2019年12月1日日曜日

お財布.com閉鎖へ!モッピーに統合、資源集中

ポイントサイト運営大手のセレス(東京都世田谷区、東証1部上場)は、2014年にオープンキューブ(東京都中央区)から引き継いだ『お財布.com』を19年12月で終了とし、主力サイトの『モッピー』に経営資源を集中します。最盛期には3つあったセレス運営のポイントサイトもモッピー一本にまとめられ、再スタートを切ります。

お財布.comは、オープンキューブが2004年(平成16年)に立ち上げた古参のポイントサイトで、翌2005年のセレス創立と同時に始まったモッピーよりも古く、セレス所有のサイトの中でも最古の歴史がありました。オープンキューブ時代には提携クレジットカード『お財布プレミアム』も発行されるなど、ポイントサイト業界では比較的な地味な存在だったもののそれなりに固定客がおり、ここまで維持されてきました。

2015年(平成27年)、お財布.comは『ポイントインカム』のファイブゲート(東京都渋谷区)から引き継いだ『MOBATOKU(旧モバトク通帳)』とともにセレスに事業譲渡されます。当初はモッピーと並ぶ強力なコンテンツを投入するなどして併存させる予定でしたが、16年にブランドプリペイドカード『POINTWALLET』を投入したあたりから風向きが変わります。

POINTWALLETは、発行会社のセディナ(東京都港区)との提携条項の関係上各サイトごとに発行する必要があり、モッピー、お財布.com、モバトクの獲得ポイントを1枚にまとめることはできませんでした。しかし、同業大手『ハピタス』のオズビジョン(東京都千代田区)が子会社を通じて発行した『Pollet』では、交換サイト大手との提携により事実上日本国内で運営されているすべてのポイントサイトのポイントを集約できる機能を実現。これにより、セレスのブランドプリペイドカード事業は一気に伸び悩み、見直しの過程でセレス経営陣はポイントサイト事業をモッピー一本に絞る方針を決めました。

引き継いだ2つのサイトのうち、著しく利用者の少なかったモバトクは2018年12月20日でサイト運営を終了し、モッピーに統合。続いて19年1月にはお財布プレミアムカードの終了が提携先のアプラス(大阪市中央区)から発表され、お財布.com自体の閉鎖も時間の問題と言われるようになりました。そして、モバトクの終了からちょうど1年が過ぎようとしている12月16日(月)正午をもって、すべてのコンテンツと掲載案件(広告)の利用を終了することにしました。

お財布.comの既存会員には、2020年1月31日までにモッピーへ移行することが義務付けられます。移行が間に合わなかった会員の獲得ポイントは失効とした上で、サイトを閉鎖します。移行期間はコンテンツ終了後1カ月半しかありません。先にサービス終了したポイントモンキー(オープンスマイル:浜松市南区)はコンテンツ終了後半年以上の移行期間を設け、閉鎖時期もお財布.comより遅い20年3月としていますが、今回のセレスの対応は、セレスが業界団体の日本インターネットポイント協議会(JIPC)に入っていないことを考えても、ちょっと早すぎます。

また、旧ライフマイル(リアルワールド:東京都港区、東証マザーズ上場)が終了した時と同様に、お財布.comで築いてきた友達紹介は全てリセットされます。現在お財布.comで多くのダウン(自分が紹介した会員)を持っていた方は、移行と同時に事実上、セレスから副収入を得る機会を絶たれます。

旧ライフマイルでは会員の抗議により救済措置が行われましたが、お財布.comは既存会員がモッピーに移行した場合も紹介は継続しないとしており、モッピー移行後に全く違う方とイチから紹介を再構築していかなければなりません。既にポイントサイト業界は立ち上がって20年以上が過ぎ、ヘビーユーザーの多くはサイトの紹介を一巡していますし、モッピーはただでさえ紹介者に非常に有利なダウン制度で競争相手も多いので、これから移行する人がモッピーで先行するトップ紹介者に追いつけるだけのダウンを構築していくことは事実上無理と言わざるを得ません。