2016年8月6日土曜日

シティバンク改め『PRESTIA』のクレジットカード保有者は要注意

シティバンク銀行(東京都品川区、全国銀行協会加盟)は、100年以上にわたって続けてきた日本での個人向け業務から撤退することになり、三井住友銀行(東京都千代田区、全国銀行協会加盟)の完全子会社、SMBC信託銀行(東京都港区、全銀協加盟)が引き受け先となりました。SMBC信託では『PRESTIA』(プレスティア)のブランド名でシティバンク銀行の個人口座とほとんどの支店窓口を引き継いでいますが、この口座に過去、シティグループ時代に発行されたクレジットカードをセットされていた方は要注意です。

従来、シティバンク銀行が子会社のシティカードジャパン(東京都中央区)を通じて発行していたクレジットカード事業は、SMBC信託の属する三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)ではなく、三井住友信託銀行(東京都千代田区、信託協会加盟)が属する三井住友トラスト・ホールディングス(SMTH:東京都千代田区、東証1部上場)に引き継がれました。

SMTHの下には、SMFG傘下の三井住友カード(東京都港区)と同じVJAグループに属する『三井住友トラスト・カード』(東京都港区)がありますが、旧シティカードジャパンは社名を『三井住友トラストクラブ』に変更しただけで、トラスト・カードとは別の会社として存続します。これは、旧シティカードジャパンが『日本ダイナースクラブ』『シティコープダイナースクラブジャパン』の時代から、日本におけるダイナースクラブカードの発行と与信、加盟店業務を一手に引き受けていたためです。

旧シティカードジャパンが発行していたカードのうち、VISA・MasterCardについては『SuMi TRUST CLUB(スミトラストクラブ。SuMiはSumitomo Mitsuiの略)』にブランド名を変更。ダイナースクラブはそのまま、トラストクラブ社が引き継ぎました。旧シティバンク銀行の口座利用者に対しては、『SMBC信託銀行』クレジットカードに差し替えられましたが、SMBC信託と、トラストクラブがそれぞれ別の銀行グループに属することになった(SMFGとSMTHの間に資本・人的関係はありません)ため、カード自体は今後も使えるものの、提携特典は終了することになりました。

『SMBC信託クレジットカード』(旧シティカードの券面も含む)は、9月以降の更新時期に『SuMi TRUST CLUBカード』に差し替えられます。三井住友カードやトラスト・カードへの移籍は起こらず、2月から発行を始めた『PRESTIA Visa CARD』(三井住友カード発行)への切り替えもありません。しかし、シティバンク銀行時代から行われてきた口座維持手数料無料などの取引特典は、7月31日(日)締め分をもって終了となります。

また、シティバンク銀行時代に発行されていた、米ドル建て外貨普通預金から直接引き落とす『ドルカード』については、2017年2月28日(火)日本時間24時限りでカード自体が終了となり、使えなくなってしまいます。アメリカやカンボジアといったUSドル経済圏への駐在・留学・旅行などでドルカードを使われている方は、終了までにPRESTIAの口座で引き落とし可能な円建てクレジットカードを確保する必要があります。

『PRESTIA Visa CARD』はゴールド以上しかないため、もし一般カード希望であれば特典がなくなるものの三井住友VISAカードやセディナカード(JR東海エクスプレスカード含む)の発行を考えなければなりません。