バックパッカーとして初めて訪れる国がタイという方は多いはずです。その第一の宿泊地がカオサン通りの安宿という方もまた多いことでしょう。そんなバックパッカーにも、カオサン通りを離れる日がやってきます。董事長ふくちゃんは「最新版バックパッカーズ読本」(前記事「バックパッカーズ読本3年ぶり更新」参照)の中でそのような旅行者の存在を取り上げました。その後の取材で、カオサンを離れた人がバンコク首都圏内各地へ分散する傾向がより鮮明になってきました。今回から数回に渡って、バックパッカーズ読本ではスペースの都合で書けなかった部分も含め、最新の事情に迫ってみようと思います。
《駅近というアドバンテージ》
最近、ソイカセムサン(パトゥムワン区)が旅行者の間で再び脚光を浴びるようになったとの話がありました。理由は、エアポートレールリンクの駅に近く、スワンナプーム空港へ便利に行けることだそうです。ソイカセムサンのあるBTSシーロム線パトゥムワン競技場駅から、エアポートリンクシティラインの始発地パヤタイ駅へは、わずか3駅(20Bt.)という近さ。
途中サイアム駅での乗換えが必要ですが、ソイカセムサンはMBKセンターの対面にあり、サイアムスクエアやパラゴン、ラチャプラソン周辺の商業施設へも徒歩で行ける超至便な場所だけに、空港まで鉄道だけで行けるようになれば、外国人旅行者には大きな魅力、カオサンとの比較で圧倒的なアドバンテージができることになるでしょう。これがカオサンまで行くとなると、タクシーでどんなに飛ばしても40分、バスでは1時間以上かかることもあります。いくら安いからといっても、時間がかかってしまってその分無駄金を使うことになれば、結局一緒です。
エアポートリンクとBTSの乗換えができるという意味では、永遠名誉董事長・下川裕治も同じような選択をしています。バンコクで発行されている日本語総合雑誌「Gダイアリー」の連載「どこかへ行きたい」で、下川は今発売中の8月号に新しい定宿探しのことを書いています。2009年12月、25年来の付き合いだったマイハウスホテルが閉鎖(前記事「下川裕治の定宿、マイハウス閉鎖」参照)になり、下川は新たな投宿先を探す必要に迫られます。スタッフに事実上紹介される形で、行き着いたのはサパンクワイ(パヤタイ区)。ここも、パヤタイ駅からはBTSスクンビット線で4駅の距離にあります。
《泊まる理由がなくなる夜行派》
Traveler's Supportasia常連投稿者のとっちゃんさん(愛知県)は、バンコクからカンボジアのシアヌークビルまでの夜行旅が定番になってから、バンコクでの宿泊が面倒臭くなってしまったといいます(前記事「使える!エカマイ24時発トラート行き特急」参照)。とっちゃんさんはチャイナエアライン(CI)機で午後4時頃にスワンナプーム空港へ到着しますが、夜行バスを知る以前はその時間からカンボジアへ踏み出すことはできませんでした。これが夜行バスを知ったことで一変。着いたその日から無駄なく旅行ができるようになった分、カオサンに来る理由がなくなってしまいました。今では董事長ふくちゃんと会うか、なじみのゲストハウスで酒を飲むぐらいしか、カオサンですることがないそうです。
当然、飛行機で着いた当日の夜にはバスに乗ってしまいます。66歳にしてこのバイタリティ、董事長ふくちゃんも高く評価しています。