2009年10月14日水曜日

辰吉に勝ったタイ人、リングで壮絶死

12日、宗像ユリックス(福岡県宗像市)で行われたプロボクシング興行「REAL SOUL BOXING 41」で、試合中のパンチが原因でタイ人ボクサーが死亡する、痛ましい事故が起こりました。タイ人選手が日本でリング禍に遭って死亡するのは7年ぶり、史上2人目です。試合当日中に日本で死亡となると前代未聞。タイ側も選手管理の徹底を迫られそうです。

3月8日、ラチャダムヌンスタジアムでの試合で元WBCバンタム級チャンピオン、辰吉丈一郎選手に勝った(前記事「辰吉KO負けもイチから出直し」参照)、サーカイ・ジョッキージムことソンブン・ウィアンチャイ選手(19歳、ウボンラチャタニ県出身)。


この日は、バンコク・チューワッタナジム(前記事「プロのためのチューワッタナジム」参照)とも交流のある元WBCフェザー級チャンピオン、越本隆志 Fukuoka Gym 会長の招きで来日。日本バンタム級8位、仁木一嘉選手(福岡・Fukuoka Gym所属)との試合が組まれていました。すべてタイ人選手相手の15連勝、しかもここ4戦はKO勝ちが続いていた仁木選手と、全盛期を過ぎているとはいえ未だにネームバリューのある辰吉選手を破って波に乗るサーカイ選手の試合は、1ラウンドでいきなりサーカイ選手がダウンを喫したのをきっかけに、一進一退の打ち合いになりました。

最終10ラウンドの中盤、仁木選手の右ストレートでサーカイ選手がぐらつき、レフェリーは試合を止めます。10ラウンド1分02秒、仁木選手のTKO勝ちとなります。サーカイ選手は頭に厳しいパンチを受けていて、リングから降りようとしたところで意識を失い、倒れてしまいます。リングドクターの指示で主催したFukuoka Gymの関係者が救急車を呼び、宗像水光会総合病院(福岡県福津市:旧福間町)に運びますが、12日夜8時前、急性硬膜下血腫で死亡が確認されました。

タイ側での報道によりますと、サーカイ選手はこの日の試合前、ウボンラチャタニ県の実家に電話を入れていたとのこと。サーカイ選手の遺体は在大阪タイ総領事部とタイ国際航空(TG=THA)の支援を得て、早ければ今日のTG649便でバンコク・スワンナプーム空港に向けて無言の帰国をする予定です。