2018年11月18日日曜日

au3G完全終了へ‼日本からCDMA2000が消える

KDDI(au:東京都千代田区、東証1部上場)と沖縄セルラー電話(沖縄県那覇市、JASDAQ上場)は、1999年開始の『cdmaOne』以来20年に渡って続けてきたau 3G(旧1X WIN)回線網への新規契約受付を終了するとともに、3Gの電波も2022年3月31日23時59分をもって停波しサービスを終了すると発表しました。日本の大手携帯電話会社で3Gの終了日を確定したのはauが初めて。今後暫くはau 4G LTE(4G)回線網への申し込みのみを受け付け、同時に近い将来サービスインするとみられる次期(5G)サービスのインフラ整備が進められます。

au3GはNTTドコモ(東京都千代田区、東証1部上場)、ソフトバンク(東京都港区、東証1部上場)と異なり、クアルコム(アメリカ・サンディエゴ、NASDAQ上場)が開発した『CDMA2000 1X』というシステムを採用しています。CDMA20001Xでは、ドコモとソフトバンクが採用している『W-CDMA』との互換性がなく、ガラケーの時代には端末の使い回しが出来ませんでした。また音声通話の安定性が重視されるあまり、音声通話とデータ通信の同時進行(コカレント通信)ができないという重大な欠点がありました。

auは4G LTEで国内他社と同じシステムを採用し、互換性の問題は解消。コカレント通信についても、au VoLTEで可能になることから、一刻でも早く4G LTEに一本化できれば理想だとKDDIでは説明していました(前記事『「2020年までにau3G終了」実現へ』参照)

auが3Gを終了することにより、日本の携帯電話会社でCDMA2000規格を採用する会社が無くなり、海外製のCDMA2000互換端末を使うこともできなくなります。韓国やアメリカなど現在もサービスを行っている国の端末を持ち込んでのローミング使用は今年3月に終了していますが、それら諸国や、タイ・ベトナムなどCDMA2000サービスを終了済みの国から古い端末をauショップに持ち込んで契約された方は、これらの端末を利用できる期間に区切りが設けられることになります。

《iPhoneにも使えなくなる機種が出る》
iPhoneシリーズ(アップル)は4Gをデフォルト通信としながらau 3Gにも対応してきましたが、一世代前の『iPhone8』『iPhoneX』から、日本国内の音声通信にはau VoLTEのみを使用するように、au ICカード(SIMカード)の技術仕様を変更しました(前記事「au版iPhone8以降は日本国内4G専用」参照)

しかしiPhone5S以前の機種はデータが4G LTEで伝送されるものの、音声通話はVoLTEではなく、au3G網を使う仕様になっています。またiPhone4Sはデータ伝送も3Gで行われるため、5Sファミリー以前のiPhoneは、au3Gの終了と共にau網で使えなくなってしまいます。