新生銀行(東京都中央区、東証1部上場)は、総合口座『パワーフレックス』ユーザーに対するランク制度『新生ステップアッププログラム』を今年10月から一部見直します。3段階のうち最も低い『新生スタンダード』の利用者はATMから現金を引き出すときに、手数料がかかるようになります。
新生銀行は、2001年(平成13年)のパワーフレックス発売と同時に、ATM手数料の制度を全面的に見直しました。旧日本長期信用銀行の時代には現在の3メガバンクと同様かそれに近い手数料体系で、利用できる場所も限られていましたが、Powerflexではセブン銀行(東京都千代田区、東証1部上場)と提携し、セブン銀行のATMでは土日も含め24時間手数料無料で出入金できるという、当時としては画期的な体系を採用。旧長銀時代には極めて少なかった個人口座数を爆発的に増やしました。
キャッシュレス化対応の実行にあたっては、子会社のアプラス(東京都千代田区)が発行するブランドプリペイドカード『GAICA(ガイカ)』を活用することにします。GAICAは元々海外での利用に特化したカードでしたが、パワーフレックスとの紐付けオプション『Flex機能』があり、これを利用しているユーザーが一定金額のチャージを行えば、新生ステップアッププログラムの2番目のランク『新生ゴールド』に昇格して引き続き、出金手数料が24時間無料になるシステムを検討するとしています。逆に、GAICAを持っていなければ大きな資産を預けていない限り新生スタンダードのままで、10月以降は手数料がかかるという訳です。
普通預金の残高だけで新生ゴールドに上がるには、100万円以上必要。これはPRESTIA(SMBC信託銀行:東京都港区)の口座維持手数料を要求される基準の2倍にあたり、ちょっと頑張れば達成できないことはないかもしれません。しかし、最上ランクの『新生プラチナ』へは2,000万円以上、投信でも300万円以上の残高を要求されます。少しでも安く上がるには、同じくアプラスが発行している『ラグジュアリーカードMasterCard Titanium』の引き落とし口座を新生銀行にするという手がありますが、年会費54,000円(消費税込み)がかかる上、他社のプラチナカードに相当する厳しい審査があるため新卒後数年程度の方が入会するのは難しいとみられます。