(デフォルト)をするなど信用不安が付きまとい、なかなか事業の拡大に踏み切れません。LATAMのように他国へ進出するなど、尚更不可能です。スターアライアンスメンバーズではアビアンカ航空(AV=AVA、コロンビア・ボゴタ)がありますが、こちらもグループのアビアンカブラジルことオーシャンエア(O6=ONE、ブラジル・サンパウロ)が倒産・運航停止してアライアンスを追放されるという爆弾を抱えています。ちなみにLATAMと並ぶブラジル大手のゴル航空(G3=GLO)は、LCC的な施策を取っているためFSCによるアライアンスに加盟することは想定されていません。

そこで、デルタはLATAMにパートナーシップの話を持ち掛けることにしました。デルタはLATAMの発行済み株式の20%相当を取得し、役員を派遣。これにより、LATAMはデルタの関連会社(日本の持分法適用関連会社に相当)的な立場となります。それに加えてLATAMがエアバス(フランス・トゥールーズ)に発注していたA359XWBの一部機体をデルタに納入させ、デルタはLATAMを事実上金融支援するという内容です。

デルタ、LATAM両社から発表があった直後、LATAMはワンワールド本部(アメリカ・ニューヨーク)に

「非加盟の他社(デルタ)と提携することになったので適法な手続きの下で脱退したい」

と通告。ワンワールドも

「旧LANは結成メンバーであり今回の脱退申し出は極めて残念だが同社の意向を尊重する。移行手続き中も顧客に迷惑が掛からないように支援する」

とのプレスリリースを出しました。

2019年8月11日日曜日

デルタ航空のアジア以遠権路線全廃!!羽田3タミで北米路線に集中

デルタ航空(DL=DAL:アメリカ・アトランタ、NYSE上場)は、旧ノースウエスト航空(NW=NWA)以来73年間受け継いできた以遠権による日本と東アジア主要都市を結ぶ路線を全廃する方針を固めました。2000年頃にはバンコクや香港、台北など成田空港だけで8路線あった以遠路線も今やマニラとシンガポールが残るだけとなり、それらも来年3月の冬ダイヤ終了までに取りやめられることが決まって発表されました。

《成田発9月21日、チャンギ発22日のフライトをもって取りやめ》
DL169 NRT1725~SIN2345 DAILY
DL168 SIN0545~NRT1420 DAILY

《成田発2020年3月27日、マニラ発28日のフライトをもって取りやめ》
DL181 NRT1600~MNL1955 DAILY
DL180 MNL0810~NRT1350 DAILY

(機材はB763 デルタワン=ビジネスクラス36席、コンフォートプラス=プレミアムエコノミー32席、メインキャビン=エコノミークラス143席)

デルタの日本発以遠権路線は、旧ノースウエストが日本に進出した1947年(昭和22年)から絶えることなく維持されてきました。1980年代にはパンナム(PA=PAA)の後を受け継いだユナイテッド航空(UA=UAL)とともに、近くはソウルから遠くシンガポールに至る路線網を構築。成田空港、また成田開港以前の羽田空港はノースウエストの北米以外における最大のハブとして、長く活用されました。

しかし、ノースウエストが同じスカイチームのデルタ航空と合併した2008年頃から風向きが変わりだします。2010年には羽田空港の再国際化があったものの、米系キャリアは深夜早朝枠の限られた便数だけとなりこの時は大きな影響はありませんでした。その後、ユナイテッドはANA(NH)との共同事業を盾に以遠権路線をアメリカ本土との直行便に切り替えるようになり、以遠権路線の代名詞だった成田~バンコクを2014年(前記事「ユナイテッド航空バンコク線28年の歴史に幕」参照)、成田~シンガポールを2016年(前記事「UA成田~シンガポール線廃止決定!アメリカ直行に切り替え」参照)にそれぞれ取りやめていました。

一方で、ノースウエスト航空時代にはマイレージプログラム『ワールドパークス』の特典航空券がわずか20,000マイルで取得できる点がマイレージマニアの間で大きな魅力となっていましたが、これも合併でデルタの『スカイマイル』に一本化された後、必要マイル数が45,000マイルと2倍以上に引き上げられ、完全に魅力を失いました。さらに、2014年からはスカイマイルのマイル加算がデルタ自社便については区間マイルではなく購入した航空券の金額によって決まる、事実上のポイントプログラムに生まれ変わったことで、それまで格安航空券で頻繁に搭乗していたスカイマイル会員は1往復あたりの獲得マイル数が3分の1以下となってしまう計算で、常連客のデルタ離れが一気に進みます。これらデルタを離れた日本人乗客が向かった先は、タイエアアジアX(XJ=TAX)やScoot(TR=TGW)といった中長距離のLCCでした。

