2020年7月8日水曜日

タイエアアジアが福岡就航へ!沖縄よりも先に

タイエアアジア(FD=AIQ、ドンムアン区)は、新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)の収束後に日本へ就航する方針を固め、この度国土交通省航空局国際航空課(JCAB:東京都千代田区)から『外国人国際航空運送事業の経営許可』(AOC)を取得しました。第一弾として、福岡国際空港(福岡市博多区)への定期便を開設します。

《9月2日から有効(予定)》
FD636 DMK2335~FUK0705+1 火・水・土曜運航 
FD637 FUK0815~DMK1145 水・木・日曜運航

(機材はエアバス320neo エコノミークラスのみ186席
 またはエアバス321neo エコノミークラスのみ236席)

※AirAsiaグループのWebサイトでは7月8日現在、XJ便名で週3便の運航と表示されているが、これがFD便名に変わる可能性がある

バンコク(ドンムアン)~福岡線には、大型機部門のタイエアアジアX(XJ=TAX、ドンムアン区)が2018年10月から今年3月まで毎日1便を就航させていましたが、今回のタイエアアジアの就航が、タイエアアジアX運航便に加えて増便の形となるのか、あるいはタイエアアジアXが運休を継続し事実上の減便、機材小型化となるのかについては7月8日の時点では公式には発表されていません。

AirAsiaグループでは、AirAsia本体(AK=AXM)便名でありながらAirAsiaX(D7=XAX)のエアバス333で運航している便が存在します。2017年2月にKLIA2で暗殺された故金正男氏が最期に搭乗しようとしたマカオ行きのAK8320便が、正にこのスタイルでした(前記事「白昼堂々!KLIA2で金正男氏暗殺」参照)

一方で、タイエアアジアがこれまで保有していたエアバス320ceoでは、ドンムアンから那覇空港(沖縄県那覇市)までの直行便を飛ばすことはできるものの、日本列島への直行には性能が足りませんでした。しかし、2016年から納入されてきたエアバス320neoや、それに代わって昨年から納機が始まったエアバス321neoは成田(千葉県成田市)までの直行が可能であることから、今回の福岡線をモデルケースとして、通路2本の大型機であるエアバス330ファミリー(333、339neo)を使うタイエアアジアX運航路線の機材小型化を図る可能性があり、そのためにはタイエアアジアが日本の経営許可を取得する必要があったものです。

2020年6月27日土曜日

ノックスクートが運航停止!!コロナで運休、再開せず

ノックスクートエアライン(XW=NCT、ドンムアン区)は、7月14日に予定されている臨時株主総会で会社解散を決議し清算手続きに入ると発表しました。新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)に伴うタイの国家非常事態宣言と、それに伴う外国人入国禁止措置で需要が全滅したため3月22日から全便欠航としており、再開できないまま事実上の倒産に近い形で活動終了を決めたことになります。

ノックスクートは、同じバリューアライアンスに加盟するScoot(TR=TGW、シンガポール)とノックエア(DD=NOK:サトーン区、SET上場)の合弁で2014年に設立された会社で、既に就航していたタイエアアジアX(XJ=TAX、ドンムアン区)のように、ノックエアの大型(双通路)機部門的な役割を果たすことが期待されました。タイエアアジアXがエアバス333を使用しているのに対抗し、Scootの親会社のシンガポール航空(SQ=SIA、SGX上場)で使っていたB772ERを使用、東京や大阪といった日本の大都市とバンコクを結ぶ路線をドル箱と位置付けて事業を展開する予定でした。

ところが、路線認可取得直前だった2015年1月、チャーター専門キャリアのビジネスエア(8B=BCC)が運航を停止。これを受けて運輸省民間航空局(CAAT:サトーン区)に国際民間航空機関(ICAO)の抜き打ち監査が入り、航空運送事業許可(AOC)を審査する体制や担当官のスキルが不十分だとして、重大懸念(SSC)を交付されるに至りました(前記事「ICAO重大懸念でノックスクート運航開始できず」参照)。ノックスクートは成田線開設の認可を取得できる見通しが立たなくなり、実質代替運航の形でScootがドンムアン経由の成田~シンガポール線に就航。先行するタイエアアジアXに勝負を挑みました(前記事「Scoot成田線にバンコク経由便が登場」参照)

