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2020年3月14日土曜日

タイエアアジアX日本線全便一時運休!6月再開目指す

タイエアアジアX(XJ=TAX、ドンムアン区)は、売り上げの大半を占めている日本・韓国とタイを結ぶ便をすべて運休とする方針を発表し、3月16日(月)から実施します。

タイエアアジアXはバンコク・ドンムアン空港をハブに、成田・仁川へ毎日3便、関空毎日2便、中部セントレア・福岡・新千歳は毎日1便を運航しています。しかし、新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』、別名武漢肺炎)の大流行では、韓国では感染者が既に8000人近くに達し、日本も患者数こそ1桁少ないものの600人以上の感染者と19人の死者(世界保健機関=WHO日報3月13日付)を出すなど危機的状況に変わりはありません。この状況が続く中で運航を継続した場合、感染者の拡大を止められなくなると会社側では判断しました。

ドンムアン~仁川線は3月6日(金)から全便運休が続いていますが、とりあえず3月27日まで運休とし、その後については後日改めて判断されます。関空線は11日のXJ613便を最後に欠航からそのまま運休へと雪崩れ込む結果となりました。成田線では毎日3便あるうちの1便(XJ600・601便)を運航してきましたが、ドンムアン発は今日3月14日、成田発は明日3月15日(日)がひとまず最後となります。

既に予約をお持ちの方については、AirAsiaグループのWebサイトで予約をされた方は次のいずれかの対応となります。

・全額払い戻し…決済時に使用したクレジットカードへ取消票を発行
・BIGクレジットアカウント…自分のBIGロイヤリティプログラムのアカウントにポイントの形で保存し、今後1年以内の再予約時に利用
・日程変更…運航再開後、10月16日までのいずれかの日に変更(手数料無料)

Trip.com、SkyscannerなどのOTA(オンライン営業専門旅行会社)、エイチ・アイ・エスなど対面営業形式の旅行会社を通じて予約されている方は、旅行会社の指示に従って変更や払い戻しなどの作業を行っていただきます。

なお成田・関空・新千歳線で競合するLCCのScoot(TZ=SCO)、ノックスクート(XW=NCT)、タイライオンエア(SL=TLM)は減便などがあっても現時点では運航を続ける見通しですが、フルサービスキャリア(FSC)と違ってこれら競合他社の便への振り替えはできません。

またマレーシア国民を対象に2月29日から販売された『AirAsiaX Unlimited Pass』を、日本在住の日本人がVPN経由で購入するケースが相次いだようですが、運航再開後もUnlimited Passのプロモーションコードを使って作成された予約については、チェックイン時の本人照合でルール違反と判定された場合、搭乗を拒否するとの警告がなされています。

2019年8月11日日曜日

デルタ航空のアジア以遠権路線全廃!!羽田3タミで北米路線に集中

デルタ航空(DL=DAL:アメリカ・アトランタ、NYSE上場)は、旧ノースウエスト航空(NW=NWA)以来73年間受け継いできた以遠権による日本と東アジア主要都市を結ぶ路線を全廃する方針を固めました。2000年頃にはバンコクや香港、台北など成田空港だけで8路線あった以遠路線も今やマニラとシンガポールが残るだけとなり、それらも来年3月の冬ダイヤ終了までに取りやめられることが決まって発表されました。

《成田発9月21日、チャンギ発22日のフライトをもって取りやめ》
DL169 NRT1725~SIN2345 DAILY
DL168 SIN0545~NRT1420 DAILY

《成田発2020年3月27日、マニラ発28日のフライトをもって取りやめ》
DL181 NRT1600~MNL1955 DAILY
DL180 MNL0810~NRT1350 DAILY

(機材はB763 デルタワン=ビジネスクラス36席、コンフォートプラス=プレミアムエコノミー32席、メインキャビン=エコノミークラス143席)

デルタの日本発以遠権路線は、旧ノースウエストが日本に進出した1947年(昭和22年)から絶えることなく維持されてきました。1980年代にはパンナム(PA=PAA)の後を受け継いだユナイテッド航空(UA=UAL)とともに、近くはソウルから遠くシンガポールに至る路線網を構築。成田空港、また成田開港以前の羽田空港はノースウエストの北米以外における最大のハブとして、長く活用されました。

しかし、ノースウエストが同じスカイチームのデルタ航空と合併した2008年頃から風向きが変わりだします。2010年には羽田空港の再国際化があったものの、米系キャリアは深夜早朝枠の限られた便数だけとなりこの時は大きな影響はありませんでした。その後、ユナイテッドはANA(NH)との共同事業を盾に以遠権路線をアメリカ本土との直行便に切り替えるようになり、以遠権路線の代名詞だった成田~バンコクを2014年(前記事「ユナイテッド航空バンコク線28年の歴史に幕」参照)、成田~シンガポールを2016年(前記事「UA成田~シンガポール線廃止決定!アメリカ直行に切り替え」参照)にそれぞれ取りやめていました。

一方で、ノースウエスト航空時代にはマイレージプログラム『ワールドパークス』の特典航空券がわずか20,000マイルで取得できる点がマイレージマニアの間で大きな魅力となっていましたが、これも合併でデルタの『スカイマイル』に一本化された後、必要マイル数が45,000マイルと2倍以上に引き上げられ、完全に魅力を失いました。さらに、2014年からはスカイマイルのマイル加算がデルタ自社便については区間マイルではなく購入した航空券の金額によって決まる、事実上のポイントプログラムに生まれ変わったことで、それまで格安航空券で頻繁に搭乗していたスカイマイル会員は1往復あたりの獲得マイル数が3分の1以下となってしまう計算で、常連客のデルタ離れが一気に進みます。これらデルタを離れた日本人乗客が向かった先は、タイエアアジアX(XJ=TAX)やScoot(TR=TGW)といった中長距離のLCCでした。

加えて、北東アジアにはデルタと同じスカイチームメンバーズが4社もあり、中でも日本と地理的に近い韓国本拠の大韓航空(KE=KAL:ソウル特別市江西区、韓国証取上場)と、台湾拠点のチャイナエアライン(CI=CAL:桃園市、台湾証取上場)との関係はコードシェアから共同事業へと深化していきました。こうしてユナイテッドに続き、デルタも日本ハブを維持していく意味が薄れ出しました。

20年3月29日からの夏ダイヤでは、太平洋線も羽田空港第3ターミナル(東京都大田区)へ移動し、開港43年目にして成田を発着するDL自社便が全滅となってしまいます。成田空港第1ターミナル北ウィングでは太平洋線も合わせ、毎日7便分もの発着枠が一度に空くことになりますが、この分について日本航空(JL=JAL)の子会社のZIPAIR(ZG=TZP、千葉県成田市)が利用希望の意思を既に空港会社に伝えているといいます。

ただし、デルタはマニラ(ニノイアキノ)からの完全撤退は避ける模様で、大韓航空のハブである仁川空港(韓国・仁川市)経由に切り替えて、仁川~マニラの自社便を新設するとも発表しています。

2019年3月25日月曜日

2030年、民放AMラジオ閉局の嵐が吹き荒れる!? (1) 背景を探る

日本民間放送連盟(東京都千代田区)は、既存中波(AM)ラジオ局によるFM補完放送のネットワークが完成目前となったのを受け、将来的にAMの電波を廃止してFMとインターネット(radiko)に集約することを選択できるよう求める方針を固めました。最速で10年先の2029年から移行を始められるようにしたいといい、ラジオNIKKEI(日経ラジオ社:東京都港区)を含めて現在48あるAM(中波と短波)の民放ラジオが、2040年には最悪半分以下に減る可能性が出てきました。

1951年(昭和26年)の中部日本放送(現・CBCラジオ、名古屋市中区)の開局以来、10年余りで民放AMラジオ48局が出揃いました。1970年(昭和45年)からはFMの県域民放局が次々と開局。しかし、1970年代以降の国内AMラジオは局によって韓国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)・中国といった近隣諸国の放送との混信が酷くなってきました。