加えて、北東アジアにはデルタと同じスカイチームメンバーズが4社もあり、中でも日本と地理的に近い韓国本拠の大韓航空(KE=KAL:ソウル特別市江西区、韓国証取上場)と、台湾拠点のチャイナエアライン(CI=CAL:桃園市、台湾証取上場)との関係はコードシェアから共同事業へと深化していきました。こうしてユナイテッドに続き、デルタも日本ハブを維持していく意味が薄れ出しました。

20年3月29日からの夏ダイヤでは、太平洋線も羽田空港第3ターミナル(東京都大田区)へ移動し、開港43年目にして成田を発着するDL自社便が全滅となってしまいます。成田空港第1ターミナル北ウィングでは太平洋線も合わせ、毎日7便分もの発着枠が一度に空くことになりますが、この分について日本航空(JL=JAL)の子会社のZIPAIR(ZG=TZP、千葉県成田市)が利用希望の意思を既に空港会社に伝えているといいます。

ただし、デルタはマニラ(ニノイアキノ)からの完全撤退は避ける模様で、大韓航空のハブである仁川空港(韓国・仁川市)経由に切り替えて、仁川~マニラの自社便を新設するとも発表しています。

2019年8月7日水曜日

国内ポイントサイトから海外エアラインマイルへの交換が不可能に!!

共通ポイント交換サイト『PeX(ペックス)』を運営するボヤージュマーケティング(東京都渋谷区)と、『Gポイント』のジープラン(東京都千代田区)は、これまで扱ってきた米系大手航空2社のマイルへの交換を8月末で終了します。これにより9月以降、日本のポイントサイトのポイントを海外航空会社のマイレージに直接交換することは事実上不可能になります。

PeX、Gポイントのどちらも、ユナイテッド航空(UA=UAL アメリカ・シカゴ、NASDAQ上場)の『マイレージプラス』と、デルタ航空(DL=DAL アメリカ・アトランタ、NYSE上場)の『スカイマイル』の2つのマイレージプログラムに交換することができましたが、8月30日(金)12時までの受付分をもって終了することになりました。さらに、両社マイレージ会員向けの通販モールサイト『スカイマイルショッピング』『マイレージプラスモール』も業務委託先の楽天(東京都世田谷区、東証1部上場)が同じく8月30日12時をもって運営を終了すると発表しています。

Gポイントからスカイマイルへの交換サービスは、旧ノースウエスト航空(NW=NWA)時代から存在しており、スカイマイルショッピングも、旧ノースウエストが楽天と共同で『ワールドパークスマイルモール』の名前で立ち上げたのを、合併によってデルタが引き継いだもので。都合20年近くに渡って親しまれてきました。この度、楽天が自社の『楽天Rebates(リーベイツ)』に資源を集中するため撤退を決めたとみられ、マイレージプラス共々後継の委託先が見つからなかったとして、終了することになりました。

日本のクレジットカード業界では海外の航空会社と提携したカードも多数発行されていますが、それらのカードではマイレージが貯まる代わりに、カード会社本来のポイント還元プログラムは対象外となっていることが多く、他社ポイントを変換することはできません。このため、海外航空会社のマイレージプログラムに、日本のポイントサイトで獲得したポイントを変換できるのはデルタ・UAの両社だけでした。今回、両社が揃って終了することにより、9月以降は海外航空会社のマイルへの変換が一切できなくなることを意味します。

デルタ・UAともに、マイルの有効期限は最後に変動があった時から18ヶ月間です。つまり、8月中に申請をして移行が出来るか、両モール経由で買い物をするなどして変動があれば、最高で2021年2月までマイルの有効期限を延長できますが、9月以降は基本的に搭乗ないしは航空券購入か、提携クレジットカードの利用でマイルを獲得しない限り、マイルの有効期限を延長できなくなってしまいます。

2019年7月16日火曜日

ヤフオク「貨幣」カテゴリでゴミ屑を掴まされないために

海外旅行で余った外貨現金の処分には、誰しも困ったことがあるはず。硬貨があると日本での両替は難しく、海外で再両替しようにも現地に1,000円札の在庫があるかは聞かないとわかりません。再訪する予定があるなら現地に銀行口座を開設して預金するという手もありますが、いくつもあると管理に困ります。

ネットオークション最大手のヤフオク!(旧Yahoo!オークション)には1999年のオープン以来『貨幣』カテゴリがあり、趣味としての古銭売買の他に、海外旅行で余った外貨を両替したり、別の旅行者に売却したりしようとする出品者で賑わっています。しかし、外貨は金融市場の流れを正しく理解しないと行った先で既に使えなくなっていることも多く、下手にやるとゴミ屑を掴まされてしまいます。そんな詐欺被害者が今後現れないように、貨幣カテゴリで売られていても既に使えないものをまとめてみます。