それから約3年の間、ノックスクートはSSC発行に伴う主要各国の制裁に追随しなかった中国や台湾への路線を細々と運航することになり、赤字を垂れ流していきます。ようやく2018年6月に成田線の運航を始めたもののタイエアアジアXやScootの既存便に加え、タイライオンエア(SL=TLM、ドンムアン区)も就航しLCCだけで3社が競合する過当競争になっていて、2019年12月期本決算まで一度も利益を上げることが出来ませんでした。

そしてCOVID-19のパンデミックに伴う非常事態宣言のため、2020年3月22日からScoot共々全便運休となり、ノックスクートは運航停止に陥ります。再開できたとしても需要の回復には時間がかかるとみられ、加えて日本側新規LCCのZIPAIR(ZG=TZP、千葉県成田市)も就航が決まっていて主力の成田~バンコク線の競争はさらに激化が予想されている中、会社の持続は困難と判断した模様。

なおノックエアのタイ国内線は運航を継続しており、DD便名の国際線が飛んでいる広島(広島県三原市)、ホーチミンシティ(タンソニャット)、ヤンゴンの3空港へは、CAATから許可が下りれば必ず再開すると表明しています。

2020年6月24日水曜日

伝説の大箱ライブバー『432"PLUS』が帰ってくる!!

(この項、清水友彦さん/クロントイ区 からの投稿です)
皆さん毎度です。しゃかりき432"のしみっちゃんです。

いや~参りました。新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)という得体の知れないエイリアンのせいで、夜間外出禁止命令になるわデリバリー以外の営業停止命令になるわと、しゃかりきグループは大変でした。一時は全店舗合わせた売上が他の一軒居酒屋さんの1日分と面合わせしかねない程でした。それでもセミロックダウンが解除されたバンコクで、少しづつではありますが再起への道を探ってまいります。

まず、誠に残念なのですがバンコク首都圏と近県にある次の3店舗は再開せず、閉店となります。

・トンロー日本村モール店(ワッタナ区)
・エスプラネード店(ディンデン区)
・バンクラン店(ノンタブリ市)

特にエスプラネード店はしゃかりきとして初の大型ショッピングセンター内店舗で、5年間ご愛顧いただいただけに撤退はちょっと辛いものがあります。

一方で、新たな展開や新店舗も徐々にではありますが進めています。その第一弾として、大箱ライブバー『432"PLUS(シミズプラス)を復活いたします!! コロナによる三密だなんだ言って、タイ人経営のライブハウスが次々と潰れている現状。日本人はもちろんタイ人のミュージシャンも立てるステージが減っている中、活躍できる場所を守りぬくのが俺たちの使命と判断しました。場所は『GOLDPlus』『ラウンジCalm』として営業していたスクンビット23の奥。『432"++BAR&more』(シミズプラスプラスバーアンドモア)、6月26日(金)オープンです!!

7月にはラマ9世通り『The Nine』ショッピングモール1階(スアンルアン区)にオープン予定!! エスプラネード店の事実上の移転でございます。その他各店舗イベント盛り沢山でアフターコロナV字回復を目指します!! 仕掛けまくりなんで皆さん期待しまくっといてくださいね!!