北朝鮮による電波妨害が深刻な韓国では早くからAMと同じ放送をFMでも流す標準FMが実用化されており、日本でもこれに倣って『FM補完放送』を導入することが検討されましたが、当時はFM放送に隣接する90MHz帯の周波数が地上波テレビに使われており、影響を避けるためFM帯の比較的高い周波数が地域によっては利用できなかった(専門用語で『ガードバンド』という)ため全国的な普及は見送られました。このため1990年代にはCBCラジオが岐阜県、毎日放送(MBS:大阪市北区)、ラジオ大阪(OBC:大阪市港区)、朝日放送ラジオ(ABC:大阪市福島区)は京都市に、「外国混信対策」と銘打った中波の中継局を開局せざるを得ない状況になりました。

FM補完放送の検討が本格的に始まったのは、2011年(平成23年)の地デジ移行完了後のことです。地上アナログテレビ全廃によりガードバンドの制約がなくなったため、FM放送に使う周波数帯域を広げられることになりましたが、一時期試験放送が行われていたデジタルラジオ放送(DAB)を導入しないことが決まり、代わりに『特定基幹放送と位置付けられる既存AM局にAMとFMの2波同時放送を認めるように求める声が、在京キー局のニッポン放送(JOLF:東京都千代田区)を中心に沸き起こりました(前記事「NHKの中波ラジオ、アナログ方式で存続決まる」参照)

そこで総務省は90MHz台前半の帯域に既存AM局向けの新たな電波を割り当てて補完放送(『ワイドFM』)を行うことにしました。2014年(平成26年)、北日本放送(KNB:富山市)と南海放送(RNB:愛媛県松山市)を皮切りに放送が始まり、東京の大手3局は2015年12月7日、大阪の3局も2016年3月19日から放送を始めていて、ラジオNIKKEIを除く全47局中43局がワイドFMとの2波体制に移行しています。最後まで残ったRFラジオ日本(横浜市中区)と西日本放送(RNC:香川県高松市)、高知放送(RKC:高知市)も送信所建設費に係る国庫補助の交付決定を受けており、2019年度中に開局して、47局全てがワイドFMの放送を始める予定です。

ところが、電波の特性上山間部などではFMよりも中波の電波の方が届きやすいため、韓国では標準FMのネットワークが完成した後もAM放送を廃止するところはありませんでした。これに対し、日本ではFM補完放送と同時期に普及が進んだradiko(インターネット放送)の存在と、ラジオメディア全体の広告収入の落ち込み、さらにAMの放送設備の更新コストといった経営負担を理由に、一部の地方局でAM放送をやめてワイドFMへ、またラジオNIKKEIでは短波放送を全廃してradikoへの完全移行を目指そうという動きが出てくるようになりました。ラジオNIKKEIは短波放送廃止を結局断念したものの、関東地方で地上波FM放送を行っていた放送大学(千葉市美浜区)は、radikoに移行することで全国満遍なく聴取できるようになるとして、2018年9月30日限りで電波によるラジオ放送を終了しました(前記事「ラジオNIKKEIの使用周波数削減!電波による放送は継続」参照)

2018年12月18日火曜日

Peachとバニラエアの統合スケジュール確定!バニラエアは来夏ダイヤ限り

Peach Aviation(MM=APJ、大阪府田尻町)とバニラエア(JW=VNL、千葉県成田市)は、先に発表していた経営統合に向けてバニラエア運航便を順次Peachに移管することになり、そのスケジュールを取りまとめました。移行は段階的に行われ、19年夏スケジュール最終日の10月26日(土)をもって、バニラエア便名での運航をすべて終了します。

《2019年3月30日のフライトをもって取りやめ》
成田~函館

《2019年5月6日のフライトをもって取りやめ》
関空~奄美大島

《2019年5月7日のフライトをもって取りやめ》
関空~台北桃園(JW運航便:MM運航便は存続)

《2019年5月31日のフライトをもって取りやめ》
成田~香港
那覇~石垣
那覇~台北桃園(JW運航便:MM運航便は存続)

《2019年6月1日よりMM便名で運航》
成田~那覇

《2019年6月28日よりMM便名で増便》
那覇~台北桃園

《2019年6月28日よりMM便名で再開》
那覇~香港

《2019年6月29日よりMM便名で増便》
関空~台北桃園

《2019年8月31日のフライトをもって取りやめ》
成田~奄美大島

《2019年9月1日よりMM便名で運航》
成田~新千歳

《2019年9月30日のフライトをもって取りやめ》
成田~高雄
成田~石垣

《2019年10月1日からMM便名で再開》
成田~奄美大島

《2019年10月26日のフライトをもって取りやめ》
成田~台北桃園
福岡~台北桃園

《2019年10月27日以降にMM便名で再開》
成田~石垣
成田~台北桃園
成田~高雄
関空~奄美大島
福岡~台北桃園

《3月13日追加》
バリューアライアンスを通じた海外LCCとの連携は、3月31日をもって終了すると発表されました。

2018年8月12日日曜日

世界初!大韓航空がハンドキャリアを完全追放へ

大韓航空(KE=KAL ソウル特別市江西区、韓国証取上場)は、世界の民間航空会社として初めて、ハンドキャリー(旅客の預け手荷物枠を利用した商業貨物の緊急輸送)を全面禁止する政策を発表しました。日本のお盆とその後に控えるチュソク(秋夕:韓国のお盆)を前に、まず本拠地・仁川空港発の全便で実施し、好評なら仁川着や釜山・金海空港発着便でも実施する構えです。

日本地区本部(韓進インターナショナルジャパン:東京都港区)のHPが8月10日に更新され

「航空機の定時運航と円滑なお客様サービスをご提供するためすべての商業用物品の受託手荷物としてのお預かりは致しかねます」

と記載されました。

ここでいう商業用物品は、ハンドキャリー業者が引き受けた貨物のことを指します。ハンドキャリーは、郵便局のEMS(国際スピード郵便)や通常の航空貨物輸送でも間に合わないような超緊急の物品や書類を、個人旅客の預け手荷物枠を利用して運ぶサービスで、日本では1990年代のバックパッカーブームとともに注目され、マイレージマニアがJALグローバルクラブ(JGC)やANAカードスーパーフライヤーズクラブ(SFC)など、上級会員資格の修行を兼ねて運び手に志願する例があった他、季節労働者の副業としても重宝されてきました。

JGCやSFC、KALならモーニングカーム以上になれば、エコノミークラスでも預け手荷物枠を増やすことができ、その分、ハンドキャリー業者にとっては一人の運び手に依頼できる荷物の量が増えることになります。そのため、ハンドキャリー業者から依頼を受けて搭乗する運び手がチェックインカウンターに持ち込んだ荷物の処理に時間を要し、他の荷物の少ない乗客にまで迷惑がかかり最悪、定時(時刻表に記載の時間から15分以内)出発ができなくなる恐れがあるというのが、今回、会社側が出してきた建前です。

しかし実際は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に向けた国連経済制裁逃れの闇貿易を封じるため、あるいはそれに乗じて、日本の暴力団が絡んだ密輸ルートの根絶を狙った可能性があるのではないかと、Traveler's Supportasiaでは分析します。

大韓航空は、高麗航空(JS=KOR、北朝鮮・平壌市中区)が国際線を就航させている北京首都空港、瀋陽(中国遼寧省)、ウラジオストック(ロシア・極東沿海地方)のすべてに定期便を飛ばしているので、これらの都市で運び手が高麗航空へ乗り継ぎをすれば、運び手が持ち込んだ荷物は北朝鮮国内に入ってしまいます。