《アジア》
・北朝鮮ウォン…2009年以前に発行された紙幣は、デノミネーションのため使用不可能。それ以降の物も、出品者が北朝鮮に外貨を渡して入手したということで、経済制裁に引っ掛かる可能性がある。購入しないのが無難。
・中国人民元:第1次券(1949年~54年発行)はデノミネーションされており使用不可能。
第2次~第4次(1953~90年発行)は流通停止済みで、第4次券に限り中国人民銀行総行(中央銀行:北京市西城区)または分行(支店:天津、瀋陽、済南、南京、上海、武漢、西安、成都、広州)、および省・省級市ごとに指定された商業銀行(例:雲南省では中国農業銀行の各支店が指定されている。他の省・省級市は中国人民銀行のWebサイトに行き「第四套人民币」で検索)の窓口で現行券に交換可能(前記事「第4版人民幣回収へ」参照)
また、発行銀行が中国人民銀行ではなく、「中国銀行」と表記されている外貨兌換券(1994年以前に発行)は使用不可能で、中国銀行本支店での両替もできず完全な紙屑である。
中華人民共和国成立前に発行された『金圓券』『法幣』は当然無価値で、コレクションとするか中国引揚者の遺品という形で平和祈念展示資料館(東京都新宿区)に引き取ってもらうしかない。
・香港ドル…1950年代以前に発行された1セント紙幣(茶色、裏が真っ白)は使用不可能で、交換もできない。
・ベトナムドン…10,000ドン、20,000ドン、50,000ドン、100,000ドン紙幣についてはポリマー素材を使用した現行券(2003年発行開始)以外使用不可。旧券は国家銀行本店(ハノイ市ホアンキエム区)で現行券と交換可能。

・フィリピンペソ…現行券(2010年発行開始)以外は使用不可。旧券は中央銀行で交換できたが2017年12月31日で終了し、全て紙屑となっている。
・リンギットマレーシア…1RM硬貨($1の表記がある)、500RM、1,000RM紙幣は廃止となっており使用不可能。現行券への交換もできないためKLIA空港の募金箱に入れ、回収してもらうしかない。
第2次(1989年発行開始)以前の紙幣は現地の店舗で受け取らない可能性がある。クアラルンプール国際空港にAirAsiaグループ以外の航空会社で到着する方は第1ターミナル内の銀行で交換してもらう。AirAsiaで到着する方は、KLIA2のインフォメーションカウンターに申し出て指示を仰ぐ。
・インドネシアルピア…現行券(2016年発行開始)の他に1つ前のシリーズ(1998年発行開始)が流通しているが、そのうち20,000Rp以上の4種類は流通停止済みで、バンクインドネシア(中央銀行)での交換も建前上不可能。1968年以降に発行された10,000Rpまでの紙幣については、バンクインドネシア本店(首都特別州中央ジャカルタ市)で現行券との交換に応じている。
・インドルピー…500Rs、1,000Rsの旧券(1996年発行開始)は2016年11月で通用停止。

《欧州》
現在ユーロが通用している国でユーロ導入以前に使用されていた各国ごとの通貨はすべて使用不可能。硬貨については全ての国で交換期限が終了している。紙幣はイタリアリラが2011年、フランスフランが2012年に交換終了。ドイツマルク、ベルギーフラン、オーストリアシリングは各国中央銀行で交換に応じている。

2019年7月10日水曜日

ベトナム航空の荷物制限が緩和!日本線はANAと合わせる

ベトナム航空(VN=HVN ハノイ市ロンビエン区、ハノイ証取上場)は8月1日搭乗分から、受け入れ手荷物に係る重量制限を大幅に緩和すると発表しました。日本線および北米大陸への直行便では、コードシェアパートナーのANA(NH、東京都港区)が採用しているルールに合わせられます。

現在は、以下の表のとおりとなっています。

《ビジネスクラス》


機内持ち込み貨物室預け
国内線7Kg/2個30Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線7Kg/2個30Kg/1個
東南アジア域内7Kg/2個30Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
7Kg/2個30Kg/1個
日本・北米7Kg/2個30Kg/1個

《プレミアムエコノミー》

機内持ち込み貨物室預け
国内線設定なし設定なし
ハノイ~ホーチミンシティ線7Kg/2個30Kg/1個
東南アジア域内7Kg/2個30Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
7Kg/2個30Kg/1個
日本・北米7Kg/2個30Kg/1個

《エコノミークラス》

機内持ち込み貨物室預け
国内線7Kg/1個20Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線7Kg/1個20Kg/1個
東南アジア域内7Kg/1個20Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
7Kg/1個20Kg/1個
日本・北米7Kg/1個20Kg/1個

これが、8月1日からは次のようになります。

《ビジネスクラス》

機内持ち込み貨物室預け
国内線計18Kg/2個32Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線計18Kg/2個32Kg/1個
東南アジア域内計18Kg/2個32Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
計18Kg/2個32Kg/2個
日本・北米計18Kg/2個32Kg/2個

《プレミアムエコノミー》

機内持ち込み貨物室預け
国内線設定なし設定なし
ハノイ~ホーチミンシティ線計18Kg/2個32Kg/1個
東南アジア域内計18Kg/2個23Kg/2個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
計18Kg/2個23Kg/2個
日本・北米計18Kg/2個23Kg/2個

