2020年1月26日日曜日

ラオス航空の日本乗り入れ計画、中止か

ラオス航空(QV=LAO、ビエンチャン)は、今年3月から運航を始める予定だったビエンチャン(ワッタイ)・ルアンパバン~阿蘇くまもと(熊本県益城町)線の就航計画を「時期未定」にすると熊本県庁に通告してきました。事実上白紙に近いと言ってもいい状況で、日本からラオスへの直行便就航は遠退き、従来通りバンコクやハノイ、仁川などでの乗り換えが必要になります。

地元紙の熊本日日新聞(電子版)が24日午後に伝えたものです。

ラオス航空は2019年10月、国土交通省航空局国際航空課(JCAB:東京都千代田区)から「外国人国際航空事業の経営許可」(AOC)を取得し、阿蘇くまもと空港との間にビエンチャンとルアンパバンからそれぞれ2便ずつ、計週4便を運航する計画を発表しました。しかし、これは当初希望していた福岡国際空港(福岡市博多区)の発着枠が確保できなかったための次善的な選択でした。

ラオス航空がまとまった数を保有しているジェット機はエアバス320ceoだけで、この機材では関空や成田とビエンチャンの間を直行で飛行することができません。東京で編集されている業界向け専門サイト『トラベルビジョン』は2017年、日本発のみ長崎空港(長崎県大村市)でテクニカルランディングするという形の成田線就航を目指すと報じましたが結局お流れになりました。19年春に福岡空港へ打診したもののこれも発着枠が取れなかったため、航続距離の関係で同じ九州にある他の空港への就航を目指すことにし、阿蘇くまもと空港を選定したといいます。

しかし、阿蘇くまもと空港を重要な位置付けとしている国内航空会社はコミューターキャリアの天草エアライン(MZ=AHX、熊本県天草市)しかなく、厳密な意味でのLCCもジェットスター・ジャパン(GK=JJP)の成田・関空線しかありません。会社側が目標としているロードファクター(有償座席利用率)90%を実現するには、日本航空(JL=JAL)とANA(NH)の大手FSC2社だけでなく、Peach(MM=APJ)や2代目エアアジアジャパン(DJ=WAJ)など他のLCC、さらにはソラシドエア(6J=SNJ、宮崎市)やフジドリームエアラインズ(JH=FDA、静岡市清水区)といった国内線専門キャリアも含めた乗り継ぎが充実して、日本各地から集客できるようにすることが必要で、会社側では採算性の検討に時間を要すると判断、就航時期を未定とすることにしました。