また、ハンドキャリーで運ばれる物品は航空貨物としての通関を経ないため、何も知らずに引き受けた運び手が実は麻薬類や銃火器の部品を運んでいて、経由地で見つかって厳罰になるという事例も後を絶ちません。仁川空港経由日本へのルートは、アシアナ航空(OZ=AAR)利用も含め以前から裏社会では知られていて、今回、韓国税関とKALが組んでその根絶を狙ったのではないかとも考えられます。

当面は、仁川空港のチェックインカウンターと搭乗口でのみ適用するとしていますが、例えば日本発のKAL便利用で仁川から先もスルーチェックインされるケースにおいて、今回の規制が適用されるかどうかは現時点では不明です。日本からチェジュ航空(7C=JJA)やイースター航空(ZE=ESR)など他社便で仁川に入って、KAL便に乗り継ぐのであれば、当然規制対象となります。そして、商業用物品とみなされた品物はどんなものであっても航空貨物扱いとして、郵便事業者またはフォワーダー(航空混載貨物事業者)を通さなければならないという解釈がなされます。

2018年8月1日水曜日

日本・韓国人にミャンマービザなし渡航解禁

ミャンマーホテル観光省(ネピドー市)は、かねてから噂のあった北東アジア3カ国の国民に対する入国ビザ優遇措置をこの度正式に決定しました。日本・韓国パスポート所持者に対しては10月1日から28日以内のビザなし渡航が認められ、中国護照所有者は陸路と空路のボーダーでビザオンアライバルが取れるようになります。共同通信ヤンゴン支局がミャンマー国営テレビ(MRTV)の報道として伝えたものです。

ミャンマーへのビザなし渡航は、これまではASEAN加盟国(マレーシアを除く)に限って、14日から最大30日の滞在が許可されていました(前記事「タイとミャンマー、待望のビザ免除開始」参照)。ASEAN域外となる北東アジア諸国や、欧米など西側先進国からの入国希望者は事前にビザを取得する必要があり、アライバルビザの制度も導入されてはいたものの当初は観光客は使えない代物で、今でこそ観光客にも開放されたものの大使館で取得するよりも高い料金が設定されています。

今回、日本・韓国・中国に対して行われるビザなしあるいはビザオンアライバルは、過去に行われてきたものと違い、既にASEAN諸国に対して行われている制度と同様、観光目的の入国者も対象とするものです。

10月1日(月)から、ヤンゴン・マンダレー・ネピドーの国際空港で入国する日本と韓国パスポート所持者は、28日間のビザなし入国が許可されます。中国護照所持者は、US$50を支払って28日間有効のアライバルビザを取得できます。ただし、日本経済新聞(電子版)と東京で編集されている『ミャンマーニュース』は、ビザなしで入国するには滞在費の裏付けとしてUS$1,000(11万円)を持っていることが必要な旨政府側が発表していて、これに観光業界が

「タンシュエ軍事独裁当局時代の強制両替も真っ青」

などと反発しているとも伝えました。ホテル観光省はこれを受け、手持ち現金の確認については当面実施しないと追加発表しました。

10月1日の実施まであと2ヶ月。実行されるまでまだまだ紆余曲折がありそうです。

2018年7月12日木曜日

SIAがエアバス359ULRを受領へ!北米直行を強化

シンガポール航空(SQ=SIA、SGX上場)は、エアバス350ファミリーの超長距離飛行対応版『A350-900ULR』を9月にも受領する見通しです。今年11月の冬ダイヤから予定通りシンガポール(チャンギ)と北米を結ぶ直行便に投入することにしており、そのスケジュールが発表されました。

ニューヨーク線は、2013年10月以来5年ぶりとなる直行便が復活します。

《10月11日から有効》
SQ022 SIN2335~EWR0600+1 月、木、土曜運航
SQ021 EWR1045~SIN1730+1 火・金・日曜運航

《10月18日から有効》
SQ022 SIN2335~EWR0600+1 DAILY
SQ021 EWR1045~SIN1730+1 DAILY

《10月28日から有効》
SQ022 SIN0040~EWR0530 DAILY
SQ021 EWR0945~SIN1715+1 DAILY

(機材はエアバス359ULR SIAビジネス=ビジネスクラス67席、プレミアムエコノミー94席)

ロサンゼルス線は、現在成田経由で運航している毎日1便に加えて、直行便を復活させます。直行便は11月第1週に週3便からスタートし、2週目に毎日1便へ増強。12月には、さらに週3便を追加して週10便運航になります。

追加される週3便は現在、仁川経由で運航している便の代替で、仁川~ロサンゼルス間には同じスターアライアンスメンバーズのアシアナ航空(OZ=AAR)が運航していることもありSIAは撤退。代わりにチャンギ~仁川打ち切り便を毎日1便追加します。なお成田経由便は、ANA(NH)との共同事業が行われていない成田~ロサンゼルス間に根強い固定需要があることと、1980年(昭和55年)から40年近く維持している成田国際空港(千葉県成田市)での以遠権を引き続き大切にするという狙いのもと、運航を継続します。

《11月2日から有効》
SQ038 SIN2045~LAX1955 水・金・日曜運航
SQ039 LAX2225~SIN0815+2 水・金・日曜運航

(機材はエアバス359XWB SIAビジネス42席、プレミアムエコノミー24席、エコノミークラス187席)

《11月9日から有効》
SQ038 SIN2045~LAX1955 DAILY
SQ039 LAX2225~SIN0815+2 DAILY

(機材はエアバス359ULR SIAビジネス67席、プレミアムエコノミー94席)

《11月30日のフライトを持って取りやめ》
SQ008 SIN0225~0950ICN1120~LAX0640 DAILY
SQ007 LAX1605~2305+1ICN0035+2~SIN0555+2 DAILY 

(機材はB773ER SIAファースト=ファーストクラス4席、SIAビジネス48席、プレミアムエコノミー28席、エコノミークラス184席

《12月1日から有効》
SQ612 SIN0230~ICN0950 DAILY
SQ611 ICN1240~SIN1825 DAILY

(機材はエアバス333 SIAビジネス30席、エコノミークラス255席)

《12月7日から有効》
SQ036 SIN0820~LAX0730 水・金・日曜運航
SQ037 LAX0915~SIN1905+1 水・金・日曜運航

(機材はエアバス359ULR SIAビジネス67席、プレミアムエコノミー94席)

《運航継続》
SQ011 LAX1500~1845+1NRT2055+1~SIN0355+2 DAILY
SQ012 SIN0920~1705NRT1915~LAX1325 DAILY

(機材はB773ER SIAファースト4席、SIAビジネス48席、プレミアムエコノミー28席、エコノミークラス184席)

サンフランシスコ線では、現在エアバス359XWBで運航している毎日1便に加えて、359ULRを使った週3便を増強します。

《11月28日から有効》
SQ034 SIN1520~SFO1350 水・金・日曜運航
SQ033 SFO2010~SIN0540+2 水・金・日曜運航

(機材はエアバス359ULR SIAビジネス67席、プレミアムエコノミー94席)

SIAは16年10月、エアバス359XWBを使ってチャンギ~サンフランシスコ直行便を3年ぶりに復活させました(前記事「A359XWBでシンガポール~北米直行便復活」参照)。同年6月に成田経由から直行に切り替えられたユナイテッド航空(UA=UAL)のチャンギ~サンフランシスコ線が好調な業績を記録したことに危機感を持ち、ULR導入を待たず、いわば見切り発車的に直行便をやらざるを得ない状況に追い込まれたのです。

それから2年を経て、SIAにとっては待望のULR納機が迫ったことで、北米戦略を本来の計画に近い形とするべく今回の見直しに踏み切ります。

ただし、SIAがロサンゼルス直行線を増強する一方で、ユナイテッド航空は17年6月から1年余り運航してきたロサンゼルス~チャンギの直行便を取りやめ、サンフランシスコ線に集中するとも伝えられています。

