2019年11月27日水曜日

ベトナム入管法5年ぶり改正、ビザなし30日ルール廃止へ

ベトナム国会は25日、2014年6月以来5年半ぶりとなる『外国人の出入国・乗り継ぎおよび居住に関する法』(法律47号/2014/QH13、日本の入管難民法に相当)の改正を賛成多数で可決しました。今回の改正の目玉は、前回改正で導入されたビザなし入国者に対して出国後30日間はビザなしでの再入国を認めない『30日ルール』を廃止することです。これにより、ベトナムと周辺諸国を往復する旅行者は自由なルートを組むことができるようになり、外こもりすとは1年に数回必要だったビザ取得の手間が省けます。

ハノイで編集されている日系ニュースサイト『VIETJO』が現地サイトからの翻訳として伝えたものです。

前回の法改正は、プラユット軍政当局に代わったばかりのタイがビザなし渡航の更新を繰り返し行う外国人(ビザランナー)への規制を強化しようとしているさなかに導入されたものでした(前記事「ベトナム1月1日法改正!ビザラン対策に本腰か?」参照)

2014年の時点では、日本・韓国・ロシアとスカンジナビア3国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー)、フィンランドの7カ国の国籍者に対して15日間のビザなし渡航が無制限に認められてきました。改正では、これら7カ国の国籍者であっても、ビザなしで入国した日から30日以内に再度ベトナムに入国する場合、事前にビザの用意が必要とされました。

ここで政府側は、ホーチミンシティで働いている韓国やロシア国籍者が南部の最大都市ホーチミンシティに最も近いモクバイ検問所(タイニン省ベンカウ県)でカンボジアへ出国、あるいはフエ市からラオバオ検問所(クアンチ省フオンホア県)経由でラオスへ出国し、その日のうちにベトナムへ再入国することを想定していました。しかし、香港やタイ、シンガポールなどに東南アジアの統括拠点を置いていて、その駐在員を頻繁にベトナムへ出張させる外資系企業の中には、商用マルチビザを用意せず、ビザなしで出張させるケースも多く、それら企業は対応を迫られました。公安省も空港での商用ビザのアライバル取得を認めることにしましたが、料金はUS$50と定められました。

観光ビザで入国する旅行者や外こもりすとは、2017年のe-VISA導入で利便の改善が図られましたが、商用の出張者はe-VISAの対象にならなかったため、在越の外国経済団体などから引き続き改善を求める声が公安省出入国管理局に寄せられていました。今回、国会で審議した結果

「外国投資元との商談がより多くまとまるようになり結果失うものよりも得るものほうが大きい」

との結論に至ったとVIETJOは伝えています。採決では、全体の83.6%にあたる418人の議員が賛成しました。