タイガーエアウェイズ(TR、シンガポール国籍)は21日、1月に運航停止に陥ったマンダラ航空(RI、インドネシア国籍)に出資してネットワークを拡大すると発表しました。持株会社「タイガーエアウェイズホールディングス」が上場しているシンガポール取引所(SGX)に報告したもので、発行済み株式の33%を取得。タイガーがパートナー企業と組んで運航を拡大するのはフィリピンに次いで2カ国目となります。
マンダラ航空は1969年に設立された歴史のある航空会社で、インドネシア国内線を専門に手掛けてきました。しかし、近年のLCCブームが既存キャリアに与える影響は大きく、インドネシアエアアジア(QZ)とライオンエア(JT)を中心とする激しい競争に巻き込まれて経営体力を消耗。今年1月13日、全便の運航を停止していました。
一方、タイガーエアウェイズにとって、今後ビジネスを拡大する面でインドネシアは喉から手が出るほど欲しい大市場でした。既にシンガポール~ジャカルタ線には就航していたものの、他の都市への就航は遅れに遅れ、AirAsiaグループも真っ青の機材大量発注で攻めるライオンエアに押される危険性がありました。そこへマンダラ倒産の一報。タイガーは地場の投資ファンド「サラトガ・キャピタル」と共にマンダラ買収に動き、わずか1ヶ月で既存債権者らとの交渉がまとまりました。
タイガーがシンガポール以外の国に進出するのは、オーストラリア、フィリピンに次いで3カ国目。このうち、オーストラリアは連結子会社で進出しましたが、フィリピンは現地企業のSEAIR(DG)と組んでの事業。SEAIRの事業形態が一応の成功を収めていることで、マンダラにも同じ手法が適用できると判断した模様です。機材面でも、タイガー、SEAIRの両社が使っているエアバス320ファミリーを持っており、統合は容易。インドネシア国内線だけでなく、主要都市からシンガポールへの路線を整備してタイガーの国際線ネットワークを充実させることもできます。
マンダラは運航事業許可を既に取り直しており、早ければ4月にもタイガーの路線網の一翼を担うべく運航を再開します。