2014年6月28日土曜日

JR一番の超閑散路線、約1年ぶりに全線復旧

JR西日本米子支社(鳥取県米子市、東証1部上場)は、昨年8月の島根・山口集中豪雨で壊滅的な被害を受けた三江線の江津~浜原間(島根県江津市・川本町・美郷町)を7月19日(土)から11カ月ぶりに運転再開すると発表しました。

三江線は1975年(昭和50年)に江津駅と三次駅(広島県三次市)の間108kmがつながりましたが、三次から先芸備線経由で広島駅まで直通する列車がなく、島根・広島両県を結ぶ陰陽連絡輸送にはほとんど活躍できませんでした。JRになってから広島~江津間に急行『江の川号』が設定されたこともありましたが、浜田自動車道の開通により同じくJR西日本グループの中国JRバス(広島市)が両都市間を2時間半で結ぶ高速バス『いさりび号』を立ち上げて乗客が流れ、数年で廃止に。2000年代に入ってからは2006年にも集中豪雨で土砂崩れが多発し、同じ区間が11カ月にわたって運休する被害を受けました。

今回は、2013年8月24日~25日の集中豪雨で鉄橋が流出するなどの甚大な被害を受けたところからの復旧。さすがに過去10年間で2度目の致命的被害、しかもJR6社の全174線区を通じて最も利用者が少なく1日5往復しか列車のない超閑散路線に巨額の設備投資をしてまで再開させる意味が株主から問われる可能性もあり、一時は鉄道存続断念、バス転換が本気で俎上に上がりました。

しかし、島根県庁地域振興部交通対策課は県内にあるもう一つの超閑散路線、木次線共々鉄道での存続に執念を燃やします。

「島根県をはじめ関係自治体の皆様のご協力を賜りながら順調に復旧工事を続けてきております。今後新たな災害などの影響を受けなければ、線路設備の安全点検を含め2014年(平成26年)7月18日(金)までに復旧作業を終了し、翌日19日(土)の始発列車より運転再開出来る見込みが立ちました」(JR西日本本社=大阪市 のプレスリリースから引用)

こうして、2000年代に入ってから2度目となる大災害を経験した三江線は、前回と同じく11カ月で全線の運転再開に漕ぎ着け、見事に立ち直りました。

運転再開により、いさりび号と三江線を組み合わせ、広島から島根県中西部への観光ルートを組むことができます。日本の原風景を存分に楽しむ汽車の旅、そして浜田でのバス待ち中には日本海の海の幸をたっぷり味わえます。

広島駅を朝6時58分の芸備線で出発し、三次駅1時間の待ち合わせで三江線に乗り換え。石見川本駅(島根県川本町)で1時間半の休憩をはさんで、江津駅に午後3時前に到着します。江津から山陰本線快速アクアライナーに乗り浜田駅(島根県浜田市)へ。浜田駅前で広島駅行きのいさりび号が待っています。午後5時55分発のいさりび30号は中国JRバス担当で、ジャパンレールパスを持っていれば広島への帰りのバスも無料で乗れるという裏ワザがあり、海外から広島を訪れた旅行者にもおすすめ。青春18きっぷも1回分の消費で元が取れます。