2020年6月16日火曜日

ジェットスター、ベトナムから撤退へ

ベトナム航空(VN=HVN:ハノイ市ロンビエン区、ハノイ証取上場)とカンタス航空(QF=QFA、オーストラリア・シドニー)は、ジェットスターパシフィックエアウェイズ(BL=PIC、ホーチミンシティ特別市タンビン区)に係る合弁事業を解消することで合意しました。今後、カンタスが保有するジェットスターパシフィックの持株をベトナム航空に引き渡すといい、ジェットスターパシフィックはベトナム航空の第二会社『パシフィックエアラインズ』として独自にLCC事業を展開、ベトジェットエア(VJ=VJC)とバンブーエアウェイズ(QH=BAV)の民間2社に戦いを挑むことになります。

ジェットスターパシフィックになる前の初代パシフィックエアラインズは、1990年12月にベトナム航空が台湾への就航を目指して設立した第二会社でした。当時は中国が掲げる『一つの中国(一中)』政策が航空業界に対しては厳格に適用されていて、航空会社は中国か台湾のどちらに就航するかを選択しなければならず、日本航空(JL=JAL)は台湾線のみに就航する子会社日本アジア航空(EG=JAA、東京都品川区)を設立していました。つまり、日本アジア航空のような位置付けの第二会社を作ろうとベトナム航空は判断した訳です。

この初代パシフィックエアラインズが2008年、ベトナム初のLCCとしてジェットスターグループ入りし、ジェットスターパシフィックエアウェイズに生まれ変わります(前記事「ジェットスター第3のハブはホーチミン」参照)。それまでB737ファミリーを使っていた機材をジェットスターの標準であるエアバス320ceoに総入れ替えし、主力のハノイ(ノイバイ)~ホーチミン(タンソニャット)線などを増便しました。2012年にはベトジェットエアの増便に対抗し、ベトナム航空との共同で事実上のシャトル便化を行い(前記事「ハノイ~ホーチミンシティ間、シャトル便時代始まる」参照)、2017年には日本への乗り入れも果たしました。

しかし、ジェットスターグループ他社と一部サービスレベルに違いがあったことから同等の品質を求める乗客に敬遠されたこと、また国際線でベトジェットエアとの競争に事実上敗れたことの2点が致命的となりました。特に東北アジアへのフライトでは、エアバス320ceoでホーチミンシティからの日本・韓国路線を就航させることが出来ず、エアバス321neoで成田国際空港(千葉県成田市)などへの路線を展開したベトジェットの独走状態となってしまいます。この結果2019年7月に日本路線を廃止(前記事「ジェットスターパシフィックが日本撤退!関空路線2年持たず」参照)。そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴う壊滅的減便・運休の中でカンタス側が事業見直しを行った中に、ベトナム事業からの資本引き上げが含まれていました。

今後、ジェットスター改め2代目パシフィックエアラインズはベトナム航空の第二会社という2007年以前の立ち位置に復帰し、引き続きLCC事業を展開します。

2020年6月14日日曜日

夜間外出禁止命令を解除!!電車・バスの運行時間元に戻る

プラユット・チャンオチャ首相は12日の政府対策会議で、4月3日から続けてきた夜間外出禁止命令を解除する方針を決め、6月14日(日)午前3時をもって正式に命令の効力を終了しました。これにより、タイ国内では市民や現地に残っている外国人が24時間外出することが可能になりました。

首都圏バス公団(BMTA:ホイクワン区)、BTSグループホールディングス(チャトチャック区、SET上場)、バンコクエクスプレスウェイ&メトロ(BEM:ホイクワン区、SET上場)の公共交通大手3機関は、15日の始発から通常通りの運行時間に戻っています。バスの主要路線で行われている24時間運行も14日夜(日付が変わって15日の0時)から再開されました。

2020年6月4日木曜日

BTSパホンヨーティン線さらに4駅延長、ラクシー記念塔に到達

BTSグループホールディングス(チャトチャック区、SET上場)は、MRTA(都市鉄道公団:ホイクワン区)と共同でスクンビット線モーチット駅から先の『パホンヨーティン線』と通称される北側延長区間の建設を進めていますが、昨日6月3日から第3次延長開業となるカセサート大学前(チャトチャック区)~ワットパシーマハタート(バンケン区)間が営業を開始しました。

