2019年8月16日金曜日

「台北旅社の怪人」岡本朋久さんが自決していた

2018年9月、茨城県取手市東のマンション『ドミール東』8階の踊り場から、男性が飛び降り自殺を図りました。男性は病院に運ばれたものの、死亡が確認されました。男性は持っていた運転免許証から、近くに住む岡本朋久さん(58)と判明。

…何、岡本? どこかで聞いた名前だと思って調べたところ、弊誌永遠名誉董事長・クーロン黒沢のDVD『やさぐれ旅行人DJ北林』8章に登場した、元外こもりすとの「岡本先生」であることがわかりました。

岡本さんは1960年(昭和35年)、取手市生まれ。日大卒業後、80年代後半に結婚し子供をもうけたものの、1990年代以降日本での居場所を失い、株式投資で日々の生活費を得ながら、バンコク・ヤワラーの台北大旅社(ポンプラップ区)に長期滞在していました。この時の思い出は『DJ北林』8章で90分にわたって語られ、また滞在中にとりとめもなく書いたメモがクーロンの手により発掘され『真夜中のバンコク 買春親父の記録ノート』として公開されています。

その後、タイのビザ情勢の変化や資金面の問題などで本帰国し、当時カオサンにいた董事長ふくちゃんと会うことは一度もありませんでした。帰国後は取手市の自宅で一人暮らしをしていましたが、厭世観に苛まれて何度も自殺を試み、その度に死にきれないということを繰り返していたと言います。そして、2018年9月、ついに死に切るために岡本さんは自宅のすぐ隣にある8階建てマンションの最上階から身を投げてしまったという訳です。しかしどういう訳か所轄の茨城県警察取手署は事件を公表せず、茨城新聞など地元のマスコミでも報道されませんでした。このため、過去に自殺や孤独死が起こった住宅、いわゆる「事故物件」の存在を公開し不動産業界関係者から恐れられているWebサイト大島てるでも確認が出来ない事態に。岡本さんはこのまま社会から葬り去られてしまう可能性すらありました。

それから暫くして、クーロンが連絡を取ろうとしても電話に出なかったため、ご親族に連絡したところ既に亡くなっていたと知らされました。

岡本さんの死については、5月18日に東京で行われた『大浮遊会2019』の席上、クーロンより発表されました。また、クーロンが主宰している電子雑誌『SIX SAMANA』では、8月15日発売の第34号を追悼号としました。