日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)は2018年3月25日からの来夏スケジュールで、成田~仁川線を運休(廃止)すると発表しました。会社側では「至近の需要動向に鑑み決めた」としましたが、実行までまだ8カ月もある現時点での発表は極めて異例。JALをはじめとするワンワールドメンバーズの長距離便から乗り継ぐ乗客に配慮したのではないかとみられています。
《成田発2018年3月24日、仁川発3月25日のフライトをもって取りやめ》
JL959 NRT1840~ICN2120 DAILY
JL954 ICN1110~NRT1345 DAILY
(機材はB738 ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席)
同じく成田~仁川線を運航していたANA(NH、東京都港区)は、グループLCCのバニラエア(JW=VNL、千葉県成田市)が初代エアアジアジャパン(JW=WAJ)の名前で運航を始めた2013年に撤退(前記事「ANA成田~仁川線廃止、エアアジアに移管!?」参照)。JALもジェットスター・ジャパン(GK=JJP)を持っているものの韓国路線には就航しておらず、アメリカン航空(AA=AAL)の北米大陸発着などワンワールドメンバーズの長距離国際線からの乗り継ぎ客を獲得する狙いで、1日1便の運航を続けてきました。
しかし、日航は大韓航空(KE=KAL)とコードシェア提携することになり、2014年4月、成田~仁川間に毎日3便運航しているKE便もJALから予約・発券可能になりました。2016年12月からはマイレージ(JMBとSKYPASS)の交流も始まり、ANAと同様、成田発着はパートナーの韓国側に任せ、収益の見込める羽田~金浦線に経営資源を集中する政策を取れる環境が整いました。
今回、この時期に発表が行われたのは、主な利用層だった韓国から北米への乗り継ぎ客やJMB・SKYPASS特典航空券の利用者に対し、少しでも長い予告期間を持たせたいという狙いがあります。