2019年7月16日火曜日

ヤフオク「貨幣」カテゴリでゴミ屑を掴まされないために

海外旅行で余った外貨現金の処分には、誰しも困ったことがあるはず。硬貨があると日本での両替は難しく、海外で再両替しようにも現地に1,000円札の在庫があるかは聞かないとわかりません。再訪する予定があるなら現地に銀行口座を開設して預金するという手もありますが、いくつもあると管理に困ります。

ネットオークション最大手のヤフオク!(旧Yahoo!オークション)には1999年のオープン以来『貨幣』カテゴリがあり、趣味としての古銭売買の他に、海外旅行で余った外貨を両替したり、別の旅行者に売却したりしようとする出品者で賑わっています。しかし、外貨は金融市場の流れを正しく理解しないと行った先で既に使えなくなっていることも多く、下手にやるとゴミ屑を掴まされてしまいます。そんな詐欺被害者が今後現れないように、貨幣カテゴリで売られていても既に使えないものをまとめてみます。

《アジア》
・北朝鮮ウォン…2009年以前に発行された紙幣は、デノミネーションのため使用不可能。それ以降の物も、出品者が北朝鮮に外貨を渡して入手したということで、経済制裁に引っ掛かる可能性がある。購入しないのが無難。
・中国人民元:第1次券(1949年~54年発行)はデノミネーションされており使用不可能。
第2次~第4次(1953~90年発行)は流通停止済みで、第4次券に限り中国人民銀行総行(中央銀行:北京市西城区)または分行(支店:天津、瀋陽、済南、南京、上海、武漢、西安、成都、広州)、および省・省級市ごとに指定された商業銀行(例:雲南省では中国農業銀行の各支店が指定されている。他の省・省級市は中国人民銀行のWebサイトに行き「第四套人民币」で検索)の窓口で現行券に交換可能(前記事「第4版人民幣回収へ」参照)
また、発行銀行が中国人民銀行ではなく、「中国銀行」と表記されている外貨兌換券(1994年以前に発行)は使用不可能で、中国銀行本支店での両替もできず完全な紙屑である。
中華人民共和国成立前に発行された『金圓券』『法幣』は当然無価値で、コレクションとするか中国引揚者の遺品という形で平和祈念展示資料館(東京都新宿区)に引き取ってもらうしかない。
・香港ドル…1950年代以前に発行された1セント紙幣(茶色、裏が真っ白)は使用不可能で、交換もできない。
・ベトナムドン…10,000ドン、20,000ドン、50,000ドン、100,000ドン紙幣についてはポリマー素材を使用した現行券(2003年発行開始)以外使用不可。旧券は国内商業銀行の本支店で現行券との交換が可能。

・フィリピンペソ…現行券(2010年発行開始)以外は使用不可。旧券は中央銀行で交換できたが2017年12月31日で終了し、全て紙屑となっている。
・リンギットマレーシア…1RM硬貨($1の表記がある)、500RM、1,000RM紙幣は廃止となっており使用不可能。現行券への交換もできないためKLIA空港の募金箱に入れ、回収してもらうしかない。
・インドネシアルピア…現行券(2016年発行開始)の他に1つ前のシリーズ(1998年発行開始)が流通しているが、そのうち10,000Rp以上の4種類は流通停止済みで、バンクインドネシア(中央銀行)での交換も不可能。1968年以降に発行された10,000Rpまでの紙幣については、バンクインドネシア本店(ジャカルタ)で現行券との交換に応じている。
・インドルピー…500Rs、1,000Rsの旧券(1996年発行開始)は2016年11月で通用停止。

《欧州》
現在ユーロが通用している国でユーロ導入以前に使用されていた各国ごとの通貨はすべて使用不可能。硬貨については全ての国で交換期限が終了している。紙幣はイタリアリラが2011年、フランスフランが2012年に交換終了。ドイツマルク、ベルギーフラン、オーストリアシリングは各国中央銀行で交換に応じている。

2019年7月10日水曜日

ベトナム航空の荷物制限が緩和!日本線はANAと合わせる

ベトナム航空(VN=HVN ハノイ市ロンビエン区、ハノイ証取上場)は8月1日搭乗分から、受け入れ手荷物に係る重量制限を大幅に緩和すると発表しました。日本線および北米大陸への直行便では、コードシェアパートナーのANA(NH、東京都港区)が採用しているルールに合わせられます。

