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2021年1月24日日曜日

MLながら無き後の18きっぷユーザーはどうなる?

JR東日本横浜支社(横浜市西区、東証1部上場)とJR東海(名古屋市中村区、東証1部上場)は、旧国鉄時代から維持されてきた東海道線の臨時夜行快速列車『ムーンライトながら』(東京~大垣)の運転を終了(廃止)すると発表しました。これにより東海道線の夜行列車は、寝台特急『サンライズ瀬戸・出雲』が残るのみとなり、同時に『青春18きっぷ』利用者は乗り継ぎ行動の変化を求められます。

MLながらは、本州中央部を駆け抜ける18きっぷユーザーにとって極めて重要な足でした。今回消滅することで、例えば関東から中国・四国地方や、関西圏から東北方面へ18きっぷ1回分だけで乗り継ぐことが難しくなります。

《東京から始発電車で西へ》
東京から九州方面へは、MLながらから先、東海道線・山陽本線の普通列車を乗り継いでいけば、JR九州管内まで同日中に行くことも出来ましたが、廃止で九州への同日到着は不可能になってしまいました。東京駅を始発の上野東京ラインで出て、西へ向かったとすると、以下のような乗り継ぎになります(以下の列車時刻はすべて平日ダイヤベース、JTBパブリッシング『大判時刻表2021年3月号』を参考にしました)。

東京5:20(普通321M)7:27沼津7:35(普通741M)8:28静岡8:30(普通739M)9:41浜松9:43(新快速5117F)11:47大垣12:12(普通225F)12:46米原12:50(新快速3467M)15:17姫路15:33(普通977M)15:53相生15:56(普通1325M→431M)18:41三原19:13(普通353M)21:22岩国21:25(普通3365M)23:58厚狭

東京駅を始発で出ても、九州島内はもちろん本州最西端の下関駅(山口県下関市)にもたどり着けず、厚狭駅(山口県山陽小野田市)で18きっぷ1回分の効力が終わってしまいます。

これが品川駅(東京都港区)始発の場合、午前4時台に始発電車があり、18きっぷ1回分でギリギリ九州にたどり着くことが可能です。

品川4:35(普通721M)6:16熱海6:19(普通423M)6:38沼津6:46(普通2735M)9:01浜松9:10(普通925M)9:45豊橋9:50(新快速2311F)11:18大垣11:42(普通223F)12:17米原12:20(新快速3463M)14:47姫路15:03(普通975M)15:23相生15:25(普通1323M→1749M)18:05糸崎18:29(普通339M)21:58徳山21:59(普通3357M)23:50下関23:51(普通5231M)小倉0:05

それでも、関東から九州へ向かうのであれば大阪駅で降りて大阪南港へ向かい、阪九フェリー(北九州市門司区)か名門大洋フェリー(大阪市西区)の門司航路、またはフェリーさんふらわあ(神戸市東灘区)の別府航路、宮崎カーフェリー(宮崎市)の宮崎航路といずれにしても長距離フェリーに乗り継ぐのが楽ではあります。東京と北九州を直接結ぶオーシャン東九フェリー(東京都中央区)の定期航路では、船中2泊が必要です。

ジェットスター・ジャパン(GK=JJP、千葉県成田市)の成田空港と九州を結ぶ各路線で飛んでしまった方が効率が良く、フェリーより安くなる場合もあります。

《終電で大阪到着を目指すなら》
また、大阪駅に終電で到着しようとすると、こうなります。

東京15:18(普通1885E)17:02熱海17:09(普通461M)19:43浜松19:48(普通977M)20:22豊橋20:34(新快速2349F)22:38米原22:42(普通921M)23:16野洲23:25(新快速3555M)0:22大阪

大阪駅着が日付の変わった後の0時22分ですが、大都市近郊区間内では当日の最終電車まで利用できるというルールにより、このパターンがリミットです。ちなみに、3月13日のダイヤ改正で野洲23:25の新快速が廃止になり、改正後はもう1本繰り上がって大阪着が23時58分着になるため、東京駅を午後3時前に出る必要が出てきます。

《大阪を始発で出て東北へ》
大阪駅を始発で出て東北方面へ向かおうとすると、次のような乗り継ぎになります。

大阪5:00(普通502C)5:46京都5:49(普通902M)6:56米原7:07(新快速2312F)9:25豊橋9:32(普通930M)10:06浜松10:08(普通764M)11:21静岡11:53(普通1448M)13:07熱海

【上野から常磐線経由の場合】
熱海13:13(快速アクティー3528E)14:54上野15:12(常磐中電395M)17:31水戸17:42(普通579M)19:10いわき19:25(普通689M)20:42原ノ町20:45(普通273M)22:04仙台
【上野から東北本線経由の場合】
熱海13:13(快速アクティー3528E)16:09小山16:21(湘南新宿ライン快速4532Y)16:53宇都宮17:12(普通671M)18:03黒磯18:10(普通4149M)18:33新白河18:44(普通2151M)20:33福島20:51(普通591M)22:11仙台

仙台22:39(普通2577M)23:48石越

終点の石越駅(宮城県登米市)前には宿泊施設がなく、まともに泊まろうとすると事実上仙台駅が限界と言わざるを得ません。

ちなみに大阪発は北陸新幹線の開業時に北陸本線の金沢以遠が第3セクターのIRいしかわ鉄道(金沢市)とあいの風とやま鉄道(富山市)、えちごトキめき鉄道(新潟県上越市)に分割解体されてしまった関係で新潟県方面へ最短ルートで行けなくなり、非常に厳しくなりました。名古屋から中央線・篠ノ井線・飯山線経由で向かう場合でも、長野駅と豊野駅(長野市)の間が並行在来線分離でしなの鉄道(長野市)に渡ってしまったため、この区間の運賃260円を払う必要があります。どうしても全区間JRにこだわるのあれば東京経由を強いられ、いずれにしても大阪を始発で出て新潟駅(新潟市中央区)に着くのは夜10時近くになります。

新日本海フェリー(大阪市北区)の舞鶴(京都府舞鶴市)と小樽(北海道小樽市)、敦賀港(福井県敦賀市)と苫小牧(北海道苫小牧市)を結ぶ定期航路が昔から有名ですが、今やPeach(MM=APJ、大阪府田尻町)の関空~仙台・新潟・新千歳線で飛んだ方が圧倒的に楽です。

MM143 KIX1035~KIJ1150 DAILY
MM144 KIJ1230~KIX1400 DAILY

(機材はエアバス320ceo 普通席=エコノミークラスのみ180席)

名古屋発着でもPeachが新千歳・仙台線を2代目エアアジアジャパン(DJ=WAJ)から事実上引き継いでおり、下手をするとLCCが18きっぷの歴史的使命を終わらせる可能性もすぐそこまで迫っています。

2021年1月22日金曜日

185系退役で『MLながら』廃止決定

JR東日本横浜支社(横浜市西区、東証1部上場)とJR東海(名古屋市中村区、東証1部上場)は、旧国鉄時代から維持されてきた東海道線の臨時夜行快速列車『ムーンライトながら』(東京~大垣)の運転を終了(廃止)すると発表しました。これにより東海道線の夜行列車は、寝台特急『サンライズ瀬戸・出雲』が残るのみとなり、同時に『青春18きっぷ』利用者は乗り継ぎ行動の変化を求められます。

MLながらの前身の長距離普通列車(通称『大垣夜行』)は、旧国鉄時代の1968年(昭和43年)、それまで運転されていた急行『ながら』(東京~大垣)を普通に格下げ、また東海道線最後の客車普通列車(『143/144レ』、東京~大阪)を統合する形で誕生しました。当時は『ドリームなごや』(JR東海バス)や『ドリーム大阪』(西日本JRバス)が開設される前で、東名間、東阪間の長距離移動手段は事実上鉄道しか無く、飛行機は物価的に極めて高額でした。しかも東海道新幹線の開業に伴い廃止される運命にあったものを石田礼助総裁(当時)が覆し、存続させたといわれます。

以後、急行『東海』(東京~静岡)と同じ急行形電車使用で維持され、1980年代以後は『18きっぷ』『鉄道の日記念JR全線乗り放題きっぷ(現・秋の乗り放題パス)』の登場に伴いその利用者にも親しまれてきましたが、1996年(平成8年)にJR東海が新型の特急用電車を投入したのを機にMLながらにリニューアル。一部区間で全車指定席制度を導入してサービス改善を図りました。この頃には、並行する高速バスはそれなりに発達していたものの、関東と静岡県中西部を結ぶ夜行便がないなどの理由でまだまだMLながらの乗客は多く、18きっぷシーズンには指定席券がプラチナチケット化し、JR東海は急行形電車による『臨時大垣夜行』(9375M/9372M、品川~大垣)を頻発させていました。