《ロザンゼルス発10月25日、チャンギ発10月27日のフライトを持って取りやめ》
UA038 SIN1000~LAX1105 DAILY
UA037 LAX2330~SIN0735+2 DAILY 

(機材はB789 ポラリス=ビジネスクラス48席、エコノミープラス=プレミアムエコノミー88席、ユナイテッドエコノミー=エコノミークラス116席)

またSIA日本支社(東京都千代田区)は今回の仁川経由LAX便の廃止に伴い、運用上余裕ができるB773ERを羽田線に回し、増便すると発表しています。

《チャンギ発12月28日、羽田発12月29日から有効》
SQ630 SIN1725~HND0100+1 DAILY
SQ639 HND0230~SIN0915 DAILY

(機材はB773ER SIAファースト4席、SIAビジネス48席、プレミアムエコノミー28席、エコノミークラス184席)

2018年4月30日月曜日

北朝鮮独自の『平壌時間』わずか3年弱で廃止

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、2015年8月に光復(日本統治からの解放)70年を記念して導入した独自の標準時体系を5月5日(土)をもって廃止する政令を出しました。これにより、北朝鮮の標準時は韓国や日本が採用している東経135度子午線を軸とするUTC+9時間に戻され、独自の標準時は都合3年弱で終了することになります。

朝鮮半島は、中国大陸の標準時である中原標準時間の子午線である東経120度線と、日本標準時の135度の中間にあたる、東経127度30分が半島中央部を縦断しており、日本統治以前の旧大韓帝国の時代には、この線を基準にして日本と中国(当時の大清帝国)それぞれに対して30分の時差を設ける独自の標準時体系が行われていました。

日本の植民地支配が始まった後に朝鮮半島はUTC+9の日本標準時に合わせられ、光復し共和国が創建されてからも、標準時子午線が自国を通っていない場合は一般的に東側にある(最寄りの)子午線を使うという国際慣例に従って東経135度子午線基準の日本標準時を適用してきましたが、2015年(主体103年)8月、

「光復70年の節目に際し民族の受難の歴史に終止符を打つ」(当時の最高人民会議常任委員会声明より)

という理由で大韓帝国時代と同じ東経127度30分基準の『平壌時間』が、共和国創建後初めて導入されました(前記事「北朝鮮が独自の標準時に移行!日本・韓国と30分ずれる」参照)

しかし、4月27日、文在寅(ムンジェイン)韓国大統領との南北首脳会談に臨むため板門店(黄海北道開城市)を訪れた金正恩(キムジョンウン)委員長は、

「ソウルと平壌、2つの時計があることは分断の証で心が痛い。時刻を先に統一しないといけない」

と文大統領に対して述べ、韓国(南朝鮮)と同じUTC+9に戻す意向を表明しました。UTC+9になることで、韓国・日本とは時差が無くなり、逆に中国以西の国に対しては時差がこれまでの30分から1時間になります。

外国人旅行者への影響としては、平壌・順安空港を発着する航空便の発着時間が現在よりも30分早い表記になるほか、海外向けラジオ『朝鮮の声放送』を含むすべての放送の運行が現在よりも30分早くなります。ただどちらも、2015年8月以前の表記に戻るだけのため影響は少ないとみられます。

2018年2月8日木曜日

日本~サイパン直行便が廃止へ、バニラエアに商機か

デルタ航空(DL=DAL アメリカ・アトランタ、NYSE上場)は、日本とミクロネシアを結んでいる直行便2路線を5月のゴールデンウイーク明けに廃止する方針を固めました。対象は、サイパン(北マリアナ)とコロール(パラオ)の2路線。今年1月には成田~グアム線も廃止しており、旧ノースウエスト航空(NW=NWA)以来30年近い歴史のあったデルタのミクロネシア路線は、今後米軍チャーター輸送などが細々と続けられるものの、民間人は乗れなくなります。

《成田発5月5日、コロール発5月6日のフライトをもって取りやめ》
DL281 NRT2030~ROR0125+1 火・土曜運航
DL282 ROR0450~NRT0915 水・日曜運航
《5月6日のフライトをもって取りやめ》
DL297 SPN1615~NRT1900 DAILY
DL298 NRT1020~SPN1455 DAILY

(機材はB757 ファーストクラス20席、コンフォートプラス=プレミアムエコノミー41席、メインキャビン=エコノミークラス132席)

成田~サイパン線は、旧ノースウエスト航空時代の1989年(平成元年)に就航。当時は旧コンチネンタルミクロネシア航空(CS=CMI)と日本航空(JL=JAL)も運航しており、3社による旅客獲得競争が繰り広げられ、大東亜戦争期の負の遺産を乗り越えた南海のリゾート地として年間40万人以上の日本人観光客を送り込むことに貢献しました。

しかし、航空会社側からみると最も客単価の安いパッケージツアー客に依存する体質となっていて、座席稼働率は高い水準を維持しているものの収益ではほとんど貢献しておらず、2005年に日本航空が撤退。その後コンチネンタルと合併したユナイテッド航空(UA=UAL)も撤退し、成田とサイパンの間の直行便はデルタだけとなってしまいました。

直行便の便数が減ることによって、北マリアナ諸島へ入国する日本人観光客も年々減少の一途をたどり、2011年には北マリアナ全体の外国人観光客がピーク時の半分となる53万人まで落ち込みました。その後回復はしたものの、2009年からグアムを含めた最長45日間のビザなし渡航(Guam-CNMI VWP)が認められている韓国、台湾と、北マリアナのみのビザなし渡航(CNMI VWP)が導入された中国人が主流を占めるようになり、日本人はさらに減少していきます。2017年(平成29年)には、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が核軍拡の集大成としてグアム近海を狙ったミサイル発射実験を行うと宣言し、ミクロネシアの日本人向け観光産業は壊滅的ダメージを受けました。グアムの日本人送客実績がピーク時から30%減にとどまっているのに対し、サイパンをはじめとする北マリアナはなんと10分の1。これでは、本格航空会社(FSC)の路線として採算を維持するには厳しい状況で、特に収益にシビアな米系大手は日本をアジアのハブとしてきた路線政策自体の見直しもあって、やれ北朝鮮だミサイルだなどと騒ぐ以前の段階で撤退が検討されていたのです。

そして、デルタは今年1月8日のフライトをもって成田~グアム線から撤退。代わりに日本航空が毎日2便運航へ増強しますが、ゴールデンウィークが明ける5月6日を最後にサイパン・パラオ線も取りやめ、日本発のミクロネシア路線から完全に撤退することになりました。

しかし、今回のデルタ撤退をまたとないビジネス拡大のチャンスととらえられる日系キャリアが、実はあります。LCCのバニラエア(JW=VNL、千葉県成田市)です。バニラエアは立ち上げにあたって、成田空港をハブにしてマリンリゾートやレジャー需要の強い国際線を攻めるポリシーを掲げ、台北やフィリピンのセブなどといった路線を次々と就航させていきました。特にセブは親会社のANA(NH、東京都港区)も含め他の日系キャリアが飛んでおらず、JALがハワイ路線で築いたような金城湯池のディスティネーションへ発展していける可能性がある場所です。

今回、直行便が一旦無くなるサイパンもまた然り。バニラエアが立ち上げにあたって手本にしたとされるジンエアー(LJ=JNA、韓国・ソウル)は既に就航しており、一方でジェットスター・ジャパン(GK=JJP、千葉県成田市)やPeach(MM=APJ、大阪府田尻町)など他の日系LCCは就航を表明していません。バニラエアは初心に返って取り組めば、大きな成功を収められる可能性が秘められています。

2017年7月14日金曜日

JALも成田~仁川線廃止、羽田~金浦線に集中

日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)は2018年3月25日からの来夏スケジュールで、成田~仁川線を運休(廃止)すると発表しました。会社側では「至近の需要動向に鑑み決めた」としましたが、実行までまだ8カ月もある現時点での発表は極めて異例。JALをはじめとするワンワールドメンバーズの長距離便から乗り継ぐ乗客に配慮したのではないかとみられています。