現在は、以下の表のとおりとなっています。

《ビジネスクラス》


機内持ち込み貨物室預け
国内線7Kg/2個30Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線7Kg/2個30Kg/1個
東南アジア域内7Kg/2個30Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
7Kg/2個30Kg/1個
日本・北米7Kg/2個30Kg/1個

《プレミアムエコノミー》

機内持ち込み貨物室預け
国内線設定なし設定なし
ハノイ~ホーチミンシティ線7Kg/2個30Kg/1個
東南アジア域内7Kg/2個30Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
7Kg/2個30Kg/1個
日本・北米7Kg/2個30Kg/1個

《エコノミークラス》

機内持ち込み貨物室預け
国内線7Kg/1個20Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線7Kg/1個20Kg/1個
東南アジア域内7Kg/1個20Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
7Kg/1個20Kg/1個
日本・北米7Kg/1個20Kg/1個

これが、8月1日からは次のようになります。

《ビジネスクラス》

機内持ち込み貨物室預け
国内線計18Kg/2個32Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線計18Kg/2個32Kg/1個
東南アジア域内計18Kg/2個32Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
計18Kg/2個32Kg/2個
日本・北米計18Kg/2個32Kg/2個

《プレミアムエコノミー》

機内持ち込み貨物室預け
国内線設定なし設定なし
ハノイ~ホーチミンシティ線計18Kg/2個32Kg/1個
東南アジア域内計18Kg/2個23Kg/2個
東北アジア域内(日本を除く
欧州・オーストラリア
計18Kg/2個23Kg/2個
日本・北米計18Kg/2個23Kg/2個

《エコノミークラス》

機内持ち込み貨物室預け
国内線12Kg/1個23Kg/1個
ハノイ~ホーチミンシティ線12Kg/1個23Kg/1個
東南アジア域内12Kg/1個23Kg/1個
東北アジア域内(日本を除く)
欧州・オーストラリア
12Kg/1個23Kg/1個
日本・北米12Kg/1個23Kg/2個

今回、最も大きく変わるのは機内持ち込み手荷物の重量です。現在は他社と合わせて1個7Kg以内となっていますが、ビジネス・プレエコでは1個当たりの制限がなくなり、2個合わせて18Kgまでに増強。エコノミーは従来通り1個ながらも、ANAをも上回る12Kgまで拡大されます。これなら、Surfaceやノートパソコンを一度に2台詰め込め、さらにiPadやスマホを入れていたとしてもほぼ大丈夫です。

なお、日本線ではベトナム航空運航便をANA便名で購入したお客様にも、ベトナム航空の荷物許容量が適用されます。ANAプレミアムカスタマー(AMC上級会員)の方は、搭乗クラスに関係なく追加で1個分が無料となります。

2019年7月2日火曜日

ベトジェットエアが成田~ホーチミンシティに就航!着陸料優遇で構想変更

ベトジェットエア(VJ=VJC、ベトナム・ハノイ)は1日、東京でプレスカンファレンスを行い、成田~ホーチミンシティ(タンソニャット)と羽田~ダナンの2つの日本路線を順次就航させると発表しました。このうち、成田~ホーチミンシティ線は既に航空券の販売を開始しています。記者会見には、大阪で行われたG20サミットに招待され来日していたグエン・スアン・フック首相が同席しました。

《7月12日から有効》
VJ822 SGN0005~NRT0800 DAILY
VJ823 NRT0855~SGN1300 DAILY

(機材はエアバス321neo エコノミークラスのみ230席)

《ダナン発10月27日、羽田発10月28日から有効》
(便名未決定) DAD1810~HND0100+1 DAILY
(便名未決定) HND0230~DAD0640 DAILY

(機材はエアバス320ceo エコノミークラスのみ180席)

ベトジェットエアでは当初、深夜早朝枠を使った羽田空港(東京都大田区)~ホーチミンシティ線を検討していましたが、成田国際空港会社(千葉県成田市)が海外から朝に到着後、折り返し午前9時以前に出発する便の着陸料を割り引く『朝発ボーナス』制度を導入したため、この恩恵を受ける狙いで日本側の発着空港を成田に変更したとみられます。

