2019年12月11日水曜日

【超重要】インドネシアへのガジェット持ち込みは必ず税関申告を!!

東南アジア諸国のうち、インドネシアとシンガポール、タイは他の国と違って税関検査が厳しく、ちょっとしたことで高額の課徴金を取られたり品物を没収されたりします。タイやシンガポールではタバコを没収されるケースが目立ちますが、インドネシアの場合、スマートフォンやタブレットといったITガジェットの持ち込みにも制限があります。

外国人旅行者が無税で持ち込めるITガジェットは1人2台までで、3台以上持ち込むのであれば洩れなく税関申告書に記載の上、赤色(申告物あり)のレーンを通らないといけません。

申告書に適当に「申告物無し」と記載して緑色のレーンを通過しようとしても、インドネシアの国際線が到着する空港ではバゲッジクレームから到着ロビーに通じる出口の手前で税関職員がスタンバイしており、すべての荷物をX線検査にかけなければなりませんので、必ずバレてしまいます。特にAirAsiaグループ(AK=AXM、QZ=AWQ)やセブパシフィック(5J=CEB)、ジェットスターアジア(3K=JSA)といった国際線を運航するLCCが発着するジャカルタ・スカルノハッタ空港の第2ターミナルFゾーンは対応が非常に厳しく、過去にも機械を没収されたり、最悪関税法違反で逮捕された地元民もいるとのことです。

もし無申告で3台以上のガジェットを持ち込んだ場合、1回目は警告で許してくれますが、2回目以降は2台を残して没収されます。最近、ハンドキャリアの仕事でジャカルタを訪れた董事長ふくちゃんの友人が、現地顧客の依頼を受けて日本から買っていったiPhone11Proを没収されてしまったとの報告が寄せられました。取り戻すには、その場で第三国へ出国する航空券を購入し、イミグレに戻って入国を取り消してもらい出国しなければならないとのことです。下手に入国すると、税関局にどんな書類を書いてもらっても取り戻せなくなります。

また、インドネシアの関税法では一切の中古物品の輸入が禁止されています。日本から買っていった新品であっても、箱から出した状態であれば中古とみなされ違法とけしかけられる恐れがあります。ノートパソコン、Windowsタブレット、2in1PCは1人1台しか持ち込めません。デジタルカメラも2台以上の持ち込みは危険です。

インドネシアでは税関申告書を正確に記載することを、常に心掛けてください。

2019年12月7日土曜日

「日本から3Gケータイがなくなる」時期確定

携帯電話3位のソフトバンク(旧社名:ソフトバンクモバイル 東京都港区、東証1部上場)は、旧日本ボーダフォン時代から受け継いできた第3世代携帯電話『Softbank3G』『Y!Mobile3G』のサービスを、2024年(令和6年)1月下旬に終了すると発表しました。先に発表されたau(KDDI:東京都千代田区、東証1部上場)は2022年(令和4年)3月、NTT docomo(東京都千代田区、東証1部上場)は2026年(令和8年)3月で終了するため、ソフトバンクはその間を取った形。これにより、docomoのサービスが終了する2026年をもって、日本から3G携帯電話サービスが完全に無くなることが確定しました。

ソフトバンクの3Gは、旧日本ボーダフォン時代の2002年(平成14年)12月、『Vodafone Global Standard(ボーダフォングローバルスタンダード)』の名前で正式サービスインしました。世界初の本格的な3GサービスだったdocomoのFOMAに遅れること1年余りの時間が過ぎてのことでした。しかし当初は旧デジタルホングループ以来の2G(社内通称「6-2」:PDC1.5GHz)がまだ全盛だったこともあり普及が進まず、2Gユーザー向けの海外ローミング専用機としてGSMケータイ(V66:モトローラ)が売られたりもしました。

本格的に普及が始まるのは、日本ボーダフォンがソフトバンク(現・ソフトバンクグループ:東京都港区、東証1部上場)に買収された2006年以降で、ソフトバンクは2Gでの新規契約やMNP転入をいち早く締め切ったり、2008年には日本初となるiPhone3G(アップル)の取り扱いを始めるなどしてユーザーの移行を進め、2010年(平成22年)3月31日、国内大手3社の中で最初に2Gの電波を停波しました。

