BTSグループホールディングス(チャトチャック区、SET上場)は、ICカード『ラビットカード』(プリペイドタイプのみ)と2012年5月まで販売されていた旧規格の『スカイスマートパス』で行っている運賃割引のプロモーションを年内いっぱいで終了すると発表しました。
BTSでは、2007年に第1世代のICカードとして『Smartpass』(スマートパス)が導入され、2012年、電子マネーとしても使える第2世代品のラビットカードに切り替わりました。スマートパスの時代から、ICカード利用者に対しては乗車料金の値引きが行われており、日本のJRや大手民鉄で導入されている『IC運賃』に関しては、先を行っていました。現在は、全区間で通常運賃から一律1Bt.の値引きとなっています。
しかし、ここへ来てIC運賃の廃止を決めたのはなぜか。最大の理由は、ICカードの普及が一巡したという会社側の判断ではないかと見られています。スカイスマートパスの導入から8年、ラビットカードへの切り替えからも3年が経過しており、確かに期間だけ見れば普及が一巡したと見られてもおかしくはありません。モーチット(チャトチャック区)、戦勝記念塔(ラチャテーウィ区)、サイアム(パトゥムワン区)、アソーク(ワッタナ区)といった主要駅では、ラビットカードを持っていない利用者が両替を求めて長蛇の列をなす時間帯があり、また早朝・深夜にはカードを持っていないと利用できない時間帯もあり、短期の旅行者でも購入が事実上必須になりつつあります。
ですが、ラビットカード(プリペイドタイプ)やスカイスマートパスを利用するのは回数券タイプに比べて利用頻度の低い人で、そのような客層に割引を提供するよりかは、回数券タイプの利用者に大きな割引を提供したほうが利用を続ける、つまりは長く収益に貢献してくれる乗客を増やしたい。これが真の狙いではないのかというのが弊紙Traveler's Supportasiaの見方です。