成田空港会社の広報誌GREENPORT2018年12月号によると、朝発ボーナスは航空会社単位での新規路線でかつ午前9時以前に出発する場合、就航から3年間着陸料が通常と比べて50%安くなるとされます。VJ822・823便は、3年後にあたる2022年(令和4年)7月までこの制度が適用される予定で、その分攻撃的な運賃を提供できることになります。

しかし、羽田の深夜早朝枠も出来ることなら取りたいとして、国土交通省航空局国際航空課やパートナーの日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)とも交渉した結果、既に成田線があるハノイではなく、LCCによる東京線がこれまでなかったダナンに就航することでネットワーク強化と新規路線優遇を同時に実現できると判断した模様。ダナンにはANAホールディングス(東京都港区、東証1部上場)が出資しているベトナム航空(VN=HVN)も乗り入れていますが、近い将来、ベトジェットとJALのコードシェアが実現すれば、既にVN便にコードシェアしているANA(NH)に続いて、JALもベトナム主要3都市への乗り入れを果たせます。

東京・大阪から首都ハノイと商都ホーチミンシティへ向かう4つの路線が出揃ったことで、今後は、日系の重化学メーカーが多数進出しているヴィン(ゲアン省)や、南部のリゾート地ニャチャン(カインホア省)といった地方都市と日本を結ぶ直行便の開設が焦点となってきます。

2019年7月1日月曜日

バンコク~シアヌークビル間初の直行航空便就航

タイエアアジア(FD=AIQ)は、カンボジア3都市目となるシアヌークビル(コンポンソム州)への定期便を開設することにし、運航を開始しました。バンコクとシアヌークビルを結ぶ便は、LCC・FSCを通じても史上初。これまでバス乗り継ぎで最短12時間か、飛行機ならプノンペン経由を要したカンボジア最大の港町への足が改善されます。

FD660 DMK1425~KOS1550 月・水・金・日曜運航
FD661 KOS1625~DMK1745 月・水・金・日曜運航

カンボジア最大の商港とビーチリゾートの街シアヌークビルは、首都プノンペンから約200km離れており、これまではプノンペンやタイ国境の町クロンコッコンと結ぶオープンツアーバスが旅行者の足でした。ベトナム戦争期に作られた空港はつい最近まで国際線がなく、国内線も旧ソ連製のプロペラ機で週に数便飛ばしていたロイヤルプノンペン航空(RL=PPW)が倒産した後、10年近く見向きもされていませんでした。

17年5月にAirAsia本体(AK=AXM)がKLIA~シアヌークビル線を開設し(前記事「シアヌークビルへ初のLCC国際便就航」参照)、LCCで世界とつながると、その後は中国など他の国からも国際線が乗り入れるようになりました。そして、AirAsiaグループのもう1つのハブであるバンコク(ドンムアン空港)と結ぶ便を求める声も高まりを見せ、今回の開設に至りました。シアヌークビルへ乗り入れるAirAsiaグループの路線としては、2路線目となります。

ドンムアン空港では、日本からの同日乗り継ぎも可能です。福岡朝発のタイエアアジアX637便をはじめ、中部セントレアを朝9時に出るタイエアアジアX639便と、関空発のノックスクート111便なら1時間半から3時間程度の待ち合わせでスムーズに乗り継げます。東京からのお客様も羽田発深夜便では空港間移動を要しますが同日乗り継ぎ可能。成田発は前夜8時40分のタイエアアジアX607便で日付が変わった後の深夜に到着し、その日の午後まで過ごすことになります。

2019年6月30日日曜日

英字紙『Nation』紙版終了!読売新聞タイ印刷版も廃刊

タイの新聞・雑誌業界の衰退が止まりません。バンコクで発行されている中堅以下クラスの新聞ではWebでの継続すらできずに休廃刊するものが続出しており、10年ほど前には3つあった日本大手紙の国際版も1紙だけになりました。そしてついに、2大英字紙の一角だった『Nation』が紙での発行をやめ、Webオンリーになってしまいました。

読売新聞グループ本社(東京都千代田区)は、2018年8月31日限りでバンコクだけでなく、香港やロンドンなどでも印刷されていた『読売新聞国際版』を世界一斉に廃刊としました。これは、2019年のWebサイト(『読売新聞オンライン』)全面リニューアルに合わせて、東京本社版の紙面イメージを世界中どこからでも閲覧できるようにする新サービス(『読売新聞海外サービス』)をスタートさせるための準備措置でした。