《成田発2018年3月24日、仁川発3月25日のフライトをもって取りやめ》
JL959 NRT1840~ICN2120 DAILY
JL954 ICN1110~NRT1345 DAILY

(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)

JALの東京~ソウル線は、1964年(昭和39年)に羽田~金浦間で運航を始めたのが最初で、1978年(昭和53年)の成田開港時に成田~金浦へ変わり、2001年の仁川開港で現在の成田~仁川となりました。2003年(平成15年)に羽田~金浦線が再開される前は、成田~仁川間に1日3便を運航していましたが、日韓間のみを移動するビジネス客は両大都市の都心に近い羽田~金浦線へ移っていきました。

同じく成田~仁川線を運航していたANA(NH、東京都港区)は、グループLCCのバニラエア(JW=VNL、千葉県成田市)が初代エアアジアジャパン(JW=WAJ)の名前で運航を始めた2013年に撤退(前記事「ANA成田~仁川線廃止、エアアジアに移管!?」参照)。JALもジェットスター・ジャパン(GK=JJP)を持っているものの韓国路線には就航しておらず、アメリカン航空(AA=AAL)の北米大陸発着などワンワールドメンバーズの長距離国際線からの乗り継ぎ客を獲得する狙いで、1日1便の運航を続けてきました。

しかし、日航は大韓航空(KE=KAL)とコードシェア提携することになり、2014年4月、成田~仁川間に毎日3便運航しているKE便もJALから予約・発券可能になりました。2016年12月からはマイレージ(JMBとSKYPASS)の交流も始まり、ANAと同様、成田発着はパートナーの韓国側に任せ、収益の見込める羽田~金浦線に経営資源を集中する政策を取れる環境が整いました。

今回、この時期に発表が行われたのは、主な利用層だった韓国から北米への乗り継ぎ客やJMB・SKYPASS特典航空券の利用者に対し、少しでも長い予告期間を持たせたいという狙いがあります。

2017年3月2日木曜日

ベトナムのタクシー、小型ハッチバックが激増!

共産党一党支配の下で改革・開放を両立させてきたベトナムでは、外国人にも利用されてきたバイクタクシーに代わって、4輪乗用車を使った他の国と同様のタクシーが本格的な普及期に入りました。しかし、タクシーに使われる車は日本でいうと「街乗り用」の5ドアハッチバック車が主流。荷物の多い外国人旅行者は、少数派の4ドアセダンやMPV(マルチパーパスバン)を探すのに苦労しています。

ハノイ・ノイバイ空港で無線呼び出しアプリ『Uber』を使ってタクシーを呼び出すと、スタンダードクラス(旧市街まで265,000ドン)では小型ハッチバックが来てしまうことが多く、長距離国際線を利用したなど荷物の多い人には困りもの。MPVに絞って呼び出せるSUVクラス(40万ドン)もありますが、登録している台数が少ないため来るまで時間がかかります。

左ハンドルの国ということもあって、これら5ドアハッチバック車は韓国製がほとんど。ヒュンダイi10、起亜モーニング(タイ名ピカント)といった1000cc級エンジンを積んだ日本でいうところの『リッターカー』(韓国では『軽車』といって日本の軽自動車に相当)や、ヒュンダイi20、ゲッツなど1300cc級(日本のトヨタヴィッツ、日産マーチなどのクラスに相当)が街中でよく見かけられます。

5ドアハッチバックの場合、大型のスーツケースでは搭載場所に難儀してしまいます。後部ドアから1個、助手席に無理やり押し込んでも2個が限界です。2人や3人組でともなると、MPVでなければ対応できません。

ハノイとホーチミンシティ、それに街全体が世界遺産のフエ(順化、トゥアティアンフエ省)以外でセダン型タクシーを探すとなると大変です。北ベトナム第2の都市ハイフォンでもかなりの数のハッチバック車がタクシーで使われています。

2017年2月15日水曜日

白昼堂々!KLIA2で金正男氏暗殺!!

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の3代目最高指導者、金正恩(キムジョンウン)委員長の異母長兄に当たる金正男(キムジョンナム)氏が13日朝、訪問先のクアラルンプール・KLIA空港で突然倒れ、現地の病院に運ばれたものの死亡が確認されたと、韓国の報道機関が一斉に伝えました。享年46歳でした。倒れる直前に工作員(スパイ)とみられる女性と接触したとの情報もあり、北朝鮮本国の指令による暗殺の可能性も取り沙汰されています。

国営ベルナマ通信(電子版)が現地警察トップによる記者会見を引用して伝えたところによると、正男さんと見られる男性は13日のAirAsia(AK=AXM)8320便マカオ行きに乗るため、AirAsia専用の第2ターミナル(KLIA2)でチェックインを完了、出国審査場手前の一般エリアで過ごしていたところ係員に体調不良を訴え出たといいます。男性は直ちに行政上の首都であるプトラジャヤ市内の病院に送られたものの死亡が確認されたとのことです。

その際、「KIM CHOL(キムチョル、漢字では金哲と書くのではないかと推測)」名義の北朝鮮パスポートを持っていたとのことで、韓国の消息筋は正男さんが過去にこの名義のパスポートで何回も出入国した経験があると指摘、マレーシアの英語紙も「死亡した男性の風貌が海外で出回っていた正男さんの写真に瓜二つ」と伝え、死亡したのは正男さんだと結論付けました。

正男さんは体調不良を訴える際に

「顔に液体のようなものをかけられた」

と述べたと日本の朝日新聞が伝えていますが、韓国の聯合ニュース通信は

「身元不明の女性2人に毒針で殺害されたとされる」

と伝え、一方でベルナマ通信は

「顔に化学物質を含んだ布をかぶせられた」

と書いており、正男さんが致命的不良を訴えるまでの過程はわかっていません。このため、マレーシア警察当局は近く司法解剖を行って詳しい死因を分析するとしています。

正男さんは、北朝鮮の2代目最高指導者だった金正日(キムジョンイル)総書記と、人民俳優(女優)だった成蕙琳(ソンヘリム)さんの間に生まれました。パスポートには1970年(主体59年)6月10日生まれとのデータがあったとしていますが、日本語Wikipediaでは1971年(主体60年)5月10日生まれとあり、どちらが正しいのかはわかっていません。

Wikipediaによると、正男さんは平壌にある金日成総合大学を卒業後、朝鮮労働党中央委員会作戦部で電子戦組織(通称『サイバー軍』)の確立に貢献、総書記の後継者争いに名乗りを上げたと伝えられます。

しかし、2001年(平成13年)5月1日、シンガポール・チャンギ空港から日本航空(JL=JAL)710便で成田国際空港(千葉県成田市)に到着した際、第2ターミナルの入国審査場で係官に偽造パスポートを見破られ、逮捕されてしまいます。正男さんは東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で2日間過ごした後、退去強制となり中国へ向かいましたが、この一件で総書記の心象を一気に悪化させ後継者争いから脱落。本人もそれ以後は

「北朝鮮の内政には関心がないしもし(指導者に)させられたとしても絶対にやらない」

と漏らすようになり、生活の拠点を北朝鮮国外へと移していきました。

そのうち、自分より14歳も下の末弟である正恩氏が後継としての地位を固めると

「父(正日総書記)しか決められない。逆に言えば父の決定だから仕方ないし従うほかないが三代世襲は個人的には反対だ」(2010年10月12日のABC・テレビ朝日系『報道STATION』で放送されたインタビューより)

と述べて、逆上した正恩氏から何度も暗殺を仕掛けられたといわれました。

そして、今回の事件に至る訳ですが、マレーシアは北朝鮮国籍者がビザなしで1カ月間在留できる数少ない国の一つ。正恩氏率いる北朝鮮当局が正男氏暗殺を実現するならマレーシアだとばかりに工作員を送り込んだとしか考えられません。シンガポールは昨年10月から北朝鮮国籍者はビザが必要になっており(前記事「シンガポール、北朝鮮国籍者にビザを要求へ」参照)、選択肢が絞り込まれた矢先の出来事だったといえます。

多くの人が行き交う空港での白昼堂々の出来事だったにもかかわらず、正男氏以外に死者がいなかったのもしっかりと訓練されていた工作員の犯行であることを伺わせます。検死に立ち会った在クアラルンプール韓国大使館の職員は

「北朝鮮がこの手のテロでよくやる典型的な毒殺だ。毒物はVXガスの可能性がある

と述べたと共同通信が報じています。VXガスは、日本でもオウム真理教事件で使われ1人が死亡したことで知られています。今回の正男氏暗殺も、オウム真理教事件で実際に死者が出た1994年12月の事件と実行方法がよく似ており、可能性は高いと見られます。

2017年1月8日日曜日

忘れ物のガラケーを日本へ郵送できなくなった!!