カセサート大学前の次は森林局前駅となり、陸軍化学工廠への通勤に使えます。2つ目のバンプア駅は当初シーパトゥム駅と仮称され、その名の通り私立シーパトゥム大学の目の前にあります。3つ目の第11師団前駅は、首都圏最大の陸軍施設バンケン駐屯地の最寄り駅です。最後のワットパシー駅は、パホンヨーティン通りとラムイントラ通りがぶつかるラクシー記念塔に面しており、現在建設中のモノレール(MRTピンクライン:ケーライ~ミンブリ)への乗り換えができる構造になっています。

Facebookページ『Bangkokbusclub』『BKK Bus Photographer』は、今回の延長区間から先となるラムイントラ(バンケン区・カンナヤオ区・ミンブリ区)やラムルッカ(サーイマイ区・パトゥムタニ県ラムルッカ郡)方面へのバスに乗り換えが必要なお客様に対して、ワットパシー駅の一つ前の第11師団前駅(バンケン区)で電車を降りるように推奨しています。

ワットパシー駅があるラクシー記念塔のラウンドアバウト(環状交差点)内は戦勝記念塔(ラチャテーウィ区)と違ってバス停がなく、ワットパシー駅で降りると最寄りのバス停まで600m以上歩かなければならなくなります。これに対し、一つ手前の第11師団前駅で降りれば、直近にあるバス停から乗り換えができるとのことです。

なおBTSパホンヨーティン線からドンムアン空港へ向かう場合は、第11軍管区前駅で降りて[59](バンケン車庫~ドンムアン空港~ランシット車庫)に乗り換えるルートが新たに加わります。この他セナニコム駅とモーチット駅始発の[A1]もこれまで通り運行されます。


2020年6月1日月曜日

北神急行が神戸市営地下鉄に編入!前代未聞の公営化決行

北神急行電鉄(神戸市北区)は、1988年(昭和63年)から営業を続けてきた自社線(谷上~新神戸)の全設備と営業権を地元の神戸市に譲渡して事業活動を終了しました。これにより、北神急行線は神戸市営地下鉄北神線として生まれ変わりました。

日本で純民間資本で建設された私鉄が、国に買収されるのは鉄道国有法(1906=明治39年法律17号)など多くの例がありますが、地方公営企業に引き取られるのは路面電車を除けば史上初めてです。BOT方式PFI(建設・運営・譲渡)適用とみなした場合、公共セクターへの譲渡まで行ったのも日本では例がありません。

北神急行線は、神戸電鉄(神戸市兵庫区、東証1部上場)が運営している有馬・三田線(湊川~三田・有馬温泉)の谷上駅(神戸市北区)から分かれて都心のJR新神戸駅(神戸市中央区)の間をトンネルで短絡する路線として、神鉄の親会社の阪急電鉄(大阪市北区、日本民営鉄道協会加盟)主導で計画されました。

1970年代には北神急行の鉄道トンネルと並行して、神戸市が自動車用の『新神戸トンネル』を掘っており、谷上駅と三宮の間に神戸電鉄バス(現・阪急バス=大阪府豊中市)の[6](神戸駅~有馬温泉)[151](神戸駅~谷上駅)と神姫バス(兵庫県姫路市、東証2部上場)の[14](神戸駅~三田駅)、隣の箕谷駅との間は神戸市バス[64](三宮~神戸北町)が開通し神鉄の乗客を奪い始めていました。阪急は特に市バス[64]を鉄道先行と考え、谷上駅とJR新神戸駅の間にほぼ一直線のトンネルを掘って、既に建設が始まっていた神戸市営地下鉄西神・山手線に接続させ相互直通運転を行うという事業構想を立て、1979年(昭和54年)に北神急行を設立。日本鉄道建設公団(現:鉄道・運輸機構)と連携して工事を進め、1984年(昭和59年)にはトンネルを貫通させ、1988年(昭和63年)4月2日に正式に開通、営業を開始しました。