2000年代に入ると、高速ツアーバスの規制緩和によって鉄道からバスへの転移が本格的に始まり、JR東海子会社のJR東海バス(名古屋市中村区)は2004年、『京阪神ドリーム静岡号』(静岡駅~大阪駅)の運行を開始。続けて2005年12月22日、『ドリーム静岡・浜松号』(東京駅~浜松駅)を立ち上げます。新幹線が運転していない深夜に静岡市、浜松市と首都圏・近畿圏を結ぶ役割に強力なライバルが現れ、MLながらの毎日運行に陰りが見えてきます。

JR東海バスの攻勢を見たしずてつジャストライン(静岡市葵区)と遠州鉄道(浜松市中区)も首都圏への高速バス運行に参入し、MLながらから乗客を奪っていきました。

こうして、2009年3月14日の全国ダイヤ改正で定期運行が終了、18きっぷシーズンを中心とした臨時運行に変わります。臨時運行では、秋の『鉄道の日きっぷ』販売期間の運転が無くなり、救済臨改め『MLながら91・92号』も、同年12月の『コミックマーケット77』への輸送を最後に運転されなくなりました。

そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言で2020年3月29日を最後に運休となってしまいます。2021年1月の2度目の緊急事態宣言によって国民の行動様式に決定的な変化が生じたことが最大の理由ではあるものの、2009年から使ってきたJR東日本の特急形電車
『185系』が新造から40年を経て老朽化し3月13日のダイヤ改正限りで退役決定となったため、このタイミングで終了を発表することにしたとJR東日本では説明しています。

2020年12月22日火曜日

Scoot、AirAsiaXの代替へ!ZIPAIRバンコク線2月から毎日運航

日本航空(JL=JAL)の完全子会社のLCC、ZIPAIR(ZG=TZP、千葉県成田市)が10月28日から運航を始めた成田~バンコク(スワンナプーム)線で、当初貨物専用としていた日本発便を来年1月以降旅客も乗れるようにします。2月からは毎日1便に増強。ノックスクート(XW=NCT)が倒産しタイエアアジアX(XJ=TAX)とタイライオンエア(SL=TLM)も再開のメドが立たない中、いち早くLCCによる日タイ間の往来を復活させ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック終息後も見据えた事業のスタートラインに立ちます。

《現在運航中》
ZG051 NRT1640~BKK2200 貨物専用(旅客は搭乗不可)
ZG052 BKK2330~NRT0715+1 DAILY

《2021年1月9日から有効》
ZG051 NRT1640~BKK2200 土曜運航(他の曜日は貨物専用)
ZG052 BKK2330~NRT0715+1 DAILY

2021年2月1日から有効》
ZG051 NRT1640~BKK2200 DAILY(全曜日旅客の搭乗可能)
ZG052 BKK2330~NRT0715+1 DAILY

(機材はB788 フルフラット=ビジネスクラス18席、スタンダード=エコノミークラス272席)


2020年12月17日木曜日

BTSパホンヨーティン線全線開業!新交通「ゴールドライン」も

BTSグループホールディングス(チャトチャック区、SET上場)は、BTSパホンヨーティン線の最後の延長区間となるワットパシーマハタート(バンケン区)とクコット(パトゥムタニ県ラムルッカ郡)の間と、シーロム線クルントンブリ駅(クロンサン区)から分かれる中量軌道系輸送(APM)『ゴールドライン』の2路線を同時に営業開始しました。これにより、1999年の1期開業から22年目でBTSスクンビット線・パホンヨーティン線の全線が完成。同時にBTSはバンコク首都圏の北隣のパトゥムタニ県にも進出しました。

BTSパホンヨーティン線は、都市鉄道公団(MRTA、ホイクワン区)との共同事業で建設が進められ、今回はワットパシー駅から北に9.9Km延長。新たに7つの駅が開業しました。ワットパシーから順にパホンヨーティン59、サーイユット(バンケン区)、サパンマイ、プミポン病院、空軍博物館(ここまでサーイマイ区)、コーポーオー交差点(ドンムアン区)の6つの途中駅を経て、終点のクコット駅に達します。

サパンマイ駅は、ラムルッカやサーイマイ区、クロンサムワ区方面へのバスに乗り換えが可能で、バンコク首都圏最北部の新たな交通の要衝が誕生します。

プミポン病院駅はその名の通り、ラマ9世プミポン先代国王の本名を冠した空軍所管総合病院の最寄り駅。その次の空軍博物館駅で降りると、大東亜戦争期に日本から供与された「立川九九式高等練習機」など往年の名軍用機が展示されている博物館へアクセスできます。

バンコク首都圏最後の駅となるコーポーオー交差点駅も、BTSとバスの乗り継ぎで欠かせない地位を築くことになりそうです。ランシットやナワナコン、アユタヤ県方面、またランシット乗り継ぎでオンカラック、ナコンナヨク県方面へ向かうお客様は、ここで[34][39][503][522]に乗り換える必要があります。クコット駅でもランシット行きのバスはありますが、乗り換えできるバス路線自体わずか3路線しかなく、そのうち首都圏バス公団(BMTA)のバスは[543]1路線だけです。

コーポーオー交差点駅の先で線路はパホンヨーティン通りを離れ、ラムルッカ通りを一路東へ。BTS全線の中でもっとも長い駅間距離2.6Kmを走って、終点のクコット駅に到着します。

一方、ゴールドラインは首都圏政庁(BMA:プラナコン区)の外郭団体『クルンテープタナコム』との共同事業。シーロム線のクルントンブリ駅(クロンサン区)から分かれて、トンブリ中部のチャオプラヤ川沿いに作られたショッピングセンター『The Icon Siam(アイコンサイアム)』との間を結ぶわずか1.7Kmの路線です。1.7Kmというのは、日本の私鉄で最も短い芝山鉄道(千葉県芝山町)の2.2Kmよりさらに500mも短く、JR鶴見線の『大川支線』こと、安善~大川間(横浜市鶴見区)とほぼ変わらない距離です。当然、BTSスクンビット線(パホンヨーティン線含む)・シーロム線で使っている電車では輸送力過剰になるとみて、シンガポールのLRTや日本の新交通システムに相当する無軌条ゴムタイヤ駆動の小型車両を導入しました。

ゴールドラインの駅はクルントンブリ以外に2つ。1つ目のチャルンナコン駅(クロンサン区)がこの路線の最大の目的である、アイコンサイアムの最寄りです。チャルンナコン駅を出ると、すぐに終点のクロンサン駅。トンブリ地区有数の大規模公立病院、タクシン病院の最寄り駅となります。BTSCは当初、チャルンナコン駅での打ち切りも検討したといいますが、首都圏政庁の意向を受けたタナコム社がタクシン病院まで建設することを事業承認の条件とした模様です。

2020年10月23日金曜日

ANA、紙版公式時刻表を終刊…『翼の王国』は存続

ANA(NH、東京都港区)は、創業以来66年間に渡り発行を続けてきた冊子版公式時刻表の発行を次号(2020年12~2021年1月号、ダイヤとしては2021年1月31日まで有効)を最後に取りやめるとFacebookページで発表しました。2月以降はWebサイト上での検索のみとなります。なお年2回発行している『サービスガイド』の発行も取りやめられますが、機内誌『翼の王国』は広告スポンサーが多いことや個人の有料定期購読者もいるなどの支えによって、今後も継続されます。

ANA公式時刻表は、旧日本ヘリコプター輸送が旅客航空運送事業を始めた1954年(昭和29年)2月1日に第1号が出されたといい、以来66年8カ月間に渡って編集・発行が行われてきました。1990年代に公式Webサイト『ANA SKY WEB』が起こされるまではほぼ月刊ペースで発行、2000年代には隔月刊ペースに落とされたものの、就航地の空港カウンターや海外支店、日本国内の旅行代理店などで無料配布されていました。

(画像:1957(昭和32)年の日本ヘリコプター輸送社公式時刻表。ANAのFacebookページより拝借しました)

その後、運賃の多様化により発行後に運賃の変更があっても対応が追い付かなくなったため、2012年9月号をもって運賃表の掲載を取りやめ、運賃はANA SKY WEBやSkyscannerなど外部の比較サイトなどで確認するようになりました。