タイランドポスト(郵政庁、ラクシー区)は、大型のリチウムイオン電池に続いて携帯電話やスマートフォンなどに使われる小型のリチウムイオン電池も危険物として、海外への発送受け付けを拒否しています。

リチウムイオン電池の航空輸送は、昨年4月以降厳しい条件が付くことになりました(前記事「電動スケートボードは飛行機で運べない」参照)。ホバーボードなどに使う大型の電池は一切受け付け不可能になりましたが、スマートフォン、デジタルカメラ、ガラケー(フィーチャーフォン)などに使われている小型のリチウムイオン電池は、条件付きで輸送が可能でした。

しかし、昨年10月にサムスン電子(韓国・水原市、NYSE・韓国証取上場)の最新機種『Galaxy Note 7』が電池周りの欠陥で発火・爆発するなどトラブルを連発して生産中止に追い込まれ、これ以降他のスマホなどに使われる小型リチウムイオン電池も航空輸送を拒否されるケースが出るようになったのです。

正月が明けた1月4日、プラカノン郵便局(ワッタナ区)では日系不動産屋のスタッフが

「お客様が忘れて帰ったガラケーを日本に送らなければいけないが受付拒否された」

と語っていました。リチウムイオン電池単体(本体から外した状態)では当然受け付けられません。取り付けていたとしても、電池の容量や1回に送れる個数に制限があり、なおかつ予備バッテリーが同梱されていると単体扱いになってしまい受け付けられないといいます。このため、郵便局員が面倒臭がって本来受け付けられるものでも個人の裁量で拒否してしまう可能性があるとのことです。

このガラケーは、ふくちゃんが偶々近い日付で日本へ向かう予定だったため、お預かりして手荷物で成田国際空港へ運び、お客様に無事届けることができました。

2016年12月3日土曜日

米国・韓国市民の北朝鮮出入国が事実上できなくなった!!

アメリカ財務省(ワシントンDC)と韓国外交部(日本の外務省に相当、ソウル特別市鍾路区)は2日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への経済制裁の一環として、高麗航空(JS=KOR、平壌市中区)の主要機材について自国領土及び米国海外領・自由連合国家への乗り入れを禁止するとともに、高麗航空自体についても自国市民・自国籍企業との金融取引を禁止するリストに加えると発表しました。これにより、アメリカ・韓国のパスポートを持っている人は高麗航空のすべての定期便・チャーター便に搭乗することができなくなりました。

さらに、全世界のクレジットカード決済もVISA(サンフランシスコ、NYSE上場)、MasterCard(ニューヨーク、NYSE上場)、AMEX(ニューヨーク、NYSE上場)、そしてダイナースクラブを傘下に持つディスカバー(イリノイ州デュページ郡)と米国籍企業がブランドの多くを掌握しているため、アメリカ以外の国に住むクレジットカードホルダーもこれらのカードで高麗航空の航空券購入代金を決済することが事実上できなくなる可能性があります。

北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)2条で国連安全保障理事会常任理事5カ国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)以外の国には禁止となっている核兵器の製造を行い、2003年にはNPT脱退を宣言、包括的核実験禁止条約(CTBT)も無視して核実験を繰り返すなど核武力を着々と充実させています。今回の制裁は、高麗航空が旅客機の貨物室や貨物専用機イリューシン76などを使い、朝鮮人民軍(陸軍)で使う核搭載可能なミサイルの部品を運ぶ可能性を封じる狙いで実施されるものです。

高麗航空は北朝鮮へ空路で入国する外国人のほとんどを運んでおり、韓国系米国市民や韓国籍を選択した在日コリアンが今後、観光やビジネスなどで北朝鮮へ出入国することはできなくなったも同然です。在日コリアンの中には韓国国籍を選択していながら朝鮮総聯(在日本朝鮮人総聯合会:東京都千代田区)会員という方もおり、そのようなケースでは北朝鮮での商談ができず、相手にわざわざ中国側(遼寧省丹東市)へ出てきてもらわなければならなくなるなど深刻な影響が予想されます。

他国民も第三国にある旅客総代理店(GSA)の店頭を訪れて現金かUnionpay(中国銀聯)のクレジットカードで購入しなければならなくなります。日本であればGSAを務めている中外旅行社(東京都台東区)が取り扱っています。

2016年8月18日木曜日

エアソウル移管路線の運航時刻確定!松山線は廃止に

アシアナ航空(OZ=AAR)の格安航空子会社、エアソウル(RS=ASV、ソウル特別市江西区)は、10月以降アシアナ本体から移管される日韓間の国際線について、運航スケジュールを決定しました。

《10月7日から有効》
RS702 ICN0830~TAK1005 金曜運航
RS701 TAK1105~ICN1245 金曜運航

《10月8日から有効》
RS712 ICN0940~FSZ1135 月・木・土曜運航
RS711 FSZ1240~ICN1445 月・木・土曜運航

《10月9日から有効》
RS704 ICN1450~TAK1625 火・日曜運航
RS703 TAK1725~ICN1905 火・日曜運航


《10月18日から有効》
RS712 ICN1340~FSZ1535 火・金曜運航
RS711 FSZ1640~ICN1845 火・金曜運航

《10月19日から有効》
RS702 ICN0710~TAK0845 火・水曜運航
RS701 TAK0945~ICN1125 火・水曜運航

《10月20日から有効》
RS732 ICN1010~HIJ1140 水・金を除く週5便
RS731 HIJ1240~ICN1410 水・金を除く週5便

《10月23日から有効》
RS742 ICN1230~YGJ1400 火・日曜運航
RS741 YGJ1500~ICN1640 火・日曜運航

《10月28日から有効》
RS742 ICN0930~YGJ1100 金曜運航
RS741 YGJ1200~ICN1330 金曜運航

《10月30日から有効》
RS732 ICN0910~HIJ1030 水・金を除く週5便
RS731 HIJ1130~ICN1310 水・金を除く週5便

《10月31日から有効》
RS782 ICN1400~TOY1600 月・水・土曜運航
RS781 TOY1700~ICN1900 月・水・土曜運航

このうち静岡線は、地元紙の静岡新聞(電子版)によるとアシアナが通年運航した最終年度となる昨年度(2015年4月~2016年3月)の平均搭乗率が76.9%と高く、全乗客に占める日本人と外国人の割合もほぼ半々になっているといいます。会社側では移管と同時に増便し収益の柱となることを期待しています。

富山線は、北日本新聞と北陸中日新聞(電子版)が富山県庁への就航挨拶の中で、冬スケジュールでは11月30日までの運航とし、2017年夏スケジュールで再開する方針を説明したと報じました。観光の目玉である立山黒部アルペンルートが雪に閉ざされる冬の時期に運航しない季節便とすることで採算の改善を狙いますが、この期間中はアシアナに残る羽田~金浦線や成田~仁川線を使い、北陸新幹線やANA(NH)の羽田~富山線へ乗り換えなければならなくなります。

