2015年8月22日土曜日

旅するネットジャンキーはAVGを使うな!!

インターネットへの接続環境は国によって異なり、特定のサイトへのアクセスが規制されていたり、接続そのものができなくなっていることがあります。このような規制を回避するには、プロキシサーバやVPNといった高度な技術を使いますが、一部ソフト同士の相性が悪い例があります。


アンチウイルスソフトの『AVG』は、付属しているファイアウォールプログラムがVPNや接続匿名化技術『Tor(トーア)』の要求を跳ね返してしまいます。

董事長ふくちゃんが手持ちの環境(Windows7 Professional、Windows10 Pro)で実験したところ、弊誌でも過去にご紹介した『SoftEther VPN Client』『VPNGate Client』をインストールする際、インストール先のパソコンにAVGが既に入っていると、SoftEtherがVPNサーバに対して出すDHCP取得の要求がAVGによって拒否され、タイムアウトします。VPNサーバは接続を求めてきたクライアントに対してDHCPのアドレスを割り当てて通信できるようにしますので、取得できなければVPN通信にはならず、VPNを必要とする環境にはつながりません。

(画像:ポイントサイト大手『ポイントインカム』は国外からのアクセスを認めていない)

同様に、AVGが入っているパソコンに『Tor Browser』をインストールすると、インストール自体は完了するものの、Torのサーバに接続することができず、初期設定を行うことすらできません。どちらのソフトも、AVGの公式サイトで配布されている『AVG Remover(リムーバー)というツールを使って完全にアンインストールすると、すべての機能が正常に動作します。

従って、2015年8月の時点でVPN通信を行うネットユーザーは手持ちのパソコンにAVGをインストールしてはいけないということになります。

この2種類のソフトが入っている環境に、同種の他社製セキュリティソフト『Avast!Internet Security』『ESET Smart Security』をインストールして通信実験を行ったところ、どちらのソフトも信号を透過しました。この障害が、AVGに特有のものであることが証明された訳です。

東京・秋葉原などで売られているWindowsタブレットにVPNGateをインストールして中国やミャンマーへ行かれるビジネス関係の方。AVGだけは、絶対に使わないでください。