2010年7月23日金曜日

カオサンを離れたバックパッカーはどこへ?(2)

(前記事「カオサンを離れたバックパッカーはどこへ」から続きます。3回連載の2回目です)

《ドミトリーよりも安くなるアパート》
「Gダイアリー」2009年5月号第1特集の論文「購買力平価から見た東京VSバンコク」 で、筆者の麗仁さんは

「一番安く済ませようと思うならカオサンに1泊100バーツ前後のエアコンつきドミトリーが」

と指摘しています。しかし、単に日本を飛び出したいだけの外こもりがカオサンに長期間住み続けようとなると、まったくお勧めできるものではありません。

(画像1:麗仁さんの論文が掲載されたGダイアリー2009年5月号)


ゲストハウスに居続ければ、確かに電気代も水道代も気にする必要はなくなります。しかし、1ヶ月間ドミトリーに住み続けたとして、100Bt.*30日=3,000Bt.。これだけあれば、カオサン通りをちょっと離れると個室のアパートに住むことが叶います。「バンコクカオサン食い倒し読本」で知られるジミー金村さん(タリンチャン区)がその最たる例。「もっと好きになっちゃったバンコク」(双葉社、2008年)で、ゲストハウス沈没の時代には1ヶ月4,500Bt.程だった家賃出費が、3,200Bt.(電気代別)になったと述べています。

董事長ふくちゃんが2007年秋、P'Jumさんにあてがってもらったアパート(前記事「バンプラット区は格安アパートの宝庫」参照)は、トンブリ北部のチャランサニウォン通り(バンプラット区)にありました。カオサンまではバスで15分、スクンビットへは乗換えが必要で渋滞もあるという不便なところでしたが、その分家賃は破格のものでした。トイレやシャワーといった水周りが共同という、ドミトリーと似たような暮らしでしたが、部屋はもちろん個室で、扇風機もありました。 そして、家賃は1ヶ月わずか1,200Bt.。カオサンのドミトリーの半額にも満たない。電気代を含めても、毎月の支払いは1,500Bt.行くか行かないかという程度でした。このアパートでは、トイレやシャワーが室内にある普通の部屋でも1ヶ月2,000Bt.の家賃でした。こういう格安アパートは完全にタイ人庶民レベルの住居ですが、カオサンの外国人向けドミトリーに泊まるよりかはお金の面でも安全面でも全然有利で、快適な暮らしでした。

(画像2:バンプラット区内の格安アパート。家賃は2,000Bt.だというから驚きだ)

《トンブリ中部、そしてさらに奥へ》
今、ふくちゃんが住んでいるウォンウィエンヤイ(トンブリ区)にも、格安アパートは多数あります。BTSシーロム線ウォンウィエンヤイ駅の開業(前記事「BTSシーロム線延長部分に乗る」参照)で、市内中心部への交通が非常に便利になりました。スワンナプーム空港も、エアポートレールリンクとBTSの乗り継ぎで楽に行けるようになります。カオサン通りへはバス([3][9][82])しかありませんが渋滞がなければ15分ほどで行くことができます。まだこのエリアに住んでいる日本人はあまりおらず、これから注目のエリアといえるでしょう。

(画像3:タープラ交差点近くの格安アパート。家賃は3,000Bt.前後だ)

一部では、さらに奥へ入ったトンブリ中西部でアパートを探す外国人も既にいます。この地区に住んだ経験のあるTaurusさん(ホイクワン区)は、ウォンウィエンヤイから3km程西へ行ったペットカセム通り周辺(パシチャルン区)が狙い目だと語りました。ここはBTSシーロム線延長2期部分の終点、バンワー駅が来年12月の完成を目指して鋭意工事中。さらにMRTブルーライン放射部(ファランポーン~ラックソン)が2016年に開通すれば、MRTとBTSの2路線が利用できるようになります。

(画像4:タープラ交差点そばに完成した大型コンドミニアム)