2010年代も末になり、環境保護と持続的な成長の両立(SDGs)が求められる風潮になってきたことから、会社側では紙の公式時刻表の発行を中長期視点で取りやめる方向で検討を始めていたところへ新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)のパンデミックが襲います。世界の航空需要は壊滅的なレベルに追い込まれ、ANAも創業以来最悪の通期損失を出す見込みとなったため、Web版公式時刻表の開発を急ぎ、予定を数年繰り上げて紙版終刊に踏み切ることになりました。オンライン時刻表は、スターアライアンス加盟社やANAの国際線就航地、それにANAがパートナーシップを結んでいるベトナム航空(VN=HVN)、ガルーダインドネシア(GA=GIA)などの地元言語を含む14言語に対応するといい、紙版最終号の有効期限が切れる2021年2月1日から本格的に運用されます。

2020年10月19日月曜日

2代目エアアジア・ジャパン運航停止!Peachが事実上代替へ

エアアジア・ジャパン(DJ=WAJ、愛知県常滑市)は既に10月24日まで全路線全便を運休すると発表していますが、10月25日からの冬ダイヤ以降、事業の継続を断念する意向と報道されました。

読売新聞(中部本社版)が9月30日朝刊で第一報を伝え、東京で編集されている業界専門サイト『Aviation Wire』も同日夜に追随。会社側は10月5日、取締役会で航空運送事業の廃止を決めて国土交通省に届け出ました。

2代目エアアジアジャパンは2014年、AirAsiaグループと楽天(東京都世田谷区、東証1部上場)など日本の有力企業・投資ファンドによる合弁として設立され、2017年10月29日の中部セントレア~新千歳線を皮切りに定期便運航を始めました。2019年には初の国際線となる中部~台北桃園線の運航を始め、COVID-19のパンデミック直前には3機のエアバス320ceoで、国内線2路線、国際線1路線を運航するキャリアに成長しました。

しかし、中部~台北線が3月20日を最後に運休(事実上の取りやめ)となり、国が緊急事態宣言を出した4月には国内線も2路線ともに運休し、事業が全くできない状況に追い込まれました。国内線のみ8月1日から再開したものの、パンデミック第2波の恐怖に怯えながらの運航となり、9月になると中部~新千歳線を多客が見込まれた連休の絡む6日間、1日1往復運航しただけにとどまりました。そして、9月22日の新千歳発中部セントレア行きDJ010便が2代目エアアジア・ジャパンとしての最後のフライトとなってしまいました。

10月以降は全路線全便を運休とし、11月4日付で大半の従業員を解雇。書類上は12月5日付で廃止とし、航空運送事業許可(AOC)を返上した後、公認会計士の下で債務超過額を確定。遅くとも年明けまでに名古屋地方裁判所(名古屋市中区)に自己破産か特別清算を申し立てて法的整理される予定です。

ところが、2代目エアアジアジャパンが運航していた中部~新千歳、仙台の2路線に、Peach(MM=APJ、大阪府田尻町)が参入の意向を示しました。実現すれば、初代エアアジアジャパン(JW=WAJ)の後身だったバニラエア(JW=VNL)を吸収合併したPeachが、「不思議な縁」で2代目エアアジアジャパンの事業を継承することになります。


《12月24日から有効》
MM461 NGO0830~CTS1015
MM463 NGO1725~CTS1910
MM462 CTS1055~NGO1245
MM464 CTS2005~NGO2155

MM491 NGO1335~SDJ1440
MM492 SDJ1410~NGO1525

(機材はエアバス320ceo 普通席=エコノミークラスのみ180席)

2020年7月8日水曜日

タイエアアジアが福岡就航へ!沖縄よりも先に

タイエアアジア(FD=AIQ、ドンムアン区)は、新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)の収束後に日本へ就航する方針を固め、この度国土交通省航空局国際航空課(JCAB:東京都千代田区)から『外国人国際航空運送事業の経営許可』(AOC)を取得しました。第一弾として、福岡国際空港(福岡市博多区)への定期便を開設します。

《9月2日から有効(予定)》
FD636 DMK2335~FUK0705+1 火・水・土曜運航 
FD637 FUK0815~DMK1145 水・木・日曜運航

(機材はエアバス320neo エコノミークラスのみ186席
 またはエアバス321neo エコノミークラスのみ236席)

※AirAsiaグループのWebサイトでは7月8日現在、XJ便名で週3便の運航と表示されているが、これがFD便名に変わる可能性がある

バンコク(ドンムアン)~福岡線には、大型機部門のタイエアアジアX(XJ=TAX、ドンムアン区)が2018年10月から今年3月まで毎日1便を就航させていましたが、今回のタイエアアジアの就航が、タイエアアジアX運航便に加えて増便の形となるのか、あるいはタイエアアジアXが運休を継続し事実上の減便、機材小型化となるのかについては7月8日の時点では公式には発表されていません。

AirAsiaグループでは、AirAsia本体(AK=AXM)便名でありながらAirAsiaX(D7=XAX)のエアバス333で運航している便が存在します。2017年2月にKLIA2で暗殺された故金正男氏が最期に搭乗しようとしたマカオ行きのAK8320便が、正にこのスタイルでした(前記事「白昼堂々!KLIA2で金正男氏暗殺」参照)

一方で、タイエアアジアがこれまで保有していたエアバス320ceoでは、ドンムアンから那覇空港(沖縄県那覇市)までの直行便を飛ばすことはできるものの、日本列島への直行には性能が足りませんでした。しかし、2016年から納入されてきたエアバス320neoや、それに代わって昨年から納機が始まったエアバス321neoは成田(千葉県成田市)までの直行が可能であることから、今回の福岡線をモデルケースとして、通路2本の大型機であるエアバス330ファミリー(333、339neo)を使うタイエアアジアX運航路線の機材小型化を図る可能性があり、そのためにはタイエアアジアが日本の経営許可を取得する必要があったものです。

2020年6月16日火曜日

ジェットスター、ベトナムから撤退へ

ベトナム航空(VN=HVN:ハノイ市ロンビエン区、ハノイ証取上場)とカンタス航空(QF=QFA、オーストラリア・シドニー)は、ジェットスターパシフィックエアウェイズ(BL=PIC、ホーチミンシティ特別市タンビン区)に係る合弁事業を解消することで合意しました。今後、カンタスが保有するジェットスターパシフィックの持株をベトナム航空に引き渡すといい、ジェットスターパシフィックはベトナム航空の第二会社『パシフィックエアラインズ』として独自にLCC事業を展開、ベトジェットエア(VJ=VJC)とバンブーエアウェイズ(QH=BAV)の民間2社に戦いを挑むことになります。

ジェットスターパシフィックになる前の初代パシフィックエアラインズは、1990年12月にベトナム航空が台湾への就航を目指して設立した第二会社でした。当時は中国が掲げる『一つの中国(一中)』政策が航空業界に対しては厳格に適用されていて、航空会社は中国か台湾のどちらに就航するかを選択しなければならず、日本航空(JL=JAL)は台湾線のみに就航する子会社日本アジア航空(EG=JAA、東京都品川区)を設立していました。つまり、日本アジア航空のような位置付けの第二会社を作ろうとベトナム航空は判断した訳です。

この初代パシフィックエアラインズが2008年、ベトナム初のLCCとしてジェットスターグループ入りし、ジェットスターパシフィックエアウェイズに生まれ変わります(前記事「ジェットスター第3のハブはホーチミン」参照)。それまでB737ファミリーを使っていた機材をジェットスターの標準であるエアバス320ceoに総入れ替えし、主力のハノイ(ノイバイ)~ホーチミン(タンソニャット)線などを増便しました。2012年にはベトジェットエアの増便に対抗し、ベトナム航空との共同で事実上のシャトル便化を行い(前記事「ハノイ~ホーチミンシティ間、シャトル便時代始まる」参照)、2017年には日本への乗り入れも果たしました。

しかし、ジェットスターグループ他社と一部サービスレベルに違いがあったことから同等の品質を求める乗客に敬遠されたこと、また国際線でベトジェットエアとの競争に事実上敗れたことの2点が致命的となりました。特に東北アジアへのフライトでは、エアバス320ceoでホーチミンシティからの日本・韓国路線を就航させることが出来ず、エアバス321neoで成田国際空港(千葉県成田市)などへの路線を展開したベトジェットの独走状態となってしまいます。この結果2019年7月に日本路線を廃止(前記事「ジェットスターパシフィックが日本撤退!関空路線2年持たず」参照)。そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴う壊滅的減便・運休の中でカンタス側が事業見直しを行った中に、ベトナム事業からの資本引き上げが含まれていました。

