2018年11月22日木曜日

シルクエアの多くの路線がフライスクートへ!

シンガポール航空(SQ=SIA)は、2020年に予定している小型機部門子会社シルクエアー(MI=SLK)の吸収統合を前に、ASEAN域内路線の多くをLCC子会社のScoot(TR=TGW)に移管する方針を固めました。シンガポールで発行されている『ストレイツタイムズ』(電子版)が報じています。

シンガポール航空自体、1980年代以前はB727やB732といった単通路の小型機を保有していましたが、1989年にエアバス320ceoを導入した際、単通路機を専門に運航する子会社としてシルクエアーが設立されました。以来約30年に渡って、シルクエアーはエアバス320ファミリーやB738、738MAXといった機体を扱ってきました。

シルクエアーは2020年以降、現有のエアバス320ceoが全機退役する時点でシンガポール航空に吸収合併(事実上の復帰)されることになっていますが、シルクエアーから引き継ぐ予定のB738MAXと、SIAが調達中の次期主力大型機B787Xの間には大きな輸送力の差があります。そこで、B787Xでは高い搭乗率が見込めない、またB738MAXでもフルサービスキャリア(FSC)のSIAでは採算確保が難しいと判断したASEAN域内の地方都市路線を中心に、LCCのScootに移管することを決めたものです。ただ、現在Scootが運航していてもFSCで採算が見込めると判断した一部の路線は、シルクエアーないしは直接SIAに「逆移管」されるものもあります。

また、Scootが2017年12月から運航しているチャンギ~関空~ホノルル線について、特に関空~ホノルル間でAirAsiaX(D7=XAX)との競合により搭乗率が伸びていないとして、2019年6月までに取りやめる意向も表明しました。

《2019年夏スケジュール以降、シルクエアーからScootに移管》
チャンギ~ビエンチャン(ラオス)
チャンギ~ルアンパバン(ラオス)
チャンギ~福州(中国福建省)
チャンギ~武漢(中国湖北省)
チャンギ~長沙(中国湖南省)
チャンギ~昆明(中国雲南省)
チャンギ~コインバトール(インド・タミルナド州)
チャンギ~トリバンドラム(インド・ケララ州)
チャンギ~ヴィシャカパトナム(インド・アンドラプラデシュ州)

《2019年夏スケジュールでScootからシルクエアーに移管》
チャンギ~深圳(中国広東省)

《2019年夏スケジュール以降、シルクエアーからSIAに移管》
チャンギ~ベンガルール(インド・カルナタカ州)

《Scootが2019年夏スケジュール中に取りやめる》
関空(大阪府泉佐野市)~ホノルル(アメリカ・ハワイ州)

《2019年冬スケジュール以降、シルクエアーからScootに移管》
チャンギ~チェンマイ(タイ・チェンマイ県)
チャンギ~コタキナバル(マレーシア・サバ州)

《2019年冬スケジュール以降、Scootからシルクエアーに移管》
チャンギ~コーチン(インド・ケララ州)

《2020年夏スケジュール以降、シルクエアーからScootに移管》
チャンギ~バリクパパン(インドネシア・東カリマンタン州)
チャンギ~ロンボク(インドネシア・西ヌサトゥンガラ州)
チャンギ~マカッサル(インドネシア・南スラウェシ州)
チャンギ~マナド(インドネシア・北スラウェシ州)
チャンギ~セマラン(インドネシア・中部ジャワ州)
チャンギ~ヨクヤカルタ(インドネシア・ヨクヤカルタ特別州)

《2020年夏スケジュール以降、シルクエアーからSIAに移管》
チャンギ~チェンナイ(インド・タミルナド州)