セブン&アイHLDGS.(東京都千代田区、東証1部上場)は、同業他社に比べて手薄だった航空会社との本格的な提携に乗り出すことになりました。 その提携先としてANA(NH)を選択、4月から電子マネー『nanaco(ナナコ)』とマイル、電子通貨への相互交換がスタートします。
(前記事「nanacoとAMCの相互交換開始へ (1)背景を探る」から続きます。3分割の2本目です)
《nanaco→ANAへの交換》
nanacoでは、毎日の決済に使う「nanacoマネー」と、ポイントカード機能である「nanacoポイント」の2種類があります。ANAの電子通貨に変換できるのは、nanacoポイントの方です。
ここで貯まったポイントの他、一部の銀行系クレジットカードやYahoo!ポイント、そしてPeXやWarau.JPなど有名ポイントサイトから変換したポイントを合わせて、500ポイント以上500ポイント単位でANAが扱う2つの電子通貨に交換することができるようになります。
ANAマイレージクラブ(AMC)のマイルに交換した場合は、500ポイント(500円相当)=250マイル。これは単純計算で1マイル当たり2円で、楽天スーパーポイントやTポイントなどからの交換と同じレートです。
一方、ANAホームページ上で航空券やツアー商品などの購入に使う『ANA SKYコイン』に交換すると、500ポイント=400コイン(400円相当)で、1コイン=1.25円での取得が可能。SKYコインを航空券の購入に充てれば、通常の有償航空券と同等のマイルが貯まります。ただし、SKYコインを使用する場合、コインの不足分はクレジットカードでしか支払いができないため、クレジットカードを持っていない人は国際線で必要な燃油サーチャージや空港税などの諸掛も含めた全額分を払い切れるだけのコインを貯めなければならず、消化への道のりが少し遠くなります。
《ANA→nanacoの交換》
ANAからnanacoへは、AMCのマイルを移動することができるようになります。ANA SKYコインは、使う目的とその手段を絞り込んだ預り金という解釈で、現金化はできません。
搭乗マイルや、他社ポイントからの変換などによって貯めたマイルが10,000マイルに達した会員は、特典交換の方法としてnanacoポイントへの交換を選択できます。nanacoポイントに変換された後、最寄りのセブン=イレブンに出向き店員さんにマネーへの変換処理をしてもらうか、国内随所にあるセブン銀行のATMで残高照会をして、支払いに使えるようになります。
楽天スーパーポイントやTポイントからAMCを経由して、nanacoポイントに払い出すこともできますがAMCに入る段階で価値が当初の半分に目減りします。
また、1会計年度(4月1日~3月31日)中にAMCからnanacoポイントへの払い出しが20,000マイル(2万円)を超えた場合、3口目からは10,000マイル=5,000ポイント(5,000円)でしか払い出せません。