2021年1月24日日曜日

MLながら無き後の18きっぷユーザーはどうなる?

JR東日本横浜支社(横浜市西区、東証1部上場)とJR東海(名古屋市中村区、東証1部上場)は、旧国鉄時代から維持されてきた東海道線の臨時夜行快速列車『ムーンライトながら』(東京~大垣)の運転を終了(廃止)すると発表しました。これにより東海道線の夜行列車は、寝台特急『サンライズ瀬戸・出雲』が残るのみとなり、同時に『青春18きっぷ』利用者は乗り継ぎ行動の変化を求められます。

MLながらは、本州中央部を駆け抜ける18きっぷユーザーにとって極めて重要な足でした。今回消滅することで、例えば関東から中国・四国地方や、関西圏から東北方面へ18きっぷ1回分だけで乗り継ぐことが難しくなります。

《東京から始発電車で西へ》
東京から九州方面へは、MLながらから先、東海道線・山陽本線の普通列車を乗り継いでいけば、JR九州管内まで同日中に行くことも出来ましたが、廃止で九州への同日到着は不可能になってしまいました。東京駅を始発の上野東京ラインで出て、西へ向かったとすると、以下のような乗り継ぎになります(以下の列車時刻はすべて平日ダイヤベース、JTBパブリッシング『大判時刻表2021年2月号』を参考にしました)。

東京5:20(普通321M)7:27沼津7:35(普通741M)8:28静岡8:30(普通739M)9:41浜松9:43(新快速5117F)11:47大垣12:12(普通225F)12:46米原12:50(新快速3467M)15:17姫路15:33(普通977M)15:53相生15:56(普通1325M→431M)18:41三原19:13(普通353M)21:22岩国21:25(普通3365M)23:58厚狭

東京駅を始発で出ても、九州島内はもちろん本州最西端の下関駅(山口県下関市)にもたどり着けず、厚狭駅(山口県山陽小野田市)で18きっぷ1回分の効力が終わってしまいます。九州へ向かうのであれば大阪駅で降りて大阪南港へ向かい、阪九フェリー(北九州市門司区)か名門大洋フェリー(大阪市西区)の門司航路、またはフェリーさんふらわあ(神戸市東灘区)の別府航路、宮崎カーフェリー(宮崎市)の宮崎航路といずれにしても長距離フェリーに乗り継ぐか、厚狭駅前のホテルで1泊しなければなりません。東京と北九州を直接結ぶオーシャン東九フェリー(東京都中央区)の定期航路では、船中2泊が必要です。

ジェットスター・ジャパン(GK=JJP、千葉県成田市)の成田空港と九州を結ぶ各路線で飛んでしまった方が効率が良く、フェリーより安くなる場合もあります。

《終電で大阪到着を目指すなら》
また、大阪駅に終電で到着しようとすると、こうなります。

東京15:18(普通1885E)17:02熱海17:09(普通461M)19:43浜松19:48(普通977M)20:22豊橋20:34(新快速2349F)22:38米原22:42(普通921M)23:16野洲23:25(新快速3555M)0:22大阪

大阪駅着が日付の変わった後の0時22分ですが、大都市近郊区間内では当日の最終電車まで利用できるというルールにより、このパターンがリミットです。ちなみに、3月13日のダイヤ改正で野洲23:25の新快速が廃止になり、改正後はもう1本繰り上がって大阪着が23時58分着になるため、東京駅を午後3時前に出る必要が出てきます。

《大阪を始発で出て東北へ》
大阪駅を始発で出て東北方面へ向かおうとすると、次のような乗り継ぎになります。

大阪5:00(普通502C)5:46京都5:49(普通902M)6:56米原7:07(新快速2312F)9:25豊橋9:32(普通930M)10:06浜松10:08(普通764M)11:21静岡11:53(普通1448M)13:07熱海

【上野から常磐線経由の場合】
熱海13:13(快速アクティー3528E)14:54上野15:12(常磐中電395M)17:31水戸17:42(普通579M)19:10いわき19:25(普通689M)20:42原ノ町20:45(普通273M)22:04仙台
【上野から東北本線経由の場合】
熱海13:13(快速アクティー3528E)16:09小山16:21(湘南新宿ライン快速4532Y)16:53宇都宮17:12(普通671M)18:03黒磯18:10(普通4149M)18:33新白河18:44(普通2151M)20:33福島20:51(普通591M)22:11仙台

仙台22:39(普通2577M)23:48石越

終点の石越駅(宮城県登米市)前には宿泊施設がなく、まともに泊まろうとすると事実上仙台駅が限界と言わざるを得ません。

ちなみに大阪発は北陸新幹線の開業時に北陸本線の金沢以遠が第3セクターのIRいしかわ鉄道(金沢市)とあいの風とやま鉄道(富山市)、えちごトキめき鉄道(新潟県上越市)に分割解体されてしまった関係で新潟県方面へ最短ルートで行けなくなり、非常に厳しくなりました。名古屋から中央線・篠ノ井線・飯山線経由で向かう場合でも、長野駅と豊野駅(長野市)の間が並行在来線分離でしなの鉄道(長野市)に渡ってしまったため、この区間の運賃260円を払う必要があります。どうしても全区間JRにこだわるのあれば東京経由を強いられ、いずれにしても大阪を始発で出て新潟駅(新潟市中央区)に着くのは夜10時近くになります。

新日本海フェリー(大阪市北区)の舞鶴(京都府舞鶴市)と小樽(北海道小樽市)、敦賀港(福井県敦賀市)と苫小牧(北海道苫小牧市)を結ぶ定期航路が昔から有名ですが、今やPeach(MM=APJ、大阪府田尻町)の関空~仙台・新潟・新千歳線で飛んだ方が圧倒的に楽です。

MM143 KIX1035~KIJ1150 DAILY
MM144 KIJ1230~KIX1400 DAILY

(機材はエアバス320ceo 普通席=エコノミークラスのみ180席)

名古屋発着でもPeachが新千歳・仙台線を2代目エアアジアジャパン(DJ=WAJ)から事実上引き継いでおり、下手をするとLCCが18きっぷの歴史的使命を終わらせる可能性もすぐそこまで迫っています。