その後、ソフトバンクはiPhone5が発売された2012年(平成24年)に現在主流の4G LTEをサービスインさせますが、3Gも既存のガラケーやパケットデータ伝送、海外端末のローミングインなど一定の需要が残りました。さらに同じソフトバンクの格安サービスであるY!Mobileのインフラとしても使われ、Y!Mobileに引き継がれたPHSのウイルコムからユーザーを移行させるため、3GとPHSの両方が使える端末も販売されました(前記事「Y!Mobileの『3年縛りにやられた!1年残して解約」参照)

ソフトバンクはPDCに続き、3Gでもいち早く終息への道筋を付けたかったようですが、PDC終了後にゾンビの如くグループ入りしたPHSの個人向けサービス完全終息が2020年(令和2年)にずれ込み、その分Softbank 3Gの終息も遅れることになりました。3Gまで他の2社と方式が異なっていたauがいち早く終了を決め、docomoも2026年の終息を発表しますが、ソフトバンクは両社の発表が揃った後も決断を下すことができませんでした。今回ようやく、auとdocomoの間を取った2024年の終了を決定。これにより個人向けPHSの終了から4年、テレメトリング向けも含めたPHSの完全終息後1年の猶予期間で3Gを終了させることが確定し、ソフトバンクはauに遅れること2年で、PHSも含めた旧方式の呪縛からようやく解放され、4G LTEや5Gに資源を集中できることになります。

《お手元の端末は?》
2012年以前に発売された3Gのみに対応するガラケーについては、12月1日に会社側でサーバ証明書の切り替えが行われた際に音声通話とSMS以外のサービスが利用できなくなっていますので、インターネット接続を利用したいユーザーは、至急買い替えが必要です。

iPhoneシリーズは4G LTEをデフォルト通信としながら3Gにも対応してきましたが、auでは『iPhone8』『iPhoneX』から、日本国内の音声通信にはVoLTEのみを使用するように、au ICカード(SIMカード)の技術仕様を変更しました(前記事「au版iPhone8以降は日本国内4G専用」参照)。ソフトバンクもauと同様、音声通話のVoLTEへの完全移行は3G終了後となるため、音声通話に3G網を使用するiPhone5S以前の機種は2024年の3G終了まで携帯網で使えますが、なるべく早期の機種変更をお勧めします。

2019年12月1日日曜日

お財布.com閉鎖へ!モッピーに統合、資源集中

ポイントサイト運営大手のセレス(東京都世田谷区、東証1部上場)は、2014年にオープンキューブ(東京都中央区)から引き継いだ『お財布.com』を19年12月で終了とし、主力サイトの『モッピー』に経営資源を集中します。最盛期には3つあったセレス運営のポイントサイトもモッピー一本にまとめられ、再スタートを切ります。

お財布.comは、オープンキューブが2004年(平成16年)に立ち上げた古参のポイントサイトで、翌2005年のセレス創立と同時に始まったモッピーよりも古く、セレス所有のサイトの中でも最古の歴史がありました。オープンキューブ時代には提携クレジットカード『お財布プレミアム』も発行されるなど、ポイントサイト業界では比較的な地味な存在だったもののそれなりに固定客がおり、ここまで維持されてきました。

2015年(平成27年)、お財布.comは『ポイントインカム』のファイブゲート(東京都渋谷区)から引き継いだ『MOBATOKU(旧モバトク通帳)』とともにセレスに事業譲渡されます。当初はモッピーと並ぶ強力なコンテンツを投入するなどして併存させる予定でしたが、16年にブランドプリペイドカード『POINTWALLET』を投入したあたりから風向きが変わります。

