2010年7月24日土曜日

カオサンを離れたバックパッカーはどこへ?(3)

(前記事「カオサンを離れたバックパッカーはどこへ」から続きます。3回連載の3回目です)

《現地採用者の集う一角》
 一方、沈没生活から飛躍して現地で就職した元バックパッカーに古くから支持されているのが、BTSスクンビット線戦勝記念塔駅に近いランナム通り周辺(ラチャテーウィ区)や、MRTブルーラインのカルチャーセンター、ホイクワン両駅周辺(ディンデン区)です。Traveler's Supportasiaの投稿者ではアニキさんや、前の章にも登場したTaurusさん、デューク山内さんなどがこのエリアに移ってきた人です。2008年に殺害された棚橋貴秀さんも、カオサンから移動して長年、このエリアに住んでいました(前記事「安田誠氏殺される」参照)。どちらもカオサンへは不便になるものの、中心街への通勤や行動に便利だそう。確かにスクンビットやシーロムといったビジネス街へはMRTブルーラインが使えますし、大型ショッピングセンターも集中していて、外こもりすとにも好適な場所です。

こちらではホテル並みの設備が整う代わりに家賃が1ヶ月10,000Bt.前後になる、「サービスアパートメント」と呼ばれる高級アパートも散見されるようになりました。死んだ棚橋さんが住んでいたのも、そういうところでした。

(画像1:棚橋貴秀さんが住んでいたとされるアパート)


《ホテルや日貸しアパートも競争の波に》
 どうせ滞在期間は短いんだから、単に安宿を卒業して、ホテルでゆっくりしたいという人もいます。最近は日本でいうところのビジネスホテルクラスの宿が1泊500Bt.くらいからの値段でバンコク首都圏内各地に見られるようになりました。
ジュライホテルと並ぶ外道者の聖地といわれていた台北大旅社(ポンプラップ区)も改装して、今ではエアコンダブル1泊400Bt.という中級ホテルになりました。エアポートリンクマッカサン駅からMRTブルーラインペッブリ駅を経由してファランポーン駅へというルートで、スワンナプーム空港から鉄道だけでの移動も可能。他のホテルと遜色ない環境へと進化しつつあります。

(画像2:台北大旅社。外見は昔懐かしいが中はすっかり変わった)

 中級以上のアパートでも日貸しを行うところがあり、むしろそういうところの方が楽だという家族連れの声もあります。

(画像3:1泊600Bt.の日貸しを宣伝するアパート。トンブリ区内にて撮影)

他の方法では1泊1,000Bt.を下ることのない中高級ホテルに、インターネット予約を使えば破格値で泊まることもできます。一度ネット予約の快適さを覚えると、カオサンのゲストハウスで主流を占めるドミトリーや狭い個室には泊まれなくなってしまうといいます。特に日本でそれなりの仕事を持っているサラリーマンパッカーにその傾向が見られます。Traveler's Supportasia常連投稿者のたけぞうさん(神奈川県)は、フランス系国際チェーン「アコー」のWeb予約サイトを愛用。ラックレートなら1泊2,500Bt.するイビスナナ(クロントイ区)に、いつも1,000Bt.前後で宿泊しています。