その一方で、経営陣はこの手の店には当たり前とも言える公安や行政・司法関係者へのワイロを連発しやりたい放題にやっていた一面もありました。今回、押収された会計帳簿には、所轄のホイクワン警察署(ディンデン区)だけでなく、首都圏警察本部や移民庁北部出稼ぎ労働者ビザセンター(ワントンラン区)、首都圏政庁(プラナコン区)の中位クラスの人物にも金が渡っていたとされる記録が残っているといわれています。
「サイドラインの隅っこの照明が当たりにくい部分にそのような姫を集中させていた、マニアには仕草や見た目ですぐわかる」
と投稿サイトに書き込まれていました。
これに対し、欧米系NGOから指摘を受けた首相府が内務省地方行政局(プラナコン区)に指示して調査を行った結果、容疑が固まったとして強制捜査に踏み切ったと発表されています。今回の立ち入りではホイクワン警察署関係者は外され、首都圏警察本部と国家警察(パトゥムワン区)の最高幹部クラス、陸軍司令部(ラクシー区)の上官らが参加していたとタイ国内メディアでは報道されていますが、実際はUDD軍(タクシン・チナワット元首相派)の資金源を潰すためにプラユット・チャンオチャ首相率いる暫定軍政当局が仕掛けた政略ではないかという見方もなされています。
しかし、姫の大半がタイ人ではなかったということに加え、仕切られた子供部屋ならまだしも隅っことはいえサイドラインに未成年の姫を出させていたという事実が明らかになったことで、数ヶ月ないし数年後にほとぼりが冷めたとしてもナタリーの営業再開は不可能ではないかとする見方が早くもなされています。東京で発行されている雑誌『アジアン王国』(ミリオン出版)のブルーレット奥岳編集長はFacebookを更新し
「(ナタリーは)警察関係者とズブズブな関係だったのでこれまでであれば絶対摘発されるような事はなかった。警察に守られているって事で未成年も働かせるわ、外国人女性もバンバン入れるわ(逮捕された泡姫の90%が外国人だったそうです)、もーやりたい放題だったワケです。軍(関係者)経営の店は兎も角それ以外がバックの店は今回の摘発劇を見て戦々恐々としているのではないでしょうか。タイのナイトスポットがこうした摘発をキッカケに萎縮しないか凄く心配ですね」
と論評しています。
《6月16日追加》

(画像2:ナタリーの隣店『メルシー』は平常通り営業中)