今後、ジェットスター改め2代目パシフィックエアラインズはベトナム航空の第二会社という2007年以前の立ち位置に復帰し、引き続きLCC事業を展開します。

2020年6月1日月曜日

北神急行が神戸市営地下鉄に編入!前代未聞の公営化決行

北神急行電鉄(神戸市北区)は、1988年(昭和63年)から営業を続けてきた自社線(谷上~新神戸)の全設備と営業権を地元の神戸市に譲渡して事業活動を終了しました。これにより、北神急行線は神戸市営地下鉄北神線として生まれ変わりました。

日本で純民間資本で建設された私鉄が、国に買収されるのは鉄道国有法(1906=明治39年法律17号)など多くの例がありますが、地方公営企業に引き取られるのは路面電車を除けば史上初めてです。BOT方式PFI(建設・運営・譲渡)適用とみなした場合、公共セクターへの譲渡まで行ったのも日本では例がありません。

北神急行線は、神戸電鉄(神戸市兵庫区、東証1部上場)が運営している有馬・三田線(湊川~三田・有馬温泉)の谷上駅(神戸市北区)から分かれて都心のJR新神戸駅(神戸市中央区)の間をトンネルで短絡する路線として、神鉄の親会社の阪急電鉄(大阪市北区、日本民営鉄道協会加盟)主導で計画されました。

1970年代には北神急行の鉄道トンネルと並行して、神戸市が自動車用の『新神戸トンネル』を掘っており、谷上駅と三宮の間に神戸電鉄バス(現・阪急バス=大阪府豊中市)の[6](神戸駅~有馬温泉)[151](神戸駅~谷上駅)と神姫バス(兵庫県姫路市、東証2部上場)の[14](神戸駅~三田駅)、隣の箕谷駅との間は神戸市バス[64](三宮~神戸北町)が開通し神鉄の乗客を奪い始めていました。阪急は特に市バス[64]を鉄道先行と考え、谷上駅とJR新神戸駅の間にほぼ一直線のトンネルを掘って、既に建設が始まっていた神戸市営地下鉄西神・山手線に接続させ相互直通運転を行うという事業構想を立て、1979年(昭和54年)に北神急行を設立。日本鉄道建設公団(現:鉄道・運輸機構)と連携して工事を進め、1984年(昭和59年)にはトンネルを貫通させ、1988年(昭和63年)4月2日に正式に開通、営業を開始しました。

しかし、鉄建公団に対して25年計画で工事費を返済する必要があったことから運賃を高く設定しなければならず、加えて新神戸駅以遠は神戸市営という別の事業者になるため市営の乗車料金(運賃)も合算されたので、谷上と三ノ宮の間は営業距離で8.8Kmしかないのに、開業当時でなんと590円、値下げされた後も550円という高い料金設定になっていました。一方、神戸市バス[64]は箕谷駅まで450円、阪急バス[6]も谷上駅まで490円と北神急行よりも安い運賃設定をし、市営だけで使える『敬老パス』(シルバーパス)の利用者も多かったため乗客の鉄道への移行が進まない状態に陥ります。このため債務返済のメドが立たなくなり、2001年(平成13年)、北神急行は設備を神戸高速鉄道(神戸市兵庫区)に譲渡して上下分離の事業者になります。それでも収支の改善が進まず、270億円もの欠損金(累積赤字)を抱えたまま2年後の2022年にも北神急行関連の債務を引き継がなければならなくなっていた阪急阪神ホールディングス(大阪市北区、東証1部上場)は、久元喜造市長に北神急行の今後について協議を要請します。久元市長は神戸市北区の活性化を進める狙いで北神急行の資産を引き取り、市営地下鉄に一体化することを提案。2019年3月に基本合意を取りまとめ、北神急行の現場社員を神鉄に移籍させた上で神鉄が北神線区間および谷上駅の運営を市から受託するという移行措置を準備してきました。

乗車料金は、西神・山手線の3区相当にあたる『北神1区』が設定され、谷上と新神戸の間は280円と従来より90円引き下げられました。新神戸駅以遠では従来連絡運賃だったのが神戸市営地下鉄1本になるにあたり、「新神戸駅を基準にした区間料金+北神1区料金」が初乗り(1区)では同額、2区以遠でも従来の地下鉄料金より30円~40円のアップに留まるように見直されました。この結果、谷上と三ノ宮の間は280円、神鉄湊川駅(神戸市兵庫区)に程近い湊川公園駅との間も、従来の610円が310円とそれぞれほぼ半額に引き下げられました。三宮と有馬温泉の間も、従来の950円がバスよりも安い680円に値下げされ、乗客の鉄道への転移が一気に進むのではないかと期待されています。

なおPiTaPa、ICOCAなど交通系ICカードは従来通り使用できるほか、谷上駅ではスルっとKANSAI磁気カードも当分の間自動券売機・自動精算機で使用できます。New Uラインカード、敬老パス、福祉乗車証も北神線で使えるようになります。

2020年5月20日水曜日

タイ国際航空破綻!!日航と同様の更生手続きへ

財務省国営企業政策委員会(パヤタイ区)がプラユット・チャンオチャ首相に提案していたタイ国際航空(TG=THA:チャトチャック区、SET上場)の法的整理移行について、プラユット首相は今日の閣議で了承する決定を行いました。これによりTHAIは中央破産裁判所(サトーン区)に整理手続き開始(日本の会社更生法に相当)を申し立てることになりました。事実上の経営破綻で、負債総額は2400億Bt.(約8000億円)以上に上ると推定されています。

THAIは1960年の創業以来、財務省の直接出資とオムシン銀行(GSB:パヤタイ区)など国営金融機関を通じた間接保有分を合わせて、政府が発行済み株式の大半を握るナショナルフラッグキャリアとして活動してきました。当初は国内線部門が旧タイ航空(TH=THA:ポンプラップ区)という別会社だったこともあり、日本の『45/47体制』にも似た棲み分けが行われてTHAIは中・長距離国際線を独占して担当し、70年代に彗星のごとく現れて消えたエアサイアム(VG)を吸収合併したほか、1988年には旧タイ航空も合併し、国内線・国際線の一元化を果たします。1997年、創業当初の合弁相手だったスカンジナビア航空(SK=SAS)の誘いを受け、スターアライアンスに結成メンバーとして参加しました。

ところが、タイ初の格安航空会社としてタイエアアジア(FD=AIQ)が国内線の運航を始めたことが大きな転機になります。タイ国際航空はタイエアアジアに対抗するため、ノックエア(DD=NOK)を設立し筆頭株主になりますが、ノックエアが路線を拡張するにあたって、THAIの国内ローカル線を移行するという45/47体制下の旧東亜国内航空(JD=TDA)や旧日本近距離航空(EL=ANK、現・ANAウイングス)も真っ青の政策を遂行したため、THAIはジェット機による国内幹線運航という旧日本航空インターナショナル(JL=JAL)と同じ立場になり、必然的にコストが採算に見合わない状態となってしまいます。

2012年には当時最も小さかったボーイング734の代替としてエアバス320ceoを導入しますが、この際に専用のサブブランド『タイスマイル』が起こされ、2014年には完全子会社タイスマイルエアウェイズ(WE=THD、チャトチャック区)となって、THAI本体所属のフリートはとうとう中大型機だけとなったのでした。

その後、収益の柱となった中距離国際線でもLCCの攻勢に押されます。日本線にはタイエアアジアX(XJ=TAX)が就航し、ノックエアもノックスクート(XW=NCT)を設立して対抗したものの運輸省民間航空局(CAAT)がICAOのSSCを受けてしまい就航が遅れる事態に。THAIはこれをビジネスチャンスととらえてFSC離れを食い止めるべきだったのが、SSC発行直前に増便認可を取り付けていたタイエアアジアXの手回しの良さの前に伸び悩みました。

欧州への長距離便では、乗り継ぎながらもEU圏内ほぼすべての都市へネットワークを持ったエミレーツ航空(EK=UAE)とターキッシュエアラインズ(TK=THY)に乗客を奪われ、直行のアドバンテージだけでは乗客を呼べなくなってしまいます。インドでもIndiGo(6E=IGO)やスパイスジェット(5G=SEJ)のLCC2強がバンコク線を設け、乗り継ぎ需要の多かった日本からの訪印者も日本航空やANA(NH)の直行便開設で次第に離れていくようになりました。

こうしてTHAIは慢性赤字体質に陥っていき、直近7期中最終黒字を達成したのは2016年12月期の1度だけ、株主への配当も7年連続で無しという厳しい財務状況になってしまいます。そして、3月からの新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)のパンデミックに伴う国家非常事態宣言でタイ発着国際線の運航が禁止されたためTHAIは国内線・国際線共に全便運休となり収入源を断たれます。THAIは財務省につなぎ融資を要請したものの労組や組合に近い役員の反対に遭い断念。2010年の日本航空が取った再建スキームを参考に、法的整理でスピード再建を目指すことにしました。

