日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)とタイ国際航空(TG=THA チャトチャック区、SET上場)は、1988年(昭和63年)から続けてきた日泰間路線でのコードシェア提携を、今夏ダイヤ限りで打ち切ると発表しました。バンコク以遠のTG運航便で行っていたコードシェアも、既に同じワンワールドメンバーズのスリランカ航空(UL=ALK、コロンボ)とバンコクエアウェイズ(PG=BKP チャトチャック区、SET上場)に切り替えられており、今回の解消で両社間の関係は顧客ベースでは完全に切れることになります。
しかし、THAIは1997年(平成9年)にスターアライアンスの結成に参加します。そのスターアライアンスにANA(NH、東京都港区)が参加すると、スターアライアンスを通じたANAとの関係構築にあたって、これまで築いてきたJALとの関係が一転、制約に変わります。
THAIは2004年(平成16年)、JALとの同一便名による共同運航を終了して、THAI運航便にJALが4桁便名でコードシェアし、使える券種は普通運賃か正規割引(PEX)、つまりJALが直接乗客に販売した券種に限るとするルール変更をしました。他の航空会社が行っている、一般的なコードシェアのルールに合わせた訳です。しかし、JALがコードシェアしているTHAI便にANAがコードシェアできない規定はそのまま残ったため、ANAは関空~バンコク(スワンナプーム)線で時間帯的にドル箱のTG623/622便にコードシェアすることができず、中部セントレア~スワンナプーム線も日航破綻でJAL便が一時廃止されたにもかかわらず、ANAは新規にコードシェアできる便がない事態に陥りました。
THAIではJALに関係見直しを申し入れ、JALもコードシェアパートナーをバンコクエアウェイズに順次切り替えることにしたものの、成田線のJL運航便までPGへの移行が進んだところでタイ運輸省に対する国際民間航空機関(ICAO)のSSC発行があり、コードシェアも含めて新規路線設定や増便ができなくなったため、以後は延期されていました。そして今年10月、SSCが解除される見通しが立ったことを受けてTHAIは改めてJALに関係の見直しを要請して受け入れられ、コードシェアの完全終了が決まりました。