2016年6月6日月曜日

NON-Bビザは国外取得が必須に!

(この項、福岡和章さん/クロントイ区 からの投稿です)
僕が経営しているバンコク予約ドットコムに、毎日たくさんのお問い合わせを頂戴し誠にありがとうございます。先日も、タイ長期ビザの取得を依頼されるお客様がいらっしゃいました。

そのお客様はノンイミグラントBビザの取得を希望されていたのですが、正規観光ビザ(TR)で既に入国済みで、在留資格の切り替えができるかと思い移民庁1管区総合事務所に確認したところ、なんとNOの回答が出てしまいました。

弊社出入りの会計士は、

「2016年に入ってからNON-Bへの在留資格変更が難しくなっている」

と私に報告。移民庁へ改めて確認させたところ

「ビザなし・正規観光ビザからNON-Bへの在留資格切り替えは5月8日(月)以降不可能になる。心付けを仕込んでもダメで贈賄罪に問われる可能性がある。ビザ既得者の延長は最寄りの総合事務所ないしは現地事務所で従来通り行えるが、新規取得希望者についてはタイ国外の大使館で当初90日有効のNON-Bビザを取得していただく。ただし、BOI(政策投資委員会)恩典対象企業についてはOSOS(ワンスタートワンストップビザセンター:パトゥムワン区)の判断による」

とのこと。このお客様は、恩典企業関係者ではなかったため、書類を揃えて在ホーチミンシティタイ総領事部(ベトナム)に行っていただくことになりました。

会計士からは他にも、ワークパーミットやNON-Bビザの管理が徹底していない企業様が多く見受けられると報告を受けています。大企業・BOI企業ならまだしも自己管理されている中小・零細企業の方はくれぐれもお気を付けいただくと共に、何かありましたらどうぞお早めにご相談・ご依頼をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

(董事会から)
プラユット軍政当局下での長期滞在外国人に対する締め付けが、ついにここまで来てしまいましたか。

リタイヤメントビザ(O-A)は比較的スムーズに発給されているようですが、昨年から導入された6ヶ月マルチ観光ビザ(TR-M)は金融資産などの要件が厳しく、かつ第三国での取得が事実上できないので発給開始後半年以上経過した5月末の時点でも、実際に取ったという方にはお会いしていません。留学ビザ(NON-ED)は90日ごとの延長が必要でその際にテストもあると聞いています。

既に現地採用で働いている方の中にも、一時帰国して在東京タイ大使館(東京都品川区)でNON-Bビザを取り直した方がいらっしゃるとも伺っています。Bビザ持ちでこうですから、観光ビザやビザなしでの長期滞在をもくろむ方は尚更厳しい状況になっているのは目に見えています。

6月5日付けの読売新聞朝刊では、1面大型オピニオン『地球を読む』に登場した白石隆・政策研究大学院大学学長(専門は東南アジア地域研究)が

「ASEAN共同体(AEC)内の『人』の移動自由化はほとんど進んでいない」

と書いています。確かに、ASEAN加盟国の国民に対しては15ないし30日程度のビザなし渡航が相互に認められる(ミャンマーと一部の国の間を除く)など徐々に進化してはいるものの、タイやインドネシア、カンボジアではIDカードがあってもパスポートを持っていない国民がかなりいます。ミャンマーでは渡航先がタイに限られる『テンポラリーパスポート』が相当数出回っています。そして欧米や日本など域外国から来る外国人に対してはタイとカンボジアの間を1枚のビザで訪問できる『ACMECSビザ』があるくらいで、ほとんど政策らしい政策が目に見えてきません。適切な長期在留資格が取れそうもないためにタイを離れていかざるを得ない外国人も多く、旅行者のハブとしての地位が落ち、就労外国人も減って政府の税収減につながると言う悪循環にタイが陥らないか、心配になってきます。