2019年10月10日木曜日

ラオカイから中国へ【2019年版】ベトナム側交通手段が超改善

ベトナムの首都ハノイから、北に300Kmも行くと中国への国境にぶつかります。広西チワン族自治区と雲南省へ抜ける国境がいくつか開いていますが、今回は、高速交通の充実が目立つ山岳国境、ラオカイ(ラオカイ省)と河口(雲南省河口ヤオ族自治県)をご紹介します。

《ハノイ⇔ラオカイ》
ラオカイへの旅は、旧北ベトナム最大の都市であり首都でもあるハノイからスタートします。以前は外国人バックパッカーには鉄道利用が主流でしたが、2014年9月に開通したノイバイ~ラオカイ高速道路(CT05)によって自動車移動の所要時間がほぼ半減。ほぼ全区間で高速道路を運行する長距離バスが都市間移動の主流になりました。

ハノイ側の出発拠点は、高速道路のインターにも近いミーディンバスターミナル(ハノイ市カウザイ区)。オレンジ色の車体が印象的な『SAO VIET(サオベト)』社と、黄色の塗装でひときわ目立つ『HasonHaivan(ハソンハイバン)』の2つの会社がそれぞれ、日中は1時間に1本以上を運行しており、本数と利便性で鉄道を圧倒しました。日本で高速バス『かしま号』がJR鹿島線の特急『あやめ』を廃止に追い込んだのと似た状況が、今まさに起ころうとしているのです。

運賃はHason社のエコノミークラス(36席)が23万ドン。VIP(20席)ですと35万ドンですが、エコノミークラスでも他のベトナムの都市間路線と同じ寝台バスですので、十分すぎるくらい快適です。ミーディンから約5時間、ノイバイ空港近くの高速道路インターから乗ると約4時間(途中休憩1回込み)で到着できます。両社ともに車内Wifiが整っており情報収集も可能です。

なおHason社は、ミーディン以外の長距離バスターミナルからもラオカイ行きを設定しています。ザーラム・イエンギア・ノックガムの各バスターミナルでも乗降できます。

どうしても鉄道で旅をしたいという方には、ベトナム国鉄(VNR)ハノイ・ラオカイ線が1日4往復運転されています。ハノイ駅を朝6時と夜10時に出発するローカル列車(LC1・3)と、夜9時台に2本出発する寝台列車があります。

《ラオカイバスターミナル》

バスはラオカイ市街地から南に約8Km離れた長距離バスターミナルに到着します。ここにHason、SAOVIET両社のバスで到着した方は宿泊予定のホテル、または国境検問所まで送迎のマイクロバスがあります(無料)ので、迷わず乗り換えて目指す場所に向かってください。他社や、他の目的地からのバスで日中到着の場合、バスターミナル始発の市内バス[04]に乗れば中心部へ行けます。

Hason社は国境検問所のすぐ前に切符売り場を持っており、中国側からベトナムに入国した方もすぐに切符を購入して、ハノイに向かうことができます。もちろん送迎もあるので、荷物を預けてしまえばあとはミーディンバスターミナルで受け取るだけです。

《ベトナム出入国》
ベトナム側では、出入国カードは2010年9月をもって廃止されており、出国審査・入国審査共に基本はパスポートを機械読み取りするだけで終わりです。ただし、e-VISAで入国した人は、出国の手続きの際にもe-VISAのプリントを必ず見せる必要があります。また、e-VISAで出国後にビザなしでのベトナム再入国を希望する場合は、最後にベトナムを出国するまでプリントを手元に置いておくことをお勧めします。

《中国側の出入国》
中国側は、両国の間に架かる橋を渡ったところの『河口口岸聯検中心』という建物がイミグレとなります。ベトナムから来た人は1階、中国側から出国する人は2階と分かれており、それぞれ審査を受けます。

中国では、第三国からの旅行者は出入国共にカードの記入が必要です。出入国カードは一体ではなく、入国時には入国用片、出国審査場には出国用片だけが置いてあるので、その都度記入をしてパスポートと共に提出します。

入国の際には、全ての指の指紋を採取されます。指紋採取はカウンターに設置された機械で行いますが、その際担当官の操作で選択された北京語、英語、日本語、ベトナム語の4言語のうちいずれか1つのガイダンスに沿って行い、日本人には日本語のガイダンスが流れます。