民主市民連合(PAD)がついにスワンナプーム空港への実力行使に踏み切りました。
APEC首脳会議が行われたペルーから帰国する予定だったソムチャイ・ウォンサワット首相の到着を阻止すべく、先鋭化したPAD支持者が26日19時頃、バンコク・スワンナプーム空港4階出発フロアを占拠しました。国営ThaiPBSテレビによりますと、AOT(空港公社)は突入を受け、空港閉鎖を決断。25日21時以降に出発する全便が欠航となりました。
日本行きでは、タイ国際航空(TG)が関空、成田へそれぞれ2便、名古屋セントレア、福岡へそれぞれ1便。日本航空(JL)が成田行き2便、関空・名古屋行き1便ずつ、ANA(NH)とシンガポール航空(SQ)の成田行き各1便が出発できなくなっています。デルタ航空(NW=旧ノースウエスト航空)とユナイテッド航空(UA)の成田からの各1便も既に到着していますが、このままでは26日朝の折り返し便が飛べない状態です。
ソムチャイ首相はタイ国際航空の特別機で帰国する予定でしたが、着陸地をチェンマイ空港に変更して無事到着したとのことです。
東南アジア最大のハブ空港であるスワンナプーム空港の運航が妨害されたことは、タイにとって国家非常事態に等しいものです。タイへの航空交通が絶たれると、アジア各地から欧州方面へタイ国際航空便で乗り換えをすることができなくなるばかりか、AirAsia(FD)の登場で盛り上がる域内の航空路にも大きな影響が生じます。観光が大きな柱になっているタイ国内経済への影響はもっと深刻です。
この際、大変残念ですが、Traveler's Supportasiaでは26日以降、タイに出発される予定だったすべての方に「渡航の延期をお勧めします」の安全情報を出します。バンコクで航空券を購入しようとしている方は、陸路でシンガポールやクアラルンプールに向かい、そこで購入しなければならなくなることも覚悟してください。