POINTWALLETは、発行会社のセディナ(東京都港区)との提携条項の関係上各サイトごとに発行する必要があり、モッピー、お財布.com、モバトクの獲得ポイントを1枚にまとめることはできませんでした。しかし、同業大手『ハピタス』のオズビジョン(東京都千代田区)が子会社を通じて発行した『Pollet』では、交換サイト大手との提携により事実上日本国内で運営されているすべてのポイントサイトのポイントを集約できる機能を実現。これにより、セレスのブランドプリペイドカード事業は一気に伸び悩み、見直しの過程でセレス経営陣はポイントサイト事業をモッピー一本に絞る方針を決めました。

引き継いだ2つのサイトのうち、著しく利用者の少なかったモバトクは2018年12月20日でサイト運営を終了し、モッピーに統合。続いて19年1月にはお財布プレミアムカードの終了が提携先のアプラス(大阪市中央区)から発表され、お財布.com自体の閉鎖も時間の問題と言われるようになりました。そして、モバトクの終了からちょうど1年が過ぎようとしている12月16日(月)正午をもって、すべてのコンテンツと掲載案件(広告)の利用を終了することにしました。

お財布.comの既存会員には、2020年1月31日までにモッピーへ移行することが義務付けられます。移行が間に合わなかった会員の獲得ポイントは失効とした上で、サイトを閉鎖します。移行期間はコンテンツ終了後1カ月半しかありません。先にサービス終了したポイントモンキー(オープンスマイル:浜松市南区)はコンテンツ終了後半年以上の移行期間を設け、閉鎖時期もお財布.comより遅い20年3月としていますが、今回のセレスの対応は、セレスが業界団体の日本インターネットポイント協議会(JIPC)に入っていないことを考えても、ちょっと早すぎます。

また、旧ライフマイル(リアルワールド:東京都港区、東証マザーズ上場)が終了した時と同様に、お財布.comで築いてきた友達紹介は全てリセットされます。現在お財布.comで多くのダウン(自分が紹介した会員)を持っていた方は、移行と同時に事実上、セレスから副収入を得る機会を絶たれます。

旧ライフマイルでは会員の抗議により救済措置が行われましたが、お財布.comは既存会員がモッピーに移行した場合も紹介は継続しないとしており、モッピー移行後に全く違う方とイチから紹介を再構築していかなければなりません。既にポイントサイト業界は立ち上がって20年以上が過ぎ、ヘビーユーザーの多くはサイトの紹介を一巡していますし、モッピーはただでさえ紹介者に非常に有利なダウン制度で競争相手も多いので、これから移行する人がモッピーで先行するトップ紹介者に追いつけるだけのダウンを構築していくことは事実上無理と言わざるを得ません。

2019年11月28日木曜日

ベトナムビザなし30日ルール廃止へ(2)外こもりすとへの影響は?

ベトナム国会は25日、2014年6月以来5年半ぶりとなる『外国人の出入国・乗り継ぎおよび居住に関する法』(出入国管理法)の改正を賛成多数で可決しました。今回の改正の目玉は、前回改正で導入されたビザなし入国者に対して出国後30日間はビザなしでの再入国を認めない『30日ルール』を廃止することです。これにより、ベトナムと周辺諸国を往復する旅行者は自由なルートを組むことができるようになり、外こもりすとは1年に数回必要だったビザ取得の手間が省けます。

今回の改正で恩恵を受けるのは、ベトナム在住者に限りません。タイ国内に拠点を置いてビザランを繰り返している人はもちろんのこと、カンボジアやラオス、中国(雲南省と広西チワン族自治区)に拠点を置いて現地のビザを更新する人にも改善となります。

日本人の場合、ラオスとベトナムのビザなし在留許可は共に15日間です。2016年12月にタイ外務省が陸路国境でのビザなし入国を1年に2回までと制限した際、ベトナムにも30日ルールがあったためラオス在住の外こもりすとがビザランを行うには中国やカンボジアとの国境まで旅をするか、タイに空路入国するかという選択を迫られました。今回の改正により、ラオス各都市からベトナムへの国際バスによるビザランが自由にできる体制が復活。サワンナケート~フエやタケク~ヴィン(ゲアン省)・ドンホイ(クアンビン省)、ポーンサワン(シェンクワン県)~ディエンチャウ(ゲアン省)などのルートにビザランナーが戻る可能性があります。