また、アシアナ航空が現在運航している仁川~松山(愛媛県松山市)線はエアソウルに移管されず、9月で廃止となることも決まりました。

《9月25日のフライトをもって取りやめ》
OZ176 ICN1500~MYJ1630 火・金・日曜運航
OZ175 MYJ1730~ICN1900 火・金・日曜運航

(機材はエアバス320 ビジネスクラス8席、エコノミークラス148席)

2016年7月31日日曜日

シンガポール、北朝鮮国籍者にビザを要求へ

シンガポール入国管理局(ICA)は30日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)国籍者のビザなし入国を10月1日(土)以降認めないと発表しました。在日朝鮮人でも朝鮮総聯(在日本朝鮮人総聯合会:東京都千代田区)を通じて北朝鮮パスポートを入手している方については同様となるため、注意が必要です。

シンガポール発の衛星テレビ局『チャンネルニュースアジア』が30日夜の番組やHP、Facebookページなどで伝えたものです。

現在は、北朝鮮公民(国民)および北朝鮮国籍を選択(日本国内的には旧朝鮮籍)している在日朝鮮人は、ビザなしで30日の滞在が許可されています。しかし、核兵器開発に伴ってアメリカや日本などが科している経済制裁の抜け道として、朝鮮公民のビザなし渡航を認めているシンガポールやマレーシアといった東南アジアの国が使われる可能性が指摘されており、北朝鮮への貿易の流れを物的にも人的にも止めさせるべきだという欧米などからの圧力が強まっていました。これについて、韓国の大手紙『東亜日報』

「2月の米・ASEANサミットの時点で既に一部のASEAN加盟国が対朝貿易量を減らしているとアメリカ国務省当局者から指摘があった」

と報じています。

改正後は、事前に最寄りのシンガポール大使館、またはオンラインでビザを取得した上で、30日間の在留許可が与えられる仕組みとなります。

(画像:韓国と北朝鮮のパスポートが並ぶ。提供:ロケットニュース24)

2016年7月27日水曜日

アシアナ航空の地方路線、エアソウルに移管

アシアナ航空(OZ=AAR ソウル特別市江西区、KOSDAQ上場)は、エアプサン(BX=ABL、釜山広域市江西区)に続く2つ目の分離子会社『エアソウル』(RS=ASV、ソウル特別市江西区)を設立、運航を開始しました。

エアソウルは仁川空港をハブとし、格安航空会社(LCC)の形態を取り入れるとともに、本格航空会社(FSC)のスタイルを採るアシアナ航空では採算確保の難しい一部国際線の収支改善を目指します。LCCにFSCのローカル線立て直しを期待するというビジネスモデルは、エアプサンが2010年から取り組んで成功しており、アシアナと株の持ち合いをしているANA(NH、東京都港区)にも影響を与えています(前記事「ANA成田~仁川線廃止、エアアジアに移管!?」参照」)。これについて地元韓国の聯合ニュース通信は

「得意としていた中短距離の国際線で(イースター航空/ZE=ESR やチェジュ航空/7C=JJA など)LCCが台頭しアシアナは競争力を失いつつあった」

と指摘。東亜日報は

「日本だけでなく中国の地方都市や東南アジアへの路線も一部移管を申請済みでその数は合わせて2桁に達する」

と報じています。

エアソウルでは、機材の調達が進む10月以降、アシアナ航空国際線のうち、西日本の地方空港を発着する路線の移管を始める予定になっています。移管される路線ではアシアナとコードシェアを行いますが、現在のアシアナ運航便で行われているANAとのコードシェアは、継続されない公算が強くなっています。アシアナ時代にANAとのコードシェアが行われていたエアプサンの路線では、移管と同時にコードシェアのANA便名はなくなっていますので、この先例がそのまま適用されるなら、ANAコードシェアは消滅。ANAが設定しているPEX運賃『エコ割』も終了となります。

エアソウルに移管される路線と、アシアナが引き続き運航する仁川発着の中・長距離国際線を乗り継ぐ格安航空券は「アシアナ自社運航便のみ」という条件の場合、使えなくなります。どうしても必要な場合、日本発であればソウルから先のアシアナ便について、アシアナ航空のWebサイトで購入するか、韓国の旅行代理店で発券する必要があります。第三国発は、仁川までアシアナ航空で発券し、エアソウル運航区間はエアソウルのHPで予約・購入しなければなりません。

スターアライアンス世界一周・サークルパシフィック・サークルアジアの各企画運賃は、コードシェアにより、OZ便名かつブッキングクラスH・Mで予約が取れれば利用できます。

マイレージは、現在はスターアライアンス加盟全社のプログラムに加算できますが、エアプサンではOZ便名で予約購入した場合に限り、アシアナの自社プログラム『アシアナクラブ』にのみ加算が認められます。エアソウルも基本的にはこれに従うので、ANAマイレージクラブやマイレージプラス(ユナイテッド航空/UA=UAL)へは加算できなくなります。

対象路線は次の通りで、高松(香川県高松市)、富士山静岡(静岡県掛川市)、広島(広島県三原市)、米子(鳥取県境港市)、富山(富山市)の各空港を発着する5路線が第1陣となります。

《10月4日まで有効》
OZ166 ICN0830~TAK1005 金曜運航
OZ165 TAK1105~ICN1245 金曜運航
(機材はエアバス320 ビジネスクラス8席、エコノミークラス148席)

OZ166 ICN1450~TAK1625 火・日曜運航
OZ165 TAK1725~ICN1905 火・日曜運航

《10月6日まで有効》
OZ126 ICN0940~FSZ1135 月・木・土曜運航
OZ125 FSZ1240~ICN1445 月・木・土曜運航

《10月18日まで有効》
OZ162 ICN1010~HIJ1140 水・金を除く週5便
OZ161 HIJ1240~ICN1410 水・金を除く週5便

《10月21日まで有効》
OZ164 ICN0930~YGJ1100 金曜運航
OZ164 ICN1230~YGJ1400 火・日曜運航
OZ163 YGJ1200~ICN1330 金曜運航
OZ163 YGJ1500~ICN1640 火・日曜運航

《10月29日まで有効》
OZ128 ICN0910~TOY1100 火・日曜運航
OZ128 ICN1030~TOY1220 金曜運航
OZ127 TOY1200~ICN1400 火・日曜運航
OZ127 TOY1320~ICN1535 金曜運航

(機材はいずれもエアバス321ceo ビジネスクラス12席、エコノミークラス165席)

2016年5月15日日曜日

ジンエアー成田参戦決定!KAL成田線を補完

大韓航空(KE=KAL ソウル特別市江西区、韓国取引所上場)の完全子会社でLCC(格安航空)部門を担当するジンエアー(LJ=JNA)は、7月から成田国際空港への路線に新規参入すると発表、航空券の販売を開始しました。

《7月1日から有効》
LJ202 NRT1050~ICN1320 DAILY
LJ204 NRT1755~ICN2025 DAILY

LJ201 ICN0725~NRT0950 DAILY
LJ203 ICN1425~NRT1655 DAILY

(機材はB738 エコノミークラスのみ189席)

成田~仁川線は既に7社が毎日16往復を飛ばす激戦区ですが、ジンエアーは大韓航空が運航する便の前後に設定することで旅客を分散させる、補完的な役割を期待します。

LJ201便は、朝9時発のKE701便よりも1時間半前に設定。LJ203便は、KE703便と001便の間が7時間も開き、その間にライバルのアシアナ航空(OZ=AAR)が2便も運航していることに目を付けたダイヤを組みました。

成田発も、KE706便と702便の間が3時間20分あり、その真中の時間にLJ202便を入れてKE両便の旅客を分散。204便は、最終のKE002便がホノルル(アメリカ・ハワイ州)発の経由便で成田からの乗客が座席を取りにくいこともあるため、002便よりも後に設定して日本発の乗客はこちらに回ってもらおうという狙いです。

