弊誌Traveler's Supportasiaでは、2年半ほど前の記事で日本の大学卒業者に対する奨学金(日本学生支援機構第1種奨学金:旧日本育英会)の返還猶予制度について取り上げました。当時は民主党政権下で、事実上無期限の返還猶予、つまりは出世払いにすることもできなくはないと書きましたが、その後与党に復帰した自民党により改正され、一定の歯止めがかけられました。
返還が完全に免除となるのは、奨学金を借りた本人が返還期間中に死亡するか重度障害で働けなくなった場合、および大学院生が在学中に世界的業績を挙げた場合のみというのは変更ありません。ここでは、申請をすることで一定の期間返還を待ってもらう「返還猶予」に絞って取り上げます。
前記事「海外現地採用者の奨学金が出世払いに」では
「日本学生支援機構と文部科学省、それに与党連合(当時、民主党と旧国民新党)は、理由の3.にある『年収が300万円に満たない』場合の返済猶予期間をこれまでの最大5年から、無期限に延長することで事実上の出世払いを実現する方向で調整を進めてきました」
という記述があります。これは、2012年度の奨学生採用分から導入された『所得連動返還型無利子奨学金』という制度で、親が給与所得者(サラリーマン)の場合は年収300万円以下、自営業者であれば200万円以下の場合に、第一種奨学金の選考と同時に適用可否を機構側で決めて適用されるものです。
それに加えて、既に奨学金を借りて学校を卒業した人に対する措置があります。従来は、毎年1回申請をして、機構側の審査を通過すると最大5年間までの返還猶予が認められてきました。民主党では既卒者に対しても所得連動返還型に近い猶予制度を導入することをもくろんでいたといいますが、2012年12月の総選挙で誕生した第2次安倍内閣の下で見直しが行われ、この4月から実行に移されています。
具体的には、2011年4月以前に奨学生に採用されるか、親の所得が基準を超えるなど所得連動返還型無利子奨学金の適用を受けられない人について、これまで5年間だった猶予期間の上限が2倍の10年間に変更されています。これにより、卒業から相当の年月が経っている海外現地採用者については、出世払いの期間こそ延長されるものの、新卒や現在在学中の世代と違って一定の歯止めが設けられる形となった訳です。
しかし、海外での就活や外こもり活動に打って出る前に、日本で初年度分の返還猶予申請をしておかないと、後からでは大変です。どうしてもわからない場合は、日本学生支援機構市谷事務所の「奨学金返還相談センター」に電話し、指示を仰いでください。
+81-3-6743-6100 (月~金 8:30~20:00)
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「日本学生支援機構と文部科学省、それに与党連合(当時、民主党と旧国民新党)は、理由の3.にある『年収が300万円に満たない』場合の返済猶予期間をこれまでの最大5年から、無期限に延長することで事実上の出世払いを実現する方向で調整を進めてきました」
という記述があります。これは、2012年度の奨学生採用分から導入された『所得連動返還型無利子奨学金』という制度で、親が給与所得者(サラリーマン)の場合は年収300万円以下、自営業者であれば200万円以下の場合に、第一種奨学金の選考と同時に適用可否を機構側で決めて適用されるものです。
それに加えて、既に奨学金を借りて学校を卒業した人に対する措置があります。従来は、毎年1回申請をして、機構側の審査を通過すると最大5年間までの返還猶予が認められてきました。民主党では既卒者に対しても所得連動返還型に近い猶予制度を導入することをもくろんでいたといいますが、2012年12月の総選挙で誕生した第2次安倍内閣の下で見直しが行われ、この4月から実行に移されています。
具体的には、2011年4月以前に奨学生に採用されるか、親の所得が基準を超えるなど所得連動返還型無利子奨学金の適用を受けられない人について、これまで5年間だった猶予期間の上限が2倍の10年間に変更されています。これにより、卒業から相当の年月が経っている海外現地採用者については、出世払いの期間こそ延長されるものの、新卒や現在在学中の世代と違って一定の歯止めが設けられる形となった訳です。
しかし、海外での就活や外こもり活動に打って出る前に、日本で初年度分の返還猶予申請をしておかないと、後からでは大変です。どうしてもわからない場合は、日本学生支援機構市谷事務所の「奨学金返還相談センター」に電話し、指示を仰いでください。
+81-3-6743-6100 (月~金 8:30~20:00)