日本航空(JL=JAL)のクレジットカード子会社・JALカード(東京都品川区)は、2010年に親会社の日本航空が破綻するまでは独自のカード会社として、自社グループ内でしか使えない『ハウスカード』と呼ばれるクレジットカードを発行していました。今もその時の名残があり、万が一の時には提携クレジットカード会社の与信枠と別に、JALグループの航空券を買うための特別の与信枠が発動できます。
JALカードは、2010年以前は1枚のカードに2つの与信枠が付く『スイッチカード』というものでした。日本航空の航空券や、JALパック(旧JALPAK)を購入する場合は、JALカード社が独自に設定した与信枠で、それ以外の街中やネットショッピング、海外などで使う場合は提携カード会社(三菱UFJニコス、JCB、シティコープダイナース=現・トラストクラブ、ビューカード)の与信枠に基づいていました。
JAL破綻に合わせて整理が行われ、JAL航空券やJALパックも原則として提携カード会社の与信枠で購入するように改められましたが、現在でも海外でスキミング被害に遭った後に緊急帰国するとか、ファーストクラス・ビジネスクラス普通運賃を購入せざるを得ない場合など、与信枠いっぱいまで使われているにも関わらずどうしても航空券を購入したいという非常事態の時に、JALカード社が独自与信を発動できる余地を残しています。
具体的には、DC VISA・DC Master(この2つはTOKYU POINT ClubQも含む)・JCB・OPクレジットの会員が、JAL国際線航空券を購入する場合に限り、提携カード会社の与信枠が一杯でも最大200万円まで、JALカード社が別枠で与信を行える仕組みになっています。ただし、あくまでも提携カード会社の与信枠が先に使われ、かつ提携与信枠を超える分については1回払いが原則。特にJCB・OPクレジットについては『支払い名人』(自動リボ)が設定されている場合、ショッピングリボ可能枠の範囲内でしか利用できません。