半島マレーシア最南端、シンガポールと国境を接するジョホール州では、来年1月から政府機関などの休みが変更される予定です。従来は、シンガポール側と同じ土曜と日曜が公休でしたが、来年からは金曜と土曜が公休日。これについて、シンガポールの衛星テレビ『チャンネルニュースアジア』は、シンガポール側に著しく不利に働く可能性があるという、地元経済界の懸念の声を伝えています。
マレーシアでは、イスラム教の戒律が比較的厳しく運用されているいくつかの州で、集団礼拝のある金曜日が公休日に指定されています。タイ総領事部があり外こもりすとにもおなじみのコタバル市を擁するクランタン州や、隣のトレンガヌ州、ケダ州といった半島マレーシア北東部では金曜公休が実施されており、ジョホール州でも1994年までは金曜公休が行われていました。しかし、シンガポールへ働きに行く地元民が多いジョホール州では、経済界からの圧力で大多数の州やシンガポールと同じ土日公休に変更された経緯があります。これを、州のスルタンの決定で20年ぶりに元の金曜公休に戻そうという訳です。
州都ジョホールバルに大使館の出先機関、出張駐在官事務室を持っている日本も影響を受けます。これまでは、在クアラルンプール日本大使館とほぼ同じ休館日が設定されており、これにジョホール州独自の祝日が数日間追加される程度でしたが、同じように金曜日を公休に設定している在ドバイ日本総領事部(アラブ首長国連邦)は
「在外公館の休館日は『行政機関の休日に関する法律』(1988=昭和63年法律第91号)を根拠として設定されています。日本では土曜日及び日曜日に当たる週休日は現地の曜日を採用しています。また祝休日については現地の祝休日を優先的に採用しつつ上記の法律により日本国内で適用される日数 (年により異なりますが2014=平成26年は19日)と同じになるよう調整されています」
と説明しており、金曜休館に変更せざるを得なくなる可能性があります。そうなると、在ジョホールバル出張駐在官事務室はマレーシア国内にある他の日本公館(大使館=KL、ペナン総領事部、コタキナバル出張駐在官事務室)と根本的に違う休日体系になってしまいます。
実際、金曜公休のクランタン州に総領事部を持っているタイの場合、KLの大使館と、コタバルの総領事部で休みが異なり、コタバルでは日曜日に開館している実例があります。今後、外務省や在KL日本大使館などからなされる発表に注意しなければなりません。