同じくジンエアーが運航する仁川~バンコク(スワンナプーム)間のLJ001・002便へは往復とも同日乗り継ぎが可能ですが、仁川で6時間前後の待ち時間が発生します。仁川~ビエンチャン線も往復同日で乗り継げ、特にビエンチャン発LJ52便から201便へは1時間40分でスムーズに行きますが、202便から51便へは5時間余りの待ちが必要です。

2015年8月10日月曜日

北朝鮮が独自の標準時に移行!日本・韓国と30分ずれる

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は5日、光復(日本統治からの解放)70年を記念して独自の標準時間を定めるとする政令を出しました。現在は日本・韓国と同じUTC+9時間ですが、8月15日(土)以降はUTC+8.5時間となり、日本・韓国からは30分遅れ、逆に中国・タイなどとの間では時差が30分縮まります。

世界の標準時間は、イギリス・ロンドンのグリニッジを基準の0度線とする協定世界時(UTC)を元に、経度15度ごとに24の時間帯に分かれています。日本は大きな分かれ目の一つである東経135度線が国内(兵庫県)を通過していることから、UTC+9時間を全土で使うようになっています。中国は、中華民国が大陸を実効支配していた時代には5つの標準時間帯に分かれていたものを、現在の中華人民共和国になってから一本化しました。ただし、どの時間帯を使うか、あるいはそれと関係のない独自の時間体系を採用するかは各国の判断に任されているといい、アジアではミャンマー、インド、ネパールなど子午線基準から外れた標準時を運用している国が多数あります。

朝鮮半島は、中国大陸の標準時である中原標準時間の子午線である東経120度線と、日本標準時の135度の中間にあたる、東経127度30分が半島中央部を縦断しており、日本統治以前の旧大韓帝国の時代と、戦後の韓国になってからの一時期、この線を基準にした標準時が実施されていました。

しかし、韓国では

「標準時子午線が自国を通っていない場合は一般的に東側にある(最寄りの)子午線を使うという国際慣例に従って」(鄭俊熙=チョンジュンヒ・統一部報道官)

という理由で、東経127度30分基準の独自標準時を廃止しました。北朝鮮は共和国創建(建国)以来、この慣例に沿って東経135度基準のUTC+9を使い続けてきましたが、今年2015年が戦後70年の節目となるにあたって、

「奸悪(かんあく、=邪悪)な日本帝国主義者共は朝鮮の標準時間まで奪う永遠に容赦できない犯罪行為を敢行した。今こそ民族の受難の歴史に終止符に打つべきだ」(最高人民会議常任委員会声明)

と説明、建国以来初めてとなる標準時の変更を行うことを決定しました。

外国人旅行者への影響としては、平壌・順安空港を発着する航空便の発着時間が現在よりも30分遅い表記になります。外国の航空会社は中国国際航空(CA=CCA 北京市、上海A株・香港H株上場)が北京線を持っているだけで、ハブとしている高麗航空(JS=KOR)便同士の乗り継ぎも現在はまずないので当分は大きな問題にはならないと思われます。

影響が深刻なのは、マスコミと韓国の製造業関係です。海外向けラジオ『朝鮮の声放送』を含むすべての放送が韓国と比べて30分遅くなり、逆に中国以西では30分早くなります。日本が拉致経験者や帰還事業参加者向けに放送している『しおかぜ放送』も、北朝鮮の正時に合わせるのであれば30分ずらさなければなりません。

製造業関係では、開城工業団地(黄海北道開城市)の出退勤時間が遅くなり、南側への製品出荷に支障が生じる恐れがあるとのこと。通信社の聨合ニュースと国際放送のKBS WORLD ラジオ韓国は鄭報道官が

「この状態が定着して将来の統一を迎えた場合、韓国側が追加の統一コストを負わされる可能性がある」

と述べ、懸念を表明したと伝えました。

2015年5月1日金曜日

「日韓共同きっぷ」27年の歴史に幕

JR西日本福岡支社(福岡市博多区、東証1部上場)と韓国鉄道公社(KORAIL、大田市)は、1988年(昭和63年)から発売されてきた国際連絡型特別企画乗車券『日韓共同きっぷ』(韓国側名称『韓日共同乗車券』)の販売を6月30日(火)限りで完全終了すると発表しました。同種のきっぷを発売している他のJR3社(東海、四国、九州)での発売も同日限りで一斉に取りやめます。

日韓共同きっぷは元々、ソウルオリンピックの開催に伴う在日コリアンの流動を当て込んで、JR西日本とJR九州(福岡市博多区)が中心となって企画されました。当初は下関駅(山口県下関市)までのJR線と関釜フェリーの2等雑魚寝、韓国内は釜山~ソウル間のセマウル号利用というルートで、1991年(平成3年)にJR九州(福岡市博多区)が高速船『ビートル2世』の運航を始めると、博多駅乗り換えで釜山までビートル利用という日韓共同きっぷが追加されました。2004年(平成16年)には、高速鉄道KTXの暫定開業に伴い釜山~ソウル間KTX利用のバージョンが追加、2006年にJR東日本(東京都渋谷区、東証1部上場)が販売を終了して、東京地区からは東京駅のJR東海所管の窓口で買えるだけとなりました。

しかし、日本側では新幹線の指定席が使えるとされていながら、山陽新幹線の主力である速達型列車のぞみ号は利用できず、ひかりレールスター・こだま号だけという条件が玉に傷となり、販売は伸び悩みます。飛行機との速度差も決定的。新幹線とビートル、KTXを組み合わせても、新大阪~ソウル駅間の片道に丸々1日を要しては、ビジネス移動には適しません。

飛行機の便数も比べ物にならないくらいに増えました。成田~仁川は6社で毎日13往復、羽田~金浦も4社で毎日12往復。関空~仁川は7社で15往復と百花繚乱状態です。大韓航空(KE=KAL)や日本航空(JL=JAL)のエコノミークラス普通運賃と比べるならまだしも、Peach(MM=APJ、大阪府泉佐野市)やイースター航空(ZE=ESR)といったLCC(格安航空会社)が出てきた2010年代以降、韓国内での途中下車ができたとはいえ基本的にはソウルと日本の主要都市を単純に移動するだけの日韓共同きっぷは完全に競争力を失いました。

政治的にも、2012年の李明博(イミョンバク)前大統領による竹島(韓国名独島)訪問、2013年以降の朴槿恵(パククネ)現大統領の対日強硬路線で二国間交流が冷え込む傾向にあるのが影響するようになっています。

そこでJR西日本は、これまでソウル~日本国内間の片道または単純往復という形式だった日韓共同きっぷの発売形態を見直し、相手国内の鉄道を自由自在に乗れるフリーパス形式の往復券とすることにしました。日本側からはKORAILの『KOREA RAIL PASS』、韓国側からはJR西日本の『JR-WEST RAIL PASS』をベースにし、これにビートルと出発国内の鉄道を組み合わせたものとします。つまり、鉄道で両国内を旅しようとする滞在型の観光客を狙っていくモデルに転換するということです。同種の商品は、JR九州高速船(福岡市)が2006年から『コリアレール&ビートルパス』という名前で販売しており、これに日本発なら博多までの鉄道利用を追加することで容易に開発できた訳です。

免税品狙いで日帰りや1泊2日などの超短期滞在をする旅行者は、JR九州高速船が出しているビートルの割引商品を利用してもらえば良いし、単純移動だけならLCCでサクッと飛んでもらって、コリアレールパスの1日券や『JR-WEST 関西ワイドエリアパス』を組み合わせればOK。韓国発で目的地が関東方面であれば、JR東日本がJR関東エリアパスを用意しています。代替の交通手段や関連商品も充実し、日韓共同きっぷはその役割を終えたと判断されたのです。