2013年12月1日日曜日

台風被災の在フィリピン同胞、全員無事確認

外務省領事局政策課と在マニラ日本大使館兼総領事部(フィリピン)は、先の台風30号(カイエン)で甚大な被害を受けたフィリピン中南部のレイテ州、サマール州で在留届を出している日本国籍者133人全員と連絡が付き、無事を確認できたと発表しました。

外務省は、11月8日の台風襲来直後から在留届に記載された電話番号への直電で、安否の確認作業を進めてきました。作業には、2010年3月限りで廃止されるはずだったKDDI(東京都千代田区、東証1部上場)の『国際オペレータ通話』、中でも電話に出るべき人をズバリ指名できる代わりに一番料金の高い『指名通話(パーソナルコール)』が駆使され、最後の1人まで絶対に諦めないという努力がなされてきました(前記事「日本発着の国際オペレータ通話、一転存続」参照)。その結果、被災から3週間で全員に電話がつながるという結果を達成できました。そして、インターネットで在留届を出した在外同胞の安否確認に、国際オペレータ通話が極めて有効であることが証明されました。

インターネット在留届は外務省領事局政策課がすべての国の分を一括で管理しており、大規模な天災や戦乱が起こったとき、その国や地域にいる提出者の安否を確認するため、職員が登録された電話番号に指名通話扱いでかけるといいます。2010年当時、KDDIに廃止を撤回させたのは、原口一博元総務大臣(民主党、衆院比例九州ブロック)。もしKDDIが原口代議士の決断を無視して、国際オペレータ通話を廃止してしまったら、国際ダイヤル通話での確認ではかけても出ない人が出て、安否の確認にこれまで以上の時間がかかることも予想されていました。3年間の民主党政権が残した、後世に誇れる貴重な成果であるといえます。