バンコク印刷の読売国際版は、1991年(平成3年)にスタート。読売新聞が英字紙『Nation』などを手掛ける大手新聞社のネーションマルチメディアグループ(バンナー区、SET上場)と提携し、バンコクからASEAN各国向けに出荷されていました。1部売りは日本版の1.5倍にあたる1部75Bt.(260円)という値段が付いていた他、戸別配達もできましたが1ヶ月2,000Bt.(7,000円)もしました。タイではタイ語紙や華字(中国語)紙が1部10Bt.程度で販売されている中、日本語紙は高嶺の花的な存在で、機内サービス用にタイ国際航空(TG=THA)や日本航空(JL=JAL)、ANA(NH)が大量購入していた以外は日系企業が付き合いとして購読するケースや、日本人の滞在の多いホテルへの納品が大半を占めました。個人の読者は、どうしても日本語の情報に触れたい日本人駐在員か、有り余る年金や貯蓄を持っていたロングステイの高齢者以外は全くと言っていいほどいませんでした。

一方で、2006年の9.19クーデター直前にそれまでシンガポールから輸入していた日本経済新聞の国際版がバンコクでの印刷を開始します。2010年の有料電子版スタートの時に、日本国内と違って国際版を定期購読している読者には無料で電子版のIDが発行されるようになり、日経は1ヶ月3,000Bt.と読売よりも高くなるものの、紙の国際版に加えて日本本国版(朝夕刊とも)の紙面データも見られるという大きな魅力が加わります。これに刺激を受けた朝日新聞社(東京都中央区)は、2011年の有料電子版(『朝日新聞デジタル』)立ち上げと前後して、東南アジア向けの国際衛星版を取りやめました。

朝日や日経と異なり、読売新聞は国内向けの電子版をあくまでも紙の新聞の補完と位置付けていて、電子版単独での有料購読は認めない方針を取りましたが、2019年2月のWebサイト全面リニューアルに際し、海外向けには国内版の紙面イメージを世界中どこからでも見られるようにして、紙の国際版を代替するという役割が与えられました。購読料金も紙の国際版が2,000Bt.(US$65)に対し、『海外サービス』ではUS$45(1,350Bt.)と値下げされました。この準備を進めるため、読売新聞グループ本社は紙の国際版を全世界一斉に撤退することにしたものです。

読売がタイでの印刷・販売を撤退しようとする中で、ネーショングループも衛星テレビなどの経営多角化に失敗、広告収入の落ち込みもあり慢性赤字に陥っていきます。ネーショングループは主力タイ語紙『コムチャットルック』の収入で英字紙『Nation』とタイ語経済専門紙『クルンテープトゥラキット』を支えてきましたが、それも限界が近づいていました。6月28日(金)付を最後に、Nationは1971年から続けてきた紙版の発行を終了し、電子版オンリーに移行。コムチャットルックとクルンテープトゥラキットは紙版を存続しますが、同社のフラッグシップだったNationの紙版終刊は、在タイ外国人の間で驚きをもって迎えられています。

これにより、タイで紙媒体の発行を続ける英字紙はバンコクポスト(ポストパブリッシング:クロントイ区、SET上場)だけとなります。

2019年6月29日土曜日

Peach那覇~香港線が復活!!毎日運航のメドが立つ

Peach(MM=APJ、大阪府田尻町)は、先に発表していたバニラエア(JW=VNL、千葉県成田市)との経営統合に伴う路線計画で挙がっていた那覇(沖縄県那覇市)~香港線の再開について、予定通り6月28日(土)から実施しました。

MM963 OKA1255~HKG1435 DAILY
MM964 HKG1530~OKA1915 木曜運航
MM964 HKG1535~OKA1920 月・土・日曜運航
MM964 HKG1540~OKA1920 火・水・金曜運航

(機材はエアバス320ceo 普通席=エコノミークラスのみ180席)

Peachは2015年2月21日、那覇~香港線に週4便で就航しましたが、国際線はデイリー(毎日1便)、国内線は1日複数便以上に増強できるメドが立たない場合、撤退するとの経営方針を採っており、週4便から増やせる状況にないとして、2017年10月の夏ダイヤ終了をもって一時運航を取りやめていました。

