2018年7月21日土曜日

「2020年までにau3G終了」実現へ

KDDI(au:東京都千代田区、東証1部上場)と沖縄セルラー電話(沖縄県那覇市、JASDAQ上場)は、1999年開始の『cdmaOne』以来20年に渡って続けてきたau 3G(旧1X WIN)回線網への新規契約受付を終了する方針を発表しました。今後は、au 4G LTE(4G)回線網への申し込みに一本化。最速で2020年を目標に3G電波を停波するという中期経営方針の実現に全力を挙げます。

auでは早ければ2020年を目標に3G電波を停波して、4G LTEでNTT docomo(東京都千代田区、東証1部上場)やソフトバンク(東京都港区、東証1部上場)と電波形式を統一したいという経営方針を持っています。au3Gの電波形式として採用されたCDMA20001Xでは、音声通話の安定性が重視されるあまり、音声通話とデータ通信の同時進行(コカレント通信)ができないという重大な欠点があります。au 4G LTEやau VoLTEではこれが解消されることから、一刻でも早く4G LTEに一本化できれば理想だとKDDIでは説明しています。

auでは2012年のiPhone5発売と同時に『au 4G LTE』のサービスを開始し、順次、端末やサービスについて4G LTEへの移行を進めてきました。Androidスマホでは2014年冬モデル以降の全機種が4G LTEでの通信を前提としていて、iPhoneシリーズは4Gをデフォルト通信としながらau 3Gにも対応してきましたが、現行モデルの『iPhone8』『iPhoneX』から、日本国内の音声通信にはau VoLTEのみを使用するように、au ICカード(SIMカード)の技術仕様を変更しました(前記事「au版iPhone8以降は日本国内4G専用」参照)

さらに、3月31日でau 3G回線網にしか対応していない端末での国際ローミング(グローバルパスポートCDMA/GSM)を終了(前記事「auグローバルパスポートも4Gの時代へ」参照)。加えて、auオンラインショップではガラケーもVoLTEをベースにした『4G LTEケータイ』シリーズに全面移行していることから、3Gを申し込めるのはauショップに3G専用端末を持ち込んでの新規契約のみ(プリペイドサービス『ぷりペイド』も同様)となっていました。3G端末の機種変更による回収が進み、中古市場での流通量も減少しているため、新規契約を打ち切っても問題はないと会社側は判断しました。

3Gへの新規契約と、4G LTEからau 3Gへの変更受付は、11月7日(水)のauショップ・Pipit営業終了時間(受付締め切り時間が設定されている場合はその時間)をもって終了とし、翌8日以降は4G LTEの新規契約のみを受け付けます。中古市場に在庫している3Gケータイをauショップに持ち込んで、ぷりペイドの新規契約をするのも同様となります。そこまでに契約をしているユーザーは今後も利用できますが、ぷりペイドの場合、11月8日以降ポストペイ(月払い)の料金プランに変更することができなくなります。