2020年3月11日水曜日

[507]3月10日限りで廃止…民間事業者が撤退

タイ人のバス愛好家によるFacebookページBangkokbusclub.com』『Rotmeathai(ロットメータイ)』は、バンコク首都圏内有数の幹線系統だった[507](新・南バスターミナル~パークナム)が、3月10日(火)限りで運行を終了し廃止になったと報じました。この路線を運営していた民間委託事業者が撤退を決めたためで、廃止後は並行して運行されているBTSスクンビット線と、公団直営のバス路線で代替されます。


[507]は、BTSスクンビット線海軍兵学校駅(サムットプラカン市)近くにある車庫を起終点に、BTSと同じくスクンビット通りを走り、プラカノン交差点で分かれてラマ4世通りを一路西へ。バンコク大学最寄りのクルアイナームタイ交差点やクロントイ市場を経て、シーロム、ファランポーン駅、ヤワラー地区とMRTブルーラインの上を走る区間が続きます。サナムチャイ駅(プラナコン区)でMRTとは反対に右折し、王宮前広場へ。王宮前広場から先は[511](新・南バスターミナル~パークナム2車庫)と同じくピンクラオ通り・ボロンマラチャチョンニ通りを北西に進んで、終点の新・南バスターミナル(タリンチャン区)へ向かっていました。

BTSスクンビット線の開業後も、公団直営の[25][45][508][511]を補完するように走り、ビジネス街シーロムやファランポーン駅と新・南バスターミナルを結ぶ足として重宝されましたが、2010年のUDD軍戦乱・最終決戦の際、沿線のラマ4世通りが戦場と化して一時運行できなくなってしまい、他路線に乗客が流れ出します。中でも高速道路(バンナー~マハナコン)経由の快速急行を増発し運行を継続した[25]への転移が顕著で、当時は赤バスの無料運行もあったことから大打撃となりました。終戦後も首都圏バス公団3管区営業所はそれまで朝夕ラッシュ時のみだった[25]快速急行の終日運行を継続したため、サムットプラカン県方面の長距離客がなかなか戻らない事態に陥ります。

さらに、2017年4月のサムロン駅を皮切りにBTSスクンビット線延長2期部分が順次オープンすると、プラカノンと海軍兵学校の間が並走となり、[507]は苦しい立場に追い込まれます。公団が10年越しの懸案だった赤バス・エアコンバス車両の代替を実現する中、1990年代前半に導入された公団払い下げの青色エアコンバスは老朽化が激しくなっていきます。そして、今年1月からの新型コロナウイルス感染症(『COVID-19』)大流行で乗客離れが起こり、委託事業者は事業続行が不可能になったと判断した模様です。

今後、シーロムやスクンビットから新・南バスターミナルへ直行するお客様は、BTSシーロム線・MRTブルーラインバンワー駅発の[B1]『BMA Feeder Bus』(無料シャトルバス)を利用することができます。