THAIはCOVID-19に伴うタイ発着国際線の運航停止が解除された後、速やかに運航を再開し、再建への道を歩むことになります。

2020年4月30日木曜日

コロナ後初の日本新規就航会社!!バンブーエアに国交省が許可

国土交通省航空局国際航空課(JCAB:東京都千代田区)は、ベトナムの新規LCCのバンブーエアウェイズ(QH=BAV、ビンディン省フーカット県)に「外国人国際航空事業の経営許可」(AOC)を交付しました。ベトナム国籍の航空会社で日本への国際線就航が可能になるAOCを取得するのは、ベトナム航空(VN=HVN)、ジェットスターパシフィックエアウェイズ(BL=PIC)、ベトジェットエア(VJ=VJC)に続いて4社目のことです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが収束した後、早い時期の運航開始を目指します。

バンブーエアは2019年1月に運航を開始し、業歴2年目。完全親会社の地元総合商社FLCグループ(ハノイ市ナムトゥリエム区、ホーチミン証取上場)の信用力をバックにリース会社から大量の機材を集め、COVID-19直前にはハノイ(ノイバイ)~ホーチミンシティ(タンソニャット)線で1日19往復を運航するという急成長を遂げました。

FLCが日本への技能実習生派遣を手掛けていることもあって、バンブーエアは創業当初から日本へ定期便就航を目指す事業計画を立て、昨年春には茨城空港(茨城県小美玉市)へチャーター便を運航しました。その後、韓国と台湾へ国際定期便4路線を就航するなどし、国交省にAOCを申請できるだけの実績が整ったと判断。この度、FLC東京駐在員事務所(東京都千代田区)を通じて行った申請が許可されたものです。

当初はエアバス321neoを使い、ホーチミンシティから成田空港と関西空港の2路線、ハノイからは関空への1路線を運航し、ベトジェットエアとベトナム航空に対抗する狙いとみられていますが、将来はタンホア、ヴィン(ゲアン省)といった実習生を多く輩出する省の地方空港と日本を結ぶ直行便の開設も期待されます。

2020年3月14日土曜日

タイエアアジアX日本線全便一時運休!6月再開目指す

タイエアアジアX(XJ=TAX、ドンムアン区)は、売り上げの大半を占めている日本・韓国とタイを結ぶ便をすべて運休とする方針を発表し、3月16日(月)から実施します。

タイエアアジアXはバンコク・ドンムアン空港をハブに、成田・仁川へ毎日3便、関空毎日2便、中部セントレア・福岡・新千歳は毎日1便を運航しています。しかし、新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』、別名武漢肺炎)の大流行では、韓国では感染者が既に8000人近くに達し、日本も患者数こそ1桁少ないものの600人以上の感染者と19人の死者(世界保健機関=WHO日報3月13日付)を出すなど危機的状況に変わりはありません。この状況が続く中で運航を継続した場合、感染者の拡大を止められなくなると会社側では判断しました。

ドンムアン~仁川線は3月6日(金)から全便運休が続いていますが、とりあえず3月27日まで運休とし、その後については後日改めて判断されます。関空線は11日のXJ613便を最後に欠航からそのまま運休へと雪崩れ込む結果となりました。成田線では毎日3便あるうちの1便(XJ600・601便)を運航してきましたが、ドンムアン発は今日3月14日、成田発は明日3月15日(日)がひとまず最後となります。

既に予約をお持ちの方については、AirAsiaグループのWebサイトで予約をされた方は次のいずれかの対応となります。

・全額払い戻し…決済時に使用したクレジットカードへ取消票を発行
・BIGクレジットアカウント…自分のBIGロイヤリティプログラムのアカウントにポイントの形で保存し、今後1年以内の再予約時に利用
・日程変更…運航再開後、10月16日までのいずれかの日に変更(手数料無料)

Trip.com、SkyscannerなどのOTA(オンライン営業専門旅行会社)、エイチ・アイ・エスなど対面営業形式の旅行会社を通じて予約されている方は、旅行会社の指示に従って変更や払い戻しなどの作業を行っていただきます。

なお成田・関空・新千歳線で競合するLCCのScoot(TZ=SCO)、ノックスクート(XW=NCT)、タイライオンエア(SL=TLM)は減便などがあっても現時点では運航を続ける見通しですが、フルサービスキャリア(FSC)と違ってこれら競合他社の便への振り替えはできません。

またマレーシア国民を対象に2月29日から販売された『AirAsiaX Unlimited Pass』を、日本在住の日本人がVPN経由で購入するケースが相次いだようですが、運航再開後もUnlimited Passのプロモーションコードを使って作成された予約については、チェックイン時の本人照合でルール違反と判定された場合、搭乗を拒否するとの警告がなされています。

2020年2月6日木曜日

JR常磐線9年ぶりに全線再開へ!ひたち号も仙台再上陸

JR東日本水戸支社(茨城県水戸市、東証1部上場)は、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故で甚大な被害を受けていた常磐線の富岡(福島県富岡町)~浪江(福島県浪江町)間の営業を、今年3月14日(土)の全国ダイヤ改正と同時に再開すると発表しました。

常磐線は、東日本大震災直後には久ノ浜(福島県いわき市)と亘理(宮城県亘理町)の間が不通になりました。この区間では高さ最高21mに達した津波の直撃を受け、線路や駅舎といったインフラが多くの場所で流出、破壊され尽くしました。今回復旧する区間はさらに、福一事故に伴う放射能拡散で警戒区域指定(事実上の避難命令)が出されたことから、震災後数年間は復旧に手を付けるどころか、被害状況の調査をすることすらできませんでした。2014年になってようやく本格的な調査が始まり、2016年3月5日に内閣総理大臣・安倍晋三(自民党、衆院山口4区)が福島県楢葉町で

「2020年3月までの全線復旧を目指す」

と発言したことによって、正式に復旧工事が始められました(前記事「震災5周年…常磐線全通にメド、気仙沼線は鉄路断念へ」参照)

工事は線路沿いの土地の除染からスタートし、放射能により汚染されたレールや枕木を総取り換えしたのち、夜ノ森駅(福島県富岡町)、大野駅(福島県大熊町)、双葉駅(福島県双葉町)の駅舎を建て直すという大掛かりなものでした。すべての除染が終わるのに2年半を要し、駅舎の建て替えや設備の入れ替えにも時間をかけて、19年12月までに工事が完了して試運転を始められる状況になりました。そして、設備に問題がないことが確認されたため、事前に双葉町と大熊町、富岡町の一部に出されていた避難指示を解除した上で、列車の営業運転を再開することにしたものです。

3月14日から、復旧する区間を含むいわき(福島県いわき市)~原ノ町(福島県南相馬市)間には東京・品川駅直通の特別急行『ひたち』3往復と、普通列車11往復の合計1日14往復の列車が走ります。このうち、特急ひたちでは東日本大震災前には原ノ町打ち切りが1日2往復あったものの、この2往復についてはいわき~原ノ町間が再開されません。震災前から上野駅(東京都台東区)と仙台駅(仙台市青葉区)を通していた1日3往復のみの運転となります。

ただし、震災前の『スーパーひたち』ではいわきまで11両編成で、以北は4連で運転される日が多かったのに対し、今回復活する『ひたち』に使っている特急電車『E657系』は10両固定編成しかないため、品川から仙台まで10連で運転。これにより1列車あたりの輸送力は震災前の2.5倍と圧倒的に拡大されます。これは、ひたち号と並行する高速バス『いわき号』(新常磐交通:福島県いわき市)の原ノ町便が運行再開に至っていないための措置でもあります(常磐富岡までは再開済み)。

ちなみに、上野駅8時、13時、16時ちょうど発の常磐線回り仙台行き優等列車は、国鉄時代の1982年(昭和57年)から存在する伝統のあるダイヤです。57.11改正ダイヤでは8時発の『急行ときわ』があり、13時と16時には特急ひたちが設定されていました。

2020年1月26日日曜日

ラオス航空の日本乗り入れ計画、中止か

ラオス航空(QV=LAO、ビエンチャン)は、今年3月から運航を始める予定だったビエンチャン(ワッタイ)・ルアンパバン~阿蘇くまもと(熊本県益城町)線の就航計画を「時期未定」にすると熊本県庁に通告してきました。事実上白紙に近いと言ってもいい状況で、日本からラオスへの直行便就航は遠退き、従来通りバンコクやハノイ、仁川などでの乗り換えが必要になります。

