弊誌Traveler's Supportasiaが創刊して15年。創刊当初はスマートフォンも無く、携帯電話は2G全盛でブログは街のネットカフェからパソコンで見るのが当たり前でしたが、今やスマホで情報収集から航空券の購入、ホテル予約、さらには決済まで何でもできてしまう時代になりました。
日本はiPhoneシリーズ(Apple)の国内シェアが70%に達する「Apple天国」ですが、海外では逆にAndroid(Google)および互換OSのシェアが80%に達しています。そんな中、海外で利用する専用の端末を持つ人も増えています。弊誌では2017年にヤマダデンキ(群馬県高崎市)が発売したスマホをご紹介しましたが、それから3年半が経過し、格安エントリースマホの決定版とも言える機種が登場。中古価格もこなれ、今こそ買いのチャンスと言える状況になりました。
ファーウェイ(華為技術:中国広東省深圳市)が2018年から19年にかけて発売した『P20Lite』『P30Lite』と、現行の『P40LiteE』がそれです。中古販売大手のイオシス秋葉原中央通り店(東京都千代田区)では、P20Liteが8,980円、P30Liteが15,800円(どちらもBランク)で売られています。P20LiteはAndroid8.0(Oreo)を搭載し、1つ上の9.0(Pie)にアップデートが可能です。P30Liteは、9.0をベースに開発された『EMUI9』を搭載し、10(Q)までアップデートできます。2021年2月現在、現行のAndroidは11(R)ですので、ほとんどの最新アプリが使えます。古いバージョンのAndroidを搭載するマシンをジャンクで購入して、LINEやWhatsappが使えなくなるという「安物買いの銭失い」には少なくとも2020年代後半まではなりません。ただし、P40LiteEはGoogle Playストアからのアプリ取得に対応しておらず、自社の『Appgallery』を利用するのが基本線です。
カメラはP20Liteが2眼(最大1600万画素級)、P30Lite・40LiteEは3眼レンズ(40LiteEは最大4800万画素級、30Liteは2400万画素級)を搭載します。これだけでも数年前のコンパクトデジタルカメラの性能を上回っており、ミラーレス一眼のサブとしても使いたいという評価が上がるほどの高性能に仕上がっています。外部ストレージもMicroSDカードで、万が一いっぱいになってもほぼ世界中で簡単に調達できます。なお、PLiteシリーズでも40LiteEと併売されている『P40Lite 5G』は、ファーウェイが独自に開発した『NM(Nano Memory)カード』を採用しており、MicroSDカードは使えません。P40Liteが希望機種で、MicroSDが絶対必要という方は、40LiteE一択となってしまいます。
対応周波数帯も幅広く、P20Lite、30Lite、40LiteEともに日本とアジアの多くの国で主流となっているバンドをほぼ網羅。GalaxyS10(サムスン電子)のように日本向けとグローバル向けで対応周波数が異なるということはなく、1台でアジアのどこにいても連絡を取れます。
サムスンGalaxyシリーズの日本向けモデルと違い、おサイフケータイ(楽天Edy、モバイルSuicaなど)は搭載されていませんが、QRペイ(楽天ペイ、alipay、OVOなど)には対応しており、キャッシュレス決済が可能です。もし、モバイルSuica・PASMOが必要なら、Galaxy SシリーズであればS7edge以降、AシリーズはA20以降、またはOPPO(欧珀移動:中国広東省東莞市)の『Renoシリーズ』がお勧めとなります。
3機種の中でも特にP20Liteのコストパフォーマンスの高さは絶賛されています。IT分野の市場調査を手掛けるBCN(東京都千代田区)の調べで19年の日本国内SIMフリー端末販売台数1位を獲得したといい、中古市場に出てくる球数の多さも魅力ある価格を形成する一因となっています。
コロナ後のアジアへ飛び出そうというビジネスマンからバックパッカーまで、絶対手元に置いておきたい1台です。