2019年10月11日金曜日

中国・河口の性風俗、ついに壊滅

2000年代前半、スワイパー(カンボジア・プノンペン)無き後に買春旅行者の桃源郷と言われてきた河口(中国雲南省河口瑶族自治県)。習近平主席率いる革命第5世代の中国共産党(中共)により進められてきた取り締まりが、いよいよ最終段階を迎えたようです。

董事長ふくちゃんは、10月10日に河口口岸(出入国管理所)から中国に入国しました(実は、小生にとって中国入国は全くの初めてでした)。

2010年代前半以前は、口岸から徒歩5分ほどの『河口中越陽光辺貿商場』2・3階を中心にマッサージ屋を装った置屋が多数入居し、対岸のラオカイ(ベトナム・ラオカイ省)からボーダーパスで国境を越えて通勤してくるベトナム人女性が1回30RMB(約500円)で性的サービスに励んでいました。古くから河口にハマっていた好事家の間では、中越陽光辺貿商場のことを「旧館」と呼んだりもしました。

この河口旧館に、日本の外こもりすとが本格的に来るようになったのは、2003年(平成15年)9月に中国国務院公安部が日本人を対象とした15日間のビザなし渡航を導入してからのことです。2004年(平成16年)1月からはベトナムも15日間のビザなし渡航ができるようになり、日本人は河口の両国イミグレをビザなしで通過できる貴重な存在になったのです。折しもスワイパーが欧米系NGOの攻撃を受けて壊滅するのと前後した時期で、バンコクのジュライロータリーやカオサンを拠点としていたバックパッカー崩れの好事家は、スワイパーに代わる未成年者買春の「性地」として、河口に注目していきました。

そして、河口を商業雑誌として真っ先に取り上げたのが月刊『アジアン王(キング)』(通称アジキン、マイウェイ出版:東京都千代田区)でした。アジキンでは2009年11月号で河口の特集記事を組みます。これによって訪れる日本人客はさらに増加しますが、対外的メンツを最重視する中共中央の目に止まらない訳がありません。中共中央の命を受けた河口県公安局は、旧館の置屋を潰しにかかります。

河口だけでなく、中国大陸各地の空港や口岸で旅行者が持ち込んだアジキンを没収されるケースが続出。他の都市でもアジキンの記事がきっかけで大々的な風俗店の取り締まりが行われたと噂されたりしました。こうして2014年(平成26年)10月、アジキンは休刊に追い込まれ、季刊『アジアン王国』(大洋図書)へと移行します(前記事「アジキン今月で廃刊!12年の歴史に幕」参照)

一方の置屋運営側も、口岸から5Kmほどのところに新築された同様の施設『越南城』に移転して、引き続きサービスを行っていましたが、河口県公安局は中華人民共和国成立70周年となる2019年10月1日の国慶節までに完全に壊滅させるとの目標を掲げ、取締りを強化します。置屋のサービス料金も高騰し、2019年夏には200元(約3,000円)と6倍以上に跳ね上がっていました。

10月10日の時点では、置屋は1軒も営業しておらず、旧館2・3階はシャッター通りになってしまっていました。越南城別館2階も営業している置屋はなく、完全壊滅状態。河口の置屋取り締まりは、当局側の思惑通りに完了したと言えるでしょう。

河口で働いていた姫たちは、ベトナム側のラオカイ市中心部から少し離れたところにある『カフェスポット』と呼ばれる一角で活動している模様です。