2020年2月18日火曜日

「0SIM」8月で終了!在外邦人は必ずサービス移行せよ

ソニーネットワークコミュニケーションズ(So-net:東京都港区)は、格安SIM『nuroモバイル』のプランの一つとして2016年1月から提供してきた『0SIM(ゼロシム)』を8月31日限りで終了すると発表するとともに、新規契約の受付を締め切りました。

0SIMは、同じソニーグループのエムオンエンタテインメント(旧ソニーマガジンズ、東京都港区)が発行する月刊『デジモノ×ステーション』2016年2月号の特別付録として2015年12月に初お目見えしました。1か月のデータ伝送量が500MB以下であれば無料、それ以上も5GBまで1,600円(消費税別)というキャップ付き従量制の料金体系でヘビーモバイラーに大きな衝撃を持って迎えられ、一時は新規で受付可能な枠を制限するほどの人気になりました。

しかし、LINEモバイル(東京都渋谷区)がグループのSNS『LINE』で使ったデータ伝送量は無制限でカウントしない方針を打ち出すと、KDDIグループのビッグローブ(BIGLOBE:東京都品川区)はYoutubeやApple Musicなど大容量を伝送する動画や音楽配信サイトのデータを定額料金とする『エンタメフリーオプション』を開発するなどし、次第に0SIMの魅力は薄れていきます。

弊誌Traveler's Supportasiaでは前記事「在外邦人の一時帰国に!0SIMなら500MBまで無料」で、日本に一時帰国する在外邦人がプリペイドサービスや海外でのルーターレンタルに代えて0SIMを使えばお得と書きました。こちらはまだ魅力が残っていましたが、こちらにも競合他社が出てきます。また、外国人向けには日本以外の複数の国でのローミングが可能なプリペイド料金プランが海外キャリアによって開発されていきました。

つなぎ放題を求めるユーザーに対しても、IoTコンサルティング(ロケットモバイル:東京都港区)が伝送速度200kbpsとISDN並みの遅さながらも伝送量無制限を実現した『神プラン』を開発すると、UQモバイル(UQコミュニケーションズ:東京都港区)が速度500kbpsの『データ無制限プラン』、楽天モバイル(東京都世田谷区)は常時最低でも1Mbps出せる『スーパーホーダイ』と対抗馬が相次ぎます。一方でnuroモバイルの通常のプランでも、『Mプラン』の高速データ伝送量は1か月に7GBまで引き上げられ、0SIMよりも多くなりました。こうしてSo-netは格安SIM業界に選択肢を与えるという役割を終えたと判断、0SIMのサービスを終了して既存顧客にはnuroモバイルの通常のプランへ移行してもらうことにしました。

nuroモバイルの通常のプランは、高速データ転送量200MBの『お試しプラン』が1か月300円(音声通話付き1,000円)から、高速転送量2GBの『Sプラン』は1か月700円(音声通話あり1,400円)からとなっており、0SIMユーザーで1か月の転送量が1GB台であれば、Sプランに切り替えたほうがお得になる計算。音声通話付きの番号を維持できればいいという在外邦人は、お試しプランでも十分です。

既存の0SIMユーザーには、6月から8月までの予定でサービス変更を受け付けるとしています。この期間中にnuroモバイルの通常のプランに移行すれば、お手持ちの電話番号は維持できるほか、音声通話付きプランの1年縛り期間中であっても、違約金は一切かかりません。なお8月31日までに移行手続きをしないと、9月1日付で自動解約になってしまいます(この場合も違約金は請求しないとのことですが)。