なお、ラオスでは一部の陸路国境でアライバルビザの発行を終了するところが出ているものの、ビザなし渡航に影響はなく、今後も通常通り通過できます。

ベトナム最北部のラオカイと河口(中国雲南省河口ヤオ族自治県)を往復していた日本人の好事家にとっては、2014年以前の状況に戻ることになりますが、河口の性風俗産業が事実上壊滅状態となり働いていた姫がベトナムに戻ってきているため(前記事「中国・河口の性風俗、ついに壊滅」参照)、以前なら中国の在留許可を延長するためにベトナムを往復していたのが、今後はベトナムの在留許可を延長するために中国側へ日帰りで行くケースが増えそうです。

カンボジアでは、日本人だけに格安での取得が許されている1年(US$50)と3年(US$80)のマルチビザは30日ごとの出入国が必要となっています。従来はベトナムのホーチミンシティへ抜けるバベット検問所(スヴァイリエン州)と、タイ国境のポイペトやクロンコッコンを適度に往復したり、年に何回かは空路マレーシアへ行かなければなりませんでしたが、プノンペンから車で3時間ほどのバベットだけを往復すればよくなります。

今回改正される条項は、2020年7月1日(水)から施行される予定です。

2019年11月27日水曜日

ベトナム入管法5年ぶり改正、ビザなし30日ルール廃止へ

ベトナム国会は25日、2014年6月以来5年半ぶりとなる『外国人の出入国・乗り継ぎおよび居住に関する法』(法律47号/2014/QH13、日本の入管難民法に相当)の改正を賛成多数で可決しました。今回の改正の目玉は、前回改正で導入されたビザなし入国者に対して出国後30日間はビザなしでの再入国を認めない『30日ルール』を廃止することです。これにより、ベトナムと周辺諸国を往復する旅行者は自由なルートを組むことができるようになり、外こもりすとは1年に数回必要だったビザ取得の手間が省けます。

ハノイで編集されている日系ニュースサイト『VIETJO』が現地サイトからの翻訳として伝えたものです。

前回の法改正は、プラユット軍政当局に代わったばかりのタイがビザなし渡航の更新を繰り返し行う外国人(ビザランナー)への規制を強化しようとしているさなかに導入されたものでした(前記事「ベトナム1月1日法改正!ビザラン対策に本腰か?」参照)

2014年の時点では、日本・韓国・ロシアとスカンジナビア3国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー)、フィンランドの7カ国の国籍者に対して15日間のビザなし渡航が無制限に認められてきました。改正では、これら7カ国の国籍者であっても、ビザなしで入国した日から30日以内に再度ベトナムに入国する場合、事前にビザの用意が必要とされました。

ここで政府側は、ホーチミンシティで働いている韓国やロシア国籍者が南部の最大都市ホーチミンシティに最も近いモクバイ検問所(タイニン省ベンカウ県)でカンボジアへ出国、あるいはフエ市からラオバオ検問所(クアンチ省フオンホア県)経由でラオスへ出国し、その日のうちにベトナムへ再入国することを想定していました。しかし、香港やタイ、シンガポールなどに東南アジアの統括拠点を置いていて、その駐在員を頻繁にベトナムへ出張させる外資系企業の中には、商用マルチビザを用意せず、ビザなしで出張させるケースも多く、それら企業は対応を迫られました。公安省も空港での商用ビザのアライバル取得を認めることにしましたが、料金はUS$50と定められました。

観光ビザで入国する旅行者や外こもりすとは、2017年のe-VISA導入で利便の改善が図られましたが、商用の出張者はe-VISAの対象にならなかったため、在越の外国経済団体などから引き続き改善を求める声が公安省出入国管理局に寄せられていました。今回、国会で審議した結果

