2018年7月4日水曜日

Suicaで岡山と広島の路面電車・バスに乗れる

交通系ICカードの全国相互利用サービスが浸透する中、同一規格を採用する地方の交通系カードシステムの中には、全国相互利用できるカードを「片乗り入れ」の形で受け入れる例も増えてきています。

両備ホールディングス(両備バス:岡山市北区)とPASPY運営協議会(幹事社:広島電鉄=広島市中区、東証2部上場)は、昨年10月から今年にかけて、それぞれの地元県内のバスや路面電車に使えるICカードのシステムで、全国相互利用が可能なカードを受け入れられるようにする改修を行いました。

両備ホールディングスは2006年にグループの岡山電気軌道(岡山市中区)が中心になってFelica互換システム『Hareca』(ハレカ)を導入。その際にスルッとKANSAI協議会(大阪市中央区)に加盟したため、これまでもPiTaPaとICOCAは片乗り入れ利用できていました。

広島地区では、2008年1月に『PASPY』(パスピー)の名前で運用開始後、同年3月からICOCAの受け入れを開始しましたが、スルッとKANSAIとは距離を置いたため、PiTaPaはICOCA互換のプリペイド部分も含めこれまでは利用できませんでした。

その後、JR山陽新幹線で交通系ICカードを自動改札機通過に利用する『スマートEX』の制度が始まり、PiTaPaやSuica(JR東日本)など全国相互利用可能なカードを持って中国地方を訪れる人が増えたことに伴い、両地区ともに改修が行われてICOCA以外の全国相互利用可能なカードを受け入れられるようになりました。岡山地区では2017年10月1日から、広島地区は2018年3月17日から、それぞれ運用がスタートしています。

ただし、両地区ともに地元で発行されているHareca、PASPYカードを他地区で利用することはできません。あくまでもICOCA以外の全国相互利用対応カードを、ICOCA互換として使えるというだけのものです。このため、PiTaPaを利用した場合は両地区で対応が異なり、岡山地区はポストペイド枠、広島地区はプリペイド部分からそれぞれ決済されます。また広島地区の場合、ICOCAのIC運賃に相当する『PASPY割引』は適用されず、通常通りの運賃が引き去られます。

なお、岡山地区の宇野バス(岡山市北区)はスルKAN協議会に加盟していないため、Hareca導入事業者ではあるものの全国相互利用対応カードはもちろんICOCA、PiTaPaポストペイの利用もできません。