JR東日本(東京都渋谷区、東証1部上場)は、外国人向け企画乗車券『JAPAN RAIL PASS(ジャパンレールパス)』で特例として認めてきた在外邦人への販売を、2017年3月31日(金)限りで終了し、販売された引換券による邦人客の利用も6月30日(金)までとすると発表しました。
・有効な長期ビザで10年以上継続して日本国の存する領土外に居住
・日本以外の国の永住権(アメリカのグリーンカード、タイのフルイミグラントIビザなど)を取得
・配偶者が外国人で配偶者の出生国または日本以外の第三国に居住
・日本以外の国で生まれた日本との重国籍者
が条件とされていました。このうち、「長期ビザで10年以上日本国外に居住」の資格は国鉄民営化後17年を経た2004年(平成16年)3月31日引換券発売分限りで廃止されましたが、「永住権取得」と「外国人の配偶者」の両資格はその後も特例として維持されてきました。2012年(平成24年)に、
・二重国籍を持つ在外邦人は日本パスポートで入国した場合利用を認めない
という規定が追加されたものの、永住権と配偶者の両規定はそのまま残りました。
ところが、ジャパンレールパスはJRグループ6社のほぼ全路線が利用できて一部在外邦人も購入できるのに対し、JR各社ごとに販売されている『JR East Pass』(JR東日本)『JR West Rail Pass』(JR西日本)は購入資格が
・「短期滞在資格」(他国のビザなし入国または観光ビザに相当)で入国する外国人
に限られているため、商品性の整合が取れないと判断。6社で協議した結果、17年4月から国内主要駅での「飛び込み販売」を開始するのと同時に、これら各社ごとの商品との発売資格の摺り合わせを行うことになりました。
在外の二重国籍者であっても、日本への入国時に日本パスポートを使って「帰国」のスタンプを受けると利用資格に当てはまらなくなってしまいます。そうなると、今後どうしてもジャパンレールパスを使うには外国パスポートを使って「上陸許可」のシールを受ける(その際に事前のビザ取得が必要であれば当然取得した上で)か、日本以外の国に帰化して日本国籍・パスポートを放棄しなければダメということになります。
なお、「特別永住者」資格で日本に居住している在日韓国・朝鮮人は元々ジャパンレールパスの利用が不可能で、極右ヘイト勢力による「在日特権」との批判は当たりません。