「外国投資元との商談がより多くまとまるようになり結果失うものよりも得るものほうが大きい」

との結論に至ったとVIETJOは伝えています。採決では、全体の83.6%にあたる418人の議員が賛成しました。

2019年11月19日火曜日

ANAのベトナム便が見直し、羽田~ホーチミン新規就航

ANA(NH:東京都港区)と日本航空(JL=JAL:東京都品川区、東証1部上場)は、2020年3月29日からの夏ダイヤで増強される羽田空港(東京都大田区)発着国際線のスケジュールを確定しそれぞれ発表しました。両社ともビジネス客の見込める欧米向け長距離便を中心に成田空港(千葉県成田市)から移動しますが、東南アジア関連ではANAのベトナム便に大きな変更があります。

現在は、羽田~ハノイ(ノイバイ)毎日1便と、成田~ホーチミンシティ(タンソニャット)毎日2便を自社運航しており、またベトナム航空(VN=HVN:ハノイ市ロンビエン区、ハノイ証取上場)の羽田~ハノイ毎日1便と、成田~ホーチミン毎日2便、ハノイ・ダナン各毎日1便にコードシェアしています。

改正では、羽田~ハノイのANA自社便の運航を取りやめ、代わりに成田~ハノイに自社便を新設。成田~ホーチミン2便のうち、1便を羽田に移し、羽田~ホーチミンと成田~ホーチミン・ハノイの3路線、各毎日1便の運航とします。この際、ANAと同じスターアライアンスメンバーズのユナイテッド航空(UA=UAL)が運航する北米路線への接続を重視して、3路線とも日本出発が夕方に変更されますので注意が必要です。なおベトナム発便はすべて深夜出発の夜行ダイヤが組まれます。また羽田~ハノイは、ベトナム航空便へのコードシェアにより継続される予定です。

《2020年3月28日の運航を持って取りやめ》
NH831 NRT1645~SGN2145 DAILY
NH832 SGN2305~NRT0650+1 DAILY

(機材はB788 ビジネスクラス42席、エコノミークラス198席)

NH857 HND0855~HAN1320 DAILY
NH858 HAN1520~HND2215 DAILY

(機材はB789 ビジネスクラス48席、エコノミークラス167席)

《2020年3月29日(NH892便は3月30日)から有効》
NH891 HND1800~SGN2235 DAILY
NH892 SGN0025~HND0825 DAILY

(機材はB789 ビジネスクラス40席、エコノミークラス206席)

NH833 NRT1645~SGN2145 DAILY
NH834 SGN2305~NRT0650+1 DAILY

(機材はB788 ビジネスクラス42席、エコノミークラス198席)

NH897 NRT1850~HAN2220 DAILY
NH898 HAN2350~NRT0700+1 DAILY

(機材はB789 ビジネスクラス48席、エコノミークラス167席)

2019年11月12日火曜日

岡山~高松間の旅客輸送は鉄道の牙城に!

四国急行フェリー(香川県高松市)は、親会社の四国フェリー(高松市)から受け継いで運航していた宇野(岡山県玉野市)~高松間の「宇高航路」を12月15日限りで休止(事実上の廃止)すると発表、国土交通省四国運輸局に届け出ました。1980年代以前には旧国鉄と民間3社の手で24時間、毎日160便以上運航されていた宇高間のフェリーはこれで全社撤退。岡山市と高松市を結ぶ旅客輸送はJR瀬戸大橋線の快速『マリンライナー』の独壇場となります。

宇高間のフェリーは、1910年(明治43年)に鉄道院(現・国土交通省)が立ち上げた宇高連絡船以来、109年の歴史を積み重ねてきました。戦後の1956年(昭和31年)、初の民間事業者として四国フェリー(当時の社名は四国自動車航送)が設立され新規参入。1959年(昭和34年)に『日通フェリー』こと津国汽船(岡山県玉野市)、1961年(昭和36年)には宇高国道フェリー(高松市)が新規参入を果たし、国鉄四国総局と民間3社によるフェリーは本州と四国を結ぶ大動脈となりました。

最盛期には、民間全社が24時間運航を行い、宇高国道フェリーだけで1日68往復、四国フェリーは1日50往復、津国汽船も1日32往復運航。国鉄の宇高連絡船は廃止直前で1日15往復でしたが、宇野発高松行き最終便に接続する宇和島(愛媛県宇和島市)行きの急行『うわじま1号』と高知行き普通列車が、共に深夜0時台に出発して朝到着するという今ではあり得ないダイヤが組まれていました。

