全国銀行協会(東京都千代田区)の外郭団体『全国銀行資金決済ネットワーク』(東京都千代田区)は、日本の全ての金融機関を結ぶオンラインネットワーク『全国銀行データ通信システム』(通称:全銀システム)の稼働時間を大きく拡大し、24時間365日無休にします。
りそな銀行(大阪市中央区)と埼玉りそな銀行(さいたま市浦和区)、近畿大阪銀行(大阪市中央区、全国地方銀行協会加盟)の3行で構成するりそなグループは2015年4月から、福岡銀行(福岡市中央区、地銀協加盟)は15年8月から、三菱UFJ銀行(東京都千代田区)は2017年2月から、三井住友銀行(東京都千代田区)も同年4月から、それぞれ自行内での振込や振替を24時間365日即時着金としてきました。しかし他行宛は、全銀システムそのものの改修を行って、稼働時間を拡大しなければ時間の延長をすることができませんでした。
なお、法人や個人事業主で当座預金を利用している場合、手形・小切手・でんさい(電子記録債権)の不渡り判定時限は従来通り、平日の午後3時とする金融機関が大半ですので、その後に振込着金があっても債権債務が決済されず、不渡りから最悪銀行取引停止処分になってしまう恐れもあり得ます。このため平日の昼間以外に入金があると困る事業性の口座に対しては、各金融機関に申請することでモアタイムシステム適用時間中の入金を禁止する措置を取ることができます。この場合、従来通り平日15時30分以降の他行からの振込依頼は翌営業日の午前8時30分に一斉に入金されます。また、クレジットカードや公共料金などの口座振替(引き落とし)に必要な資金は、三菱UFJ銀行や住信SBIネット銀行では19時、その他の主要銀行は18時までに入金されれば当日の引き落としに対応できます。
《モアタイムシステムに参加しない銀行》
3メガバンクの一角のみずほ銀行(東京都千代田区、全銀協加盟)とみずほ信託銀行(東京都千代田区、信託協会加盟)は、自行勘定系システムの更新を行っている最中のため、2019年上半期に予定している作業完了までモアタイムシステムに参加しません(前記事「みずほJCBデビットの海外使用も完全に止まる」参照)。
静岡銀行(静岡市葵区、東証1部上場)も次世代基幹系システムの稼働開始が2019年1月の予定だったため、これに合わせるべくスタートと同時の参加を見送りました。しずぎんでの振込24時間対応化は、2019年1月4日(金)の日本時間15時からとなります。
ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市中央区、東証1部上場)内で統合が予定されている十八銀行(長崎市、東証1部上場)と親和銀行(長崎県佐世保市、地銀協加盟)は、統合後に福岡銀行の勘定系に一本化する計画があります。福岡銀行と勘定系を共通化している広島銀行(広島市中区)はモアタイムシステムに参加しますが、十八と親和は統合作業が完了するまで、参加を見送ります。
一方、きらぼし銀行(東京都港区、地銀協加盟)は今年5月に合併があったばかりで、旧東京都民銀行(東京都港区、地銀協加盟)と旧八千代銀行(東京都新宿区、第二地方銀行協会加盟)のシステムが併存しているため、両行のシステムの統合ができるまで参加しません。きらぼし、十八、親和の各行は、モアタイムシステムへの参加が数年単位で先になる可能性もあります。
旧長信銀の2行、新生銀行(東京都中央区、東証1部上場)とあおぞら銀行(東京都千代田区、東証1部上場)も不参加。その他の業態行では、PRESTIA(SMBC信託銀行:旧シティバンク銀行 東京都港区、信託協会準加盟)、セブン銀行(東京都千代田区、東証1部上場)、野村信託銀行(東京都千代田区、信託協会準加盟)が参加せず、開業から日が浅いGMOあおぞらネット銀行(旧あおぞら信託銀行:東京都渋谷区)とローソン銀行(旧ローソンATMネットワークス:東京都品川区)も参加しません。
《一部銀行では直前にメンテナンスが》
三井住友信託銀行(東京都千代田区、信託協会加盟)では、全銀システムの24時間化を前に、10月6日(土)~8日(月)の3日間、自社勘定系システムを止めて最終調整を行います。この期間中は、ATMによる預金の引き出しはもちろん、J-Debit(キャッシュカードを使った国内でのショッピング決済)、インターネットバンキング『三井住友信託ダイレクト』『ビジネスダイレクト』による振込の依頼ができなくなります。
JP BANK ゆうちょ銀行(東京都千代田区、東証1部上場)は、同じ期間に他行への振込のみ休止します。自行内の送金(旧郵便振替)、預入、払い戻しは利用できます。