《エコノミークラス》

機内持ち込み貨物室預け
国内線12Kg/1個23Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線12Kg/1個23Kg/1個
東南アジア域内12Kg/1個23Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く)
欧州・オーストラリア
12Kg/1個23Kg/1個
日本・北米12Kg/1個23Kg/2個

今回、最も大きく変わるのは機内持ち込み手荷物の重量です。現在は他社と合わせて1個7Kg以内となっていますが、ビジネス・プレエコでは1個当たりの制限がなくなり、2個合わせて18Kgまでに増強。エコノミーは従来通り1個ながらも、ANAをも上回る12Kgまで拡大されます。これなら、Surfaceやノートパソコンを一度に2台詰め込め、さらにiPadやスマホを入れていたとしてもほぼ大丈夫です。

なお、日本線ではベトナム航空運航便をANA便名で購入したお客様にも、ベトナム航空の荷物許容量が適用されます。ANAプレミアムカスタマー(AMC上級会員)の方は、搭乗クラスに関係なく追加で1個分が無料となります。

2019年2月22日金曜日

「日本人のベトナムe-VISA取得が不可能に」誤報飛び交う

ベトナム公安省は2017年2月1日から、西側先進国を中心とした40か国の国籍者を対象にe-VISA(電子ビザ)の発給を行ってきました。当初は2年間の試行期間ののち本格運用に移行するか決めるとのことでしたが、2018年10月の国会常務委員会で2021年1月までの試行期間延長が決まり、今後2年間は現在と同じ態勢が続くかと期待されていました。

ところが、2月1日付で出された改正実施規定(政令17号/2019/ND-CP)を伝えたニュースサイトが誤った内容を流し、一時は日本人のeーVISA取得が不可能になったとのデマが飛び交いました。

2017年2月1日付の実施規定(政令第7号/2017/ND-CP)では、日本・韓国・中国・アメリカなど主要先進国を中心に40か国が対象となっており、後に6か国が追加されていました。しかし、改正実施規定では新たに旧ソ連圏や旧ユーゴスラビアといった新興国を中心に35の国と地域が追加されました。

ハノイで編集されている『VIETJO』は2月22日朝の更新で改正実施規定を伝えましたが、今回新たに追加された35ヶ国「のみが」2019年2月1日から21年1月までのe-VISA発給対象になり、旧規定で対象だった40か国は対象から外れる、という誤報を飛ばしました。このため在ハノイ日本大使館領事部に問い合わせが殺到し、大使館の担当者が公安省出入国管理局に確認したところ、

「今回新たに対象となった35か国と、旧規定で対象になっていた40か国(追加6か国を除く)の合計75か国が対象で、日本も含まれる」

との回答があったと、Webサイトに掲載しました。

今回、新たに対象となった国は多くがベトナムへのビザなし入国を認められておらず、それらの国籍者に対して大使館や総領事部に出向いてビザを取得する必要のないe-VISAの利便性を試してもらいたいという意図なのではないかと、Traveler's Supportasiaは分析します。

なお、タイ・シンガポールなど既にビザなしで30日在留が許可されているASEAN諸国は、引き続き対象に含まれません。

また、従来e-VISAでの出入国ができなかったベトナムとラオスの間の陸路国境のうち、タイチャン検問所(ディエンビエン省ディエンビエン県)、ナムソイ検問所(タンホア省クアンソン県)、ラオバオ検問所(クアンチ省フオンホア県)では2月1日からe-VISA対応が始まりました。

2019年1月20日日曜日

バックパッカー必携!『SIM2FLY』を駆使する(3)チャージ編

SIM2Flyは、アジア&オーストラリア標準プランの有効期間が8日間、グローバルプランでも15日間しかありませんので、これを過ぎる場合や、4G転送量を使い切ってしまった場合は、チャージを行います。

SIMカードとセットで購入した場合、SIMカードはあくまでも1-2-Callベースですので、開通後にチャージした残高からの引き落としになります。既にある1-2-CallのSIMにプランを追加購入した場合もチャージ済みの残高から引き落とされます。このため、追加チャージをする可能性があるならそれに見合う金額をチャージしておかなければなりません。

ポストペイドのSIMにSIM2Flyのプランのみを追加購入された方は、追加購入を繰り返せばOKで、その分の料金は翌月の請求に加算されます。

追加チャージは購入編にも書いた通り、4G転送量4GB、8日間有効のアジア&オーストラリア標準プランが349Bt.です。4G転送量1GB、2日間有効の激安プランもありこちらは119Bt.です。なお、タイと国境を接する4か国のみが対象の『ボーダーカントリーズプラン』もあり、こちらは4G転送量2GB、7日間有効で99Bt.となります。

《手元のスマートフォンからコール》
アジア&オーストラリア標準プランを購入する場合は、電話アプリのキーパッドから「*111*354#」と入力して発信するだけです。なお激安プランは、354のところが「356」に、ボーダーカントリーズプランは、「407」にそれぞれ変わります。