1988年(昭和63年)、JR瀬戸大橋線が開通すると、宇高連絡船は代替廃止になり、人だけの輸送は快速マリンライナーが主力になります。しかし、車は瀬戸中央自動車道の料金が片道6,300円とこれまたあり得ないレベルの高額設定だったため、瀬戸大橋への転移がなかなか進まず、並行する高速バスもわずか5年で廃止になる有様で、フェリーを運航する民間3社すべてが21世紀になっても事業を存続してきました。高松港の入港船舶隻数、フェリー旅客数およびフェリー貨物トン数も全国上位であり続け、瀬戸内海最大の重要港湾、四国の玄関口と言われ続けてきました。

ところが、1998年(平成10年)に明石海峡大橋が開通すると、四国と近畿圏を結ぶ長距離旅客は明石海峡大橋経由のバスへ一気に流れます。特に徳島県東部では、瀬戸大橋を回ると圧倒的に遠回りとなるため対近畿圏輸送はバスの独壇場と化し、高松からも2003年(平成15年)に全線開通した高松自動車道を経由する大阪や神戸へのバスが毎日50便以上運行されるようになりました。それでも本四連絡橋の料金の高さを嫌った長距離トラックに根強く支持されていたものの、ETC搭載を条件とする割引料金が導入されたことや民主党政権時代の社会実験によってようやく移行が本格化し、フェリー3社にとっての「この世の春」は終幕を迎えました。

『本四フェリー』とブランドを改めていた津国汽船は、2009年3月31日限りで運航を廃止し2012年に倒産。宇高国道フェリーは10年に1日22往復(1時間1本)へ減らした後、12年10月17日限りで休止となりました。2013年に入るとジェットスタージャパン(GK=JJP、千葉県成田市)が成田~高松・松山線、Peach(MM=APJ、大阪府田尻町)は関空~松山線を就航させ、SPRING JAPAN(IJ=SJO、千葉県成田市)も成田~高松に一時就航し、特に東京との間を結ぶ長距離客を中心に飛行機、それもLCCへの転移が加速します。14年には、社会実験の結果報告を受けた安倍内閣の指示でJB本四高速(正式社名:本州四国連絡高速道路、神戸市中央区)の建設費償還を日本高速道路保有・債務返済機構(横浜市西区)に移管して、瀬戸中央自動車道通行料金の大幅値下げを実現させました。

こうして最後まで残った四国フェリーも、14年7月15日限りで24時間運航をやめ、17年には1日5往復まで減らし、本船『第一しょうどしま丸』の老朽化も相まってついに運航撤退を決断せざるを得なくなりました。

岡山と宇野の間を結ぶ公共交通は、JR宇野みなと線と、両備ホールディングス(両備バス:岡山市北区)の玉野渋川特急線があります。一方、高松と宇野の間を移動する手段としては、JR瀬戸大橋線で茶屋町駅(岡山県倉敷市)まで行き、宇野みなと線に乗り換えるのが最も確実です。

しかし、125cc以下の原付バイク(『原2』:ナンバープレートが黄色またはピンク色)や自転車を乗せる必要がある方は、簡単には行かなくなります。船の場合、四国汽船(香川県直島町)のフェリーを利用して直島で乗り継ぐか、四国フェリーグループの小豆島フェリー(高松市)で小豆島の土庄港まで行き、小豆島豊島フェリー(香川県土庄町)の宇野行きや両備フェリー(岡山市中区)の岡山航路に乗り継ぐ、または国際フェリー(香川県小豆島町)の高松~池田航路に乗り、池田港から土庄まで飛ばして乗り換えるなどの手間がかかります。

