台湾では2020年に入ると、4年に1度の総統(大統領に相当)選挙と、立法委員(国会議員)の選挙が行われます。総統選挙の投票は1月11日(土)。この時期に台湾島内の国際線が発着する空港(台湾桃園、台北松山、台中、台南、高雄小港)を発着する航空便はFSC・LCCともに激しい混雑が見込まれ、既にLCCでは運賃が極端に上昇するケースも出始めています。しかも今回は日本も成人の日の3連休にあたるため多くの予約が入っており、過去数回の総統選挙以上に厳しい状況となることが予想されます。
台湾の2大政党、中国國民党と民主進歩党(どちらも台北市)は、海外在住の台湾同胞を極めて重視しており、投票日にあわせて一時帰国するよう呼びかけています。
中華民国憲法の規定により、台湾では正副総統選挙にあたって在外投票や不在者投票、期日前投票が一切認められておらず、選挙権を行使するには台湾へ帰国することが絶対必須です(憲法追加条文2条、「国外における中華民国自由地区人民の正副総統選挙帰国投票登記審査弁法」)。台湾パスポートを所持している長期在留者は日本だけで約6万人(台北駐日経済文化代表処調べ)、タイでは約15万人に上るといい、投票日を前に、1月7日から10日にかけて台湾へ向かう空路は激しい混雑が予想されます。一方、台湾からの戻りは投票終了翌日の1月12日から14日がピークになるとみられます。この台湾からの戻りとなる1月12日(日)・13日(月)は日本も3連休になっているため、日本へ帰る日本人の旅行者と、投票のために一時帰国した台湾人の日本への戻りが重なって、台湾の各空港を出る日本行きの飛行機は厳しい座席争奪戦となることが必至です。
今回は、Peachとの統合により消滅したバニラエアに代わってAirAsiaX(D7=XAX)も関空~台北桃園線に就航しているので、座席の供給は前々回以前とは比較にならないほど増えていますが、1月10日関空発で13日戻りのAirAsiaXが11月1日時点で往復35,000円と表示されており、この時期の平均的な運賃相場の2倍以上、FSCの割引運賃並みに跳ね上がっています。