2019年12月7日土曜日

「日本から3Gケータイがなくなる」時期確定

携帯電話3位のソフトバンク(旧社名:ソフトバンクモバイル 東京都港区、東証1部上場)は、旧日本ボーダフォン時代から受け継いできた第3世代携帯電話『Softbank3G』『Y!Mobile3G』のサービスを、2024年(令和6年)1月下旬に終了すると発表しました。先に発表されたau(KDDI:東京都千代田区、東証1部上場)は2022年(令和4年)3月、NTT docomo(東京都千代田区、東証1部上場)は2026年(令和8年)3月で終了するため、ソフトバンクはその間を取った形。これにより、docomoのサービスが終了する2026年をもって、日本から3G携帯電話サービスが完全に無くなることが確定しました。

ソフトバンクの3Gは、旧日本ボーダフォン時代の2002年(平成14年)12月、『Vodafone Global Standard(ボーダフォングローバルスタンダード)』の名前で正式サービスインしました。世界初の本格的な3GサービスだったdocomoのFOMAに遅れること1年余りの時間が過ぎてのことでした。しかし当初は旧デジタルホングループ以来の2G(社内通称「6-2」:PDC1.5GHz)がまだ全盛だったこともあり普及が進まず、2Gユーザー向けの海外ローミング専用機としてGSMケータイ(V66:モトローラ)が売られたりもしました。

本格的に普及が始まるのは、日本ボーダフォンがソフトバンク(現・ソフトバンクグループ:東京都港区、東証1部上場)に買収された2006年以降で、ソフトバンクは2Gでの新規契約やMNP転入をいち早く締め切ったり、2008年には日本初となるiPhone3G(アップル)の取り扱いを始めるなどしてユーザーの移行を進め、2010年(平成22年)3月31日、国内大手3社の中で最初に2Gの電波を停波しました。

その後、ソフトバンクはiPhone5が発売された2012年(平成24年)に現在主流の4G LTEをサービスインさせますが、3Gも既存のガラケーやパケットデータ伝送、海外端末のローミングインなど一定の需要が残りました。さらに同じソフトバンクの格安サービスであるY!Mobileのインフラとしても使われ、Y!Mobileに引き継がれたPHSのウイルコムからユーザーを移行させるため、3GとPHSの両方が使える端末も販売されました(前記事「Y!Mobileの『3年縛りにやられた!1年残して解約」参照)

ソフトバンクはPDCに続き、3Gでもいち早く終息への道筋を付けたかったようですが、PDC終了後ゾンビの如くグループ内に「復活」した2G、PHSの個人向けサービス完全終息が2020年(令和2年)にずれ込み、その分Softbank 3Gの終息も遅れることになりました。3Gまで他の2社と方式が異なっていたauがいち早く終了を決め、docomoも2026年の終息を発表しますが、ソフトバンクは両社の発表が揃った後も決断を下すことができませんでした。今回ようやく、auとdocomoの間を取った2024年の終了を決定。これにより個人向けPHSの終了から4年、テレメトリング向けも含めたPHSの完全終息後1年の猶予期間で3Gを終了させることが確定し、ソフトバンクはauに遅れること2年で、PHSも含めた旧方式の呪縛からようやく解放され、4G LTEや5Gに資源を集中できることになります。

《お手元の端末は?》
2012年以前に発売された3Gのみに対応するガラケーについては、12月1日に会社側でサーバ証明書の切り替えが行われた際に音声通話とSMS以外のサービスが利用できなくなっていますので、インターネット接続を利用したいユーザーは、至急買い替えが必要です。

iPhoneシリーズは4G LTEをデフォルト通信としながら3Gにも対応してきましたが、auでは『iPhone8』『iPhoneX』から、日本国内の音声通信にはVoLTEのみを使用するように、au ICカード(SIMカード)の技術仕様を変更しました(前記事「au版iPhone8以降は日本国内4G専用」参照)。ソフトバンクもauと同様、音声通話のVoLTEへの完全移行は3G終了後となるため、音声通話に3G網を使用するiPhone5S以前の機種は2024年の3G終了まで携帯網で使えますが、なるべく早期の機種変更をお勧めします。