《LINE Payで海外からでもチャージ》
1-2-Callの電話番号を使って、LINE(東京都渋谷区、東証1部・NYSE上場)のアカウントを作ると、タイ版のLINE Payである『Rabbit LINE Pay』を利用することができます。

Rabbit LINE Payには、1-2-Callとdtac(パトゥムワン区、SET上場)の『Happy』に対応したプリペイド携帯へのチャージ機能があり、10Bt.からチャージをすることが可能。また、Rabbit LINE Payの決済には、日本で発行されたクレジットカード(VISA、MasterCard、JCB)を登録して使うことができるので、タイ国外でもチャージを簡単に行うことができます。

試しにRabbit LINE Payで10Bt.のチャージを行うと、料金の有効期限が30日間延長されます。これを利用すると、同じ電話番号を1年間維持するだけなら最安120Bt.でOKということになり、番号を使い捨てにすることがなくなります。もちろん、再度使う時にはUSSDコールでプランのみを注文できます。

2019年1月19日土曜日

バックパッカー必携!!『SIM2FLY』を駆使する(2)実稼働編

SIM2Fly『アジア&オーストラリア標準』プランが有効になったSIMカードを手元のSIMフリー端末に差して、電源を入れると、アクティベーション作業が始まります。日数とデータ消費量の計算は、アクティベーションないしはプランを購入した時点から始まりますので、どんなに早くても入国前日、出来ることなら当日、タイ入国後に作業を行うのがベストです。

ただし、カードとセットになったパッケージは、アクティベーションした直後にはタイ国内で使えるプリペイド残高が入っていないため、もしタイでも使う可能性がある方は、アクティベーション直後に残高をチャージしないといけません。到着後、AISのサービスカウンターに駆け込み、スタッフに作業してもらうか、ファミリーマートでリフィルカードを購入して自分でUSSDチャージする必要があります。今回の取材は、チェンマイ到着の翌日にはタイを出国するプランでしたので、長い日数のデータプランは要らない訳で、3日間有効、高速転送量1GBあればOK。ということで、100Bt.だけチャージし、USSD「*777*7036#(発信)」を叩いて、プラン購入完了です。

そして翌日、ラオス国境へ向かいます。タイ側検問所で審査を完了し、シャトルバスに乗ってラオス側へ。ラオス側の検問所ではまだ、タイからの携帯電話の電波が届いていますが、検問所を離れて暫く行くと、タイの電波が弱くなってスマートフォンはラオス側の信号を取るようになります。この瞬間に、SIM2Flyのデータローミングがスタートします。

SIM2Flyは、ローミング形式なのでデータはタイにあるAISの交換局を通じてやりとりされます。このため、日本で使用していてもデータの発信国はあくまでタイですから、日本国内でしか使えないWebサイトのデータを表示するには、VPNを通じて日本着信であることを偽装しなければなりません。

逆に、日本以外のローミング対象国からでもVPNをかまして日本着信にすることができれば、『世界データ定額』(au)などよりも安い料金で日本と同じデータ環境を維持することもできるのです。iOSであれば、『OPENVPN』『VPNGate Viewer』の2つのアプリをインストールし、VPNGateボランティアサーバの接続情報をOPENVPNにコピーすることで手軽に日本着信可能なVPNが組めます。

ただし、高速転送量4GBというのは、1日あたりに換算すると500MB。YoutubeやTikTokなど、大容量を食ってしまう動画の閲覧や、Facebook・Instagramへのライブ動画のアップロードといった目的には向きません。

2018年12月4日火曜日

カンボジア国籍航空会社の日本就航、またも実現できず!?

スモールプラネットカンボジア航空(RD=LKH、プノンペン)が、来年2月から予定していた日本への定期チャーター便による乗り入れを実現できなくなる可能性が高まりました。親会社でチャーター専門キャリアのスモールプラネットエアラインズ(S5=LLC、リトアニア・ビリニュース)が実質破綻し、運航停止を命じられたための措置。カンボジア国籍では過去にも運航開始前の破綻という同様の事例が起こっており、このままではカンボジアが欧州航空安全庁(EASA:ドイツ・ケルン)の就航禁止リストに再度登録されてしまう恐れも出てきました。

スモールプラネットカンボジア航空は、リトアニアの本社と、カンボジアの投資家による合弁資本で2017年10月に設立された会社で、グループとしてはドイツ(5P=LLX、ベルリン)、ポーランド(P7=LLP)、イタリア(P2=LLI)に次いで、本国も含め通算5社目の運航事業者となりました。また、欧米から発信されている英語の業界専門サイトやFacebookページによると同グループはタイにも会社を設立済みだったと伝えられていますが、2015年のタイ運輸省国営民間航空局(CAAT)に対するICAO(国際民間航空機関)のSSC(重大懸念)で運航開始に至りませんでした。