岡山県の地元紙、山陽新聞は

「原付で岡山~高松間を走るのが難しくなる。何としても存続してほしい」

という利用客の声を報じました。

2019年11月2日土曜日

台湾総統選挙と日本3連休が重なる最悪のカレンダー

台湾では2020年に入ると、4年に1度の総統(大統領に相当)選挙と、立法委員(国会議員)の選挙が行われます。総統選挙の投票は1月11日(土)。この時期に台湾島内の国際線が発着する空港(台湾桃園、台北松山、台中、台南、高雄小港)を発着する航空便はFSC・LCCともに激しい混雑が見込まれ、既にLCCでは運賃が極端に上昇するケースも出始めています。しかも今回は日本も成人の日の3連休にあたるため多くの予約が入っており、過去数回の総統選挙以上に厳しい状況となることが予想されます。

台湾の2大政党、中国國民党と民主進歩党(どちらも台北市)は、海外在住の台湾同胞を極めて重視しており、投票日にあわせて一時帰国するよう呼びかけています。

中華民国憲法の規定により、台湾では正副総統選挙にあたって在外投票や不在者投票、期日前投票が一切認められておらず、選挙権を行使するには台湾へ帰国することが絶対必須です憲法追加条文2条、「国外における中華民国自由地区人民の正副総統選挙帰国投票登記審査弁法」)。台湾パスポートを所持している長期在留者は日本に約6万人(台北駐日経済文化代表処調べ)に上り、投票日を前に、1月7日から10日にかけて台湾へ向かう空路は激しい混雑が予想されます。一方、台湾からの戻りは投票終了翌日の1月12日から14日がピークになるとみられます。この台湾からの戻りとなる1月12日(日)・13日(月)は日本も3連休になっているため、日本へ帰る日本人の旅行者と、投票のために一時帰国した台湾人の日本への戻りが重なって、台湾の各空港を出る日本行きの飛行機は厳しい座席争奪戦となることが必至です。

前々回(2012年)までは日本・台湾共にLCCがなかったのですが、前回(2016年)の選挙の時は日本側だけでもPeach(MM=APJ、大阪府田尻町)と旧バニラエア(JW=VNL)、ジェットスタージャパン(GK=JJP、千葉県成田市)の3つのLCCが運航しており、台湾側でもタイガーエア台湾(IT=TTW)が運航を始めていました。それに加えて、Scoot(TZ=SCO)とジェットスターアジア(3K=JSA)が台湾経由日本へのフライトを運航していました。

今回は、Peachとの統合により消滅したバニラエアに代わってAirAsiaX(D7=XAX)も関空~台北桃園線に就航しているので、座席の供給は前々回以前とは比較にならないほど増えていますが、1月10日関空発で13日戻りのAirAsiaXが11月1日時点で往復35,000円と表示されており、この時期の平均的な運賃相場の2倍以上、FSCの割引運賃並みに跳ね上がっています。


2019年10月31日木曜日

日系2社が揃ってウラジオストクへ就航!北朝鮮へのアクセスも改善!?

ANA(NH、東京都港区)と日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)は2020年3月から、成田~ウラジオストク(ロシア・極東管区沿海地方州)線に参入すると相次いで発表しました。ロシア側からはアエロフロート(SU=AFL、モスクワ証取上場)とS7航空(旧シベリア航空:S7=SBI、モスクワ)が既に定期運航を行っており、日系大手2社がほぼ同時期に運航を始めることで、日本・ロシア両国のFSCが揃い踏みします。

両社とも、ウラジオストクを含めたロシア極東諸都市へのアクセス改善を掲げている他、ウラジオ乗り継ぎで中国東北部(旧満州)への乗り継ぎもできないことはありませんが、一方で、日本と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を結ぶルートもまた便利になる可能性が懸念されています。

平壌発日本行きはJAL・ANA共に同日乗り継ぎが可能。日本発平壌行きはANAが高麗航空(JS=KOR)の平壌~ウラジオ線運航日と重なるものの、高麗航空便の出発時間とANA便の到着時間がちょうど入れ違いの形になっているため乗り継ぎ出来ません。これに対しJALは3月末からの夏ダイヤで毎日運航を計画しており、ウラジオ1泊が必要ではあるものの、高麗航空の平壌(順安)行きに乗り継ぎが出来てしまいます。