地元紙の熊本日日新聞(電子版)が24日午後に伝えたものです。

ラオス航空は2019年10月、国土交通省航空局国際航空課(JCAB:東京都千代田区)から「外国人国際航空事業の経営許可」(AOC)を取得し、阿蘇くまもと空港との間にビエンチャンとルアンパバンからそれぞれ2便ずつ、計週4便を運航する計画を発表しました。しかし、これは当初希望していた福岡国際空港(福岡市博多区)の発着枠が確保できなかったための次善的な選択でした。

ラオス航空がまとまった数を保有しているジェット機はエアバス320ceoだけで、この機材では関空や成田とビエンチャンの間を直行で飛行することができません。東京で編集されている業界向け専門サイト『トラベルビジョン』は2017年、日本発のみ長崎空港(長崎県大村市)でテクニカルランディングするという形の成田線就航を目指すと報じましたが結局お流れになりました。19年春に福岡空港へ打診したもののこれも発着枠が取れなかったため、航続距離の関係で同じ九州にある他の空港への就航を目指すことにし、阿蘇くまもと空港を選定したといいます。

しかし、阿蘇くまもと空港を重要な位置付けとしている国内航空会社はコミューターキャリアの天草エアライン(MZ=AHX、熊本県天草市)しかなく、厳密な意味でのLCCもジェットスター・ジャパン(GK=JJP)の成田・関空線しかありません。会社側が目標としているロードファクター(有償座席利用率)90%を実現するには、日本航空(JL=JAL)とANA(NH)の大手FSC2社だけでなく、Peach(MM=APJ)や2代目エアアジアジャパン(DJ=WAJ)など他のLCC、さらにはソラシドエア(6J=SNJ、宮崎市)やフジドリームエアラインズ(JH=FDA、静岡市清水区)といった国内線専門キャリアも含めた乗り継ぎが充実して、日本各地から集客できるようにすることが必要で、会社側では採算性の検討に時間を要すると判断、就航時期を未定とすることにしました。

2020年1月17日金曜日

長崎スマートカード廃止へ、nimocaに統合

長崎県営バス(長崎市)と西肥バス(長崎県佐世保市)は、全国初のバス共通ICカードとして2002年から続けてきた『長崎スマートカード』の後継に、西日本鉄道(西鉄:福岡市博多区、東証1部上場)の子会社が運営する『nimoca』を選定したと発表しました。nimocaは交通系ICカード全国相互利用サービスに対応しているため、本格的運用が始まる3月22日(日)から、ICOCA(JR西日本)やSuica(JR東日本)など交通系ICカードで、長崎県内の大半の路線バスと、長崎電気軌道(長崎市)の路面電車、さらには第三セクター鉄道の松浦鉄道(長崎県佐世保市)が利用できるようになります。

長崎スマートカードは、Suicaがサービスを始めた翌年の2002年(平成14年)にサービスを開始しました。Suicaと同じくソニー(東京都港区、東証1部・NYSE上場)の非接触カード技術『Felica』を採用し、その後に導入されたnimocaやPASPY(広島電鉄・広島県バス協会)、くまモンのICCARD(熊本県バス協会)など路線バスでの利用が中心となる交通系ICカードの技術的基礎が確立される形となりました。2005年には、全国初となるおサイフケータイ(『モバイル長崎スマートカード』)がサービスインしました。

しかし、後発のPASPYは当初からICOCAの片乗り入れを受け入れていたのに対し、長崎スマートカードはnimocaが立ち上がった後も乗り入れや相互利用などのサービス拡大を図らずガラパゴス化。2013年にnimocaが全国相互利用に参加した後も、nimocaはもちろんSUGOCA(JR九州)など他の種類の交通系ICカードもここまで一切、長崎スマートカードのエリアでは使えませんでした。

2016年、同種の独自ICカードを導入した宮崎交通(宮崎市、『宮交バスカ』)がnimocaに全面的に切り替えたのをきっかけに、長崎県バス協会でも次期システムへの移行時期に全国相互利用が可能なnimocaへ切り替えることが検討されましたが、長崎バス(長崎市)がこれに反発します。

「nimocaは福岡の会社。個人情報や運賃収入が長崎県外に流出してしまう」

などと難癖を付けた長崎バスはあくまで独自方式にこだわることにし、Tポイントジャパン(東京都目黒区)と提携した『エヌタスTカード』の発行を始めてしまいます。この結果、長崎スマートカードの後継は長崎バスグループ専用のエヌタスTカードと、他社のnimocaに二分されることになってしまいました。

長崎空港(長崎県大村市)と長崎市内を結ぶリムジンバスは、県営バスと長崎バスの2社が運行していますが、長崎スマートカードでは両社とも利用できたものの、長崎バス便はエヌタスTカードを持っていない他県からの旅行者は現金しか使えなくなる恐れがありました。このため、長崎バスでは県内他社に先駆けてnimocaの片乗り入れ利用(nimocaおよび全国相互利用可能な交通系ICカードは長崎バスで乗車に利用できるが、チャージはできない。またエヌタスTカードは他社で使用できない)を受け入れることにし、2月16日(日)付で運用を開始しました。これにより旅行者に対する利便は確保されました。なお西鉄が販売する九州島内バスフリー乗車券『SUNQパス』は、今後も県営・長崎バスの両方で利用できます。

現行の長崎スマートカードは、長崎バスでは既に昨年12月27日限りで取り扱いを終了しています。他の事業者でも、3月22日のnimoca運用開始後は積み増し(チャージ)が出来なくなり、6月30日で利用終了、7月1日からは5年間の予定で払い戻しのみの受付となります。なお、払い戻しの際には手数料分として残高の1/11(9.1%)が引かれてしまうため、バス協会ではスマートカードの残高をできることなら全額使い切ってほしいと呼びかけています。

2019年12月24日火曜日

東京シャトルとTHEアクセス成田、まさかの統合へ

京成バス(千葉県市川市)、ビィートランセホールディングス(千葉市稲毛区)、JRバス関東東関東支店(千葉県多古町)の3社は、東京駅八重洲口~成田空港間で別々に運行している空港アクセスバス『東京シャトル』『有楽町シャトル』『THEアクセス成田』を一本化し、新ブランド『AIRPORT BUS TYO-NRT(エアポートバス東京・成田)』として2020年2月1日から共同運行すると発表しました。

東京シャトルは2012年7月、ジェットスター・ジャパン(GK=JJP、千葉県成田市)の運航開始と同時にスタート。THEアクセス成田はその約1か月後の2012年8月10日、ビィートランセの中核事業会社である平和交通(千葉市稲毛区)単独で立ち上げられました(前記事「成田~東京間空港バス、3社目のサムライ」参照)

その後2014年12月にJRバス関東がビィートランセとタッグを組んで参入し、2017年12月からは車いす用リフト付きバスやダブルデッカーバスなどを使ったバリアフリー実験路線として、有楽町シャトルの運行が始まりました。

そしてここまで、東京シャトルとTHEアクセス成田は各々長所と短所を持ち、それを補いあう形で共存してきました。しかし、元々地元千葉県で敵対関係にあった京成とビィートランセの戦いの構図が続いたのでは、乗客の利益が損なわれると判断。東京オリンピックを前に、少なくとも空港アクセスバスの分野では矛を収めようと両陣営が互いに歩み寄った結果、今回の統合が実現できたのです。そして両陣営の事実上の和睦を受けたJR関東は、京成バスにも東京駅八重洲南口の高速バスターミナル(『グランルーフ』)を開放することにしました。

《サービス対照表》
   東京シャトルの特徴    
     THEアクセス成田の特徴     
東京駅発分の事前予約ができる
(以前は成田空港発の日付指定予約もできた)
原則として予約なしで飛び込み乗車
車内トイレがない
車内トイレがある
東京お台場大江戸温泉物語
(東京都江東区)での乗下車ができる
(一部便のみ)
銀座駅(東京都中央区)・
東雲イオン前(東京都江東区)での
乗下車ができる(一部便のみ)
乗り降り共に八重洲北口から少し歩いた
京成高速バス乗り場で行う
乗車は八重洲南口の
JR高速バスターミナル
事前予約の場合共通ポイントでの支払いができる
(楽天スーパーポイント、Pontaポイント、
リクルートポイント、Tポイント)
交通系ICカード以外の電子マネーは
使えない
身体障がい者手帳または
愛の手帳所持で割引
精神障害者手帳所持者にも
割引がある
全便が成田空港ターミナルへ向かう
東京駅夜発で成田空港周辺
ホテルへの直行便がある
女性専用車、優先席はない
深夜に女性専用便がある