同社は、今年9月に東京で開催された『ツーリズムEXPOジャパン』にGSA(国内総代理店)のエアインター(東京都中央区)と共に出展し、2019年2月から成田~シェムリアプ間の定期チャーター便を運航開始し、4月には定期便に格上げしたいとブチ上げていました。しかし、親会社の財務状態が悪化。英語版Wikipediaによると、ドイツ子会社が10月31日付けで運航を停止したといい、続けてポーランド子会社も11月9日に破綻。そして、リトアニア本社は11月29日付で航空運送事業許可(AOC)の取り消し処分を受け、運航継続不可能となってしまいました。

本社のホームページでは英語で

「スモールプラネットのブランドを持つ航空会社はすべて運航を停止いたします。今後当社に予約をお持ちの方は他の航空会社で再予約が必要となりますので手配した旅行会社にお問い合わせください。長年のご愛顧誠にありがとうございました」

というメッセージが掲載されており、カンボジアもこのまま行けば遅かれ早かれ運航停止になる可能性もありますが、東京で編集されている業界専門サイト『トラベルビジョン』は、エアインター社の話として

「計画自体を断念した訳ではないと聞いている」

と伝えました。カンボジア側出資者が中心となって会社を存続させ、何とかして予定機材のエアバス319ceoを入手し、たとえ違うブランドになったとしても就航を実現したいという気持ちだとのことです。ただ、カンボジア国籍の航空会社が日本への定期便を就航させた例は今までなく、過去には今回と同様、運航開始前に計画がキャンセルされたり会社自体が破綻したケースもあったりしました。2013年にはアジアアトランティックエアラインズ(HB=AAQ)がカンボジア経由成田~バンコク(スワンナプーム)のチャーターフライトを実現できなかったこともあります。

トラベルビジョンは、エアインターが日本国内の旅行会社に営業回りを行っていたものの航空券の販売は始めていなかったと報じました。万が一旅行会社が同便利用のパッケージツアーを造成し販売を始めていれば、ツアー中止や返金などで多大な迷惑をかける可能性があっただけに、これはせめてもの救いとも言えます。

2018年11月17日土曜日

南航まさかのスカイチーム脱退!!ワンワールド移籍へ離れ業強行か!?

中国南方航空(CZ=CSN 中国広東省広州市、上海A株・NYSE上場)は15日、所属する航空連合『スカイチーム』を脱退すると発表しました。スカイチームから完全に抜ける会社が出るのは2009年の旧コンチネンタル航空(CO=COA)以来9年ぶり2社目です。

南航は、2007年11月に中国系航空会社として初めてスカイチームへの加盟を認められ、11周年を迎えたばかりでした。その後、2011年に中国東方航空(MU=CES)がスカイチームへ加盟し、中国の国営大手FSC3社のうち、2社までがスカイチームメンバーズになりました。

ところが、スカイチームのリーダー格を務めるデルタ航空(DL=DAL アメリカ・アトランタ、NYSE上場)は東航の加盟以来、中国路線で東航との関係を重視する方向に傾いていきます。南航は広州・新白雲空港に次ぐ第二のハブとして、北京・首都空港を活用していますが、北京はスターアライアンスメンバーズの中国国際航空(CA=CCA)のスーパーハブで、南航は影が薄い存在。これに対し、中国最大の都市である上海を本拠とする東航の存在感は年々増していき、南航はスーパーハブの広州に近い香港を本拠とするキャセイパシフィック(CX=CPA)の存在もあって、どっちつかずの状態になってしまいます。

そこへ、ワンワールドの幹事社であるアメリカン航空(AA=AAL アメリカ・フォートワース、NASDAQ上場)が接近してきます。南航は同じくワンワールドメンバーズのブリティッシュエアウェイズ(BA=BAW、ロンドン)や日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)ともコードシェア運航など関係を深めていましたが、アメリカン航空は2017年3月、2億ドルを投じて南航の大株主になり、スカイチームに対して見えない圧力をかけていました。

そして、南航の董事会(取締役会)は自社が股有限公司(株式会社)である以上、株主を無視してまでスカイチームとの関係を続ける訳にはいかない、また相手が相手ゆえ下手な対応をするとドナルド・トランプ米大統領の機嫌を損なう恐れがあると判断、今回の決定に至ったのではないかと弊誌は分析します。

日本経済新聞は、AAが南航への投資を決めた時点で

「今後南航がワンワールドに移籍する可能性もある」

と解説していました。今回の発表を受け、AAも

「南航の決断を歓迎する」

とのプレスリリースを発表し、ワンワールドへの移籍交渉開始は時間の問題とみられています。

《脱退時期を巡ってTraicyが飛ばし報道》
東京で編集されている専門情報サイト『Traicy』(運営会社:トライシージャパン=東京都千代田区)は、南航のスカイチーム脱退が効力を発生する日について、今年12月31日限りと断定しました。しかし、倒産や運航停止もしていないFSCが発表から1カ月余りでアライアンスを円満に脱退することは現実的に不可能であり、Traicyはまたしても、悪質な飛ばし報道をしたと厳しく非難せざるを得ません。

