2015年2月14日土曜日

ベトナム入管法改正後の対応で説明会開催!

在ハノイ日本大使館(ベトナム)領事部は4日、1月1日付で施行された改正入管法に関する説明会を行いました。

今回の改正では、ベトナムへのビザなし入国(15日間)を繰り返す外国人に対する規制が強化されていますが、これについて公安省入管総局の担当者から新たな事実の説明がありました。

これまでは、日本・韓国・ロシアとスカンジナビア3国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー)、フィンランドの7カ国の国籍者に対して15日間のビザなし渡航が無制限に認められてきました。改正入管法では、これら7カ国の国籍者であっても、ビザなしで入国した日から30日以内に再度ベトナムに入国する場合は事前にビザの用意が必要となるというのが、昨年12月に発表された改正の骨子でした(前記事「ベトナム1月1日法改正!ビザラン対策に本腰か?」参照)

日系企業では香港やタイ、シンガポールなどに東南アジアの統括拠点を置いていて、その駐在員を頻繁にベトナムへ出張させるというケースがあります。そのような企業では商用マルチビザを事前に準備するのが筋だったにもかかわらず、ベトナムのビザなし入国は短期商用でも対象になるという制度のため、事前にビザを取らないで活動する人もいました。ハノイ・ホーチミンシティの両日本商工会からは、それらビザなし出張者の扱いがどうなるのかという質問が出ました。これに対して公安省の担当者は

「一度ビザなしで入国し、出国後30日以内に再入国する場合はビザが要る。ただし、前回の入国時にビザを取得して入国した場合は、出国後30日以内であっても次回はビザなしで入国できる

と述べました。つまり、

空路ベトナムに到着しビザなしで入国(15日)
→出国し隣国または日本のベトナム大使館・総領事部でビザを取得
→そのビザで再度入国(30日)
→ビザの期限内に出国すれば前回ビザなしでの出国から30日以内でも再度ビザなし入国OK

というルーチンになる訳です。

また、ビザなしでの出国後30日以内に空路で再入国しなければならない場合、どうしても外国の大使館や総領事部でビザを用意できなかった人に対しては担当官の判断で例外的にビザオンアライバルを認めるという対応がなされているとも説明されました。

しかし、空路というのは毎日多数の国際線が発着するハノイ・ノイバイ空港やホーチミンシティ・タンソニャット空港を指すとみられ、国際線便の発着が少ないカムランやダナンといった地方空港、ないしはラオカイ検問所(ラオカイ市)をはじめとする陸路国境でもこれらの措置が同じように行われているかという点については説明会では明らかにされておらず、現地でも確認されていません。

前記事でも述べたように、日本人の場合は中国へのビザなし渡航も認められているため、ラオカイ検問所と中国側の河口海関(雲南省河口瑶族自治県)を往復して中越両国を股にかけていた好事家が多数います。このため、例えばバンコク発券のベトナム航空(VN=HVN)利用で復路ハノイにストップオーバーし、その間に河口へ行って戻るという旅行プランでは、復路のラオカイ検問所がビザオンアライバルに応じない限り、省都の昆明市や隣の広西チワン族自治区の区都南寧市にあるベトナム総領事部まで出向いてビザを取るか、事前に日本で用意してくる必要があります。最悪の場合、航空券の最後のハノイ→バンコク間を捨てて、タイエアアジア(FD=AIQ)の昆明発バンコク(ドンムアン)行き定期便か、昆明発ビエンチャン(ラオス)行きの寝台バスに乗らなければなりません。

なおどうしても河口へ行って航空券を捨てたくない場合、全区間LCC利用のプランも考えられなくはありません。ベトジェットエア(VJ=VJC)は昨年7月、ハノイ~仁川線に就航しており(前記事「ベトジェットも北東アジアを攻める」参照)、仁川から先日本へ向かうLCCもイースター航空(ZE=ESR)やPeach(MM=APJ、大阪府泉佐野市)など多数あります。