2019年11月28日木曜日

ベトナムビザなし30日ルール廃止へ(2)外こもりすとへの影響は?

ベトナム国会は25日、2014年6月以来5年半ぶりとなる『外国人の出入国・乗り継ぎおよび居住に関する法』(出入国管理法)の改正を賛成多数で可決しました。今回の改正の目玉は、前回改正で導入されたビザなし入国者に対して出国後30日間はビザなしでの再入国を認めない『30日ルール』を廃止することです。これにより、ベトナムと周辺諸国を往復する旅行者は自由なルートを組むことができるようになり、外こもりすとは1年に数回必要だったビザ取得の手間が省けます。

今回の改正で恩恵を受けるのは、ベトナム在住者に限りません。タイ国内に拠点を置いてビザランを繰り返している人はもちろんのこと、カンボジアやラオス、中国(雲南省と広西チワン族自治区)に拠点を置いて現地のビザを更新する人にも改善となります。

日本人の場合、ラオスとベトナムのビザなし在留許可は共に15日間です。2016年12月にタイ外務省が陸路国境でのビザなし入国を1年に2回までと制限した際、ベトナムにも30日ルールがあったためラオス在住の外こもりすとがビザランを行うには中国やカンボジアとの国境まで旅をするか、タイに空路入国するかという選択を迫られました。今回の改正により、ラオス各都市からベトナムへの国際バスによるビザランが自由にできる体制が復活。サワンナケート~フエやタケク~ヴィン(ゲアン省)・ドンホイ(クアンビン省)、ポーンサワン(シェンクワン県)~ディエンチャウ(ゲアン省)などのルートにビザランナーが戻る可能性があります。

なお、ラオスでは一部の陸路国境でアライバルビザの発行を終了するところが出ているものの、ビザなし渡航に影響はなく、今後も通常通り通過できます。

ベトナム最北部のラオカイと河口(中国雲南省河口ヤオ族自治県)を往復していた日本人の好事家にとっては、2014年以前の状況に戻ることになりますが、河口の性風俗産業が事実上壊滅状態となり働いていた姫がベトナムに戻ってきているため(前記事「中国・河口の性風俗、ついに壊滅」参照)、以前なら中国の在留許可を延長するためにベトナムを往復していたのが、今後はベトナムの在留許可を延長するために中国側へ日帰りで行くケースが増えそうです。

カンボジアでは、日本人だけに格安での取得が許されている1年(US$50)と3年(US$80)のマルチビザは30日ごとの出入国が必要となっています。従来はベトナムのホーチミンシティへ抜けるバベット検問所(スヴァイリエン州)と、タイ国境のポイペトやクロンコッコンを適度に往復したり、年に何回かは空路マレーシアへ行かなければなりませんでしたが、プノンペンから車で3時間ほどのバベットだけを往復すればよくなります。

今回改正される条項は、2020年7月1日(水)から施行される予定です。