2016年7月27日水曜日

アシアナ航空の地方路線、エアソウルに移管

アシアナ航空(OZ=AAR ソウル特別市江西区、KOSDAQ上場)は、エアプサン(BX=ABL、釜山広域市江西区)に続く2つ目の分離子会社『エアソウル』(RS=ASV、ソウル特別市江西区)を設立、運航を開始しました。

エアソウルは仁川空港をハブとし、格安航空会社(LCC)の形態を取り入れるとともに、本格航空会社(FSC)のスタイルを採るアシアナ航空では採算確保の難しい一部国際線の収支改善を目指します。LCCにFSCのローカル線立て直しを期待するというビジネスモデルは、エアプサンが2010年から取り組んで成功しており、アシアナと株の持ち合いをしているANA(NH、東京都港区)にも影響を与えています(前記事「ANA成田~仁川線廃止、エアアジアに移管!?」参照」)。これについて地元韓国の聯合ニュース通信は

「得意としていた中短距離の国際線で(イースター航空/ZE=ESR やチェジュ航空/7C=JJA など)LCCが台頭しアシアナは競争力を失いつつあった」

と指摘。東亜日報は

「日本だけでなく中国の地方都市や東南アジアへの路線も一部移管を申請済みでその数は合わせて2桁に達する」

と報じています。

エアソウルでは、機材の調達が進む10月以降、アシアナ航空国際線のうち、西日本の地方空港を発着する路線の移管を始める予定になっています。移管される路線ではアシアナとコードシェアを行いますが、現在のアシアナ運航便で行われているANAとのコードシェアは、継続されない公算が強くなっています。アシアナ時代にANAとのコードシェアが行われていたエアプサンの路線では、移管と同時にコードシェアのANA便名はなくなっていますので、この先例がそのまま適用されるなら、ANAコードシェアは消滅。ANAが設定しているPEX運賃『エコ割』も終了となります。

エアソウルに移管される路線と、アシアナが引き続き運航する仁川発着の中・長距離国際線を乗り継ぐ格安航空券は「アシアナ自社運航便のみ」という条件の場合、使えなくなります。どうしても必要な場合、日本発であればソウルから先のアシアナ便について、アシアナ航空のWebサイトで購入するか、韓国の旅行代理店で発券する必要があります。第三国発は、仁川までアシアナ航空で発券し、エアソウル運航区間はエアソウルのHPで予約・購入しなければなりません。

スターアライアンス世界一周・サークルパシフィック・サークルアジアの各企画運賃は、コードシェアにより、OZ便名かつブッキングクラスH・Mで予約が取れれば利用できます。

マイレージは、現在はスターアライアンス加盟全社のプログラムに加算できますが、エアプサンではOZ便名で予約購入した場合に限り、アシアナの自社プログラム『アシアナクラブ』にのみ加算が認められます。エアソウルも基本的にはこれに従うので、ANAマイレージクラブやマイレージプラス(ユナイテッド航空/UA=UAL)へは加算できなくなります。

対象路線は次の通りで、高松(香川県高松市)、富士山静岡(静岡県掛川市)、広島(広島県三原市)、米子(鳥取県境港市)、富山(富山市)の各空港を発着する5路線が第1陣となります。

《10月4日まで有効》
OZ166 ICN0830~TAK1005 金曜運航
OZ165 TAK1105~ICN1245 金曜運航
(機材はエアバス320 ビジネスクラス8席、エコノミークラス148席)

OZ166 ICN1450~TAK1625 火・日曜運航
OZ165 TAK1725~ICN1905 火・日曜運航

《10月6日まで有効》
OZ126 ICN0940~FSZ1135 月・木・土曜運航
OZ125 FSZ1240~ICN1445 月・木・土曜運航

《10月18日まで有効》
OZ162 ICN1010~HIJ1140 水・金を除く週5便
OZ161 HIJ1240~ICN1410 水・金を除く週5便

《10月21日まで有効》
OZ164 ICN0930~YGJ1100 金曜運航
OZ164 ICN1230~YGJ1400 火・日曜運航
OZ163 YGJ1200~ICN1330 金曜運航
OZ163 YGJ1500~ICN1640 火・日曜運航

《10月29日まで有効》
OZ128 ICN0910~TOY1100 火・日曜運航
OZ128 ICN1030~TOY1220 金曜運航
OZ127 TOY1200~ICN1400 火・日曜運航
OZ127 TOY1320~ICN1535 金曜運航

(機材はいずれもエアバス321ceo ビジネスクラス12席、エコノミークラス165席)