上の表にある両陣営の対立点を補うべく、2019年春からサービスの摺り合わせが行われてきました。例えば、京成・ビィートランセがそれぞれ発売し他陣営の便では使えなかった回数券の発売が終了した他、京成陣営で行われていた成田空港発便の日付指定予約も終了して空港発は飛び込み乗車のみとなりました(前記事「東京シャトル成田発便の予約制度終了へ」参照)

今回、両陣営のサービスを一本化し、新たなブランドを起こすという挑戦にあたっては、それぞれの良いところを残し、互いの短所を摺り合わせて、すべての乗客に価値と利益のある内容を目指します。京成陣営が行ってきた東京駅発便の事前予約は一部の便で存続する代わりに、座席指定制を導入。ビィートランセ・JR陣営の売りだった飛び込み乗車も継続して、合わせて1時間最大10本(座席指定制3本、自由席飛び込み7本)、上下合わせて1日284本という日本最大規模の空港バス路線が誕生します。

《1月16日追加》
詳細なスケジュールが発表され、最大の目玉である座席指定便は東京駅を朝6時台から17時台まで毎時0分・20分・40分、および19時丁度に発車する1日37本が設定されることになりました。また、自由席便は午前5時10分から18時30分まで完全10分間隔で、座席指定便の発車時間にも自由席便が設けられて、2台同時に発車する形を取ります。

一方、京成陣営のみが発着している大江戸温泉物語では、深夜・早朝便が現在の5便から1便と大幅に削減されます。現在は午前1時35分、3時40分、3時55分、5時20分、6時5分で4つの時間帯から選べるのが、3時55分発の一択となり、バスも深夜料金(2,000円)を取られます。

大江戸温泉物語にバス予約者限定の割引料金(1,800円)で入場して、休み処(仮眠室)に入って夜を明かし、早朝に成田空港へ向けて出発する旅行者が、董事長ふくちゃんも含め少なからずいますが3時55分出発となると、タイエアアジアX(XJ=TAX)やベトジェットエア(VJ=VJC)などの国際線では成田到着後、チェックインや宅配便カウンター、カードラウンジの営業開始まで中途半端に時間が空いてしまい、第2ターミナル奥の『北ウェイティングエリア』で過ごさなければならなくなります。せめて5時20分発だけでも存続できなかったのか。京成バスには再考を求めたいところです。

なお大江戸温泉の運営会社の大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)によりますと、エアポートバスの乗客向けに提供している割引料金については今後も存続しますが、共同運行開始後は大江戸温泉発便の予約が出来なくなるため、大江戸温泉から成田空港へ行くお客様には1度は正規料金(ナイター料金+深夜料金計4,268円)を払ってもらい、チェックアウト後の乗車時に運転手に声がけして次回以降利用可能な割引クーポン(深夜料金免除1,800円)を受け取るという形に変更されます。

また、両陣営ともに東京駅深夜1時台の便が廃止、京成陣営では2時台の便も無くなり、最終は24時に繰り上がります。24時のバスを逃した場合、東京駅八重洲口0時50分発の深夜急行バス『西船橋~千葉ニュータウン中央~成田線』か、1時05分発の『新松戸~千葉ニュータウン中央~成田線』(両便とも成田空港交通が運行)を使えば、エアポートバスの深夜料金と同じ2,000円で成田空港まで行くことができます。

さらに、京成陣営で行われていた大手旅行ポータルサイト(じゃらんnet:リクルート、楽天トラベル:楽天、Yahoo!トラベル:Yahoo!JAPAN)での予約受付も廃止になり、それらのサイトで利用可能だった共通ポイントによる運賃支払いもできなくなりました(大崎駅発の『成田シャトル』は除く)

2019年12月13日金曜日

遠東航空11年ぶり2度目の破綻!日本3路線も続行不可能

台湾の本格航空会社(FSC)3位、遠東航空(別名ファーイースタン航空:FE=FEA、台北市松山区)が、今日13日から国内線、国際線のすべての運航を取りやめると発表、事実上経営破綻しました。遠東航空が破綻状態に陥るのは2008年(前記事「遠東航空が全路線運航停止」参照)以来11年ぶり2度目。前回の時にはなかった日本への定期便ないし定期チャーター便もあり、台湾の観光業界にとって損失となりそうです。

台湾国営中央通信と、現地大手紙『聯合報』が12日夕方にFacebookページや自社ホームページなどで第一報を伝えています。

遠東航空は1962年(民国51年=昭和37年)創業。2000年代前半にカンボジアに作った子会社『アンコール航空』(G6=AKW)との間の金銭トラブルをきっかけに2008年5月12日限りで運航を停止し倒産しますが、2011年4月に運航再開を果たし、業界内では奇跡とまで呼ばれていました。

その後、ボーイング(旧マクドネルダグラス)MD-80ファミリーの中古機をリースで集めて保有機材を拡大。中国大陸への路線である『両岸直航』や、日本・フィリピン・ベトナムへの路線に参入していました。2016年の復興航空(GE=TNA)倒産時には、主力だった台北~澎湖・金門線でマンダリン航空(AE=MDA)と共に台湾離島と本土を結ぶ足を確保する役割が期待されました。

ところが、再起当初から財務基盤が弱かったといい17年には会社更生終結直後の日本航空(JL=JAL)が受けたような当局による経営監視の対象になっていたと、日本の時事通信が伝えます。同じ頃、航空機リース大手のエアリースコーポレーション(アメリカ・ロサンゼルス、NYSE上場)との間にトラブルが起こりMD-80の後継として導入する予定だったB738を調達できなくなります。このため遠東航空はボーイング(アメリカ・シカゴ、NYSE上場)に738の後継シリーズである738MAXを発注しますが、2018年から2019年にかけて立て続けに発生した墜落事故によって機体運航停止(型式証明が事実上取り消されたも同然の極めて重い措置)となってしまい、機材更新がまたも不可能になってしまいます。

一方で遠東航空は2017年(平成29年)、新潟空港(新潟市東区)を皮切りに遅れていた日本への国際線に進出しますが、東京や大阪といった大都市ではFSC・LCC入り乱れての過当競争状態になっており、2路線目以降は秋田、福島(福島県須賀川市)といった地方空港ばかりを狙って定期チャーター便を飛ばします。この施策はある程度は奏功しますが、今年5月、会社全体の1ヶ月あたりの総運航時間に上限が設けられていたと日本の秋田魁新報(秋田市)が報じました。遠東航空は台北桃園~秋田線を半年余り運航できなくなり、11月に再開されたばかりだったといいます。

そして12月12日、手持ち運転資金が底をついたとして、今日以降の運航停止を発表したものです。

2019年11月19日火曜日

ANAのベトナム便が見直し、羽田~ホーチミン新規就航

ANA(NH:東京都港区)と日本航空(JL=JAL:東京都品川区、東証1部上場)は、2020年3月29日からの夏ダイヤで増強される羽田空港(東京都大田区)発着国際線のスケジュールを確定しそれぞれ発表しました。両社ともビジネス客の見込める欧米向け長距離便を中心に成田空港(千葉県成田市)から移動しますが、東南アジア関連ではANAのベトナム便に大きな変更があります。

現在は、羽田~ハノイ(ノイバイ)毎日1便と、成田~ホーチミンシティ(タンソニャット)毎日2便を自社運航しており、またベトナム航空(VN=HVN:ハノイ市ロンビエン区、ハノイ証取上場)の羽田~ハノイ毎日1便と、成田~ホーチミン毎日2便、ハノイ・ダナン各毎日1便にコードシェアしています。

改正では、羽田~ハノイのANA自社便の運航を取りやめ、代わりに成田~ハノイに自社便を新設。成田~ホーチミン2便のうち、1便を羽田に移し、羽田~ホーチミンと成田~ホーチミン・ハノイの3路線、各毎日1便の運航とします。この際、ANAと同じスターアライアンスメンバーズのユナイテッド航空(UA=UAL)が運航する北米路線への接続を重視して、3路線とも日本出発が夕方に変更されますので注意が必要です。なおベトナム発便はすべて深夜出発の夜行ダイヤが組まれます。また羽田~ハノイは、ベトナム航空便へのコードシェアにより継続される予定です。

《2020年3月28日の運航を持って取りやめ》
NH831 NRT1645~SGN2145 DAILY
NH832 SGN2305~NRT0650+1 DAILY

(機材はB788 ビジネスクラス42席、エコノミークラス198席)

NH857 HND0855~HAN1320 DAILY
NH858 HAN1520~HND2215 DAILY

(機材はB789 ビジネスクラス48席、エコノミークラス167席)

《2020年3月29日(NH892便は3月30日)から有効》
NH891 HND1800~SGN2235 DAILY
NH892 SGN0025~HND0825 DAILY

(機材はB789 ビジネスクラス40席、エコノミークラス206席)

NH833 NRT1645~SGN2145 DAILY
NH834 SGN2305~NRT0650+1 DAILY

(機材はB788 ビジネスクラス42席、エコノミークラス198席)

NH897 NRT1850~HAN2220 DAILY
NH898 HAN2350~NRT0700+1 DAILY

(機材はB789 ビジネスクラス48席、エコノミークラス167席)

2019年11月12日火曜日

岡山~高松間の旅客輸送は鉄道の牙城に!