ところが、バニラエアとの経営統合により機材に余裕ができること、またこの路線の競合社の香港エクスプレス(UO=HKE)とキャセイドラゴン(KA=HDA)が順調に業績を伸ばしていることから、Peachはデイリー運航で再参入できると判断した模様。18年12月のバニラエアとの経営統合発表時に示した路線計画の中で、6月からの再参入を謳っていました。


2019年6月28日金曜日

ネパール航空大阪線12年ぶり復活!!今回は直行週3便

ネパール航空(RA=RNA、カトマンドゥ)は、2007年以来運休が続いていた関空~カトマンドゥ(ドリブバン)線を再開することを決めました。運休以前はB757で上海経由でしたが、この機材の退役に合わせて初のワイドボディ機となるエアバス332を調達し、直行便を運航できるようになりました。

《8月29日から有効》
RA411 KTM0230~KIX1155 火・木・土曜運航
RA412 KIX1355~KTM1800 火・木・土曜運航

(機材はエアバス332 ビジネスクラス18席、エコノミークラス256席)

ネパール航空は、1994年(平成6年)の関西空港開港と同時に日本への乗り入れを開始しました。大阪線を就航するにあたっては、ドバイや遠くはロンドン(ヒースロー)へのフライトも視野に入れて1988年に導入したB757を使い、週2便運航していましたが、日本への直行フライトには航続距離が足りず、上海(虹橋空港→浦東空港)でのテクニカルランディングを必要としていました。

しかし、ネパールの王制廃止と共和制移行に伴う混乱で2007年に大阪線を運休。2013年には欧州航空安全機関(EASA:ドイツ・ケルン)の乗り入れ禁止航空会社リストにネパールが国単位で掲載されたため、ロンドン乗り入れが不可能となってしまいました。

2015年以降ネパールの政情も徐々に安定しだし、会社側は2機保有していたB757が新造から間もなく30年を経るという老朽化に合わせて、代替を検討。2018年6月に欧州のチャーター専門会社ハイフライ航空(5K=HFY、ポルトガル・リスボン)経由でエアバス332ceoの新造機を受領しました。これにより日本への直行便運航が可能になり、日本線再開や将来の成田線新設に向けて国土交通省航空局国際航空課と協議した結果、成田空港の発着枠を獲得した上で、まずは関空線を再開して実績を積む方向で合意したものです。

2019年3月30日土曜日

AirAsiaグループ、夏から日本2路線新設!初の日比間路線も

AirAsiaグループは今年7月から日本への新たな国際線を2路線追加すると発表し、航空券の販売を開始しました。タイエアアジアX(XJ=TAX)担当で福岡~バンコク(ドンムアン)を週4便運航。またエアアジアフィリピン(Z2=APG)は国土交通省から『外国人国際航空運送事業の経営許可』(AOC)を受領し、初の日本路線となる関空~マニラ(ニノイアキノ)線を新設します。

《7月1日から有効》
Z2188 MNL0830~KIX1315 DAILY
Z2189 KIX1350~MNL1655 DAILY

(機材はエアバス320ceo エコノミークラスのみ180席)

《バンコク発7月3日、福岡発7月4日から有効》
XJ636 DMK2340~FUK0700+1 火・水・土・日曜運航
XJ637 FUK0755~DMK1155 月・水・木・日曜運航
※水曜日は10分早発、木曜日は10分遅発

(機材はエアバス333 プレミアムフラットベッド=ビジネスクラス12席、レギュラーシート=エコノミークラス365席)


福岡~バンコク間にLCCが就航するのは、2016年9月で運航を取りやめたジェットスターアジアエアウェイズ(3K=JSA)以来約3年ぶりです。この路線は過去、ジェットスターの他にバンコクエアウェイズ(PG=BKP)がエアバス319ceoで就航したことがありましたが、その頃とは時代背景や需要予測が異なることや、タイエアアジアXが大型機のエアバス333で統一していること(エアバス320は別会社のタイエアアジア/FD=AIQが保有)などを受け、成田や関空といった他の日本の都市と同じく、エアバス333を使います。

関空~マニラ線はジェットスターグループとセブパシフィック(5J=CEB)に次いでLCC3グループ目。初代フィリピンエアアジア(PQ=APG)と旧エアアジアゼスト(Z2=EZD)の統合で誕生した2代目エアアジアフィリピンは経営基盤の確立に時間がかかり、国際線ネットワークの整備が比較的遅れていましたが、仁川・バンコク・台北と東アジアの主要都市に路線網が整い、ようやく日本乗り入れに必要なAOCを取得できるめどが立った模様です。

2019年3月25日月曜日

2030年、民放AMラジオ閉局の嵐が!? (2)実際に閉局できるのは少数!?