Traicyは南航が出したプレスリリースの中に

「自2019年1月1日起不再続査天合連盟成員協議(2019年1月1日以降スカイチームとの契約更新にかかる協議をしない)」

とあったのを

「2019年1月1日以降スカイチームメンバーではなくなる」

と誤解した模様です。同じく東京で編集されている専門情報サイト『Flyteam』(KKクロゴ=東京都渋谷区)は

「1月に予定されているスカイチームとの加盟契約更新をすることなく、19年中に脱退手続きを進め、離脱する方針」

と説明しています。

スカイチームでは過去、コンチがユナイテッド航空(UA=UAL)との関係樹立により脱退、スターアライアンスへ移籍した時も業務提携の発表から実際に脱退が成立するまで1年3カ月を要しています。スターアライアンスでも、USエアウェイズ(US=AWE)がアメリカン航空との合併によるワンワールド移籍を実行するにあたって、計画発表から実行まで1年2カ月、正式な発表からでも4カ月近くかかっています。また、ワンワールドも含めた全てのアライアンスで、加盟社のうち1社以上が脱退する場合、各アライアンス本部および全加盟社から遅くとも3カ月前に告知する義務があるということが加盟契約の条項に謳われています(前記事「bmiとBAが統合、スターアライアンスから脱退へ」参照)

もし南航がワンワールドへ移籍するのであれば、少なくとも旧USエアウェイズの時と同程度の準備期間が必要になる可能性が高いと思われます。このため、実際に脱退が行われるのは最速で2019年末、ワンワールドへ移籍するとしても早くて2020年以降になるとみられます。

2018年10月27日土曜日

70年続いた国際線航空の上限運賃が消える!

国際航空運送協会(IATA:カナダ・モントリオール)は、第2次世界大戦後すぐから国際線航空運賃の基準として活用されてきた『IATA運賃』(IATA普通運賃ともいう)の制度を廃止します。IATA運賃での航空券発券は10月31日(水)限りで終了し、その有効期間が切れる来年10月31日をもって、完全に姿を消します。

IATA運賃が制定されたのは、1947年(昭和22年)に行われた第1回IATA運送会議でのことです。以来、71年間に渡って世界中の航空会社における国際線運賃の上限額を定める役割を果たしてきました。有効期間は最初に搭乗した日から1年間、片道運賃は往復の70%、経由地で他の航空会社に乗り換えたり、宿泊を伴う滞在(ストップオーバー)をすることは自由というIATA運賃の規則が加盟航空会社における運賃規則の大原則とされ、これを基に各航空会社が制限を加えるなどして、割引運賃を定めるようになっていきました。

この当時は、日本円の為替レートが1$=360円という極端な円安水準に固定されていたこともあり、円建て換算されたIATA運賃は物価的にも一般の日本人が簡単に手の届く数字ではなく、国際線航空をまさに「高嶺の花」に押し上げていました。その代わりに、高いお金を払ってでも国際線に搭乗する乗客は富裕層やビジネス客ばかりで、そういう客にはある程度のわがままを認める、という意味合いになっていたとお考えいただければいいかと思います。

後に、エコノミークラス正規割引運賃の基準である『IATA PEX』や、パッケージツアー料金の基準となる『IATA IT』が制定されたり、ファーストクラスとエコノミークラスの間にビジネスクラスが設けられたりするなど幾多の変化を経ますが、各航空会社が独自の割引運賃を定めるにあたっては、IATA運賃からの割引率が目安とされ、逆にIATA運賃の水準を上回る不当に高い運賃の設定も禁じられるなど、航空の大衆化というIATAの目標を実現するにあたって、大きな貢献をしてきたのも事実です。

日本では、『JTB時刻表』(JTBパブリッシング=旧日本交通公社出版事業局:東京都新宿区)が国際線航空の時刻掲載を再開した1987年(昭和62年)7月号以降、運賃の目安として各路線ごとのIATA運賃を記載し、その存在が一般にも知られるようになりました。

しかし、1990年代後半になると3大航空連合の誕生や世界一周運賃の登場、LCCの台頭、そしてWEBでの予約発券が主流になったことなどによってIATA運賃はその意義を徐々に失っていきます。2007年(平成19年)には、普通運賃のシステムが従来のIATA運賃に相当する『IATA FLEX』と、各航空会社が独自に定めた『キャリア普通運賃』に分かれます。日本航空(JL=JAL)によりますと、IATA FLEX運賃は、路線・クラスごとに各航空会社が提示する最も高い運賃の平均を出し、それに1.1をかけた数値を以て次年度の運賃基準とするシステムを採用しているといいます(フレックスフェア方式)。