しかし、鉄建公団に対して25年計画で工事費を返済する必要があったことから運賃を高く設定しなければならず、加えて新神戸駅以遠は神戸市営という別の事業者になるため市営の乗車料金(運賃)も合算されたので、谷上と三ノ宮の間は営業距離で8.8Kmしかないのに、開業当時でなんと590円、値下げされた後も550円という高い料金設定になっていました。一方、神戸市バス[64]は箕谷駅まで450円、阪急バス[6]も谷上駅まで490円と北神急行よりも安い運賃設定をし、市営だけで使える『敬老パス』(シルバーパス)の利用者も多かったため乗客の鉄道への移行が進まない状態に陥ります。このため債務返済のメドが立たなくなり、2001年(平成13年)、北神急行は設備を神戸高速鉄道(神戸市兵庫区)に譲渡して上下分離の事業者になります。それでも収支の改善が進まず、270億円もの欠損金(累積赤字)を抱えたまま2年後の2022年にも北神急行関連の債務を引き継がなければならなくなっていた阪急阪神ホールディングス(大阪市北区、東証1部上場)は、久元喜造市長に北神急行の今後について協議を要請します。久元市長は神戸市北区の活性化を進める狙いで北神急行の資産を引き取り、市営地下鉄に一体化することを提案。2019年3月に基本合意を取りまとめ、北神急行の現場社員を神鉄に移籍させた上で神鉄が北神線区間および谷上駅の運営を市から受託するという移行措置を準備してきました。

乗車料金は、西神・山手線の3区相当にあたる『北神1区』が設定され、谷上と新神戸の間は280円と従来より90円引き下げられました。新神戸駅以遠では従来連絡運賃だったのが神戸市営地下鉄1本になるにあたり、「新神戸駅を基準にした区間料金+北神1区料金」が初乗り(1区)では同額、2区以遠でも従来の地下鉄料金より30円~40円のアップに留まるように見直されました。この結果、谷上と三ノ宮の間は280円、神鉄湊川駅(神戸市兵庫区)に程近い湊川公園駅との間も、従来の610円が310円とそれぞれほぼ半額に引き下げられました。三宮と有馬温泉の間も、従来の950円がバスよりも安い680円に値下げされ、乗客の鉄道への転移が一気に進むのではないかと期待されています。

なおPiTaPa、ICOCAなど交通系ICカードは従来通り使用できるほか、谷上駅ではスルっとKANSAI磁気カードも当分の間自動券売機・自動精算機で使用できます。New Uラインカード、敬老パス、福祉乗車証も北神線で使えるようになります。

2020年5月20日水曜日

タイ国際航空破綻!!日航と同様の更生手続きへ

財務省国営企業政策委員会(パヤタイ区)がプラユット・チャンオチャ首相に提案していたタイ国際航空(TG=THA:チャトチャック区、SET上場)の法的整理移行について、プラユット首相は今日の閣議で了承する決定を行いました。これによりTHAIは中央破産裁判所(サトーン区)に整理手続き開始(日本の会社更生法に相当)を申し立てることになりました。事実上の経営破綻で、負債総額は2400億Bt.(約8000億円)以上に上ると推定されています。

THAIは1960年の創業以来、財務省の直接出資とオムシン銀行(GSB:パヤタイ区)など国営金融機関を通じた間接保有分を合わせて、政府が発行済み株式の大半を握るナショナルフラッグキャリアとして活動してきました。当初は国内線部門が旧タイ航空(TH=THA:ポンプラップ区)という別会社だったこともあり、日本の『45/47体制』にも似た棲み分けが行われてTHAIは中・長距離国際線を独占して担当し、70年代に彗星のごとく現れて消えたエアサイアム(VG)を吸収合併したほか、1988年には旧タイ航空も合併し、国内線・国際線の一元化を果たします。1997年、創業当初の合弁相手だったスカンジナビア航空(SK=SAS)の誘いを受け、スターアライアンスに結成メンバーとして参加しました。

