2020年3月19日木曜日

[9]民間事業者が倒産!代替運行のメド立たず

カオサンとウォンウィエンヤイを結ぶ白色ノンエアコンバス路線の[9](サムセン駅~カラパプルック車庫)を運行していた民間委託事業者が経営破綻に追い込まれ、同路線は3月18日(水)限りで運行停止となりました。2020年に入って、民間事業者が運行をやめるのは[507]に続いて2路線目。[507]はほぼ全区間で公団直営路線が並行していましたが、[9]は非冷房車が主力で独自区間もあるにもかかわらず、首都圏バス公団(BMTA)による代替運行は行われない見込みです。

[9]は1999年まで公団直営で運転されてきましたが、民間委託に変更された後、それまでは[4]と同じくワットパクナム(パシチャルン区)打ち切りだったのをBTSシーロム線ウッタカート駅(トンブリ区)付近を通過して、カラパプルック通りに入り委託事業者の車庫(バンボン区)まで営業するように変更されました。車庫の近くには、「サンペーン2」という水上マーケットが2013年にオープンし、この市場へのアクセス手段としても機能していました。

しかし、バスはBTSウッタカート駅に止まらず、カラパプルック通りとBTSを結ぶ鉄道フィーダー路線としては機能しませんでした。このため公団は5管区営業所(バンクンティエン区)所管で[720](BTSタラートプルー駅~サンペーン2循環)を立ち上げ、BTSへの乗り継ぎをする通勤者はそちらに流れていきます。一方、サンペーン2水上マーケットは思ったように発展せず、期待していた外国人もまばらで乗客の増加にはつながっていません。

また昨年9月にMRTブルーライン放射部(ファランポーン~ラックソン)が開業した後は、最寄りの鉄道駅がMRT終点のラックソン駅(バンケー区)に替わり、バンボン区内からもそちらへソンテウで向かう通勤客が増えているといいます。

そこへ新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)のパンデミックが襲い、中国人観光客がほぼいなくなった上、公団から引き継いで20年になる白バス車両の代替を迫られたにもかかわらず購入資金を用意できる見込みが立たなかったことから、委託事業者は撤退を決めたものとみられます。


《12月21日追加》
この路線は8月10日から、民間委託最大手のスマートバス(チャトチャック区)が引き継ぎ運行を再開しました。