日本民間放送連盟(東京都千代田区)は、既存中波(AM)ラジオ局によるFM補完放送のネットワークが完成目前となったのを受け、将来的にAMの電波を廃止してFMとインターネット(radiko)に集約することを選択できるよう政府に求める方針を固めました。最速で10年先の2029年から移行を始められるようにしたいといい、ラジオNIKKEI(日経ラジオ社:東京都港区)を含めて現在48あるAMの民放ラジオが、2040年には半分以下に減る可能性が出てきました。

(前記事「2030年、民放AMラジオ閉局の嵐が吹き荒れる!? (1)背景を探る」の続きです)

ただし、このプランが実行されたとしても、実際にAM放送をやめることができる局は限られるのではないかという声もあります。

TwitterやFacebookでは、

「AM、FM、radikoのどれかが聴けなくても他の手段に切り替えられるのでAM廃止は困る」
「災害時に役に立つのはAMラジオ。それを廃止するとは…」
「radikoで聴けるといっても電気が使えなくなる(または使い切った)可能性が高い災害時こそAMラジオの本領発揮という所なのだが」

というリスナーの声が上がっています。

北海道の2局、北海道放送(HBC:札幌市中央区、札幌証取上場)とSTVラジオ(札幌市中央区)は本州の局と比べてサービスエリアが広く、FMに完全移行する場合は非常に多くの中継局を設けなければなりません。これがネックとなり同じ道内のFM局であるAIR-G'(FM北海道:札幌市中央区)とFMノースウェーブ(札幌市中央区)も電波による全道サービスを完成できず、radikoでようやく全道での聴取が可能になったほどです。もしHBCとSTVはAM放送を維持すれば本局(北海道江別市)と16箇所の中継局で全道をカバーできます。

大隅・奄美・トカラ諸島など離島を多く抱えている南日本放送(MBC:鹿児島市)の場合、本土からの距離が比較的近い種子島にはワイドFM局がありますが、奄美大島よりも先には名瀬中継局(鹿児島県奄美市)しかなく、強い指向性を持たせた大電力での放送ということもあって鹿児島本局(鹿児島県霧島市)の電波を受信している住民も多く、今後もAM放送を維持せざるを得ません。壱岐・対馬・五島列島を抱える長崎放送(NBC:長崎市)も同様です。

東京や大阪といった大都市に拠点を置いて広域放送をしている大電力局では、中波の方が昼間の電波到達エリアが広いので、ワイドFMに一本化するとサービスエリアが狭くなります。例えばニッポン放送では静岡市まで「良好に受信できるエリア」と公式に認めており、静岡県東部・中部の国道のトンネルでは地元の静岡放送(SBS:静岡市駿河区)と共にニッポン放送の電波が再送信されていますがこれはAMの電波を受信してのものです。ワイドFMでは箱根山を越えてすぐの三島市あたりで安定した受信が難しくなり出します。

巨大災害の時のラジオの有用性は、既存AM局のスタッフなら身に染みてわかっています。阪神大震災の時のラジオ関西(CRK:神戸市中央区)、毎日放送、ABCラジオや、東日本大震災の時のラジオ福島(RFC:福島市)、東北放送(TBC:仙台市青葉区)はその特性を最大限に生かし切り、被災地の生命線であり続けました。そのような経験のある局は、今後もAM放送の存続に全力を挙げるはずです。

一方、茨城放送(i-fm:茨城県水戸市)や栃木放送(CRT:栃木県宇都宮市)のようにワイドFM化で存在感を高めた例も少ないながらあり、この両局は制度が本決まりになれば早い時期にAM放送廃止に動く可能性があります。

(4月5日追加)
NHK(日本放送協会:東京都渋谷区)の上田良一会長は定例記者会見でこの問題に触れ、

「NHKは放送法(1950=昭和25年法律132号)15条で日本国の存する領土全てにおいて遍く受信できることを義務付けられており、R1(AM放送)を継続する」

と表明しました。前記事で松本正之元会長が触れていたアナログ方式の堅持と合わせ、『安心ラジオ』R1の電波による放送を、AM方式で絶対堅持する方針を固めたといえます。