ところが、タイ初の格安航空会社としてタイエアアジア(FD=AIQ)が国内線の運航を始めたことが大きな転機になります。タイ国際航空はタイエアアジアに対抗するため、ノックエア(DD=NOK)を設立し筆頭株主になりますが、ノックエアが路線を拡張するにあたって、THAIの国内ローカル線を移行するという45/47体制下の旧東亜国内航空(JD=TDA)や旧日本近距離航空(EL=ANK、現・ANAウイングス)も真っ青の政策を遂行したため、THAIはジェット機による国内幹線運航という旧日本航空インターナショナル(JL=JAL)と同じ立場になり、必然的にコストが採算に見合わない状態となってしまいます。

2012年には当時最も小さかったボーイング734の代替としてエアバス320ceoを導入しますが、この際に専用のサブブランド『タイスマイル』が起こされ、2014年には完全子会社タイスマイルエアウェイズ(WE=THD、チャトチャック区)となって、THAI本体所属のフリートはとうとう中大型機だけとなったのでした。

その後、収益の柱となった中距離国際線でもLCCの攻勢に押されます。日本線にはタイエアアジアX(XJ=TAX)が就航し、ノックエアもノックスクート(XW=NCT)を設立して対抗したものの運輸省民間航空局(CAAT)がICAOのSSCを受けてしまい就航が遅れる事態に。THAIはこれをビジネスチャンスととらえてFSC離れを食い止めるべきだったのが、SSC発行直前に増便認可を取り付けていたタイエアアジアXの手回しの良さの前に伸び悩みました。

欧州への長距離便では、乗り継ぎながらもEU圏内ほぼすべての都市へネットワークを持ったエミレーツ航空(EK=UAE)とターキッシュエアラインズ(TK=THY)に乗客を奪われ、直行のアドバンテージだけでは乗客を呼べなくなってしまいます。インドでもIndiGo(6E=IGO)やスパイスジェット(5G=SEJ)のLCC2強がバンコク線を設け、乗り継ぎ需要の多かった日本からの訪印者も日本航空やANA(NH)の直行便開設で次第に離れていくようになりました。

こうしてTHAIは慢性赤字体質に陥っていき、直近7期中最終黒字を達成したのは2016年12月期の1度だけ、株主への配当も7年連続で無しという厳しい財務状況になってしまいます。そして、3月からの新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)のパンデミックに伴う国家非常事態宣言でタイ発着国際線の運航が禁止されたためTHAIは国内線・国際線共に全便運休となり収入源を断たれます。THAIは財務省につなぎ融資を要請したものの労組や組合に近い役員の反対に遭い断念。2010年の日本航空が取った再建スキームを参考に、法的整理でスピード再建を目指すことにしました。

THAIはCOVID-19に伴うタイ発着国際線の運航停止が解除された後、速やかに運航を再開し、再建への道を歩むことになります。

2020年5月15日金曜日

ソラチカカードにゴールド登場もSFCは用意されず

ジェーシービー(JCB、東京都港区)は、東京メトロ(東京都台東区)およびANA(NH、東京都港区)の両社と提携して発行している『ANA To Me Card PASMO(通称ソラチカカード)』にゴールドカードを追加し、会員募集を開始しました。

ソラチカゴールドカードは、ソラチカカードのクレジットカードとしてのステータスをゴールドに引き上げた、JCBから見れば『提携ゴールドカード』にあたるものです。

『オリジナルシリーズ』と呼ばれる通常のJCB GOLDとの違いは、交通系ICカード機能が搭載されていることと、OKIDOKIポイントの他に東京メトロの『メトロポイント』を加算することが出来ることの2点です。このコストとして通常のJCB GOLDより4,000円高い、14,000円(税込み15,400円)の年会費が設定されています。

しかし、ソラチカゴールドカード保有者がAMCプラチナを達成しても、ソラチカゴールド1枚だけではANAカードスーパーフライヤーズクラブ(SFC)には入会することができません。ソラチカゴールドカードはオリジナル(プロパー)のANAカードでは『ワイドゴールド』に相当しますが、今回の発行にあたって、ANAが