東京で編集されている業界向け専門サイト『トラベルビジョン』は、ANA(NH)が日本と欧州間の普通運賃航空券を発券している業務渡航中心の代理店に対し、2008年夏スケジュールからキャリア普通運賃への移行を求めていると報じていました。2010年(平成22年)には、国際航空運賃に対する独占禁止法(1947=昭和22年法律54号)の適用除外制度が見直され(2010年国土交通省航空事業課通達132号)、アメリカ向けについてもフレックスフェア方式が適用されます。そして、2017年(平成29年)6月28日に開催された運賃調整会議で、IATA運賃の制度そのものが廃止されることが正式に決定。今年10月31日をもって、IATA運賃での発券は終了することになっていました。

国土交通省航空局航空事業課(JCAB:東京都千代田区)では、国際航空ネットワークが充実した現代においては、例え特定の1社が不当に高い運賃を設定したとしても、乗客は違う航空会社や経路を選択でき利便は確保できると判断。IATA運賃に代わる新たな国際線航空運賃算定の目安を設けないとする方針を決定しました。

なお、日本航空が各旅行会社に通達したところによりますと、10月31日までに発券されたIATA FLEX運賃の航空券であっても、11月1日よりも後に第一区間(最初に搭乗する区間)の日付を変更した場合、IATA FLEX運賃は利用できなくなるとのことです。また、IATA FLEX運賃の廃止に伴い、ノーマル船員割引(SC25)や添乗員割引など一般客が使えない特殊な運賃についても一部整理の対象になると伝えられています。

2018年9月13日木曜日

世界最長距離のLCC直行便、廃止へ

ノルウェーエアシャトル(DY=NAX ノルウェー・オスロ、OBX上場)のグループ会社でイギリスを拠点とするノルウェイエアUK(DI=NRS、ロンドン)は、2地点間を結ぶLCCのフライトとして世界最長距離を誇っているロンドン(ガトウィック)~シンガポール(チャンギ)線を、この年末年始をもって打ち切る方針を固めました。Facebookページ『World Airline News』が報じたものです。

《ロンドン発2019年1月10日、シンガポール発1月11日のフライトをもって取りやめ》
DI7407 LGW1050~SIN0730+1 月・木曜運航
DI7408 SIN0930~LGW1540 火・金曜運航

(機材はB789 ビジネスクラス35席、エコノミークラス309席)

欧州と東南アジアを結ぶフライトは片道10時間以上かかり、長い間本格航空会社(FSC)が最新鋭のフラッグシップを投入する路線とされてきました。現在、チャンギ~ロンドン(ヒースロー)間ではシンガポール航空(SQ=SIA)、ブリティッシュエアウェイズ(BA=BAW)、カンタス航空(QF=QFA)がエアバス380で競い合っています。バンコクやKLIAからのヒースロー直行便もB773ERないしはエアバス359が使われ、一方でエミレーツ航空(EK=UAE)をはじめとする中東経由便の輸送力も1990年代以前とは比べ物にならないくらい増強されて、激しい価格競争が繰り広げられています。

AirAsiaX(D7=XAX クアラルンプール、マレーシア証取上場)も2009年から12年までKLIA~ガトウィック間で運航したものの、路線収益が赤字になって撤退に追い込まれ、その後復活の噂が何度も俎上に上がっては消えての繰り返しになっています。この間にトニー・フェルナンデスCEOがフランスの新聞のインタビューに応じた際、タイエアアジアX(XJ=TAX)担当でバンコク(ドンムアン)~ガトウィック線の可能性に言及したと一部で伝えられましたが、結局立ち消えとなってしまいました。最近ではScoot(TR=TGW)がチャンギ~アテネ(ギリシャ)線を開設しましたが、これは元々親会社のSIAが運航していたのを引き継いだものです。

そんな中、ノルウェイジャンは17年9月からガトウィック~チャンギ間に週4便で就航しました。同社にとってはアジアへの初進出で、なおかつLCCが運航する2地点間の直行便としては世界最長距離ということが最大の売りでした。しかし、ノルウェイジャンのネットワークは欧州圏内と、欧州~北米大陸間のいわゆる大西洋横断路線がメインで、営業も欧州圏内に偏重。東南アジアでの営業は全くと言っていいほど浸透せず、シンガポールから先の東南・東北アジアを運航するScootやジェットスターアジア(3K=JSA)との交流もうまくいきませんでした。

また、ノルウェイジャンは今年4月、BAの持株会社インターナショナルエアラインズグループ(IAG、ロンドン)から出資を受けたこともあり、BAはもちろん同じワンワールドに加盟するカンタスとも利害関係になってしまいました。

加えて燃油コストも上昇気味で、日本の航空専門サイト『Flyteam』によると10月28日からの冬ダイヤで現行の週4便が半分の週2便に減るとのデータが既に掲載済み。そして年末年始の多客期が終わる1月11日を最後に撤退する方向性を固めたと今回伝えられています。ノルウェイジャンは都合1年4カ月で、シンガポールはもちろん東南アジアからも撤退することになります。