四国急行フェリー(香川県高松市)は、親会社の四国フェリー(高松市)から受け継いで運航していた宇野(岡山県玉野市)~高松間の「宇高航路」を12月15日限りで休止(事実上の廃止)すると発表、国土交通省四国運輸局に届け出ました。1980年代以前には旧国鉄と民間3社の手で24時間、毎日160便以上運航されていた宇高間のフェリーはこれで全社撤退。岡山市と高松市を結ぶ旅客輸送はJR瀬戸大橋線の快速『マリンライナー』の独壇場となります。

宇高間のフェリーは、1910年(明治43年)に鉄道院(現・国土交通省)が立ち上げた宇高連絡船以来、109年の歴史を積み重ねてきました。戦後の1956年(昭和31年)、初の民間事業者として四国フェリー(当時の社名は四国自動車航送)が設立され新規参入。1959年(昭和34年)に『日通フェリー』こと津国汽船(岡山県玉野市)、1961年(昭和36年)には宇高国道フェリー(高松市)が新規参入を果たし、国鉄四国総局と民間3社によるフェリーは本州と四国を結ぶ大動脈となりました。

最盛期には、民間全社が24時間運航を行い、宇高国道フェリーだけで1日68往復、四国フェリーは1日50往復、津国汽船も1日32往復運航。国鉄の宇高連絡船は廃止直前で1日15往復でしたが、宇野発高松行き最終便に接続する宇和島(愛媛県宇和島市)行きの急行『うわじま1号』と高知行き普通列車が、共に深夜0時台に出発して朝到着するという今ではあり得ないダイヤが組まれていました。

1988年(昭和63年)、JR瀬戸大橋線が開通すると、宇高連絡船は代替廃止になり、人だけの輸送は快速マリンライナーが主力になります。しかし、車は瀬戸中央自動車道の料金が片道6,300円とこれまたあり得ないレベルの高額設定だったため、瀬戸大橋への転移がなかなか進まず、並行する高速バスもわずか5年で廃止になる有様で、フェリーを運航する民間3社すべてが21世紀になっても事業を存続してきました。高松港の入港船舶隻数、フェリー旅客数およびフェリー貨物トン数も全国上位であり続け、瀬戸内海最大の重要港湾、四国の玄関口と言われ続けてきました。

ところが、1998年(平成10年)に明石海峡大橋が開通すると、四国と近畿圏を結ぶ長距離旅客は明石海峡大橋経由のバスへ一気に流れます。特に徳島県東部では、瀬戸大橋を回ると圧倒的に遠回りとなるため対近畿圏輸送はバスの独壇場と化し、高松からも2003年(平成15年)に全線開通した高松自動車道を経由する大阪や神戸へのバスが毎日50便以上運行されるようになりました。それでも本四連絡橋の料金の高さを嫌った長距離トラックに根強く支持されていたものの、ETC搭載を条件とする割引料金が導入されたことや民主党政権時代の社会実験によってようやく移行が本格化し、フェリー3社にとっての「この世の春」は終幕を迎えました。

『本四フェリー』とブランドを改めていた津国汽船は、2009年3月31日限りで運航を廃止し2012年に倒産。宇高国道フェリーは10年に1日22往復(1時間1本)へ減らした後、12年10月17日限りで休止となりました。2013年に入るとジェットスタージャパン(GK=JJP、千葉県成田市)が成田~高松・松山線、Peach(MM=APJ、大阪府田尻町)は関空~松山線を就航させ、SPRING JAPAN(IJ=SJO、千葉県成田市)も成田~高松に一時就航し、特に東京との間を結ぶ長距離客を中心に飛行機、それもLCCへの転移が加速します。14年には、社会実験の結果報告を受けた安倍内閣の指示でJB本四高速(正式社名:本州四国連絡高速道路、神戸市中央区)の建設費償還を日本高速道路保有・債務返済機構(横浜市西区)に移管して、瀬戸中央自動車道通行料金の大幅値下げを実現させました。

こうして最後まで残った四国フェリーも、14年7月15日限りで24時間運航をやめ、17年には1日5往復まで減らし、本船『第一しょうどしま丸』の老朽化も相まってついに運航撤退を決断せざるを得なくなりました。

岡山と宇野の間を結ぶ公共交通は、JR宇野みなと線と、両備ホールディングス(両備バス:岡山市北区)の玉野渋川特急線があります。一方、高松と宇野の間を移動する手段としては、JR瀬戸大橋線で茶屋町駅(岡山県倉敷市)まで行き、宇野みなと線に乗り換えるのが最も確実です。

しかし、125cc以下の原付バイク(『原2』:ナンバープレートが黄色またはピンク色)や自転車を乗せる必要がある方は、簡単には行かなくなります。船の場合、四国汽船(香川県直島町)のフェリーを利用して直島で乗り継ぐか、四国フェリーグループの小豆島フェリー(高松市)で小豆島の土庄港まで行き、小豆島豊島フェリー(香川県土庄町)の宇野行きや両備フェリー(岡山市中区)の岡山航路に乗り継ぐ、または国際フェリー(香川県小豆島町)の高松~池田航路に乗り、池田港から土庄まで飛ばして乗り換えるなどの手間がかかります。

岡山県の地元紙、山陽新聞は

「原付で岡山~高松間を走るのが難しくなる。何としても存続してほしい」

という利用客の声を報じました。

2019年10月31日木曜日

日系2社が揃ってウラジオストクへ就航!北朝鮮へのアクセスも改善!?

ANA(NH、東京都港区)と日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)は2020年3月から、成田~ウラジオストク(ロシア・極東管区沿海地方州)線に参入すると相次いで発表しました。ロシア側からはアエロフロート(SU=AFL、モスクワ証取上場)とS7航空(旧シベリア航空:S7=SBI、モスクワ)が既に定期運航を行っており、日系大手2社がほぼ同時期に運航を始めることで、日本・ロシア両国のFSCが揃い踏みします。

両社とも、ウラジオストクを含めたロシア極東諸都市へのアクセス改善を掲げている他、ウラジオ乗り継ぎで中国東北部(旧満州)への乗り継ぎもできないことはありませんが、一方で、日本と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を結ぶルートもまた便利になる可能性が懸念されています。

平壌発日本行きはJAL・ANA共に同日乗り継ぎが可能。日本発平壌行きはANAが高麗航空(JS=KOR)の平壌~ウラジオ線運航日と重なるものの、高麗航空便の出発時間とANA便の到着時間がちょうど入れ違いの形になっているため乗り継ぎ出来ません。これに対しJALは3月末からの夏ダイヤで毎日運航を計画しており、ウラジオ1泊が必要ではあるものの、高麗航空の平壌(順安)行きに乗り継ぎが出来てしまいます。

《2020年2月26日から有効》

JL423 NRT1130~VVO1455 水・金・日曜運航
JL424 VVO1615~NRT1730 水・金・日曜運航

(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)

《2020年3月16日から有効》
NH883 NRT1100~VVO1415 月曜運航
NH883 NRT1110~VVO1425 金曜運航
NH884 VVO1515~NRT1625 月曜運航
NH884 VVO1540~NRT1650 金曜運航

(機材はエアバス320neo ビジネスクラス8席、エコノミークラス138席)

《2020年3月29日から有効》
JL423 NRT1040~VVO1405 火・金曜運航
JL423 NRT1120~VVO1445 火・金を除く週5便
JL424 VVO1535~NRT1650 火・金曜運航
JL424 VVO1625~NRT1740 火・金を除く週5便

(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)

《2020年3月30日から有効》
NH883 NRT1335~VVO1650 月曜運航
NH883 NRT1215~VVO1530 金曜運航
NH884 VVO1910~NRT2020 月曜運航
NH884 VVO1800~NRT1910 金曜運航

(機材はエアバス320neo ビジネスクラス8席、エコノミークラス138席)

《平壌~ウラジオストク間》
JS271 FNJ0830~VVO1100 月・金曜運航
JS272 VVO1220~FNJ1300 月・金曜運航

(機材はアントノフ148 ビジネスクラス8席、エコノミークラス65席)