《2020年2月26日から有効》

JL423 NRT1130~VVO1455 水・金・日曜運航
JL424 VVO1615~NRT1730 水・金・日曜運航

(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)

《2020年3月16日から有効》
NH883 NRT1100~VVO1415 月曜運航
NH883 NRT1110~VVO1425 金曜運航
NH884 VVO1515~NRT1625 月曜運航
NH884 VVO1540~NRT1650 金曜運航

(機材はエアバス320neo ビジネスクラス8席、エコノミークラス138席)

《2020年3月29日から有効》
JL423 NRT1040~VVO1405 火・金曜運航
JL423 NRT1120~VVO1445 火・金を除く週5便
JL424 VVO1535~NRT1650 火・金曜運航
JL424 VVO1625~NRT1740 火・金を除く週5便

(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)

《2020年3月30日から有効》
NH883 NRT1335~VVO1650 月曜運航
NH883 NRT1215~VVO1530 金曜運航
NH884 VVO1910~NRT2020 月曜運航
NH884 VVO1800~NRT1910 金曜運航

(機材はエアバス320neo ビジネスクラス8席、エコノミークラス138席)

《平壌~ウラジオストク間》
JS271 FNJ0830~VVO1100 月・金曜運航
JS272 VVO1220~FNJ1300 月・金曜運航

(機材はアントノフ148 ビジネスクラス8席、エコノミークラス65席)

2019年10月30日水曜日

SIMロック解除をしたら必ず行うべき設定一覧

日本の携帯電話機に特有ともいえるようになったSIMロック。解除して海外で使おうと思っている方も多いはずですが、解除手続きを取っただけでは海外キャリアや国内他社で信号をうまくつかんでくれません。完全に動くようにするには、あと数ステップの作業が必要。そのステップをまとめます。

《大手各社のiPhone》
各社のマイページからSIMロック解除手続きを完了したら、次に使う予定のSIMカードに入れ替えて、端末を再起動します。この動作をすることでSIMロック解除手続きが名実ともに完了します。

《大手各社のAndroid》
SIMロック解除手続き完了後に、APNの再設定が必要です。各社のマイページからSIMロック解除を完了したら、次に使う予定のSIMカードに入れ替えて、端末を再起動します。再起動できたら、次に利用するキャリアのサイトにアクセスして設定を確認し、その通りに新規APNを作成して保存、選択します。なおIIJmioなど一部のMVNOでは、SIMにAPN設定が書き込まれており、それを選択すればOKなところもあります。

《MVNO→au・Android機》
MVNO(格安SIM)から購入した端末を他社で利用する場合は、APNの再設定が必要です。この際、購入したのがAndroid端末で、次に利用するキャリアがauの場合は通常と設定内容が異なりますので、気を付けなければなりません。

端末の設定アプリから「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」とたどり、次の項目を入力した新規APNを作成し保存、選択します。

APN名  :uno.au-net.ne.jp
ユーザー名:685840734641020@uno.au-net.ne.jp
パスワード:KpyrR6BP
認証タイプ:CHAP 

《MVNO→他社・iPhone》
MVNOから購入したiPhoneの場合は、デフォルトでインストールされたMVNO専用のAPN設定プロファイルを削除します。設定アプリから「一般」→「プロファイル」とたどり、出てくるプロファイルを削除。SIMを入れ替え、次の利用先が国内の他のMVNOなら、その会社の公式Webサイトからプロファイルをダウンロードしてインストールします。国内大手や海外キャリアの場合は、プロファイルをインストールする必要はありません。

なおUQモバイルやBIGLOBEといったKDDIグループのMVNOが販売した端末には、auと同じSIMロックがかかっており、プロファイルをインストールする前に解除手続きをする必要があります。UQモバイルはマイページから可能ですが、BIGLOBEはカスタマーサービスに電話連絡しないと手続きできません(0120-550962)

《他社→docomo》
スマホからデータ伝送をするのに最低必要な「SPモード」の契約をしないと、データ伝送そのものができません。利用希望の回線でSPモードの契約がされていない場合は、最寄りのドコモショップに行って契約変更を済ませておいてください。