2030年、民放AMラジオ閉局の嵐が吹き荒れる!? (1) 背景を探る

日本民間放送連盟(東京都千代田区)は、既存中波(AM)ラジオ局によるFM補完放送のネットワークが完成目前となったのを受け、将来的にAMの電波を廃止してFMとインターネット(radiko)に集約することを選択できるよう求める方針を固めました。最速で10年先の2029年から移行を始められるようにしたいといい、ラジオNIKKEI(日経ラジオ社:東京都港区)を含めて現在48あるAMの民放ラジオが、2040年には最悪半分以下に減る可能性が出てきました。

1951年(昭和26年)の中部日本放送(現・CBCラジオ、名古屋市中区)の開局以来、10年余りで民放AMラジオ48局が出揃いました。1970年(昭和45年)からはFMの県域民放局が次々と開局。しかし、1970年代以降の国内AMラジオは局によって韓国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)・中国といった近隣諸国の放送との混信が酷くなってきました。

北朝鮮による電波妨害が深刻な韓国では早くからAMと同じ放送をFMでも流す標準FMが実用化されており、日本でもこれに倣って『FM補完放送』を導入することが検討されましたが、当時はFM放送に隣接する90MHz帯の周波数が地上波テレビに使われており、影響を避けるためFM帯の比較的高い周波数が地域によっては利用できなかった(専門用語で『ガードバンド』という)ため全国的な普及は見送られました。このため1990年代にはCBCラジオが岐阜県、毎日放送(MBS:大阪市北区)、ラジオ大阪(OBC:大阪市港区)、朝日放送ラジオ(ABC:大阪市福島区)は京都市に、「外国混信対策」と銘打った中波の中継局を開局せざるを得ない状況になりました。

FM補完放送の検討が本格的に始まったのは、2011年(平成23年)の地デジ移行完了後のことです。地上アナログテレビ全廃によりガードバンドの制約がなくなったため、FM放送に使う周波数帯域を広げられることになりましたが、一時期試験放送が行われていたデジタルラジオ放送(DAB)を導入しないことが決まり、代わりに『特定基幹放送と位置付けられる既存AM局にAMとFMの2波同時放送を認めるように求める声が、在京キー局のニッポン放送(JOLF:東京都千代田区)を中心に沸き起こりました(前記事「NHKの中波ラジオ、アナログ方式で存続決まる」参照)

そこで総務省は90MHz台前半の帯域に既存AM局向けの新たな電波を割り当てて補完放送(『ワイドFM』)を行うことにしました。2014年(平成26年)、北日本放送(KNB:富山市)と南海放送(RNB:愛媛県松山市)を皮切りに放送が始まり、東京の大手3局は2015年12月7日、大阪の3局も2016年3月19日から放送を始めていて、ラジオNIKKEIを除く全47局中43局がワイドFMとの2波体制に移行しています。最後まで残ったRFラジオ日本(横浜市中区)と西日本放送(RNC:香川県高松市)、高知放送(RKC:高知市)も送信所建設費に係る国庫補助の交付決定を受けており、2019年度中に開局して、47局全てがワイドFMの放送を始める予定です。

ところが、電波の特性上山間部などではFMよりも中波の電波の方が届きやすいため、韓国では標準FMのネットワークが完成した後もAM放送を廃止するところはありませんでした。これに対し、日本ではFM補完放送と同時期に普及が進んだradiko(インターネット放送)の存在と、ラジオメディア全体の広告収入の落ち込み、さらにAMの放送設備の更新コストといった経営負担を理由に、一部の地方局でAM放送をやめてワイドFMへ、またラジオNIKKEIでは短波放送を全廃してradikoへの完全移行を目指そうという動きが出てくるようになりました。ラジオNIKKEIは短波放送廃止を結局断念したものの、関東地方で地上波FM放送を行っていた放送大学(千葉市美浜区)は、radikoに移行することで全国満遍なく聴取できるようになるとして、2018年9月30日限りで電波によるラジオ放送を終了しました(前記事「ラジオNIKKEIの使用周波数削減!電波による放送は継続」参照)