日本人に欠かせない国営金融機関として長年利用されてきた郵便貯金は、2007年の郵政民営化で、JP BANK ゆうちょ銀行(東京都千代田区、東証1部上場)に引き継がれました。この際に、旧国営時代からの貯金については、種類に応じて対応が分かれることになりました。
しかし、旧国営時代に「総合通帳ぱ・る・る」として作られた通常貯金(民間銀行の普通預金に相当)は、民営化の際にJP BANKへ直接引き継がれ、郵便貯金法ではなく銀行法(1981=昭和56年法律59号)・預金保険法(1971=昭和46年法律34号)が適用されると改められました。これにより、旧郵便貯金法による権利消滅はなくなりました。
2007年10月の時点で解約されていないか、1997年(平成9年)7月以降一度も取引がなかった(旧国営時代に権利消滅している)もの以外は、ゆうちょ銀行の通常貯金として、現在も有効です。今後、本人や遺族などから解約、相続といった申し出をしない限り権利消滅で使えなくなるということはありません。休眠預金等活用法(2016=平成28年法律101号)に該当した場合でも、郵便局に本人確認書類と印鑑、通帳を持参して、復活の手続きを取ることができます。
2007年以前から海外駐在や外こもり活動をしていて、郵便貯金の通帳をほったらかしにされている方もいるはず。今度の一時帰国の際に、最寄りの郵便局で通常貯金が有効であることを確認して、解約ないしは通帳・キャッシュカード再発行で復活させるなどの措置を試みてください。