「SFCはオリジナルカードのみのステータスと位置付け、交通系IC搭載ANAカード(ソラチカ、ANA nimoca、TOKYU×ANAなど)にはカード発行会社のゴールド資格は認めても、ANAカードとしての完全なワイドゴールドとは認めない」

ことにしたものとみられます。JCB側も2015年4月の会員規約改正でANA JCBカード(オリジナル)をベースにした『SFC JCBカード』との2枚持ちが解禁されているため、ソラチカゴールドカード会員がSFC入会を希望する時は、SFC JCBカードとの2枚持ちで対応できますが、2枚分の年会費(SFC JCB一般11,275円 or GOLD16,500円+ソラチカゴールド15,400円)がかかります(前記事「ソラチカカードとSFCJCBの2枚持ちが可能になった」参照)

また、メトロポイントからANAマイルへの交換に際して、メトロポイントへ流し込めるポイントの代表格だったLINEポイント(LINE:東京都渋谷区)が昨年12月28日限りで他社ポイントへの交換を終了しているため、従来のソラチカルートが使えなくなっています。ソラチカゴールドカードをメインカードとして決済しまくるのであれば、OKIDOKIポイントから有利に交換する方法もありますが、ポイントサイトの獲得ポイントを流し込むためであれば、ゴールドは用意されないものの『TOKYU×ANAカード』『ANA VISA nimoca』を使った方が有利になります。

2020年5月1日金曜日

[203]公団が撤退![110]は一時廃止、トンブリ北部の足に不安

首都圏バス公団7管区営業所(ノンタブリ県バンブアトン郡)は、[203](王宮前広場~MRTバンオー駅~バンブアトン2車庫)の営業を、4月30日(木)限りで終了しました。ピンク色とオレンジ色の民間委託バスと、オレンジ色のミニバスは存続しますがいずれにせよ減便。また[110](ラマ6世橋~テウェート)が運行していた事業者の経営破綻に伴い廃止となり、トンブリ北部バンプラット区の市民の足に不安が生じています。

[203]は、ラマ7世橋でチャランサニウォン通りに入り、MRTブルーラインと並行にバンイーカン駅(バンプラット区)先のボロンマラチャチョンニ交差点を左折して、王宮前広場方面を目指します。バンプラット区を南北に縦断する路線で住民の欠かせない足であるとともに、美容整形や性別適合(性転換)手術などで知られるヤンヒー病院が沿線に立地することから、外国人の利用もそれなりにあります。

運輸省は、バンコク首都圏バスの民間委託体制を見直す過程で1路線ごとの運行事業者を1社に絞る方針としており、[203]のように公団と民間委託の両方がある路線では公団1本にするか、民間委託のみとするかの選択を迫られています。首都圏バス公団は1976年(仏暦2519年)からこの路線を運行してきましたが、MRTブルーライン環状部との並行区間が比較的長いため、途中のMRTシリントン駅まで並走する[18](戦勝記念塔~バンブアトン2車庫)と、別経路で王宮前広場とノンタブリ市を結ぶ[65][70]に資源を集中すべきと判断した模様。民間委託事業者の「バンコク118」(ノンタブリ市)に一本化して、公団は撤退するとの決定を行いました。

一方[110]は、ラマ7世橋を起終点に途中のサンヒー交差点(ドゥシット区)までは[18]と同じルートで、ここからサムセン通りに入りテウェートまで行く比較的短い路線。バンプラット区内からスアンスナンダ教育大学やラチャモンコンプラナコン工科大学といったドゥシット区内の大学に通う学生が乗客の中心となっていました。こちらはCOVID-19のパンデミックで大学が軒並み休校となったことから乗客が激減し、事業者が倒産に追い込まれ運行停止となりました。4月30日から明日5月4日まで運休した後、5日(火)から民間委託最大手のスマートバス(チャトチャック区)が引き継ぎ、再開される予定です。