2014年7月11日金曜日

ビザラン全面規制まであと1カ月!

タイ政府は、8月13日(水)からビザなしで入国した外国人が出入国を繰り返して長期滞在する『ビザラン』といわれる行為を全面的に禁止する意向です。規制の完全実施まであと1カ月。タイへの入国審査は厳しくなる一方で、在留継続を諦めた外こもりすとが続々とタイを後にしていると伝えられています。

(画像:外務省から出されたビザラン行為の禁止に関する通達)

ビザなし渡航の場合、通常であれば15日ないしは30日の在留許可が下りるはずですが、6月16日からは、入国審査の際過去にビザラン行為を行ったと担当官が判断した場合、1回につき7日間しか在留が認められないケースがあるとの報告が寄せられました。規制が厳格に行われるならば、8月13日以降そのような外国人は入国拒否となるため、在留許可期間を短くして手間を増やさせ、期限までに本帰国や第三国への移動、あるいは長期ビザ取得などの手を打つように警告を促す意図があるとみられています。

ただし、わずか7日間のビザなしではこの間にタイ国内で長期ビザに切り替えることは現実的に不可能です。また、ビザラン経験者であることを示す警告スタンプがある場合、在外の大使館や総領事部で正規観光ビザを取得できる可能性も低くなるとみられ、パスポートの切り替えに追われる人すら出ています。

語学留学を理由にノンイミグラントEDビザを取得しようにも、移民庁1管区総合事務所(ラクシー区)で面接の際にタイ語の小テストを課される場合があるなど、審査が厳しくなっています。

欧米系の掲示板では、ダブルエントリービザの入国回数が残っていても、長期滞在目的だと係官に判断されて2回目の入国を拒否された上、ビザも無効になったという報告があるといいます。

プーケット島やサムイ島など南部の島に在留している欧米からの外こもりすとは、10年程前であれば在ジョージタウンタイ総領事部(マレーシア・ペナン州)で『トリプルエントリー』と呼ばれる6カ月間に3回の出入国ができる正規観光ビザを取るのが当たり前でした。このビザが2006年9月に発給されなくなると、今度は在ビエンチャン大使館(ラオス)まで足を延ばしてダブルエントリービザを取っていました。ダブルエントリービザは有効期間3カ月でこの間に60日の在留許可と延長30日を2回取ることができますが、1回目の在留期間が終了する前後に国境検問所へ赴いて出入国をしなければなりません。南部では多くがサパンプラ港(ラノーン市)かダンノックチャンルン検問所(ソンクラー県サダオ郡)でビザランするといいますが、担当官によってはビザの内容と過去の在留歴を厳しく審査し出したとか。

ダンノックチャンルン検問所では、マレーシアやシンガポールから週末の娯楽や風俗目当てでビザなし入国する人が多いのですが、彼らは1泊2日や長くても2泊3日まででタイを出国していきます。そこに混じって行けば外こもりすとが1人くらいいても担当官はそんなに厳しく見ないだろうという算段なんでしょうけど、今回ばかりはその手も通用しないようです。ビザなしでオーバーステイの経験があるとなれば、さらに大変。一度バスでクアラルンプールまで行き、AirAsia(AK=AXM)、タイライオンエア(SL=TLM)のタイ南部諸都市行きに搭乗して入国という手も使えなくはないですが、相当の出費と手間がかかります。

残された時間はもう多くはありません。ビザラン行為とみなされて入国を拒否され、部屋の撤収もできずに無一文で本帰国という最悪の事態になっても、すべて自己責任です。先手必勝の気持ちで、早めに手を打ってください。