2015年7月22日水曜日

ユナイテッド航空がケアンズ撤退!世界一周旅行に影響か

ユナイテッド航空(UA=UAL アメリカ・シカゴ、NASDAQ上場)は、旧コンチネンタルミクロネシア航空(CS=CMI)から引き継いで運航していたグアム~ケアンズ(オーストラリア)線を9月限りで運休、撤退すると発表しました。

《グアム発9月29日、ケアンズ発9月30日の運航を持って取りやめ》
UA094 GUM1855~CNS2340 火・土曜運航
UA095 CNS0035~GUM0525 水・日曜運航

(機材はB737NG ユナイテッドビジネス=ビジネスクラス12席、ユナイテッドエコノミー=エコノミークラス112席)
この路線は、世界一周航空券やマイレージ特典でオーストラリア大陸を目指そうとする航空マニア、バックパッカーには貴重な路線でした。オーストラリア国籍の航空会社はカンタス航空(QF=QFA)がワンワールドの結成メンバーとなっていますが、スターアライアンスはアンセットオーストラリア(AN=AAA)の倒産以来加盟社が現れず、スカイチームに至っては発足以来一度も加盟交渉が行われたことがなく全くの無縁です。

コンチネンタルミクロネシアが親会社の旧コンチネンタル航空(CO=COA)と共にスカイチームに加盟していた2009年10月以前は、スカイチーム世界一周航空券で日本からオーストラリアへアクセスするには、この路線以外には大韓航空(KE=KAL)の仁川発着路線しか選択肢がありませんでした。ユナイテッド航空との経営統合を前提にスターアライアンスへ移籍した後は、マイレージプラスのUA自社便特典航空券で日本とケアンズの間を往復25,000マイルで飛べるという点が注目されました。有償航空券は、ジェットスター(JQ=JSA)が登場するまでは日本とオーストラリアを結ぶ最も安いルートとなった時期が長く、その後も自社マイレージプログラム『マイレージプラス』の上級会員など、熱い支持者がいました。

しかし、日本とケアンズを結ぶ直行便はジェットスターの独壇場。ユナイテッドは経由便で不利な立場にもかかわらず、昨年2月のマイレージプラスのルール改正で特典航空券取得に必要なマイルを引き上げ、特典で搭乗する日本人が激減してしまいます。週4便から季節によってはデイリーまで増便されていたグアム~ケアンズ線はこの夏スケジュールでは週2便まで減らされました。

一方で、ユナイテッドは長距離用機材としてB789を発注し、アメリカ本土とオーストラリア大陸の間に直行便を出せるようになったため、グアムや東アジア乗り継ぎのオーストラリア便は意味が薄れるようになりました。そこへ、ANA(NH、東京都港区)が今年12月から羽田~シドニー直行便を運航すると発表。航空券の販売を開始したことで、この路線の運命は決しました。

9月30日(水)以降、スターアライアンスメンバーズでケアンズへアクセスするには、ニュージーランド航空(NZ=ANZ)でオークランド乗り継ぎ以外に選択肢がなくなります