2016年1月18日月曜日

東京堂書店本店、30年の歴史に幕

タイ東京堂書店(ワッタナ区)は、1985年以来30年にわたって営業を続けてきた本店(スクンビット33/1)を1月4日(月)限りで閉店としました。今後は、エンポリアム店(クロントイ区)が事実上の本店となり、ゲートウェイエカマイ(クロントイ区)、シーコンスクエア(プラウェート区)と合わせた3店舗体制で、生き残りを目指します。

東京堂書店本店は、スクンビット33/1にUFMフジスーパー1号店が進出した1985年(昭和60年)にオープンし、当時はバンコク市内でも貴重な日本語専門の新刊書店として知名度を獲得。最盛期には8店舗を抱えたチェーンの旗艦として、駐在員家族を中心に支持されてきました。

しかし、2000年代後半になって店を取り巻く状況が変化します。日本から輸入した新刊書は国内定価の1.5倍以上で売らないと採算が取れない高コスト体質のために、BTSプロンポン駅周辺に増えた日本語古書店を利用する人が増加。東京堂でなければ入手できなかった定期購読の雑誌も、どうしても発売日に買わないといけないという心理が根強い週刊ジャンプや少年マガジンなどの漫画専門誌を除けば、古書店でもそれなりの値段とスピードで買えるようになりました。加えて、電子書籍の本格的な普及に伴う印刷物発行の減少、海外印刷されていた新聞の電子版移行などで従来型書店を介さない販売形態も広がりを見せています。

そして、昨年3月に開店した紀伊國屋書店エムクオーティア店が日本語書籍の取り扱いを開始したことを受け、東京堂は本店とエンポリアム店を統合、その際知名度のある大型デパート内のエンポリアム店を残すことに決めました。